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「ひといちばい敏感な子」と「注意欠如・多動(ADD/ADHD)」ってどう違う?アーロン氏の見解と身近な事例

2017年05月24日 | ハイリーセンシティブチャイルド

 『あそびのアトリエ リボンクラブ☆荒尾ルーム☆(乳幼児親子教室)』のレオさんが、

こちらの記事:NHKスペシャル「発達障害~解明される未知の世界~」で、

NHKの「発達障害」特集について紹介してくださってます。


5月21日から1週間発達障害の特集番組が続くそうです。

(日程や内容の詳細は、レオさんの記事に載っています)

 

レオさんの紹介してくださった、NHK発達障害プロジェクトのウェブサイト

「発達障害って何?」を読んでいて、

改めて、

「ハイリーセンシティブチャイルド(HSC:ひといちばい敏感な子)」や「ギフテッド」と

「発達障害」の特徴がいかに類似して見えるかを思いましたよ。

 

相談を下さる方の中にも、

「発達障害かもしれないといわれ、

『療育センター』に通っているのだけれど、

周りの子達とはどうしても違うように感じる。

HSCについて読んでみて、

あまりにも我が子が当てはまっていて驚きました」といったものもあります。

 

また日本で「ギフテッド支援」の活動をされている方からも、

日本では「ギフテッド」が「発達障害」と同じような意味で用いられている

とも聞いています。

 

 

私は心理学者や精神科医ではありませんから、

診断について何も言えませんが、

今日はまず、

「日本での発達障害の3分類のひとつ」とされる「注意欠如・多動 (ADD/ADHD)」について、

HSP&HSCという言葉を考案したエレイン・アーロン氏の見解を紹介しつつ、

身近な周りの事例などについてまとめてみますね。

 

アーロン氏によるHSCと「注意欠如・多動 (ADD/ADHD)」の違い

(・『The Highly Sensitive Child 』by Elaine Aron p28-30

「FAQ: What is the relationship between the HSP trait and Attention Deficit/Hyperactivity Disorder (also sometimes called ADD)?より。

「」内は、訳or要約です)

 

どうしてHSCが「注意欠如・多動」と混同されるかというと、

「HSCは様々なことに次から次へと気づくため、

すぐに気がそれてしまいやすい」からだそうです。

それでも、

「深く考え込んでいる場合は、気がそれることもない」といいます。

 

アーロン氏曰く、「『注意欠如・多動』の場合は、

優先順位をつけること、問題決定、タスクへのフォーカス、

出来上がったものを省みるといった『実行機能力(executive function)』が弱いのに対し、

HSCは、どちらかという得意」なのだそうです。

 

それでも、そうした「実行機能力」の得意さが発揮できるのも

「静かで見知った場であるのなら」とのこと。

 

つまり、HSCは、状況によっては、

「実行機能力」があたかも弱いかのように行動してしまうというんですね。

 

例えば、それは、

「気をそらす原因がより大きなものだったり、長く続いたり、

既に感情的に動揺し内側から『いっぱいいっぱい(overwhelmed)』になっていたり、

また、重要なテストなど、

上手くできなかったらどうしようという不安感が高まっているといった状況」

だそうです。

 

そうした状況では、HSCは、

「普段は、影響を受けないような『気をそらすもの』にも著しく圧倒され、

『そわそわ動揺してしまったり(agitated)』、

『ボーとしてしまう(spacey)』」といいます。

 

どうしてそうなってしまうかというと、

HSCは、あまりにも周りの細かいところにまで「気づく」ために、

「気がそれるものを取り除くために、

他の生徒より著しい努力やかなりのメンタル力を要するため」とのこと。


つまり、多くの人々にとっては何ともない状況でも、

常に何倍もの力を使ってますから、

周りが???と理解できないような場面でも、

ヘットヘトになってしまうというわけです。

 

例えば、

「うるさくて長い学校生活では、最中に疲れ切ってしまいます」とのこと。

 

