ネコとウッドクラフトと

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caffeineの催奇形性

2023-10-29 22:30:09 | Weblog
片づけをしていたら懐かしいものが出てきました。
1983年6月から翌84年6月までUniversity of CincinnatiのDr.Scottの下で、カフェインの催奇形性についての研究の一部をお手伝いさせていただいた時のものです。
私が担当したのは、あらかじめ副腎を摘出したマウスを用い、カフェインの催奇形性が抑えられるか否かの実験でした。
カフェインはある条件下でマウスの指趾に奇形を誘発することが知られていました。Dr.Scottはカフェインが血中カテコラミンを上昇させ血管を一時的に収縮させ、そのことが胎児にも影響し奇形を誘発させるのではないかとの仮説をたて、しからば、副腎を摘出しカテコラミンが上昇しにくくしたマウスでは奇形が生じないはずということを証明しようとしたわけです。結果は奇形誘発率は劇的に軽減され、カフェインの催奇形性メカニズムの一因が証明されました。 この成果はTeratologyという学術専門誌に掲載されました。
この研究はアメリカのコーヒー協会から資金提供を受けて行ったもので、協会としては、ヒトではこのような奇形は起こらないということをはっきりさせたい、その為に資金援助をするということのようでした。なんとも協会の度量の大きさに感心し、日本ではこういうスポンサーはなかなかいないななどの感想を抱いた事を思い出しました。
なお、現在では妊婦が普通にコーヒーを飲んでいても奇形児が生まれるようなことは考えにくいとされていると思います。

片付けで見つかった図はカフェインがもたらす指趾奇形のパターンで、パターンごとの奇形の呼び名を私の理解のためにまとめたものです。




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