飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

永遠の妖女#19・・・ルイーニの「サロメ」

2008-03-06 | サロメ
ベルナルディーノ・ルイーニ「サロメ」

この生々しい絵を描いたベルナルディーノ・ルイーニは、モナリザやダ・ヴィンチ・コードでもお馴染みのあのレオナルド・ダ・ヴィンチのお弟子さんであるそうだ。

斬首されたばかりのヨハネの首をごつい手がその髪の毛をわし摑みし銀の皿に載せようとする。あたかも敵の首領の首を掻っ切った戦利品のように。それを受け取るサロメは心ここにあらずとばかり、生首とは反対の方向を向き無関心を装おっている。サロメは清純でとても美しくあり、それが逆に異様な雰囲気を漂わせている。透き通るような美女と生首と腕。シンプルな構造なのであるが、描かれたシチュエーションががリアルなのでインパクトがありすぎる。その状況とは関係ないかのように、独りサロメが美しくあるのである。それをどう受けとめたらいいのか正直困ってしまう。



一方もうひとつルイーニには「サロメ」の絵がある。そちらはヨハネの首を同じように持った刑吏執行人が描かれている。こちらはその執行人が野卑に描かれ、なにやらヨハネの首に罵声を浴びせかけているようにも見える。男の野蛮性が強調され、相対するサロメの方は男の興奮に押されるかのように控えめで目を背けている。こちらのほうが彼女は慎ましやかな印象である。

ともあれルイーニのサロメは、ビアズリーの絵に出てくるような悪魔的な要素は全くありません。むしろ不本意な状況に立場的に巻き込まれてしまい仕事として首を運ぼうとしているかのようにも見えます。この状況以前には、サロメはヘロデ王の前で踊りを披露したはずなのですが、そういった痕跡もありません。一際美しさが目立つサロメですが、師匠のダ・ヴィンチは美男子のヨハネを描いており、その美しさは弟子に至りサロメに移行していったというには穿った見方すぎますよね。

残酷な絵ではありますが、サロメはとても綺麗な女性でありました。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TBありがとうございます。 (オペラ座の灰燼)
2008-03-09 01:57:06
飾釦さん、はじめまして。オペラ座の灰燼と申します。
弊ブログへ、それもルイーニの記事にTBありがとうございました。
さきほどより少しずつ御ブログを拝見していますが、
昔から現代にいたるまで、本当にサロメは多くの人を惹きつけて
きたのだなぁと思いました。
そして、

>。この状況以前には、サロメはヘロデ王の前で踊りを披露したはずなのですが、そういった痕跡もありません。

このご指摘には目からウロコでした。

これから過去記事を少しずつ拝見させていただきますね。
返信する
コメントいただき (飾釦)
2008-03-09 10:30:41
オペラ座の灰燼さま、ありがとうございます。

踊りを披露した痕跡がないというのは、けっこう他の絵にもみられるような気がします。サロメ自体も汗ばんでいるとか、髪の毛が乱れているはずなんですが・・・。

また、よろしければ見てやってください。
返信する
奇跡の丘 (オペラ座の灰燼)
2008-03-10 00:28:28
サロメの舞について、一つ思い出した映画があります。
パゾリーニ監督の「奇跡の丘」という作品ですが、この作品の中の
サロメの舞は穏やかなもので、古代の舞がどんなものだったのか
想像力を刺激されました。
返信する
情報 (飾釦)
2008-03-10 08:12:38
ありがとうございます。

パゾリーニの映画にあるんですね。彼の映画は神話を題材にしたものが多いと認識しているので、ありえますよね。さっそく観てみたいと思います。

ありがとうございました。
返信する

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