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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

鏡花幻想譚への接近#1・・・新派公演「婦系図」

2008-06-23 | 泉鏡花
新派公演「婦系図」

■日時:2008年6月22日(日)
■劇場:新橋演舞場
■作 :泉鏡花
■演出:大場正
■出演:片岡仁左衛門、波乃久里子、水谷八重子、安井昌二、他

このところ腰痛に悩まされています。そのため長時間椅子に座ることに自信が持てず、松平健が主役の「ドラキュラ」のお芝居を断念、そして先週は九州で開催される寺山修司演劇祭に行こうと思って予約した宿と飛行機をキャンセルせざる得ませんでした。そして何よりも仕事に影響があるため何とか早くよくしたいとコルセットで保護をして鍼灸院に通いながら…。

そして、ややよくなってきた感覚が出てきたため、思いきって新橋演舞場で上演中の泉鏡花原作の「婦系図」を観に行くことにしました。ちなみにこの公演、新派120周年記念にあたるそうです。カタログによると新派とは歌舞伎=旧派に相対する新しい芝居として起こったものとのことですが、今ではすっかり古典的な芝居形式と言っても過言ではない伝統ある演劇です。そしてこの「婦系図」は初演から何と100年目にあたり、息の長い人気作品なのであります。

ボクとしては初めて観る新派の演劇(小劇場、実験演劇が多いため)、そしてこれも初めての泉鏡花の作品、期待は膨らむのですが、心配はやっぱり腰痛です。何といっても上演時間が長いからです。11時に開演し終演は3時30分と途中休憩はあるものの4時間以上、緊張状態で観劇しました。

さてそのお芝居の方ですが、長丁場にもかかわらず飽きずに見せてくれます。それはなによりも役者の力が優れているからでありましょう。見せるは魅せる、変なこけおどしはありません。正攻法、真正面からの直球勝負です。特に早瀬主税を演じた片岡仁左衛門、酒井俊蔵を演じた安井昌二の堂々たる演技には、ほらどうだ!と云わんばかりの自信に満ちた演技をしていて、観客が魅せられてしまうための型のようなものを持っており、それにすっぽりはまってしまうような感覚になってしまいます。(ケレン味ある演技、歌舞伎役者だからか、とにかく姿勢がいい)もちろん波乃久里子、水谷八重子ら女優陣も素晴らしかったのです。とにかく所作が美しい。浮世絵を見ているかのような、かつての日本女性は、あんなにもけなげでしおらしかったのかとも。ぜひ現代女性もあの美しい所作は真似て欲しい。電車の中で足を広げ化粧をしておにぎりを食べるのはちょっとね。欲を云えばもう少し若ければ…なんて。

物語の展開は、泉鏡花の原作をアレンジしたものとなっており、あくまで主税とお蔦の恋愛ドラマとなっています。原作の小説はわかりづらい小説なので(明日書く予定です)、大衆受けするようにカタルシスある(つまり、泣けるということ)構成になっており、有名な湯島天神の境内の場面=主税とお蔦の別れのシーンもたっぷり40分の時間を取って見せるのです。しっかりとそしてじっくり味わい深い演技を見せること、それがボクにとっては新鮮でありました。何度も上演され続けるだけの感動がそこにはあります。話の中身はよく知らなくても有名なあの台詞、別れ話を切り出そうとするができない主税の言葉「どうかもしようよ、月は晴れても心は闇だ。」そして別れ話をされて切り返すお蔦の言葉「切れるの、別れるのってそんなことはね、芸者の時にいうことよ。今の私には、死ねといって下さい。」胸に響きます、せつなく泣けます。

ただ後半、主税が河野家に対して復讐を企てる展開は、主税とお蔦の恋物語を丁寧に描きすぎたため、やや唐突で無理な部分もあるように思えました。ボクは原作を読んでいたためその展開を理解することができましたが、初めて観た人はちょっととまどいもあったのではと感じました。(後ろの席のおばちゃんらが、人間関係の説明を小声で話していましたし)

ラストは悲しい結末で幕引きです。それが芝居を観たっ!という感動を残し心地よく劇場を後にすることができました。今まで食わず嫌い、思い込みで拒否していたこの手のお芝居ですが、意外や意外、とてもおもしろかったのでありました。(ついでに、ビシッと腰と背骨を伸ばして坐って観劇し、怖れていた腰痛の悪化は避けられたようです。そちらもホッとしたのでありました)



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6 コメント

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鏡花 (みゆみゆ)
2008-06-23 23:16:48
はじめまして。
TBありがとうございました。(こちらからもTBさせていただきました。)
歌舞伎は何年か見続けていますが、鏡花は初めて見ました。
今までも歌舞伎で『天守物語』を見て、原作も読みましたが、こちらは未読で観劇しました。

私はたまたま体調が悪くて・・・・途中記憶がないのが悔やまれますが・・・
原作も読んでみようかなと思いました。
はじめまして (kkmaru)
2008-06-23 23:40:39
TBありがとうございます。
昨日は雨の中行かれたのですね。

私が(特に後半)分かりづらく感じたのは、
鏡花の原作を知らないからかも知れませんね。
また読んでみます。
外連 (大向こう)
2008-06-24 05:10:18
記事の中で貴殿の書かれる「ケレン味ある演技」とは、どういったものを指しておっしゃっているのでしょう?
ありがとうございます (飾釦)
2008-06-24 21:52:12
みゆみゆさま、コメントありがとうございます。私も鏡花の作品、本は初めてでした。長丁場の芝居は体調が悪いと大変ですよね。

kkmaruさま、コメントありがとうございました。原作の本はとても読みづらかったです。それについては本日の記事で書きました。よろしければ見てやってください。

大向こうさま、コメントありがとうございました。ケレンについては、俗受け・はったり・ごまかし等の意味があると思うのですが、以前NHKの番組で天野祐吉氏が指揮者カラヤンをさしてケレンと評していました。それは「ゾクゾクするようなかっこよさ」ということであるそうです。私も片岡氏や安岡氏の演技に、ほどよいいやらしさの中にかっこよさを感じました。
外連再び (大向こう)
2008-06-25 01:18:26
「安岡」でなく「安井」なのでは?

「変なこけおどしがなく、正攻法、真正面からの直球勝負」とおっしゃる以上、「ケレン味のない演技」が正しい言葉づかいだと存じます。ケレンがかっこよさを結果として生む場合がたとえあったとしても、ケレン味という言葉自体に「ゾクゾクするようなかっこよさ」という意味はございません。

偉そうに申してしまいましたが、もちろん、貴殿を傷付ける意図など全く無いこと、どうか御理解下さいませ。
ありがとうございます (飾釦)
2008-06-25 08:49:29
大向こう様、ご指摘いただきありがとうございます。

まず、名前が間違っていました。私のつたない文章をちゃんとお読みいただいて感謝です。ありがとうございます。

またご指摘のように、文意がおかしいですね。言われるまで気が付きませんでした。

おかしい部分は、コメントの記録含めて残しておきたいと思います。また、他の部分でもおかしいところがあれば教えてください。

ありがとうございます。

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