mitakeつれづれなる抄

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年一回だけ運行のバス路線

2017年03月15日 | バス
 乗り物ニュースに面白い、私向けの記事がありました。路線バスには不思議な存在として、年間通じて一日だけ片道一回だけ運行という路線があります。
 そんな事実上、「無い」に等しいバス路線がなぜ存在するか?という内容。
記事:年1本しか走らないバス路線、なぜ存在? 背景にある「理由」とは

 いわゆる「免許維持路線」ですね。現在は路線乗合バスは免許制ではなく、許可制なので「免許維持」とはおかしなものですが、免許制時代からそのまま引き継いだ言葉です。
 この乗り物ニュースに記事にある路線、さらに免許維持路線については、弊ブログでも過去に書きました。
 2012年3月14日:「究極の免許維持路線・一年に片道一回の運行・京都バス95系統
 2013年3月23日:「一年に片道一回だけの運転系統が増加・京都バスの免許維持路線

 このうち2012年記事の内容が判明した時は、大きな衝撃でした。普通、免許維持路線と呼ばれるものは、週一回とか、その当時にもあった月一回、というものでしたが、年一回というのは、廃止に等しいものです。
 乗り物ニュース記事にもあった路線で、京都市左京区の北部山間部、大原と鞍馬を結ぶ、愛称「北山バーディ号」です。
 これ登場したのは、1986年だったと思いますが、京福電鉄の沿線広報誌にも掲載があり、「大原御幸(おはらごこう)の辿る道」という触れ込みでした。
 江文峠は、寂光院の庵主、建礼門院を訪ねて後白河法皇が鞍馬から辿った道筋。
 そこを辿る、という触れ込みで、運転を開始したものでした。
 当時は道路事情もあり、小型車での運転で、その当時の車両が最近まで使われていました。

 で、免許維持路線ですが、上記弊ブログ過去記事にもありますが、乗合バス免許制時代は、新たに事業免許を取るのは幾つか大きな障壁があるもので、廃止も難しい手続きがあり、廃止も容易ではなく、できるのは、運行回数の調整、すなわち減回。
 その究極な減回が週一回とか月一回で、名目上走らせていますよ~というもの。

 免許制時代は、あくまで「免許」で、免許申請の際には審査が行われます(した)。
 申請者の素性ではなく、申請内容に競合関係が在るか無いかを審査するもの。
 その結果、排他的な免許が下り、事業が始められることになります。
 事業を止める(廃止)する際は、沿線自治体から同意書を得て、それから廃止の申請を行います。
 一度廃止すると、サラの状態になり、競合関係にある他社があればそのエリアに含まれてしまいますので、何等かの事情で再度免許を申請するのは難しい場合もあり、そのため「生かしておく」という意味で、「名目上、運行している状態」の免許維持路線となります。
 その究極な「運行している」が、年片道一回で、それが京都バス(株)で四つの路線(系統)で、他に大阪府の近鉄バスに年一回運行という路線があります。

 なお、乗合バスは現在は免許制ではなく、許可制いなっており、言葉は違いますが同じような関係と考えて差し支えないです。
 ただ競合関係の審査は行われないので、許可審査の審査内容は、ほぼ申請者の素性(事業継続性)ぐらいです。

 その京都バス(株)、3月18日にダイヤ改正が行われます。
 乗り物記事ニュースとなった、北山バーディ号ですが、乗り物ニュース記事には、継続して運転されるとありますが、京都バスの新時刻表には掲載が無く、実際どうなるのか今は分かりません。
 それと北山バーディ号の通る江文峠は、新たに55系統大原~貴船口間系統が新設されるようで、めでたく年一回の究極免許維持路線からは脱することになりました。
 その一方で、95系統大原~鞍馬間の時刻が見当たらず、どうなるのか気になっています。
 仮に運転されることとなっても、完全に52系統と競合(全く同じルート)なので、年一回の究極免許維持ではなくなります。

