7/18(木)。
今日は66年前の『7・18水害』で亡くなられた方々の慰霊祭を行いました。
子どもたちが手に手に花を携えて登校してきます。
亡くなられた方々の御霊前にお供えするためです。
有田川上流で連日降り続いた豪雨が一気に押し寄せて堤防が決壊し、洪水はたちまち宮原地区を飲み込みました。
宮原地区で129名の尊い命が失われました。
その中には20名の宮原小学校の児童も含まれていました。
毎年のことですが、本校の『水害慰霊祭』には保護者・地域の方々や関係機関の方々が大勢参列してくださいます。
今年も80名余りの方が、朝からご来校くださいました。
前日には地域の方々が「慰霊祭のために・・・」とお花をもってきてくださいました。
地域のお花屋さんからも、「使ってください」とお心遣いいただきました。
皆様のお気持ちが本当にありがたく、嬉しく思います。
いよいよ慰霊祭が始まります。 「黙祷」
全員目を閉じて、亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。
続いて「献花」 各自が持ってきたお花を祭壇に供えます。
児童に続いて地域や関係機関の方々にも、お花を供えていただきました。
毎年、『7・18水害』の被害に遭われた方から、体験談をお話しいただいています。
今年は元宮原小学校の校長先生にお願いしました。
水害のあった時、校長先生は小学校4年生で、同級生が3人も亡くなられたそうです。
校長先生の自宅にも水が押し寄せ、あっという間に台所用品がプカプカと漂い始め、慌てて2階に避難。
それでも更に水位が増していき屋根の上に逃げたところ、すぐ隣のお家が洪水に流されていくのを目の当たりにして、寒さと恐ろしさに震えていたそうです。
夕方になり、「何とか命は助かった」と思えるまで、朝から何も食べていない空腹にも気が付かなかったとおっしゃっていました。
先生の体験談からは水害の恐ろしさと、大切な友達を失った言いようのない悲しみがひしひしと伝わってきました。
その後、6年生の2名がこれまでの水害慰霊祭や防災教育で感じたこと・学んだことを作文にして発表してくれました。
最後に、本校の防災アドバイザーを務めてくださっている先生から、ご講評をいただきました。
先生は「犠牲となる方が多いか少ないかは、『付近に実際に避難行動を取る人がいるかどうか』に大きく左右される。だから、宮原小学校の子どもたちは周囲の人を助けられる存在となれる。」とおっしゃってくださいました。
慰霊祭が終わったら、6年生が参列してくださった方々をお見送りします。
「お忙しい中、本当にありがとうございました!!」
皆さんを送り出したら、最後は会場の後片付け。
慰霊祭前日の会場準備は5年生が、後片付けは6年生が担当してくれました。
本当に頼りになる高学年の子どもたちです。
5・6年生の皆さん、苦労様でした。 どうもありがとう!!
7/18。
宮原小学校はこの日を忘れません。
これから先、何十年の時が流れ、実際に水害を体験した人がいなくなっても、この辛く悲しいできごとを後世に語り継ぎ、犠牲となられた方々のご冥福をお祈りし続けていきます。
そして、この経験を決して無駄にしないよう、防災意識を高め、大いなる自然の力が様々な災いをもたらしたとしても、一人一人が自分の命を守り抜けるよう、防災教育に真剣に取り組みます。
二学期にも、避難訓練や防災学習を計画しています。
地域の方々も是非、一緒にご参加ください。
一人の犠牲者も出さない、“宮原の奇跡”を目指して・・・。