走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

仕事の拡大

2015年06月26日 | 仕事
NPが出来ないことの一つにコントロールされている薬剤の処方。コントロールされている薬剤は麻薬、筋弛緩剤、ベンゾジアゼピン系の薬などだ。悪用されたり、死に直結するような薬だから厳しく処方を管理されている。

しかし無医村、医者不足の現状は厳しく、医師がいないと言うだけで適切な痛みの治療を受けることができないなど人間の権利を満たせない状況がある。

国としては処方者の制約を解除することでこのギャップを埋めることに決めたのは5年ぐらい前。それから国の法律が変更され、次に州の法律も変わった。私が学生の頃だ。しかしNPを管理する団体はゴーサインを出さず、臨床の立場からどうやってNPが安全に処方することができるのか、州民を守ることができるのかの見当が続いてきた。

この長い道のりももう少しで終わりに近づいてきている。今秋から施行される目処が立ってきたとの報告が先日あった。処方許可をもらう前に、大学で医師が受けるコースを一つ受講し、その次に団体が準備した法制やシステム的なコースを修了しパスすると許可がもらえるらしい。

これを受けて仕事が増えると嘆くNPもいる。私は?嬉しい。緩和ケアの時から熟知している内容だし今の仕事についてから依存の知識も広がった。私のサポート医師はいつも一緒にいてくれるわけではない。離れていることがほとんど。その中で処方を頼む作業こそエキストラと思えてしまう。しかし責任が重い仕事。慎重に処方していきたいと思う。




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