 京都バス95系統とその出庫便のルート。


 2013年に増えた年片道一回の区間。


 95系統の車両。このタイプが、1986年の運転開始から使われてきました。数年前に廃車となっています。

 末期は大変でした。運行途中で、ドアの空気シリンダがおかしくなり、自動でドアが開閉できなくなったりもしました。

 車体横の北山バーディ号の看板。毎週運転されていた頃のものです。

 大原の案内所で保管されており、寂光院道経由の出庫便が到着すると、案内所の係員が取り付けていました。

***
 しかし、江文峠を通る52号系統、大原~貴船口間の路線、設定意図がよく分かりません。
 なんで貴船口なのか。貴船方面ですと、貴船まで行く33号系統は、貴船口ではなく、貴船口駅前が営業区間の発着。
 折り返しで、貴船口まで来ますが、その貴船口で乗り継ぎができるのであろうか。
 できたとすると、貴船口停留所~貴船口駅前停留所間が33系統の事業区間外となります。

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4 コメント

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95系統、走るようです (わわな)
2017-03-16 22:51:25
初めまして。
95系統、今年こそ乗りに行こうと思っていたところの55系統新設騒ぎなのですが、京都バス車内で配布されてる紙のダイヤ変更告知(表面はホームページにある告知PDFと同じ)の裏面にある新運賃表に55系統と95系統が並立して記載されてることと、城山・静原学校前の新時刻表に春分の日のみ鞍馬行き運行の記載があるので、走るようです。
当日高野車庫より乗って確かめてみようと思っています。

あと、映画村南側の城北街道と下立売通の交差点から城北街道三条までの短い区間ですが、昨年5月くらいに突如当該区間が「マイクロを除く大型車両通行禁止」になってしまい、それまで一の井町経由が回っていたのが運行できなくなったと、スルッとKANSAIバスまつりのときに尋ねたら説明してもらえました。

以上長文失礼しました。
まことに勝手な話なのですが (空想委員)
2017-03-17 01:36:06
「免許維持路線」という言葉、これどうにかならないかな、と思っています。物心ついた時には既に許可制だった者としては、ここだけ「免許」という言葉が残っていることにどうしても違和感を覚えてしまうからです。正式な用語ではありませんから、世の中の趨勢に任せるしかないわけですが、とりあえず私は可能な限り使わないようにはしたいと思っています。

それにしてもこういう路線、これからどんどんなくなってゆくだろうから可能な限り早急に乗っておかねばな、と思っています。昨年秋も知多乗合の東海市内線や三重交通の上野天理線が廃止になってしまいました。私がぽろっとなくなりそうだなと勝手に思っているのが東濃鉄道名古屋・西可児線の名城大学前停留所です。ここは夕方に1本だけ存在する虹ヶ丘止まりの便が1本止まるだけというところで、この前見てきましたが利用客は居ませんでした。名前の由来となった名城大学可児キャンパスも廃止になりましたし(岐阜医療大学看護学科が入るようですが)どうなるのかな、と思っています。
情報ありがとうございます (kisomitake)
2017-03-17 01:58:10
わななさん、はじめまして。コメント、ありがとうございます。
95号系統、今後も運行する(といっても年一回ですが)のですね。
55号系統とまるまる重なっていますので、もはや超マイナー「路線ではなくなりましたが、高野車庫発の出庫便が、寂光院道経由で運行するようで、そちらの経路が年一回の路線として存続するようです。

体調を崩して、現地へ行けなくなり、こうした皆様の情報が何よりです。

右京区の城北街道は、今は走っていないのですね。
伝聞で伺っただけで、真偽のほどは不明でしたが、以前は本当にあったのですね。
それ以前は、往復で経路が違う区間で、日常の路線でした。
マイナーバス (kisomitake)
2017-03-17 02:08:59
空想委員さん、コメントありがとうございます。
もちろん「免許維持路線」は正式な名前ではなく、そんな実態のバス運行区間を、バスファン仲間が、既存の事業免許を継続保持するための意味で「免許維持」という言い方をしたのが始まりです。
こういうのは昔からありまして、子どもの頃住んでいた近くのバス停にも、いわゆる免許維持路線に該当する時刻がありました。

仰られるとおり、今は事業許可制で「免許」維持とはおかしな言葉ですが、国鉄(→JR)の列車の事を「汽車」と言うようなものとでも思っていただいてどうかなと思います。
免許維持路線など、運行回数が極端に少ない路線を「マイナーバス」とも称するようで、私は「名目運行路線」とでも考えたことあります。

名城大学ですけど、天白区の名城大学前の旧国道、ここ名古屋市営バスの休止路線です。
「休止」にすれば「免許維持」にしておく必要も無く、ケースバイケースかと思います。
※八事~平針間は免許制のころから休止区間です。

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