走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

終わり良ければ全て良し

2016年11月25日 | 仕事
あれから2週間。入院先の病棟で家族会議が開かれました。

参加者は患者と夫、ケアマネ、サポートワーカー、病棟の作業療法士、学生、精神科医、私、そして通訳さん。 母国語で事情をしっかり理解してもらい、これからの治療計画を理解してもらうことが目的。

彼女の1番の心配事だったのは一人になること。避難民としてカナダへ来た一家。いつまでも国や州に援助を受け続けることはできない。就労可能な夫は就労を勧められている。夫が仕事へ行けば彼女は一人で5人の子供たちの面倒を見なければならない。一人でやっていけるのだろうか?病気(メンタル)の調子が悪くなったら?

政府は彼女の負担を減らすために子供たちをデイケアへ預けるというが、それでは子供と離れ離れになる。そうすると子供がどうしているか彼女の不安が悪化する。子供のそばにいたい。でも一人では自信がない。それが不安の種で悩んでいるうちに自殺や他殺の考えが浮かんでいた2週間前だった。

自分の気持ちを隠さずに伝えることの重要さも認識できた彼女。

ケアマネと精神科医は政府と再び交渉、外泊をして退院することになったら。

あーやっぱり通訳さんがいると助かる。彼女も夫もいつもより話す量が多かった。やはり母国語と第二言語では大きな違いがある。良かった、良かった。



私は犬嫌いなんですが、この子はとても可愛い。義姉のかわい子ちゃんです。

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