走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

パイオニア

2016年11月21日 | 仕事
私がケアを提供している対象者はメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層。何故そう言う人を対象にしているのか?わざわざ、、、と言われる時がある。

NPがBC州で登録されるようになったのは2005年だから、NPと言う職業がこの州に生まれてまだ11年目。70年の歴史があるアメリカとは大違い。なのでまだまだ草分け的存在で、ほとんどのNPが自分たちのポジションを模索している段階なのだ。

NPが始まった時医師は良い顔をしませんでした。いわゆる敵対意識です。そういう中で協力しあって地盤を固めることは簡単ではありません。いじめられて地域から弾き出されたNPの話は1つや2ではありません。健康保険制度の事もありNPは医師のように開業することは難しく、保健局の元でサラリーマンとして働く道が王道。なのでどうしても医師がやりたがらない職がNPに回って来るのです。それが老人や私の患者層なのです。

アウトリーチは私のポジションが作られた時にブループリントに入れられていました。私の級友の中にはそれでも断固として断り続け、アウトリーチを避ける人もいます。しかし私は訪問看護をしていたし、外へ行くことに対してあまり抵抗を覚えませんでした。それに特別な患者層にケアをするのなら、待っていては始まらない、という思いは最初からありました。なのでゴネる理由はありませんでした。級友には言えませんが、医師と同じことをするだけなら医師を雇った方が良いと思います。NPは医師がしていることプラスの部分がないと、NPの有効性を認めてもらえないと考えています。医師に煙たがられず、地域に根を下ろしていくためにはユニークさがないといけないという事です。私にとってのユニークさははアウトリーチをして患者と繋がる事。

何度も言いますが私は苦難が好きで、どんな苦境でもそれを楽しさに変換できるバイタリティーがあります。ブループリントがあってもそれは草案程度。そこから自分の好きなようにプログラムを作り上げたので、文句はありません。州で最大規模の組織で働いていますが、信頼を得て結構自由にさせてもらっています。抜くところは抜いているし、統計などに報告もしっかりしているので上司からも監視されていないし、コミュニティーでも評判が良いので大事にしてもらっています。そういう点では世あたりが良いのかもしれません。

さて本題に戻って、あんな人たち相手に、、、と言われますが、彼らだって人間です。ケアが必要です。誰かがやらなければならない仕事だ。日本では患者様なんて呼んでいた時がありましたが、ヘルスケアの中で患者は弱者なんですよ。その中でも私の患者層は下の下の下。ないがしろにされているんです。看護師になってすでに四半世紀を過ぎていますから、ハイラーキーは何度も目の当たりにしてきました。ふんぞり返ってえらそーにしている医療者だけにはなりたくありませんからね。



ワッフルメーカーを綺麗にしている時に、なんと!スマイリーファイスが:)


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