走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

自動車免許と医療職免許

2022年03月31日 | 仕事
シリーズで書いてきました。最終回。


ガバナンスする良さの一つに自由が効く。自治だから自治のことは自分で決めれる。これって大変大きいプラスだと思います。3日目に書いたように、自治は法律の下にありますが、実践的な事を決めるのにいちいち国の許可などいらない(法律の制定内は大前提ですが)。看護のことがわからない政治家に決められるより自分達で決めたくないですか?

刑事訴訟になる前に予防したくないですか?

自治なんだから独自の監査もできるわけだし、免停や失効もできるんですよ。看護の質の足を引っ張る人を切れると言う意味です。危うい看護をしている人を知っていても、報告できる場所がありますか?刑事事件を起こさない限り警察は動かないし、雇用主しかないですよね。カレッジがあるとカレッジが捜査、指導、処分をしてくれるんですよ。これこそ質の確保に繋がります。私のカレッジのホームページを見てください。免許所持者の検索もできるし、免停になっていることも、何故そうなのか、捜査中なのか閲覧することができます。スタンダードもスコープも全て一般公開されています。隠すことない情報の透明性が州民の信頼を得る事に繋がります。


管理する分、期待されることや、OO看護師がどう違うか明確化しなければならないけれど、それはスタンダードやスコープとしてあるべきものなんです。それが有れば教育もそれに見合うように作らなければならない線引きができるし、雇用主も期待できるものが明確になる。カレッジが免許の質を毎年保証してくれるのだから雇用主も国民も安心できると思いませんか?


北米では、スタンダードやスコープがあり、免許更新は毎年行い、それを強制する免許を管理する団体の自治があるから、教育サイドも内容の統一化、時代に合わせて変化と発展を教育、実践の場で繰り返し、今では医療界を引っ張るリーダーまでに成長しているんです。そして卒後何年経っても看護倫理を正しく理解し、時代の変化についていける看護師のみ働いているんですよ(看護倫理だって時代と共に進化してますから)。そして看護師にとっても安心できるシステムです。だって収まる箱が決まっているのですから、それさえ守れば外れた道にいないことは一目瞭然です。こうして医療界の中でなくてはならない職種を確立し、24時間365日、患者と最も時間を費やす職業として、水準を守って、国民から最も信頼される職業に毎年輝くのです。


免許はあげました。あとはあなたと雇用主次第です、とあげっぱなし免許で北米のような看護師になろうとしても、個人がどんなに頑張っても、集団として全員を同じレベルにするなんて不可能なことでしかないんですよ。


あ!唯一免許更新をしなければならない免許が日本にもありましたね。自動車免許。自動車免許は重要ですね。動く武器ですから。不適応な人が免許を持っていて、事故で人が死ぬ可能性がありますからね。適応性は審査しないければなりませんよね。あら?!なのに命を扱う職業(医師も含む全ての医療職免許)があげっぱなし免許なんて、免許保持者の適応性って医療職に限って変わらないの?!日本に限って???


ああああああ不思議。こんな簡単な事に疑問を抱かない、日本の国民は疑問を持つ事を忘れたの????目を覚ましてくださいませ。


シリーズ終わり。



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