マイコー雑記

行き来するもの書き留め場

子どもが「不登校」になったらしたいこと&ひといちばい敏感な長女の選んだ進学先大学

2019年04月04日 | ハイリーセンシティブチャイルド

前の記事から続きます。

中学2年から不登校だった18歳女の子の事例:内から湧き上がる「好き」がその子を立たせる

 

4.不登校になったらしたいこと

HSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)についての著作のある

小児精神科医の明橋大二氏は、

不登校には、「休養期」「充電期」「援助期」があるとします。

https://www.10000nen.com/media/14993/

 

そして、明橋氏は、「文部科学省委託の不登校の予後調査によると、

五年後には80%の子が仕事をしていたり、学校に戻る」としています。

 

トラウマを抱えている場合など、

「休養期」も必要なわけですが、

私自身、

日本で、不登校や引きこもりの子達と関わってき

また、我が家の子ども達が学校へ行けなかったり、

行かないと決めた時のことを思っても

「では、この子が成長するために他にどんな選択肢があるのか?」と、

前向きに、その時点のその子に合った学びの場を

その子と話し合いながら築いていくことが大切だと思います。

 

学校へ行く意味とは、

本来、子どもが次の「3つの力やスキル」を培うためではないでしょうか。

1.学力をつける

2.他者との関り体験を通して社会性を培う

3.日々の繰り返しのリズムを身に着ける

 

ですから、

ひとまず「通常の学校」以外の方法で、

その子がこつこつとこの「3つの力やスキル」を

身に着けられるサポートをしてあげたいです。

 

例えば、

一.学力をつける

・「周りの子が学校へ行っている間は、

テレビゲーム等は長時間しないでおこうね」と話し合い、

通信や問題集や家庭教師を活用して、

日々、学力をつけます。

 

・博物館や科学館に出かける。

ハンズオン体験ができるところも増えていますね。

先週行ったお台場の『パナソニック・センター』の『理数ピア』も楽しかったです。

 

素数を見出すエアホッケー

 

 

二.他者との関り体験を通して社会性をつける

・敏感さがあり大勢に囲まれると、

なかなか関係を築くのが難しい場合は、

家庭教師などマンツーマン授業や少人数から関わることを続け、

その子の様子を見ながら少しずつ繋がりを広げていきます。

東京周辺では会員さんからお聞きして評判のいい『Branch』もいいですね。

発達障害とは診断されていない敏感系の子も楽しんでいるようです。

 

・フリースクールを活用する。

 

・「好き」や「興味のあること」や「得意」は、

人との繋がりを築いていく上で、

突破口になります。

趣味クラブに参加したり、

年齢が上になるほど自らサークルを作ってもいいですね。

 

・ホームスクールをする家庭同士で集まり

子ども同士交流したり、

一緒に実験やプロジェクトをする。←我が家も毎週していました。

 

 

三.日々の繰り返しのリズムを身に着ける

・朝は、

周りが登校・出勤する時間には起き、

活動を始める。

 

・日中、

運動時間も時間割に組み入れる。

 

 

 

我が家も、

高校1年でホームスクールを選んだ長男、

年中・年長と、ホームスクールをした長女と長男と次男とも、

学校へ行かないと決めた時点で、

「学校へ毎日行っている子も、

社会で毎日働いている人たちも、

皆、日々一生懸命学び、成長している。

私たちも、自分たちの方法で学び、成長していこうね」と話し合いました。

 

そして、まずは、

毎日の時間割を、

子どもと一緒に作りました。

  

日本は、「通常の学校」の存在が大きく、

どうしても学校へ「戻るか・戻らないか」の選択になりがちです。

そして「行かないなら、行く気になるまで、休んで好きにさせる」

となっている場合も多いです。

 

でも、

「通常の学校」で培われるとされる力やスキルは、

学校以外でも培うことができます。

 

「不登校」を、ひとまず「ホームスクール」

と初めから言い換えてしまうのも、

方法だと思います。

 

すると親子とも、

「行けない・行ける」と悩む間に、

「この子のペースで、こつこつと力やスキルをつけていこう」

と、より前向きに歩き続けていけるのではないでしょうか。

 

そうして、

力やスキルを日々こつこつとつけるにつれ、

学校へ行くことがそれほど大変でなくなる子もいるでしょうし、

そのまま、社会に出て活躍するようになる子もいるでしょう。

アメリカでも、ホームスクールをして、

大学へ進学したり社会で活躍している子はたくさんいます。

 

ホームスクールは、今の日本では、

親の時間、労力、経済的負担が、やはり大きくなりますから、

ホームスクール家庭同士のネットワーク等もより充実し、

せめて、時間や労力面を少しでも分担していけるよう願っています。

 

 

 

5.講座への感想

3月も、関西や中部地方から東京周辺県まで、

日本各地から講座や交流会に参加してくださいました。

交流会の様子。

  

春休み中でしたので、子どもさんの参加も20人近くでした。

 

講座の様子。

 

 

講座の感想の一部を紹介させてください:

