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日本政府も提案する「批判的思考(クリティカルシンキング)を育む」のってなぜ大切?育むヒント

2017年01月04日 | 21世紀型子育て

「批判的思考(クリティカルシンキング)」についてまとめ中です。


「批判的思考(クリティカルシンキング)」を育むことの大切さ

欧米社会では、小学校時代から聞かれる言葉です。

 

日本でも、

2012年に文部科学省が提案した「教育改革」にて、

その重要性があげられています。

 

この「批判的思考」、字面どおりにみると、

まるで「常に周りのあら捜しをして非難できる箇所を見出そうとする」かのようですよね。

私も初めてこの言葉を聞いた当時は、そんなイメージをもっていました。

 

でも「批判的思考(クリティカルシンキング)」とは、そうではなくて、

「論理的に考え、そうした自らの考えを多角的に省察し(メタ認知)、的確な判断を下す」

ことを言うんですね。

 

 

以下、生物人類学者グエン・デワー氏のこちらの記事(Teaching critical thinking: An evidence-based guideを参考に、

「批判的思考」について、ざっとまとめます。(それぞれの研究の詳細は記事原文を参照ください)

 


「批判的思考」を身につけることはなぜ大切?

スクリーンをのぞけば瞬時に世界中の情報が手に入るネット時代、

正誤清濁入り乱れた情報が溢れる中、情報を鵜呑みにするのでなく、

より的確に「選択する」ためにも、「批判的思考」は重要になってきます。

 

また「批判的思考(クリティカルシンキング)」とは、

「好奇心と柔軟性とオープンマインドから成り、

創造的な問題解決にも欠かせない」とのこと。

(Quitadamo et al 2008) (DeHaan 2009)

 

 好奇心、柔軟性、オープンマインド、創造性といえば、

何が起こるか予想しにくいこれからの「不透明な時代」に、

ますます必要とされる資質。

「批判的思考」とは、これらの資質をひっくるめた思考法なんですね。 

 

 

文部科学省は「教育改革」として、

従来の知識重視型の教育ではなく、

自ら考え、判断し、行動する生徒、

つまり、これからの世界で活躍できる人材を育てることを目指しているわけですが、

確かにそのためには、「批判的思考」が重要になってきますね。

 

 


「批判的思考(クリティカルシンキング)」を身につけることでIQなどもアップ?

「批判的思考(クリティカルシンキング)」を磨くことで、様々な能力がアップすることも分っています。

 

・言語理解力、発明思考、IQが著しく上昇

400人以上の7年生に、45分間60回の「批判的思考」レッスンを与えたところ、レッスンを受けなかったグループよりも、著しく、言語理解力、発明思考、IQが上昇。(Herrnstein et al 1986).

 

・問題解決力の向上

678人の7年生を対象に、生物学のカリキュラムに「批判的思考」のレッスンを加えた場合と、そうでない場合を比較したところ、レッスンが加えられた生徒の方が、分析能力が改善され、日常の問題解決能力も向上したとのこと。つまり、日常生活にもより応用できる科学的な力が培われたということですね。(Zohar et al 1994)

 

 


では、「批判的思考(クリティカルシンキング)」をどう鍛えるのか?

 

 いくつかの研究によると、以下を教えるのが有効とのこと(Abrami et al 2008):

 

• アナロジーの分析(analyze analogies)

• 分類を創り、モノを適切に分類する(create categories and classify items appropriately)

• 妥当な情報の識別(identify relevant information)

• 適切な演繹的議論の構築と認識(construct and recognize valid deductive arguments)

•仮説を試す( test hypotheses)

• よくある推論の誤謬の認識(recognize common reasoning fallacies)

• 根拠と根拠の解釈の区別(distinguish between evidence and interpretations of evidence)

 

なんだかこう並べると、難しそうですが、

実生活の中で、これらに意識が向くようにもできますよね。

 

鳥とトンボの類似点はなんだ?海と空の類似点はなんだ?と考えてみたり、

色や形や用途別など玩具を様々なやり方で分類してみるとか、

「こうかな?と思ったこと(仮説)」を試してみるとか、

それは事実?それとも思ったこと?と考えてみる、などなど。

 

小さな子ほど、自らの頭と身体を使って体験できるような環境を整えられるといいですね。

(幼児期のアカデミックってどう思う?という質問、『遊び=動き』のあふれた自主的な体験の大切さ)

 

 

・ディベート

「ディベート」をクラスに取り入れるのが有効と示す研究もいくつかあるようです。

確かに、異なる主張を前に、自らの主張を納得してもらおうとするなら、「批判思考」もフル回転しますよね。

二手に分かれて「ディベートゲーム」してみるのもいいですね。兄弟姉妹間の意見が分かれた場合など最高。じゃあ、「フローズンストア」と「アイスクリームストア」のどちらがいいか、周りを納得させてみよう、などなど。

 

 

以下は、米国哲学協会(American Philosophical Association)によるヒントです:

・早くに始める

日常生活のなかで機会を作っていくことができますね。


・ドグマを押し付けるのを避ける

これはこうと突きつけるよりも、理由を教えていく。


・質問することを励ます

考えやアイデアを聞いてやる。


・他の説明のしかたや解決法を考えさせてみる

「他にどんなやりかたできるかな?」「これこうしたらどうなるんだろう?」などなど。

ひとつのみの答えだけでなく、いくつかの解決方を考えることで柔軟な考え方ができるようになる。

 

・自分の言葉で説明する練習をする

言われたままより自分の言葉に直すことでより身につきますね。


・偏見について話す

小学生ぐらいなら偏った味方についての説明も理解できるとのこと。

 

・事実やアカデミックについてだけでなく、モラルや倫理や公的なポリシーなどについても考えてみる

日常のあらゆることが「考えるトピック」になります得ますね。


・書くことを励ます

自らの説明を明確にし、議論を研ぎ澄ませるために。

 

 

年齢によって、できることをできる範囲で。

 

子どもの「考える力」を養うヒント、

周りの大人が好奇心をもって、柔軟に、オープンマインドで創造的に、考えていきたいですね。

 

それではみなさん、今日もよい日を!

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