走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

後悔 2

2017年03月22日 | 仕事
昨日の続き。

医療者として働いて27年になろうとしている私。死に立ち会ったことも、死体を発見したこともある。この時だって皮膚の温度、硬直している体から死後数時間が経っていることがわかり、心肺蘇生などはしなかった。

では、一般の人はどうだろう?パッと見ただけでそんな判断がつくのだろうか?

麻薬の拮抗剤は拮抗作用で麻薬の薬理を断つ事で命を落とすのを防ぐ。死んだ人を生き返らす薬ではない。

何故彼女のような事が起こったのか?彼女の話を聞きバリデーションやノーマライズする事に集中していたが、もう少し情報が必要だ。

それに、もし死後時間が経っていない状態から助ける事が出来ない時だってある。善意で知人や家族を救おうとした人の心のケアは誰がするのだろうか?

彼女は言っていた。薬を使用するのはその人の勝手だ。しかし自分はその人に巻き込まれて、とんでもない経験をしてしまった。薬物を使用する人は勝手すぎる!と言っていた。

彼女はホームレス。壁もドアもないところで夜を明かす。そんなに親しくない人がそばで寝る事だってある。オーバードースで呼吸が止まってしまうことも。

どんな関係であれ、結果がどうであれ、心のケアの対策が必須だ。今週末は対策会議に参加予定。お偉いさんが大勢参加する。このことは必ず提案しなければならない。



春の気配。

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