言語空間+備忘録

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「法的な解決」 が必要とはかぎらない

2010-05-12 | 日記
la_causette」 の 「繰り返される実名・匿名論争の中ではっきりしていること

 繰り返される実名・匿名論争の中ではっきりしていることは、ネット利用者の匿名性を維持したままで使用可能な、ネット上での紛争を法的に解決する手段を構築していこうという機運すら自主的に起こらなかったということです。

 ネット上での情報発信者の匿名性を維持しつつ、被害者の救済を図る方法は、大きく分けて2つしかありません。1つは、権利侵害情報が流通することがないようにウェブサーバの管理者が責任をもって違法コンテンツをフィルタリングするというものです。DeNAは公式にはこれをやろうとしていることになっていますが、これはそれなりに人的リソースを消費します(逆にいえば、人海戦術で実現可能とも言いうるのですが)。もう一つは、その利用者が行った権利侵害情報の流布により生じた損害はその流布に用いられたウェブサーバ等の管理者が発信者と連帯して賠償するというものです。

 しかし、前者については、DeNAのあと追随する事業者はほぼ現れていませんし、利用者が負うべき賠償義務を利用者に代位して弁済する方針を採用している事業者は今のところありません。また、いわゆる「匿名派」のみなさまもこのどちらかの方式を採用すべきと思っているわけではなさそうです。

 事業者の望み、匿名派の望みは、ただただ、匿名を用いてなされる誹謗中傷やデマの流布については、加害者に事実上の治外法権が与えられ、被害者がただただ泣き寝入りをする社会です。それは、この間、ネット利用者の匿名性を維持しつつ、誹謗中傷が減少しまたはその被害を回復できるようにする措置を特段提唱してこなかったことからも明らかと言えるでしょう。


 実名・匿名論争において、匿名論者は被害者の立場を考えていない、と書かれています。



 この主張の前提は、

   情報発信者が実名であれば、「ネット上での紛争を法的に解決する手段」 があるが、
   情報発信者が匿名であれば、「法的に解決する」 ことは不可能である、

というものです。たしかに、匿名の者を ( 匿名のままで ) 裁判所に訴えるわけにはいきませんから、訴訟を提起する前に、「実名を割り出す作業」 が必要です。



 しかし、「法的に解決する」 必要性は、「つねにあるとはいえない」 と思います。

 要は、「被害者の救済」 が得られればよいのであり、救済の手段として、法的手段に固執する必要性はありません。ネット上で、匿名の情報発信者に対して反論すれば、事足りる場合も多いと思います。

 訴訟を提起すれば、裁判所が 「被害者であると主張する者」 の主張を無条件で認める、というのであれば別ですが、そうではなく、実際には、「被害者であると主張する者」 と、「ネット上で情報を発信した者」 とが、互いに、法廷で争うわけです。とすれば、「被害者であると主張する者」 が、法廷ではなくネット上で、反論すれば必要にして十分ではないか、と思います。

 どのみち、「被害者であると主張する者」 は、( 法廷で ) 反論しなければならないわけです。反論の場が、法廷であろうとネット上であろうと、大差ないのではないかと思います。

 裁判は公開が原則ですし、ネット上 ( 公衆の面前 ) で反論することに、特段の問題はありません。



 もっとも、ネット上で反論する場合、判断するのは裁判官ではなく、一般の人々になるわけですが、

 一般の人々が裁判官に比べ、「愚かである」 というのであればともかく、実際には、そのようなことはないと思います。裁判員制度によって、法廷においても、一般の人々の判断が尊重され始めています。とすれば、なにも法廷における反論に固執する必要はなく、ネット上で反論することに、なんら不都合はないと思われます。



 したがって、実名化を推進したいのであれば、「なぜ、法的な解決」 が必要なのか ( なぜ、ネット上で反論するのでは不都合なのか ) を示すことが、有益なのではないかと思います。
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