ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

新作落語・傑作読本

2012-03-29 06:05:13 | 本の少し
新作落語傑作読本(1) (落語ファン倶楽部新書3)
クリエーター情報なし
白夜書房


落語の速記本はあまり読まないのだが、創作落語進んで聴く事もないので図書館で借りて読む。
東西の、創作落語の旗手が織りなす厳選11席。

米朝さんの「一文笛」は別格として、その他を気に入ったのから並べると
立川談笑・・「薄型テレビ算」、春風亭百栄「マザコン調べ」、桂あやめ「義理ギリコミュニケーション」がお気に入り。
「薄型テレビ算」、と「マザコン調べ」は共に、古典の「壺算」、「大工調べ」がベースになっていて、
パロディ部分がでてくると、にんまり。

でも、談笑さんの「買い物」、壺算の数段上手、手持ち10万円で、最後は30万の60型を手に入れる。
一度、田舎の電気屋で試したくなるぐらい鮮やか・・・でも成功して持って帰ると、詐欺罪でおますな。

百栄さんの「マザコン調べ」、息子が振られた彼女に、ママが付き合いを迫るが、NOと拒む女性への、
罵倒の連呼、このたて弁は、聴きごたえ、いや読み応え、充分。
高座で聴いたら、拍手ご喝采のとこですな。

でも、こんな事ないよと思いながら、でも広い世の中、これに近いことはあるんではないかと思わすのが、
落語の良いとこ・・・・どこかで、人の究極の心理に繋がっているからなんでしょうな

あやめさんの「義理ギリコミュニケーション」は、もっと一般的。
これは、大なり小なり、嫁と姑の間では行われていること、男は頼りない、当てにならないならないの一言。


全編とも、人間の性(さが)に触れながら、落語家の個性がきらり。
桂あやめ「義理ギリコミュニケーションは既に高座で聴いているので、
立川談笑・・「薄型テレビ算」、春風亭百栄「マザコン調べ」は、生の高座で聴いてみたいもんですな。


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