02/22 運動の神秘 (4) 指先を広げる ①
『運動の神秘』 シリーズには、これまでに
(1) 深奥部の筋 (2) 筋肉の協調 (3) 筋肉の反目
の三回分があります。
関連記事 『楽器の顎当て』 シリーズ
(1) 邪魔な厚み (2) 材質の差? (3) "厚み"と身体の寸法
弦楽器を演奏する上で、大事な課題の一つに、音程を取る
作業があります。 (左) 手の指先の間を広げるわけですが、
楽器が大きい (手が小さい) ほど、苦労しますね。
私も手は大きい方ではありませんが、ここでは、自分が
Violin、Viola を弾く場合について書いてみます。
これらの楽器では、通常
①人差し指、②中指、③薬指、④小指、の四本で、
"Do,Re,Mi,Fa"、"Re,Mi,Fa,Sol" など、
四度間隔の音程を取ります。
さてそれでは、"ゼロの指"、つまり開放弦が使える
"第一ポジション" では、あなたはどのようなことを重視
して、音程を取っておられるでしょうか。
教則本などでは、普通は以下のような記述を
見かけるでしょう。
「まず① (の指) を置いて音を取り、それと
一緒に親指の位置を決める。」
つまり、①とほぼ向かい合わせの位置に親指をセットして、
この2本でスタート位置を決め、①→②→③→④の順に
音程を取っていくように、練習することになります。
ところが私はこのようにはしていません。
(私だけでないことを願っていますが。)
まず楽器を持ったときですが、第一ポジションの場合、
③を意識して "手の位置" を決めているようです。
ここで、"指の位置" と書かずに "手の位置" としたのには
意味がありますが、これについては、また後述します。
さて、③を決めたあとは、→②→①と、逆に下りて行きながら
音程を取るような意識が、自分にはあるようです。
では「親指の位置は?」と見ると、先ほどの教則本の方法
で取った "①の向かい側" よりは、若干④の方向へ寄った
位置にあります。
「まず親指の位置を先に決めた」のではなく、結果として
そうなったのです。
ここで、なぜ "④の方向" と書いたか、お分かりいただける
でしょうか? ②や③でも同じでしょうに…。
それは、音程を司る指の中で端にあり、もっとも短く、一番
弱く、不自由なのが④だからです。
私の場合、手にする楽器が大きくなるほど、この傾向が強く
なり、親指は①から離れていきます。
楽器によっては③の付近にまで。 また、Violin でも、
(ハイ・ポジションで二弦に跨って10度を超えるなど)
特殊な場合には、③と④の間にまで…。
(続く)
関連記事
運動の神秘
(1) 深奥部の筋
(2) 筋肉の協調
(3) 筋肉の反目
(4) 指先を広げる ①
(5) 指先を広げる ②
(6) 指先を広げる ③
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(8) なぜよく打つの江川、西本
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(10) 三塁ベースは右折禁止
楽器の顎当て
(1) 邪魔な厚み
(2) 材質の差?
(3) "厚み"と身体の寸法
弦楽器の Bowing を巡って
『どうやって跳ねる?』
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『Bowing は足腰から?』
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『頬っぺが痒い…』