大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

上海のソフトパワーを使って強化する上港、爆買いの対象も一味違う

2016-03-18 00:26:42 | 中国サッカー
これまで、中国へサッカー見に行くと言えば大体夏場だと蒸し暑い上海を避けて北方に行く方が多かったし、ガンバのACLアウェイでは上海へ来たことがなかった。まあ、自分の中でも中国といえばやはりディープなところ行こうと妙に気取っていたのかなw だからその意味で上海って前に行ったことはあってもあまりよく極められてはいなかった。それが今回行くことによって、国際都市上海-中国であって中国でない都市ーというのを垣間見ることが出来た。

試合のことは応援に集中していたのと、上海帰りで録画を消化しきれていないのでこのエントリでは割愛するけども、それを割愛してでもここで書き記しておきたいことがある。それは、上海上港が急激に力をつけてきた背景というものについてだ。

その秘密はというと、広州富力でACL出場権(プレーオフ枠だが)を獲得したエリクソンを監督に連れてきて、外援(外国人助っ人)にしても、コンカやエウケソンといった広州恒大で成功した選手に、更によりよい条件を提示しているということがあげられる。まあ、国内の成功事例を見て引っ張ってくるというクラブはどこかで見たことがあるかもしれないけどもw その意味で中超クラブの爆買いに押され気味のような報道って、森だけを見て個々の木を見ていないだろうという気はするけどな・・・

つまり、上海上港が爆買いするターゲットはギャンは例外としても(それでも14年ACLで得点王)、基本は中国国内の方に向かっているわけで、もし夏の移籍市場で狙うとしたら恐らくこれもまた中国国内か、あるいは冬の移籍市場でもオファーしたことのある、元恒大のムリキかってことになる。まあ、ムリキの場合恒大愛っていうのが大きいらしいからオファーを蹴ったようなんだが・・・彼らの理想は多分元恒大トリオってことだろう。

まあ、なんていうか金の使い方をよく分かっているし、冬の移籍市場で放出要員を換金狙いで欧州クラブからの売り込みも水面下では相当あったに違いないが、そういうものには一切乗らなかったということよね・・・

一方、中国の一部のクラブがこの「冬転(冬の移籍市場)」において大金はたいて獲得した選手ージャクソン・マルティネス、ラミレス、ジェルビーニョ、グアリン、それにラベッシといった選手らの多くは元々の所属クラブが放出要員だった。特にラベッシなんかは決定力のなさやクリスマス休暇からの戻りの遅さをブランに責められて、ブランはクラブに放出を申請していたけども、パリSGにしてもなかなか希望価格での買い手が見当たらなかった中において、中国からのオファーは渡りに船だったことでしょう。何しろUEFA圏内ではファイナンシャルフェアプレーに引っかかる恐れもあるわけだし。

だからまあ、爆買い移籍が成立する背景には大物外国人を連れてきて手っ取り早くチームを強くしたい中国のクラブだけでなく、不良債権を一掃したい欧州の列強クラブの側との双方の思惑が一致した結果だということを覚えていく必要があるだろう。

象徴的な一例が、ジャクソン・マルティネスの恒大への移籍が成立した時に、本人を交えて、アトレティコ、恒大の両方のクラブや大物代理人のメンデスなんかと一緒に記念撮影した写真なんだけども、それ見るとマルティネス自身の目が死んでたわけよw 恐らく彼自身もドナドナ状態であることをよく分かってたんでしょう。真ん中でメンデスが満面の笑みを浮かべているんだけども、結局得してるのはこの人だけじゃないかっていう気がするw まあ、スコラーリだってFCメンデスなんだし、その人脈から人を迎え入れることによって、それ以後もいい選手を紹介してもらえるっていう思惑が恒大にもあるのかもしれない。けど、メンデスの側から見ると、これでいい金ヅルが出来たっていうことになるし、欧州クラブからしたら不良債権引き取り先はもう決まりw

それで気になるのが、爆買い攻勢で欧州からやってきた選手たちってどこか都落ちっていう意識があるかもしれない、ということでそれがモチベーションに響かないかということ。あと、彼らが中国の環境にどれだけなじめるかということだろう。上海申花を退団したケーヒルなんかも退団後のインタビューでも、彼自身は上海にいた分まだマシだったけどその他の中国の都市なんかでなじんでいくのは大変だろう、と言っていたが、中国の環境の問題は確実にある。

おっと、話が随分脱線してもうたorz 何が言いたいかと言うと、上海上港ってクラブはそういった欧州クラブからの爆買いをどこか冷ややかに見ているかもしれない、なという気はする。その辺が同じ上海にあるクラブでも申花とはまた違う。エウケソンを連れてこられたのも、元同僚のコンカからの熱烈なオファー?があったというのもあるけども、エウケソン本人にしても広州よりは上海の方が住みやすいと思っていた節があるんじゃないかって、いう風に今回上海へ行って分かった。このクラブが夏以降の移籍市場でどう動くかは分からないし、方針転換がないとは言えないけども、上海という都市のソフトパワーをうまく使い、他の中超クラブよりは堅実な投資を行って強くなっている。これはなかなか一筋縄でいかない相手ではあるけども、そんな相手との再戦が待ち遠しい。だからこそ天皇杯を制してよかったと思わずにいられない。

 

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