マイコー雑記

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『It Mama』寄稿:「言うこと聞かないとおやつあげない!」はNG!? 罰以外にしたい3つのコト&次世代に伝えたい「しつけの方法」とは?

2018年01月30日 | 思慮あるしつけ(discipline)

罰というと、

「おやつあげないよ!」という軽めのものから、

身体を痛めつける体罰まで、「重さの範囲」があります。

 

研究として分かっているのは、

体罰は、長い目で見たら、

子どもの行為を改善する効果が全くないということ。

そればかりか、

親子関係を損なったり、

子どもの攻撃性を促進してしまったりと、

一生にわたって子どもにネガティブな影響を与えてしまうということです。(*)

 

そして、「体罰」は、その子が親になったとき、

子どもへ同じことを繰り返してしまうと、受け継がれる場合が多いといいます。

「子どもに言うことを聞かせるための他の方法」を身に着けてませんから。

 

 

では、「軽めの罰」ってどうなんでしょう。

 

例えば、

「静かにしないなら、帰るよ!」

「仲良くできないなら、もうお友達の家に来ないよ!」

「言うこと聞かないならおやつナシ!」

などなど。

 

私も、子育て初めのころ、

よく使ってました。

 

子どもが楽しみにしていたお出かけ前に、

「そうやって喧嘩するなら、

もう今日は出かけないよ!」と叫んだり。

 

こうした「罰」をついつい用いてしまうのも、

それ以外の方法が身についていないから、ですよね。

 

なぜなら、

私たちの親世代も、その前の世代から代々と、

「しつけの方法」といえば、

「罰・脅し・怒り・恥・報酬」がメインでしたから。

 

ですから、「言うことを聞かせなければ!」と思うなら、

こうした「罰」や、

「お化けがくるよ~」といった「脅し」や、

「恥ずかしいわね!」といった「恥ずかしめ」や

「キャンディーあげるから」といった「報酬」

を反射的にしてしまうわけです。

 

 

 

でも、しつけには、他の方法があるんですよね。

 

そして、それらの「他の方法」の方が、

親子関係も、家庭の雰囲気も、子どもの心面も、

断然、健やかになる、そう実感しています。

 

そして、

「敏感系の子」や「難しい性質の子」に必要な「思慮あるしつけ」とは、

まさに、これら「他の方法」を用いていくということ

そう思います。

 (「ひといちばい敏感な子」についての研究者エレイン・アーロン氏も、

「ひといちばい敏感な子」が幸せな人生を歩むには、

「思慮あるしつけ」が必要と唱えています。『The Highly Sensitive Child』より)

 

それら「他の方法」を、

繰り返し試すことで、

身体になじませ、身に着けていくこと。

 

是非、次世代には、

「罰・脅し・怒り・恥・報酬」以外の方法を、

受け渡していきたい、そう思いませんか?

 

そうして、

1人でも、「敏感系の子」や「難しい性質を持った子」が、

持てる力を発揮できるようになってくれたら、

そう願っています。

 

 

記事には、

「軽めの罰」が体罰の入口になり得ること。

そして、「罰・脅し・怒り・恥・報酬」以外の「しつけの方法」も3つ紹介してあります。

興味ある方、是非どうぞ!

・「言うこと聞かないとおやつあげない!」はNG!? 罰以外にしたい3つのコト

 

 

 

それで、

こうした「他の方法」を知ったとして、

でも、長年「罰・脅し・怒り・恥・報酬」といった方法がしみこんでますし、

忙しかったり、イライラしていたら、

そちらの方が、するすると出てくるものです。

 

でも、

「理想の方法」といった「理想」を持つことって、

その存在があるだけでも意味がある、

そう思いませんか?

 

 

「理想の方法」はストッパーになります

もし、

「罰は必要ないですよ。他に方法がありますよ」という

「理想の方法」を全く知らないとしたらどうでしょう?

 

昨日も私、

「しまった」な対応をして、

「理想は、こうじゃないよな」と思った出来事がありました。

 

――――――――

娘の1人が、

私の傍にきて、「は~」とため息。

 

「ああ、なんでこんなことしちゃったんだろう。あ~あ」と

わざと、私に聞こえるように言います。

 

私:なに?

娘:ああ、言ったらママ怒るだろうなあ。私もしまったと思ったもの。

私:なんなの?いいから言いなさいよ。

娘:ああ、でもなあ、ああ。

私:いいからさ、言って。じれったい。

娘:カレーを器に入れすぎちゃったから、鍋の中に戻したら、

ご飯まで鍋にボトボトボトって入っちゃったんだよね・・・。

 

そこで私、

「えーーー!ちょっとー!」と叫びながらキッチンへ行き、

「もおー、何なのよー!何時間もかけて出来上がったばかりなのにー!」と

鍋の中にばらばらになったお米をすくいながら、ぷりぷり怒ります。

 

ここで、「ストッパー」が効き始めました。

 

「あのさ、これから気をつけてね。

ご飯がついであるときは、戻さなくていいから。

他の子にあげるとかできるからさ」

と、少し落ち着いた声で。

 

しょんぼりして下を向き、

自分の部屋に向かう娘。

 

