ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

あんけら荘夜話~桂文枝

2012-08-12 05:54:25 | 本の少し
あんけら荘夜話
クリエーター情報なし
青蛙房

☆☆

桂小文枝さんが、五代目桂文枝さんを襲名後三年半経って出版された本。
襲名されたのが平成四年、丁度二十年前のことである。

はんなりとした芸風で、リズミカルなあの独特の鼻にかかった声は今でもきっちりと思いだすことができる。

でも、この本で一番びっくりしたのは、本人曰く、しゃべりの呼吸(イキ)とかはすべて五代目の松鶴師匠です。
聞きはる人が聞くと、「五代目によう似てるな」というてくれはります。
ご自分の十八番である「鮒弁慶」、「天神山」、「植木屋娘」すべて五代目さんの呼吸をいただいていると。

そういえば、鶴二さんが、笑福亭と文枝一門とはネタがだぶってますと、
「天王寺詣り」、「稽古屋」、「蛸芝居」、「船弁慶」、に「天神山」、「三枚起請」、「口入屋」、そして「三十石」

今の鶴二さんが、はんなり目指しているのも、けっして笑福亭から離れたもんでは無いんですな。


代四章 小文枝の春で、「あやめ」から「小文枝」になる途中に別の名前を名乗っていたと。
なんと、それは「笑福亭鶴二」はん。

肺結核で闘病生活を送って、退院してからはしばらく寄席にはでていなかったのだが、、ある時、「勉強がてらの喋ってみるか」と声をかけられたのだが、そのとき、まだ亡くなった五代目松鶴師匠の預かり弟子のままで、正式に文枝師匠の元に復帰もしていないので「あやめ」では都合が悪い。

お囃子の中田つるじさん・・・この方元々五代目松鶴の弟子で「笑福亭鶴二」という噺家さん。
「ほかの名前つけて、さしさわりがあったらいかんさかい、わしの名前をつけときいや」と、
そんなことで、二、三回、「笑福亭鶴二」という名前ででたことがあるんです・・・と。

歴史ですな・・・。

松鶴と小文枝、小文枝と鶴二、まんざら今の鶴二さんの十八番が「船弁慶」「口入屋」「稽古屋」と、はんなりしていて、五代目文枝師匠に似ているのも、なんかのご縁なんでしょうな。

このまえ、六代文枝筆頭に弟子たちが五代目文枝を語る本がありましたが、
この本は、逆に五代目からみた、文枝一門の弟子たちも・・・・・・・・。

四天王のお一人である文枝師匠が、入門当時の昭和二十二年からの十年、そして二十年はまさに、上方落語の復興の基礎を築かれた様子が事細かに語られている。



六代文枝襲名にあたり、是非読んでおかれること、お勧めいたしやす。




にほんブログ村に参加中。
クリックで応援、よろしくでおます。
↓↓↓
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へにほんブログ村

にほんブログ村 演劇ブログ 落語へにほんブログ村

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 昭和元禄落語心中・1・2~雲... | トップ | 権太楼の大落語論 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2012-08-18 13:22:28
この本、読みました。
たしかに鶴二さんと五代目・文枝師匠の高座ってどこか似てますよね。「三十石」と「口入屋」を聞いたとき、そう感じました。一度、鶴二さんの「親子茶屋」を聞いてみたいですね
あとこの本読んで驚いたのは、今の「相撲場風景」の型は文枝師匠が作った事と、文枝師匠は照れ屋であまりタニマチと深いつきあいはしなかった事ですね。
返信する
そうですね。 (ごまめ)
2012-08-18 22:42:56
「親子茶屋」、鶴二ファンのお友だちは一度聴いたことがあるらしいけど、私もまだ聴いたことがないんですよ・・・。

10月21日(日)のたかつ笑い亭には、鶴二さん「親子茶屋」でネタ出しされてますので、希少なるチャンスですね。
返信する

コメントを投稿

本の少し」カテゴリの最新記事