ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

居残り佐平冶・聴きたさに~文太の会(虎武士亭)

2009-11-08 23:15:09 | 田辺寄席
ようやくのお休み。・・・・、「居残り佐平冶」と「桑名船」を聴きたくて、文太さんの会ヘ。

「居残り佐平冶」は、昭和43年9月の、うめだ花月東西精選落語会で、談志師匠で聴いているんですよ。
佐平冶のかっこ良さだけは、印象に残っているが、大昔のことで、噺の詳細は霞の中である。

初体験の「桑名船」と合わせて、楽しみですな。


前回に続き、会場の寺西家


お庭にある、不思議なオブジェ・・・・古い鬼瓦か何かで作成か。


開口〇番・・・文太師匠登場。今朝の朝日放送のなみはや落語は、丁度文太師匠で
「百人坊主」、ノーカットの30分放送で、最後にこの会の事も宣伝され、何と
そのあと、大久保さん宛てに5人もの電話があったとか。

でも、いつもの虎武士亭の60名からは、本日は半分にも満たない入り。
飲み会主体の・・・・2500円で、料理と飲み放題というのが、魅力だったのか。

まあ、暫くは、原点に戻って、文太師匠の二席を楽しみに
、じっくりと聴いて頂くファンづくりからですかな。


一、桂枝三郎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「天狗裁き」

本来は、そうばさんが、トップの出番だが、枝三郎さん次の仕事があるので、最初に高座に上がる。
マクラは、インフルエンザに、結婚詐欺事件など、今の、旬のネタがおもしろい。

噺は、先週の鶴二さんの完璧なる「天狗裁き」を聴いた後だけに、
日なたに置いたビールのごとく、気の向けた、緊張感のない話に聴こえる。

天狗の声の時は、空手で喉を叩いて、子供の時宇宙人ごっこした時の声を出す。
重みも、恐ろしさも、威厳も、深々とした鞍馬の風景もない。

本物の味を知ってしまった後には、何を食べても、もみなく感じてしまうのか。・・・残念。


二、桂そうば・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「ろくろっ首」

今年で5年目、今だ独身。27才で入門、それまでは薬の営業をしており、
九州の実家からは、年に2、3回のお見合いの話があったが、噺家になってからは、皆無。
三男坊で、次男の兄貴の見合いの際、釣書の私の欄は大学卒業後空欄のまま。
オカン曰く、後はなまじ書かん方が良いと
結果、実家では、この仕事、今だ認めてないのでは・・・。

男女の、縁から「ろくろっ首」ヘ。
前にも、増して九州訛りが、増幅しているが、
ざこば師匠の勢い出てくるとこでは特に目立つ。

・・居直っていうるのか、・どんな落語を目指しているのか・・・。

ご大家の若旦那が出てくる、七段目、親子茶屋、立ち切れ線香など、
大阪らしい船場言葉でないと、匂いがでないと思うのだが。・・・残念でおます。


三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「桑名船煙管遺取」

「兵庫船」、「小倉船」、「矢橋船」での、なぞかけとか、色問答とは、違い
五七五の俳句で遊ぶ。

最初に、侍が船の船べりからキセルの雁首を飛ばし、海の中へ、チャッポン。
そのあと、問答があり、・・・・侍が、海の中へ。

サゲは、「船底でも、穴をあけようとしたんでは」
「いや、キセルの雁首を探しに」・・・・・と。

問答も、「兵庫船」、「矢橋船」なんぞの粋さも無く、
やはり演じられる機会の無さは、ウケ無いからなんでしょうな。

東京での、桑名船は、兵庫船と瓜二つらしいが・・・。


四、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「居残り佐平冶」

ちょいと遊びに行こうと、四人の仲間を誘って、福原ヘ、
新町でも、飛田でも、松島でもない、すぐに帰れぬよう遠い色町に設定か。

居残りをする為に、常連客に女ののろけを伝え、良い気持にさせる。
このあたりから、「ヨイショ、ズドーン」と佐平冶の真骨頂。

人間、どんな状況でも、生きるバイタリティがあるのは、いいね。

遊び人だけに、立場替われば、客が何を欲しているのか、一番わかる。・・・憎いね。
贔屓から、あいつよ呼べと、「いーさん、は」と、ご指名が頻繁にかかる。

若い衆が、仕事がとられと、店主に訴え、ついに店を追い出される事に。
佐平冶、店主に、最後には、遊びの代金は要らぬと言わせたうえ、
そのうえ、30円の金と、新調の着物まで、セビリ、貰う。

一般のルールを無視した時点から、立場が逆転、強み、凄みが出てくる。

サゲは、表から堂々と出て行く佐平冶に、文句を言う若い衆の
「裏から出せばいいのに」
店主「また、裏を返されたら、大変や」・・・。

まあ、「居残り佐平冶」というより、「居直り佐平冶」だったんですな。
うん十年前を、思いだしながら、
懐かしく聴いた文太師匠の「居残り佐平冶」でおました。



文太の会(虎武士亭)
2009年11月8日(日)午後2;00開演
昭和町・寺西家

一、桂枝三郎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「天狗裁き」
二、桂そうば・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「ろくろっ首」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「桑名船煙管遺取」
四、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「居残り佐平冶」

09-73-318
コメント
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