はにかみながら話してくれた娘の表情を思い出しながら、

うなだれ去る娘の背中をながめ、

「ジョージワシントンの桜の木」の話が浮かびましたよ。

 

「そうだよね。

しちゃったことを正直に告白した時は、

まず、よくぞ告白してくれたねと、

認めてあげるのがいいんだよね。

あと、一緒に鍋からお米をすくいながら、

今度どうしたらいいかを話し合ってみてもよかったよね」

などなど思います。

 

結局、しばらくして皆集まり、

他の子にカレーをつぎながら、

「〇〇(娘)が、ご飯、鍋の中に落としちゃったっていってくれたから、よかったわ。

じゃないと、この白いの何だろって思うよね」と私。

 

娘も、その頃には、

「ママ、もうやめて~」と笑いながら返してました。

 

 ーーーーーーーーーーーーーー

 

もし、

・子どもが何かしでかしたことを正直に告白したら、まずは告白した正直さを認める。

・失敗したら、一緒に解決策を考え行動する。

 

といった、「理想の方法」を知らなかったら、

私の場合、

「やることが山積みの合間に、

何時間もかけてコトコト作ったカレーを、よくも!」と。

怒りが、もっとエスカレートしていたでしょうね。

 

「理想の方法」とは、

たとえ完璧にできることはないとしても、

悪循環へと落ちていくのを止めるストッパーになってくれる、

子どもに向き合う毎日に、そう実感しています。

 

 

 

「理想の方法」は灯台のようなもの

例えば、

心身共にへっとへとの中、

理不尽な要求をつきつける子供に「しまった」と思う反応を連発してしまい、

疲労と自己嫌悪の真っ暗闇にしゃがみこんだとします。

←ありますよね、こんな日。

 

そこで、

「理想の方法」をもう一度、

思い出してみます。

 

「教えないと・分からせないと・納得させないと」といった「ないと」を少し横に置き、

ただただ、子どもと楽しむ時間を10分でも持ってみる。

 

そう思い出し、寝る前の10分、実行してみます。

 

真っ暗闇に、

この10分があるのとないのとでは、

随分と違ってくるのではないでしょうか。

 

「理想の方法」とは、

こうして、真っ暗闇にも、

「こちらだよ」と照らしてくれる灯台のようなもの、

そう自らの体験を振り返っても思います。

 

 

 

「理想の方法」が自らの首を絞めるときの処方箋

確かに、「理想の方法」が、

自らを苦しめる場合もあります。

 

「理想のようにできない」という罪悪感で自らを責め、

イライラして、余計にできなくなり、

ますますイライラする、という悪循環になってしまう場合です。

 

その処方箋は、

「少しでもできた」ことを認めていくこと、

これに尽きるのではないでしょうか。

 

「一気に完璧な理想へたどり着く!」なんてことを期待せず、

例えば、

「今日は、2回怒鳴ったけど、そこから持ち直して、子どもと楽しむ時間を持てた」

「怒りをぶつけたあげく、手を上げそうになったけど、他の方法を試そうと切り替えることができた」

「今日は子どもの『できている時』を3回認めてあげることができた」など、

少しでも自ら「できたこと」を認め、労うこと。

 

普段の子どもの関わりに、

「罰・脅し・怒り・恥・報酬」以外の「理想の方法」も試してみよう、

それぐらいの姿勢で進めるのがいい、そう思います。

 

 

 

 

「罰・脅し・怒り・恥・報酬」以外の「しつけの方法」を、

具体的に、様々な形で発信できたらなと思っています。

少しでも、生きやすくなる子が増えていくことを願いつつ。

 

 

 

 

また「カレー話」ですが、

ロボティックスに集まるティーン男子に、

「カレー食べる?」と聞いたところ、

インド系の男の子が、

「もちろんです。僕は、文字通りカレーでできてますから」と答えてくれましたよ。

確かに、インド系の方の多くは、毎日、カレーなんですよね。

 

ロボティックスなティーンたち。

 

さて、

これから次女と三女のランニング練習、

そして、長女がチアリーディングで痛めた膝のフィジカルセラピーです。

←次女の膝が回復と思ったら、長女ですよ。

セラピストの方に特定の筋力トレーニングを教えていただき、おかげさまで回復中。

必要な個所に筋肉をつけるって大切ですね。

 

みなさん、今週も喜び溢れる日々を!

 

 

(*)参考資料

Physical punishment of children: lessons from 20 years of research

Joan Durrant, PhD and Ron Ensom, MSW RSW


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (福山)
2018-02-17 19:10:48
子供の時から失敗しても正直に言うのは良いですよね。正直に言うのは勇気が必要だと思います。
福山さん、コメントありがとうございます! (マイコー)
2018-02-23 14:46:00
本当ですね、正直に言うことは、とても勇気がいることだと思います。

私がきーと怒った時の、あの悲しそうにしょんぼりとした顔。次回は、深呼吸して、まずは言えたことを認めると、実践したいなと思います。

でも、いいんですよね、完璧でなくて。親も感情を表して、でも後からこうしてフォローして、そうして、人間くささをぶつけあいながら、お互いに徐々によくなっていくのだなあと思っています。

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