ドイツにおいて、全世帯所得平均の60%以下の収入しかない世帯は〈貧困リスク〉に晒されていると見なされます。その貧困リスク率が最も高いのはブレーメン州で、22.6%に上ります。それに対して南ドイツのバーデン・ヴュルッテンベルク州は貧困リスク率が11.9%、バイエルン州は12.1%と、両州とも全国平均を下回っています。
東西格差も歴然としており、旧西ドイツ(ベルリンを除く)の貧困リスク率が15%なのに対して、旧東ドイツでは18.4% となっています。
貧困リスクが特に高いのは失業者で、旧西ドイツでは失業者の52.9%、旧東ドイツでは失業者の66.9%が平均所得の60%以下で生活しています。中でもザクセン・アンハルト州の失業者の貧困リスク率は群を抜いており、75.6%に上っています。
また一人親世帯とその子どもたちも平均以上に貧困リスクに晒されており、旧西ドイツで42.4%、旧東ドイツで46.9%の一人親世帯が貧困リスクラインを下回っています。
一人親世帯の貧困リスク率が意外に低いと感じる方も居るかもしれませんが、これは「一人親世帯」に両親が婚姻していないが同居している世帯も含まれていることが原因かと思われます。
州 | 合計 | 内訳 | |
---|---|---|---|
失業者 | 一人親世帯とその子ども(18歳以下)たち | ||
% | |||
バーデン・ヴュルッテンベルク | 11,9 | 43,4 | 38,7 |
バイエルン | 12,1 | 48,1 | 36,7 |
ベルリン(旧東) | 19,4 | 63,8 | 34,5 |
ブランデンブルク(旧東) | 15,6 | 63,8 | 46,8 |
ブレーメン | 22,6 | 60,7 | 59,1 |
ハンブルク | 14,9 | 45,6 | 41,0 |
ヘッセン | 15,1 | 50,1 | 42,2 |
メクレンブルク・フォアポンメルン(旧東) | 20,4 | 68,5 | 56,5 |
ニーダーザクセン | 16,7 | 55,9 | 46,4 |
ノルトライン・ヴェストファーレン | 17,8 | 59,0 | 45,2 |
ラインラント・プファルツ | 15,5 | 55,5 | 46,0 |
ザールラント | 17,2 | 49,5 | 42,1 |
ザクセン(旧東) | 17,7 | 68,8 | 47,4 |
ザクセン・アンハルト(旧東) | 21,4 | 75,6 | 60,0 |
シュレスヴィヒ・ホルシュタイン | 15,1 | 53,6 | 39,2 |
チューリンゲン(旧東) | 17,2 | 61,2 | 49,6 |
追記: | |||
旧西ドイツ(ベルリンを除く) | 15,0 | 52,9 | 42,4 |
旧東ドイツ(ベルリン込み) | 18,4 | 66,9 | 46,9 |
参照記事:
Statistisches Bundesamt, Pressemitteilung vom 29.08.2017: "Armutsgefährdung in den Bundesländern weiter unterschiedlich"
Statista.de, "Armutgefährdung in Deutschland", 29.08.2017