H.T.さん

「子育ては、日本では、全く何かを教わることなく、ぶっつけ本番で取り組まされる事がほとんどで、特に男性は自分が担うべき役割を知らないし、知ろうともしない。是非、両親で受けるべき講座と思いました。」

 

N.O.さん

「習い事をうまく回す以上に、関り方がとても大切なんだなと感じました。」

 

K.N.さん

「とても楽しい時間でした。家族会議をずっとしたいと思っていたので、この機会に実行していきたいです。ヒントをたくさんいただきました。日々の生活におとしていきます。」

 

M.S.さん

「初めて講座に参加させていただきました。常日頃の子育ての中で、悩むことを、どのように考え解決していったらよいかを学ぶことができ、とてもよかったです。他の参加者のみなさんと悩みを共有し、話し合うことでも、気づきや癒しを得ることができて、それもとてもよかったです。今日学んだことを、日々の生活に生かしていきます」

 

C.T.さん

「子どもとの関わりを学ぶにつれ、自らについても深く考える機会をいただきました。これからも、子どもと共に成長していきたいと改めて思いました。あたたかい環境で学ぶことができて感謝しています!」

 

M.S.さん

「講座に何度か出ることで、自分のやり方のチェックになります。スモールステップ、声かけ、頭では分かっているけれども、つい忘れがちなこととかリマインドになります。今回は、子どもを連れて初めて参加しましたが、他の参加者の子ども達と楽しく遊べて、新鮮な環境に感謝です。Mさんの会がレッスンもとても楽しんで学びが深かったのでまたお会いできる機会があれば嬉しいです」

 

M.Kさん

「初参加でしたが、普段の子育てに関する悩みを自然に話すことができ、気づきをたくさん得られました。お母さん同士の交流も継続的にできたらいいなと思います」

 

A.T。さん

「仕事柄知っていることも多かったですが(幼児教室の先生)、自分が『知ったつもりでいただけ』だということを感じられるほど、知識が深まりました。実践するためには、細部をきちんと知り、伝えることが大切ですね。公私ともに、今後に生かしていきます」

 

 

 

5.ひといちばい敏感な長女の進学先大学

先週は、

長女が、第一志望のアメリカのリベラル・アーツ大学に、

https://www.ryugaku.ne.jp/knowledge/elite/liberalarts.html

学費全額免除で合格という嬉しいニュースを受け取りました。

 

14歳時にHSPのセルフテストを試し、

満点近くだった彼女が、

ハイリーセンシティブパーソンの自己診断リストを試した長女14歳、その子が羽ばたいていくサポートを

自分で「行きたい!」と選んだ大学です。

 

本人、8月からの寮生活を、

とっても楽しみにしています。

 

 

去年から、何度か長女と話していた

『菊と刀』の著者で文化人類学者のルース・ベネディクト氏が学んだ大学(大学院はコロンビア大学)、

そして、19世紀終わりに日本人女性として初めてアメリカの大学を卒業した大山捨松さんの母校ということで、

こうして1年間日本に暮らせたこととも合わせ、

ありがたい縁を感じます。

大阪での集まりに改めて大切に思うこと、「恥ずかしい」よりも「その子の成長」へフォーカス

 

長女は、今のところ、

環境科学と認知科学を学びたいと思っているようです。

 

もし、

これを読んでいる方の中で、子どもさんの進学先として

アメリカの大学を考えられる場合は、

リベラル・アーツ大学は、上の記事にもあるように、

少人数でアットホームで自然に囲まれたところも多く、

また、教授との距離感が近く、学生を親身に教育してくれ、

敏感系の子にもとても合っていると思います。

 

中には、

アメリカ国籍以外のインターナショナル学生に対する

学費援助が寛大なリベラル・アーツ大学もあります。

興味ある方、調べてみてくださいね。

 

 

 

 

今年の秋には、長女も巣立ち、

子どもが3人です。←これでも多いですが

 

これまで、

長女が向き合ってきた課題や困難を、

思い出します。

 

ここ4年間で3回引っ越し、3回転校する中で、

2年前には、半年間程、心を壊したこともありました。

彼女が、それらひとつひとつの困難を、乗り越えていく様を、

親として傍で見守れたことを、とても光栄に思います。

 

そして、

そうして困難を乗り越えることで育まれた力やスキルが、

これからの彼女の人生にとって、

大きな糧になっていくのだと、信じています。

 

 

みなさん、

子どもと一緒にいられる時間というのは、

本当に限られています。

 

こうして密に関わることのできる今というこの瞬間瞬間を、

とことん味わい、楽しんでいきたいですね。



一昨日、イタリア、ブラジル、カナダ出身のお友達と井の頭公園にて桜見の長女。

 

みなさん、花咲き溢れる春をお楽しみください!



本出版決定への感謝を込めて、

『ユア子育ちスタジオ』会員費用をディスカウントさせていただいてます。


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中学2年から不登校だった18歳女の子の事例:内から湧き上がる「好き」がその子を立たせる

2019年04月02日 | ハイリーセンシティブチャイルド

こんにちは!

