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堂本監督のタイムアウト請求取消への考察~映画 THE FIRST SLAM DUNKにて伝説の山王戦を見返して

2022-12-30 22:23:05 | Weblog
映画 THE FIRST SLAM DUNKを見終えた感想として、この言い方が相応しいのかは分からないが、一言で言い表すなら、「ナイスゲーム」。山王戦の試合の息遣いはアニメならではのものだった。多分、県大会の翔陽戦で打ち切りになったアニメ版は、井上雄彦先生的には不完全燃焼だったに違いない。

その山王戦の描き方だが、前半の最初の部分を見せて、残り部分は割愛して後半に突入させたのは、20点以上のビハインドを最後ひっくり返すのが山王戦のクライマックスで、原作であった、笑いやそれに近い部分を割愛することで緊張感を継続させられた。多分、りょーちんを主役にシフトすることでの声優交代や、原作のような笑いが割愛されていたところに不満がある人が多かったかもしれないが、視点を変えて見るということの必要性を改めて感じさせられる(勿論、原作に思い入れある人が不満に思う気持ちも個人的には理解しています)。

映画でカットされた主な部分は、前半での花道と丸男のマッチアップであったり、沢北が湘北のビデオでマッチアップの流川見るのをサボっていた?(その割にはオフェンス時の赤木の動きを見切っていたのだけども)せいで流川に1 on 1で抜かれた場面だった。原作にあった笑いを抑える事で緊張感を高める事が出来たと言える。

或いは後半に沢北が回想する父親との1 on 1のシーンも割愛されたし、もっと言うなら試合前に安西先生が選手たちに伝える「断固たる決意」のシーンもない(更に、赤木のライバルだった魚住のゴール下乱入もないw)。

実を言うと、原作のスラムダンクは、試合に先立って準備してきた膨大な努力の過程(ゴリこと赤木による一夜漬けのリバウンド講座や、花道の合宿シュートなど)が多くの読者の共感を呼んでいた。今回は宮城リョータが山王戦に来るまでに彼が背負って来たものがサイドストーリーとして、選ばれた話が漏れて来たので、映画鑑賞する前まではその点が興味深かった。

実際、映画館での来場者特典で貰った絵が、3年時のリョータというのが、今後続編を示唆しているのかもしれない(山王戦の時点でリョータはまだ2年、その後新チームのキャプテンとなる)。映画のラストシーンで、アメリカでPGに転校した沢北と対決する場面あるけど、これが高校なのか、或いは大学行くまでのプレップスクールでの話なのか・・・

スラムダンク奨学金は大学行く前のプレップスクールへの支援なんだけども、なんとなくこの二人見ているとそれを暗示しているような気もする。ただ、それはまあ映画の続編で明らかにされるのだろう・・・なんたって、映画のタイトルが、続編を暗示しているThe First Slam Dunkだし。奨学金の原資を確保する狙いもあるんだろうな・・・

ところで、山王戦の描写で個人的に一番興味深かったのは山王の堂本監督によるゲーム終了間際でのタイムアウト取り消し判断だけど、花道の消耗具合を考えてタイムアウト取り消し、深津に賭けた同監督の判断は、色々と考えさえられた。というか、井上雄彦先生はNBAオタでもあるので、タイムアウト取るルールをNBAと混同していたかなと(笑)

NBAでは、インプレー中でもボール保持しているチームがタイムアウトを請求出来るので、あの場面深津がハーフコートまで運んで、速攻で崩せないとなった時点で、タイムアウトを取れるので、井上雄彦先生はその感覚で堂本監督がタイムアウトを請求することを考えたのかもしれない。

ただ、山王戦はあくまでも高校インターハイの試合で国際ルール(当時の山王戦では前後半ハーフ制で、30秒のショットクロックだった!)にて運営されており、あの時点で堂本監督がタイムアウト請求したら認められるのはFGが決まった瞬間かプレーが止まる瞬間だった。

そう考えると、あのままタイムアウト要求したままだと深津のジャンパーで逆転した後に認められることとなり、湘北に最後のワンプレーをハーフコートからさせてしまうため、堂本監督は取り消しによってその状況を避けることが出来た。ただ、逆に深津のシュートが決まらずリバウンドを相手に取られると、時計を止めるためにファウル仕掛けてた後にタイムアウトがようやく取れるようになる。で、この時山王のチームファウルが相手にフリースロー与えるほどしていなかったんじゃなかったっけ?w なのでファウルしても湘北ボールのスローインってなって、そこで時間使われて終了になっていたかもしれない。

いずれにしても、タイムアウト取るのであれば、プレーが止まる前に、予めタイムアウトを取るタイミングを決めておかないといけないし、止まった時点の状況でどのような指示を出すかが鍵ではあったけども(というかその前に湘北に流れが来始めた時点できちんとタイムアウト取って指示すべきだったのだが)、ともかく堂本監督は逆転したら残り少ない時間なのでそのまま時計を進めさせて終了ということを選んだ。

ただ、その堂本監督の読みの更に上を行ったのが、痛みをこらえて必死に走った花道と、最後ギリギリの残り時間で花道にパスを選択した流川だった(もっとも、20点差をつけていた時間帯に主力を休ませず、終盤でもプレスを多用したために、最後の場面で戻る足を残せなかった堂本監督の采配ミスも何気に響いている)。

そして、試合後一瞬だけ右手をタッチしたらすぐにプイと後ろを向いてしまう花道と流川w ただ、試合に勝つためには普段口利かない相手でもパスをするという判断をしたことで、「勝って和が出来る」ことを示したのがこの二人だった。

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