走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

fatigue 疲労と疲弊

2024年03月11日 | 仕事

Fatigue 

は疲労のことです。医療用語です。疲労の原因は様々(疾病も含む)ですが、最近この言葉の前に名詞を付けることで疲労、疲弊していることを表現するようになりました。例えば


Compassion fatigue 同情疲労

緩和ケアやホスピスケアやがんケア、他の分野で働いている医療職やボランティアが陥る状態。人間の生死や障害に関わる医療はこれに陥らないスキルと意識して自分のバロメーター管理も重要です。


Vaccine fatigue 予防接種疲労

パンデミック中に予防接種のキャンペーンが強く打ち出され、パンデミック以降、もう予防接種はいいよ、、、と避けたくなるほど疲れている状態。全ての予防接種率が低下傾向にある一つの要因として使われています。


Media fatigue メディア疲労

メディアで理解の域を超える量と内容の情報に疲弊する。



昨日私が代表理事を務めている日本APN後援会のオンラインセミナーがありました。過去に何度も要望があったセミナー内容でしたが参加者は定員の半分にとどまりました。

で、私の頭に出てきた言葉は

Conference fatigue 学会疲労


日本の学会とは大きく異なり北米の学会費用は桁違い(3〜4日の学会で参加費10万円越えは当たり前)なので参加先は慎重に選びます。よって年間に多くの学会に参加することはありません。それも私の場合は職場から教育費として支給される金額内で済ませようと(自腹は切りません)します。


その他の勉強会参加もスポンサーがバックに付いていて無料で参加できるものを選ぶ傾向があります。スポンサーは製薬会社や医療機器会社以外にも政府や保健機構開催などもあります。それらは短時間のものですが、仕事以外の時間を大切にする国なので参加は家族や自分の次に重要なものと優先順位が下がります。


教育の参加先と内容は自分の免許を更新するために必要な内容と時間、コストを全て吟味して決めています。例えばプライマリー系学会と精神科疾患か薬物依存の学会を隔年ごとに計画して、あとは短いものを選んでいます。


で、日本の医療者のSNSを見ていると多くの学会参加のためにあちこち飛び回っている様子を知ることができます。そんなに参加して疲れない?と思っていました。


で、昨日の参加者数に戻って、参加者数が伸びなかった理由は様々あると思います。

  1. 広報が不足していた(まだまだ知名度の低い当会にはハードルが高い)。これ、毎回大変なんですよ。日本のネットワークの低さを打開するにはどうすれば良いか、頭を捻っています。
  2. ニーズが合致していない
  3. 費用(昨日は2千円でした)。日本の職場で教育費を出してくれるところってありますか?
  4. オンラインより対人希望。でもねえ、海外の様子を知りたいと言う要望で対人をしようと思ったら参加費二千円じゃ到底無理ですよ。
  5. 日程が合わない(学会は春と秋に集中しがち)。特に今回は講演者の条件でオンデマンドはなし。
  6. Conference Fatigue


医療は自己研鑽が一生必要な職業です。しかし内容の量と質の吟味は重要です。6は避けて欲しい。毎回、回答される評価アンケートでは高評価なのに知名度は上がらない、集客に苦労する。2の原因が大きいのかな、と考えてしまう。


誰か教えてくださいませ。











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