走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

早期教育

2015年08月16日 | 仕事
たった20才のアリーシャが痛み止めの麻薬を処方して欲しいと来る。背が高く容姿も整いモデルさんのような彼女。シェルターに3週間滞在中。ホームレスになった理由は一緒に暮らしていた暴力的な彼から逃げ出したから。兵役していた時に肩を負傷し退役した今も働けないでいる。2ヶ月半前にジムでウエイトトレーニング中に同じ肩を痛めそれ以来麻薬を処方してもらっていた。彼から逃げてきて今まで処方してもらっていたクリニックは遠いからと言う。

エコーで靭帯がかなり損傷しているのは確認済み。手術の可能性もありMRIの予約も入っているが5ヶ月ぐらい先。アレルギーがあって麻薬以外の鎮痛剤が使えないからと。しかし薬物使用歴がある彼女。んー手術までこの麻薬が必要なの??
リハビリのために処方することはあるけど、リハビリもしていない(お金がかかり、治療費が支払えるような経済状態ではない)。

いつも通りの詳しい問診をし、尿検査、診察を済ませ、薬局に電話。過去の処方歴が彼女の言う通りか確認する。赤信号は出てこない。しかし処方の必要性は感じない。2種類から1種類に減らし、軽いリハビリを指導する。麻薬を処方しない事を嫌がると思いきや、すんなり納得。

そして薬物使用歴があるので、麻薬で依存が起こりやすい事を説明する。なので、もう一種類も今の処方が終われば、それで終わり。それもすんなり承諾。簡単すぎて拍子抜けしてしまった。年期の入った薬物使用歴者と全然違う。早いうちに教育するって大切だなーと思った。



これでこの夏最後になるかな?ネイルサロンでペディキュアしてもらいました。夏の間の楽しみです。

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