飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

漫画no乱歩#6⇒「陰獣」古賀新一/角川ホラー文庫

2006-09-05 | 江戸川乱歩
「陰獣」古賀新一
角川ホラー文庫



とにかく『エコエコアザラク』のイメージがあまりにも強い古賀新一さんです。怪奇ホラー漫画家の第一人者として江戸川乱歩の原作を漫画化していても、すこしもおかしくはありません。

漫画のタッチは、絵にはいつも闇が描かれており、全体として夜の印象です。そこに忍び寄る謎の小説家・大江春泥の影、これはもう魑魅魍魎の様相。無感情で蛇のような視線、そんな恐怖を醸し出しています。この原作でキーとなる人物小山田夫人は、その氏独特の“睫毛”の描き方によって(時代を反映したGOGOガール?)魔女的雰囲気をただよわせています。やはり氏は西洋魔術の世界が似合っている?



ストリーは現代に時代を設定しながら、そつなくまとまっており、明日投稿予定のバロン吉元の「陰獣」(同じ原作です)といい著名な漫画家は、売れるだけの納得させる力量を持っていると痛感しました。


人気blogランキングへ



■小説
江戸川乱歩全集 第3巻 陰獣

光文社

このアイテムの詳細を見る
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 偏在する乱歩・H→大阪府守口... | トップ | 漫画no乱歩#7⇒「陰獣」バ... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (幽鬼)
2006-09-06 01:29:23
TBありがとう御座います。『蚊母鳥園』というブログを綴っております幽鬼と申します。



古賀新一『陰獣』の収録された「白髪鬼」は、気付いたら品切れとなっており、今古本屋などで探していまるところです。ホラー文庫は一時期嬉しい復刊を何冊も成功させてくれたものですが、最近は盛り上がりに欠け聊か淋しい気分です。

「白髪鬼」が売れたら石川球太の漫画版『芋虫』が刊行されたようですが、それも夢に終わってしまいそうで(残念)



明日のバロン吉元の記事も楽しみにしております。あと後ほどこちらからもTBさせて頂きます。
返信する
幽鬼さん (飾釦)
2006-09-06 21:46:13
コメントありがとうございました。私も角川ホラー文庫は古本で見つけました。どうぞまた見てやってください。
返信する

コメントを投稿

江戸川乱歩」カテゴリの最新記事