ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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初めての和歌山県での落語会~勝一寄席

2009-11-29 21:53:06 | 落語
28日、家の近所の郵便局の局長さんが主催の落語会が、
インフルエンザの影響で、急遽中止に・・・・・・・ああ残念。

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近所つながりで・・・・・・河内長野から、南光、雀々、こごろうさん目あてに橋本ヘ。
近いような、遠いような、私にとって、初めての和歌山県進出の落語会でおますな。


橋本市市民会館・・・教育会館はこの右隣・・
でも場所聞いた教えて頂いた、市役所の女性の二人の親切なこと・・良い街ですな。


250名の大入り満員・・・さすが30回記念公演ですな。


一、すずめ家すずめ・・・・・・・・・・・・・・・・「犬の目」

無駄なマクラも無く、即本題ヘ。
普段、若手、前座クラスが演じるのを聞く機会の多い、「犬の目」。

奇をてらわないが、じっくりと、噺のおもしろさが、直接伝わる。
基本どおりでありながら、年令の貫禄が(47才とか)が、主人公の医者にダブり
映画でいう、味のある脇役のような渋味ある、風情が漂う。

どの落語会よりも、質の高い開口一番でスタートでおます。


二、すずめ家ちゅん助・・・・・・・・・・・・・・「強情灸」

ちゅん助さん、出て来るなり、「よう御参りで」と合掌。
よう似合うスキンヘッドのお坊さん風。

、来年四月で、還暦の大ベテランの噺家さん。
22歳から、素人落語を始められ、平成元年からノバティー河内寄席を主催し、
平成4年河内長野市長賞を受賞された・・・セミプロ落語家でありんす。

「お日さん、お月さん」でもめる、酒飲みのマクラで、酒の噺と思いきや強情から「強情灸」ヘ。

なぜか、江戸前の味がするのは、生粋の大阪弁でないからか。
でも、250名ものお客さんをひきつけるパワーは御見事でおますな。


三、桂南光・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「住吉駕籠」

米團冶さんの襲名のはなし。
77ヶ所の公演。べかこから南光に、私が襲名した時は3ヶ所。
いかに、親の力が・・凄いか。

松江から、翌日の公演先、富山ヘ行くのには。
直接行けそうですが、中途半端で、まずは松江から米子ヘバスで移動。
飛行機で米子から東京ヘ、そして東京から富山ヘと
今だに、語り草なるようなハードスケジュールでしたな。

米朝師匠など、連れ回されて、ある楽屋で「ここは何処や」、「わしは誰や」と、
洒落か、本気か、分らんような科白を。

移動はと、昔は交通機関と言えば、馬か駕籠。
駕籠は、二人で一人を運ぶといういたって非効率な乗り物で・・・。

「住吉駕籠」ヘ。二人の駕籠やの「へー、かご、へー、かご」からはじまり、
茶店のおやじ、そして酔っ払いが絡んで帰るまでをたっぷりと・・・。

酔っ払いが、浄瑠璃たっぷりと語ったろうと、
「駕籠や、わしと越路太夫と、どっちが上手や」
「いや、あんさんの方が、上手でおます」
おなじみの住吉駕籠の半ばでと終わったが、
途中でありながら、30分で充実感あり。

そういえば、最初に、雲助、クモ駕籠の説明が無かったので、
南光さんの「住吉駕籠」は、いつもこの形なのか。

そいいえば、「寝床」も、途中までで「素人浄瑠璃」と、
前半部分から、丁寧に、たっぷり、じっくりと進めるだけに、
はしおってでも、最後のサゲまであえて演らないのは
南光さんの美学か・・・それとも飽き性なのか。

独演会にでも行けば可能なのか、一度フルバージョンを聴いてみたいもんですな。



10分の仲入りをお知らせに出て来られた、ちゅん助さんの後姿。

四、桂こごろう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「阿弥陀池」

話をはじめたところで、携帯が鳴る。
すかさず「私やったら、でられへんというといてください」
「今、手が離せんねん」・・「ちょっと、いそがしい」と最高の切替し。

でも、二回できらはったん、今迄で至上二位の早さですなと。
こんなに早くきれるんやったら、最初から切っといた、ええのにと。
じんわり、お小言を、・・・・・こごろうさんのセンスが垣間見えますな。

もとに、戻って、大阪のおばちゃんの口癖のマクラ。
「云うたろか」、「教えたろか」、「教えといたるわ」・・・最後に「知らんけど」
おもろいな、こんなおばちゃん、周りにようけおりますな。

噺は、「阿弥陀池」、
普通は、和光寺に賊が入った時、尼さん胸を肌蹴るのだが、こごろうさん一切無し。
笑いたっぷりの噺だけに、無理に「賊、喜んで、乳吸いよった」なんかいれなくても。
こんなところに、こごろうさんの美学、感じますな。

しかし、この様な仕込んでいって、次の先で失敗するという噺は、不安がいっぱい。
というのは、会場の二ヶ所で、知ったかぶりで喋る人が・・・。

体をかわすで・・・西宮。・・・・・心臓で、・・・心猫、心虎、心にしきへび・・・。
ああ、会場のおばはん言うのではないかと、早くと・・・スリリングな高座。

もういちど、じっくりと、こごろうさんの「阿弥陀池」聴きたいもんですな。



五、桂雀々・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「代書」

まあ、師の枝雀さんの「代書」。
弟子やったら、あたりまえか。
代書と言えば、春團冶。

それを、意識してか、マクラでは、
内弟子の修行時代に春團冶師匠から枝雀師匠宅に電話があり、
その取次ぎでの、失敗談・・・・
前にも聴いたがバージョンアップして、数段おもしろい。

でも、枝雀バージョンの「代書」

・・・「生年月日」
・・・「留めぇ、お前の名前は・・・」
・・・「ポォーン・・でぇす。」

で、大いに個性的、
「へりどめ」の部分、割愛したが、マクラ10分、本題35分の大熱演。
おもしろいですな。

同じ噺でも、笑いのポイントを変えるだけで、違った噺に仕上がる。
ああ、千朝さんで聴いた、フルバージョン、三つありますな。

カレーでも、家でつくるジャガイモたっぷり入ったカレー、
カレーショップのカレー・・、ナンと一緒に食べるインドカレーなど、
カレーと言っても、それぞれ形も味も違うものに進化して、どれもが、美味しい。

春團冶師匠の・・「代書屋」
雀々さんの・・・・「代書」(枝雀氏は別物とあえて代書と命名か)
千朝さんの・・・・「代書」
それぞれが、異なる味になっているが、すべて美味しい
まずは是非、ご賞味あれですな。

今日は、枝雀さんの「代書」が聴けた、満足感たっぷりの雀々の高座でした。



勝一寄席~第30回特別記念公演
2009年11月29日(日)午後2:00開演
和歌山県橋本市教育文化会館

一、すずめ家すずめ・・・・・・・・・・・・・・・・「犬の目」
二、すずめ家ちゅん助・・・・・・・・・・・・・・「強情灸」
三、桂南光・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「住吉駕籠」
仲入り
四、桂こごろう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「阿弥陀池」
五、桂雀々・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「代書」

09-77-338
コメント
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