実はこの「ハーバード大学の研究」を見つけたのは、
今週のことなんです。衝撃を受けました。
というのは、
ここ何ヶ月間か、私自身試し、娘たちとも話し合ったりして、
「これって、すごい!」と感じていたことが、
まさしく、実証されていたからです。
この「これってすごい」を確信するにつれ、
みなさんに「上手くお伝えする方法がないかな」と数日前ググッってみたところ、
この研究を見つけたという次第です。
研究紹介の前に、
10年以上前にパニック障害を起こすなど、
不安感に呑みこまれがちだった私自身、
この「これってすごい」を実感するようになった経緯を、
ざっと説明させてください。
ナーバスとエキサイテッドが合わさり、
「不安が押し寄せる」んだけど「ウキウキ大興奮!」
といった気持ちを表す造語です。
アラスカ時代の三女の親友Eちゃんが、
行事の前などに、叫んでいた言葉です。
言いえて妙だよなあ、
「不安が押し寄せる」と「ウキウキ大興奮!」
はコインの裏と表のようなものなんだよね。
そう漠然と思っていました。
それで、ある日、
子供たちとこちらの「テッドエド」のクリップをみていて:
ふ~ん、「ファイト・フライト」状態って、
不安や恐怖によって引き起こされる状態だけれど、
ローラーコースターやお化け屋敷に出かける人の心理って、
この「ファイト・フライト」状態を楽しんじゃうということなんだね。
「ファイト・フライト」とは、人類が誕生して以来、
危険を回避し生き残るために培われた原始的な反射機能なわけだけれど、
それでも、「命の危険はない」と底のところで分っているのならば、
この「ファイト・フライト」を楽しめてしまう。
というのも、
「不安恐怖」と「ウキウキ大興奮」って脳の機能的には同じ状態なんだ、
だから、すぐに切り替わることもできるんだねえ、と納得。
それで、試してきたんです。
不安を感じたら → ウッキウキな気持ちを思い出す、と。
ほとんどの場合、命の危機状態にあるわけじゃないんですから。
これがですね、ホンとに、効果抜群なんですよ。
脳も身体も「似通った状態」だけに、するりと切り替わってくれるんです。
ここに、固まった身体の箇所の力をぬく、
を付け加えると、
本当に、いい状態でパフォーマンスに取り組めますよ。
では、ハーバード大学の研究を紹介します!
(https://www.sciencedaily.com/releases/2013/12/131223083917.htmより)
不安感が押し寄せる場面では、
「よし、落ち着こう・・・リラックスしよう・・・」とするよりも、
「ウッキウキの大興奮~!」と自らを興奮させるほうが、
よりよいパフォーマンスを得られると分ったそうです。
それは、研究を率いたハーバード大学助教授Alison Wood Brooks氏によると、
「不安感も興奮も、感情的に高まった状態です。ですから、不安感は落ち着けようとするよりも、興奮状態としてみるほうがより簡単なのかもしれません」とのこと。
不安感から落ち着くには、脳も身体の状態もかけ離れているため、ハードルが高いけれど、
不安感から興奮状態へは、ほとんど同じ状態であるからこそ、するっと移り変えていけるんですね。
以下、研究の詳細です。
実験1:
140人(63人の男性と77人の女性)に、
「自分がいかによいワークパートナーであるか」を公共の場でスピーチしてもらいます。
被験者の不安感を煽るため、スピーチはビデオに撮られ、ジャッジに手渡されると伝えられます。
被験者は以下の2つのグループに分けられます:
スピーチの前に、
- 「私は興奮している(I am excited)」と言う。
- 「私は落ち着いている(I am calm)」と言う。
すると、1の、「私は興奮している(I am excited)」と言ったグループの方が、より長く、説得力があり、有能で、リラックスしてスピーチしたとのこと。
実験2:
188人(80人男性108人女性)に難しい数学の問題が与えられます。
被験者は以下の3つのグループに分けられます:
問題に取り組む前に、
1.「興奮してください(Try to get excited)」と書かれたものを読む。
2.「落ち着いてください(Try to remain calm)」と書かれたものを読む。
3. 何も読まない。
