今日は2012年2月29日、今年は閏年(うるうどし)で今日はその閏日(うるうび)ですね。このブログを始めたのが2008年4月で、ブログ初めて最初の閏日です。
子どもの頃、この2月29日の存在がとても不思議でした。まわりの大人に訊いても明確な答えを得られず、ただ太陽の周り方との差を補正するために、調整用の一日を入れた、とやっと判った次第。しかしそれではどう調整したのかその原理までは踏み込めませんでした。
その後、長じて暦の原理や太陽など天体の運行をを知る事となり、そこで閏年の明確な理由が判りました。「太陽の周り方との差を補正するために、調整用の一日」で間違いは無かったわけですが。
1年は365日です。しかし地球は太陽の周りを一周して元の位置に戻るにはあと5時間48分45秒かかります。平たく言えば6時間弱ですね。2年経つと12時間分、一周には足りません。3年で18時間分、4年で24時間分一周には足りず、4年目にあと1日(24時間)を付ければ4年前の丁度同じ位置に戻るわけで、この一日を加える方法を置閏法の一つで閏日なのです。
この4年に1度の閏日を挿入する暦がユリウス暦です。紀元前45年から1582年まで使われました(国によって異なるが)。
これ分った時、頭の中が凄くすっきりしました。しかし5時間48分45秒(覚えた時は46秒だった)と6時間とでは11分15秒の差があります。2年で12分30秒、4年で25分・・・。それが積み重なると・・・。
地球が太陽の周りを一周する時間を「一太陽年」といい、その値は365.24219・・・日です。ユリウス暦は365.25日という構造でその差が無視できなくなり、そこで置閏法を直したグレゴリオ暦が1582年に始まりました。これが今日の世界の多くで使われている暦で、400年に97日の閏日を挿入する構造です。
しかしこの400年に97日の閏日挿入でも何千年の間にまたズレが出ます。それでもう少しややこしい置閏法とした暦があり、すいません名前失念ですけど、10000年くらいなら一太陽年とのズレが出ない暦がありますが、普及していません。
日本では明治6年からこのグレゴリオ暦が始まりました。
(→明治五年太政官布告第三百三十七号(改暦ノ布告))(法令データより)。
しかし改暦の布告というもの、閏年の定義で、4年ごとと記されています。明治33年は西暦1900年。この年はグレゴリオ暦では閏日を入れないものとされていまして、このままでは暦が狂ってしまいます。そこで明治31年に勅令を出し、改めてグレゴリオ暦の置閏法とするよう規定されています。
(→明治三十一年勅令第九十号(閏年ニ関スル件))(法令データ)
面白いのは、この明治31年勅令90号が神武天皇即位からの皇紀を用いているところ。そこで皇紀年から660を引いた数で閏年か否かと規定されている点。最初から西暦で書けばいいところ、当時の社会が反映されていますね。