 

日本で直にできる講座や交流会も

あと2ケ月半ほどとなりました。

 

これまでのべ160人近くの方々とお話してきました。

みなさんの一つ一つの言葉、表情、思いを熟成しながら、

これからの活動へと生かしていきます。

 

この週末は、初めて、講座へ男性が参加してくださいましたよ。

前回のブログ記事をみて、「何かお手伝いができないか」と、

ご夫婦で来て下さったんです。

 

知り合いやお友達に「是非講座を受けてほしい」と誘って参加してくださる方々も増えていて、

「もう少し日本にいられたらなあ…」という気持ちが沸き上がりますが、

地球上どこにいようと、できる形で活動を続けていきます。

 

 

今日は、以下6項目について、つづらせてください。

1. 新しい 他媒体更新記事について

2.  中学2年から不登校で引きこもりがちだったMさんの事例

3.「通常の学校」以外の場を必要とする子が年齢をこえて興味や得意を教え学び合う場

 

長くなるのでここから次の記事へ

4.子どもが不登校になったらしたいこと

5.講座への感想

6.ひといちばい敏感な長女の進学先大学

 

 

1.新しい 他媒体更新記事について

「非認知能力」についてインタビューしてくださったものが、

『大和ハウス』さんのウェブサイトに掲載されました。

https://www.daiwahouse.co.jp/column/lifestyle/non-cognitive-skill/

図を用いて分かりやすく説明してくださっています。

興味のある方、掲載期限もあと一か月ほどだと思います、

のぞいてみてくださいね。

 

非認知能力についてこれまでまとめた記事:

https://blog.goo.ne.jp/managaoka/c/d9b73da135641acc278fa4c6147c9833

 

 


2.中学2年から不登校で引きこもりがちだったMさんの事例

Mさんは、進学校に小学・中学と通い、

中学時代から保健室登校をするようになり、

中学2年時から、不登校&ひきこもりがちとなった女の子です。

 

英語や海外にとても興味を持っていて、

家庭教師と学ぶことで高卒認定を取るとともに、

英検二級も取得しました。

 

私がMさんに会ったのは、

去年の10月頃。

Mさんは17歳でした。

 

それ以来、現在まで、週に1度、

英語を交えて世界中の雑事や人生について話し合ってきました。

 

そして去年12月には、

たびたび繰り返していたウツを周りが心配する中、

テキサス州にある私の親戚の家に2週間滞在し、

様々な場所を訪ね 様々な文化背景を持つ人々に会い、

帰国すると、「海外の大学に進学します!」と決意。

 

今は、スーパーの裏方で週3~4日間、

初めてのアルバイトをしながら、

先月からは自動車学校にも通い始め、

今年秋の大学入学に向けて、着々と準備を進めています。

 

Mさんを観ていると、

英語や海外に関する「好き!」が突破口となり、

Mさんを前へと進ませているのが分かります。

 

敏感系の子ほど、

周りからなだれこむ思いや感情や期待に翻弄され、

粉々になってしまいがちですから、

その子の内からわきあがる「好き!」や「好奇心」を、

励まし、展開するサポートをしてあげたいです。

そうした積み重ねが、必ず、その子を力強く立たせる軸となっていきます。

 

 

Mさんと話していると、

周りの物事に対する観察眼や洞察力に驚かされることがよくあるのですが、

そうしたMさんの持てる力は、

Mさんの描く絵や彫刻にも、鮮やかに表れています。

 

Mさんの絵や彫刻:

                         お友達が送ってくれたカナダの海の写真をみながら

   

15歳の時の作品だそう              石彫

  

3度目の油絵                   

  

普通の市販のクレヨンを指でぼかしながら

 

16歳の時、画塾にも1年間ほど通っていたそうです。

 

 

 

3.「通常の学校」以外の場を必要とする子が興味や得意を教え学び合う場

 

そこで、

『ユア子育ちスタジオ』会員さんの子どもさんの中にも

「絵を描くことが好き・興味ある!」という子が何人かいて、

Mさんも「絵をみてあげることなら特技が生かせて嬉しいです!」とやる気に満ちていたので、

今回3月の交流会の後と講座中に、

「Mさんとお絵描きタイムをしよう」ということになりました。

 参加費500円、似顔絵800円。

 

交流会にて                   講座にて

 

リンゴを描いてます。

 

車が大好きで車種や仕組みについても詳しい小学一年生の不登校の男の子が、

Mさんにリクエストした絵:

 

Mさんが今制作中の我が家の娘たちの似顔絵も、

次回、紹介しますね。

 

「通常の学校」以外の居場所を必要としている子や青年同士、

年齢をこえて、こうして得意や興味を教え学び合う機会があるといいですよね。

 

今回のように、

「絵を学びたい!」「絵を教えられる!」といったように、

ニーズが合わさる場合ってあると思うんです。

 

今回のようにお金を取れるレベルであるかは別として、

きっとお互いに自信や興味を深め合える場になるはずです。

 

そして5年近くの不登校を経、

今こうして社会に出て、

未来に向け着実に動いている若者の姿は、

同じところを通っている親子にとって、

大きな励みになるに違いありません。

 

次の記事へ続きます→

子どもが「不登校」になったらしたいこと&ひといちばい敏感な長女の選んだ進学先大学


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