1の「興奮してください」を読んだグループは、他の2つのグループよりも、8%高いスコアを出し、テストの後も、より数学に対して自信を感じたと告白したそうです。
実験3:
113人(54人男性59人女性)にカラオケをしてもらいます。
被験者は以下のグループに分けられます:
歌う前に、
- 「不安だ(I am anxious)」と言う。
- 「興奮している(I am excited)」と言う。
- 「落ち着いている(I am calm)」と言う。
- 「怒っている(I am angry)」と言う。
- 「悲しい(I am sad)」と言う。
2の「興奮している」と言った被験者は、ピッチ、リズム、ボリューム面から、より上手く歌い平均して80%のスコアを得たといいます。「落ち着いている」「怒っている」「悲しい」といった被験者は平均69%、「不安だ」といった被験者は平均53%だったそうです。
また、「興奮している」と言った被験者は、よりウキウキとして歌う能力に自信を持っていたといいます。
Alison Wood Brooks氏曰く、
「私達が私達の感情について話すことは、私達が実際に持つ感情に影響を与えます」
「初めは信じられなくても『私は興奮している!』と大きな声で言ってみてください。すると本当にウキウキとした気持ちが湧き上がってきますよ」
今度、不安感が押し寄せたら、
「ウッキウキの大興奮」な気持ちにフォーカスしてみてください。
脳と身体が、するっと、切り替わりますよ。
繰り返すうちに、よりうまく調整できるようになっていきます。
不安いっぱいの生活とは、
ウキウキと躍動感溢れる生活と隣り合わせ、
そう思うと、楽しくなりませんか?
人は、「不確定な物事」を前にすると、
不安感を募らせます。
同時に、この「不確定な物事」こそ、
ウキウキとした躍動感を呼び起こしてくれるものなんですよね。
不透明なこれからの時代こそ、
是非このメソッドを身につけておくとよいのではないでしょうか。
お試しあれ!
それにしても、
「ナーバサイテッド!」と叫んでいた三女の親友Eちゃんといい、
子どもの直感力ってすごいですね。
さて、今日は長女と次女を迎えにいくため、
三女と次男を連れて、往復4時間のドライブです。
みなさん、今日もよい日を!
お正月中、『野生の思考』を読みふけっています。数年前にメルロー=ポンティの現象学に惹かれてあれこれ読んだのですが、メルロー=ポンティが、レウ¨ィ=ストロースと教授資格試験の同期生であったことを知って、縁のようなものを感じました。縁といえば、わたしは昔からアメリカ・インディアンと不思議なつながりがあります。8歳頃まで、本や映画では見たことがないのにインディアンの世界の夢想にとらわれていて、毎日のように早朝にひとりで朝日を見に給水塔に行っていました。そこで、宗教的な儀式のイメージに浸っていました。そのせいで親に連れられて行くキリスト教の教義に親しめませんでした。大人になって、インディアン関連の本に目を通すと、自分の考え方にすごく近いことを知って奇妙な感覚を覚えました。子どものころの夢想なんてすっかり忘れて暮らしている今も、思わぬ場面で、インディアンとの出会いを果たすことがあってハッとします。野生の思考の本でも、インディアンの話題と再会できて、胸がいっぱいです。
ブリコラージュ、ブ「ブ」だったんですね。目が悪くて、小さい文字がかすんでいます。すごく興味があります。
あの時代のパリは、フッサールやサルトルやボーボワールがいて、思想史的にも大転換の時期でしたね。
親御さんに教会に連れられていったものの、キリスト教の教義になじめず、ネイティブアメリカンの世界に思いを馳せられていたとのこと。ヒトというものの複雑さ奥深さを教えられるような出来事ですね。ヒトが「生まれ持つもの」について考えさせられます。
今でも、思わぬ場面で、ネイティブアメリカンの世界観に触れ、はっとさせられるとのこと。そういう意味でも、「野生の思考」は奈緒美さんの心の奥深くに届くんですね。
実は私自身も昨日、この「どうしようもない懐かしさというか、心の奥がしめつけられるような感覚って何だろう」と思っていたんです。中近東の歴史についてのドキュメンタリーを見ていたんですが、風景といい旋律といい、尋常じゃない感情の高まりを感じるんですよね。苦しくなるほど。中高校時代、あちらの音楽を聴いてばかりいたのを思い出しました。不思議です。
奈緒美さん、今年もどうぞよろしくお願いします!