大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

岡田監督の通訳の人について

2012-05-23 07:37:02 | 中国サッカー
サラリーマンが仕事を終えて、帰宅するとたいていの人は殆どそこで何かをするということを放棄してしまうもんで(だからまあ、家でお笑い番組を見てリラックスする人が多いんだろうけども)。ただまあ、筆者はその分知的作業というのは朝目が覚めたら手を付けるということにしているけども。テレビ番組というのは大体撮り貯めておいて、時間のある日に消化していくことになるわけなんだが、欠かさず録画しているのがNHK総合でやっている「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組。

ただ、今週は岡田武史氏を取り上げていたので久々に生で見ることにしたが・・・本当に苦労してはりますわ。その苦労は大体想像出来たけども、大きく蹴ることの多い中国において細かいパスを繋ぐサッカーを志向しようと思えば、全体で共有出来ていないイメージを作り出すところから始まるわけで。日本でのキャンプでの練習試合なんかでも、その葛藤の連続で中にはヘナみたいに個人プレーに走りだす選手もいたわけで。

その番組の中で個人的に気になっていたのは、岡田監督の通訳だった人。最初見た時には、あれ?この人どこかで見たことあるな、という既視感に襲われた。後で色々とググってみると、その人は、日中双方のメディアで取り上げられているから名前を出すと、鈴木稔という方だったことが解った。そうか、ACLアウェーで我々の案内役を務められた、あの鈴木さんだったのか。経歴といい、サッカー審判員の資格といい、通訳には申し分ない人だろう。

中国メディアの記事を拾っていくと、岡田監督が通訳で重視したのは自分の言葉を伝えてくれる上でニュアンスを解ってくれる人ということで、日本人通訳にこだわったらしい。そこでその鈴木氏に白羽の矢が立ったらしいけども、最初面談した際に岡田監督からはサッカーの話は一切出ずに過去中国でやってきたこととかを色々と訊かれたとか。

で、実際に通訳していて一番苦労されておられるのは、岡田監督の言葉が極めて抽象的すぎて日本人でも理解しにくい点があるということらしいが・・・まあ、この点は少し補足が必要だろう。岡田監督は、というよりは日本人は概して一から十までを全て事細かく言葉で言い表すという表現方法はとらない。まあ、その中で岡田監督は特に細かくは言わないで、短い言葉で伝えようとする。ただ、その言葉の言外に含まれた意味まで咀嚼して中国語に訳すというのが一番鈴木氏が苦労されておられる点だとか。

その中国メディアの記事を読んで思ったのは、そら難しいやろな、ということ。中国では逆に空気を読むとかその場の雰囲気を察するというような文化がないだけに、言いたいことをきちんと言葉で伝達しないといけないわけなんで。番組の中でも岡田監督が答えを与えてやったという練習場面があったんだけども、そこでもスペースがどこに空いてくるかを選手が考えろという風に言いたかったんだけども、当の選手たちは、もっと具体的にスペースがとこにあって、そこへ出すにはこうしろ、ということを言ってくれないと判らない状態だったんじゃないかと想像するわけです。

ただ、それでも岡田監督は選手らが自主性に目覚めてくれることを期待しているんですな。実はまあ、そうした指導法というのは日本代表においてもなされていたという風に感じ取ることが出来る。デンマーク戦での試合途中での布陣変更というのは正に選手の側から出た提案なんだけども、選手がそれを提案出来る土台というのはきちんと造っていたのは確か。それがジーコの時にはまったくそれがなかったわけではあるんだけども・・・選手にヒントを与えて答えを導かせる、というのが岡田監督の持ってる隠し味だったりもするわけです。

こう理解していると、選手にヒントを与える為に敢えて発信量を絞っている岡田監督の言わんとする意味を理解して中国語に訳すという鈴木氏の仕事ぶりには本当に頭が下がるわけですがね。

ところで、この間のACLにおいて、広州と柏の試合では、中方の方のポル語の通訳が選手についていた為に、ポル語から中国語への通訳がままならずに柏のネルシーニョ監督の会見が打ち切られたらしいですな。まあ、ラウンド16で鈴木氏を助っ人に読んだらどうかと思うけども、今は立場上チームを離れられないでしょうね・・・多分今度は上手くやってくれるとは思うんですが。

え、お前がやれって?いやいや、ワタクシ一方の言葉がまだまだ不自由なもんでw

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