ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

まくら・ではなく・落語~小三治

2010-01-11 20:14:05 | 本の少し
ま・く・ら
柳家小三治
講談社文庫・667円
☆☆

小三治師匠の、マクラばかりを集めた本。
でも、これだけでも充分おもしろい。

落語でもそうだが、小三治師匠が、常にご自分だけではなく、
相手の立場で、物事を考えられる人間らしさがあるからである。

最高作は、「駐車場物語」・・・・・
これなんぞは、マクラでありながら、一席の落語。

物語は、賃貸の駐車場に浮浪者が住みつくが、
それを止めさせる手段はいろいろありながら、
なぜか、おどろき、とまどい、いきなりの侵入者の立場で、
自分自身が、納得する理由を探し出す。

落語、本来の、人の優しさ、温かさを感じる、名作である。

「郡山先生」のところでは、
幸せにについて、小三治師匠は次のように述べている。
「じゃ、幸せって、何だっていうとね。
ちょっと幸せ、ちょっとうれしいこと。それが幸せではないかと」
普通は、一日に少し幸せ、うれしいことのかけらを、数珠つなぎして、
それを、大きな幸せになるんだろうなぁ」と・・・・・。

つくづく、このごろ、小さな幸せを、感じるようになりましたが、
この本も、その小さな幸せを感じさせてくれる本でございます。



ま・く・ら (講談社文庫)
柳家 小三治
講談社

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