それで、

「この子は、『普通』に学校生活を送ることが難しいんだなと感じる先生が、

『発達障害』とすれば、特殊学級に入るなどの援助を受けられますから、

HSCが『注意欠如』だと提案することもあるでしょう」とのこと。

 

 

また「注意欠如・多動 (ADD/ADHD)」に見られる「衝動性」や「多動」と、

HSCの区別について、アーロン氏は、

「『注意欠如・多動 (ADD/ADHD)』の場合、衝動的に行動し、

その結果よくない結果となってしまっても、それほど動じないのに対し、

HSCは、行動する前に、一旦停止してチェックし、

それでも結果がよくなければ、シャイになったり引きこもる傾向にある」といいます。

 

そして、HSCの男の子の場合が女の子よりも、

より傷つく場合があるとします。

なぜなら、

「男の子は、過度に気持ちが高まった時に、

落ち着きがなくなって多動となったほうが、

引きこもり、静かで、部屋の隅で白昼夢に浸るより、

社会的に認められやすいから」とのこと。

そのため、「女の子の方が、

HSCという自分の特性を恥ずかしいと思うことがより少ない」とのこと。

 

男の子や男性は社会的に「よりマッチョで社交的」であることを

求められるためということですね。

これは、日本では草食系や中性的な男の子も人気がありますし、

欧米の方が、問題は深いかもしれません。

 

 

ということで、アーロン氏の見解をざっくりまとめると、

HSCと「注意欠如・多動 (ADD/ADHD)」の違いは、

以下のようになります。

・静かで見知った場で、気持ち的にも動揺していないときでも、注意欠如がみられるか?

HSC:みられない     ADD/ADHD: みられる


・うまくいかなかった行動に、ショックを受けたり落ち込んだりするか?

HSC:ショックを受け引きこもりがちになる     ADD/ADHD: それほど動じない

←これは違うと思う方もいるのではないでしょうか。

ADD/ADHDでも落ち込むからこそ、二次障害にも繋がるわけですよね。

とはいえ、HSCと比べるなら、相対的に落ち込みがより重くないとはいえるのかもしれません。

 

HSCは、動揺してうまく集中できず、思うような結果を出せないと、

がくんと落ち込み、ますます動揺して・・・とどんどんダウンスパイラルにはまってもしまえるんですね。

 

HSCの場合は、本来は「実行機能力」も高く、

外からの刺激が本人にとって適度で、

かつ内面的にも落ち着いているのなら、

問題とされる行動をとることもない、

そう思い出し、環境を整えてやりたいですね。

 

 


身近な周りの事例から思うこと

 

・「注意欠如・多動 (ADD/ADHD)」の薬を呑んで効かなかったらHSC?

子ども達の身近な周りでも、数人、

「注意欠如・多動 (ADD/ADHD)」の薬を飲んでいたお友達がいました。

「ギフテッド」認定を受けている子達で、「集中できないから」ということでしたが、

中には、とても繊細でHSCに見える子もいましたね。

ちなみに、こちらでは、「集中できない」と精神科医等に自己申告することで、

「注意欠如・多動 (ADD/ADHD)」と診断され、すぐに薬はもらえるんですよね。

 

アーロン氏は、

「注意欠如・多動 (ADD/ADHD)」の薬を呑んで効き目があるかどうかで、

HSCかどうか分かるかもしれない」としているんですが、

脳の機能を整え集中力をあげる薬ですから、HSCであっても、

やはり集中できないという脳の機能が整えられ、

集中力は上がるんじゃないのかなと、その子達の様子から、思いますね。

 

 

 

・賑やかな場や人ごみが苦手な我が家の子達&対処法

我が家の子ども達で気づくのは、

周りの状況を強烈に感じるゆえに、

例えば賑やかな場や人ごみなどでは、

すぐにぐったりしやすいということです。

 

買い物が好きなティーンの娘達でも、

ショッピングモールなどで自分たちの用事をすませたら、

駐車場の静かな車の中で待っているのを好みます。

 

ニューヨークに行った時も、娘たちは、

数時間で目が回って、ぐったりしてました。

 

長男は楽しそうでしたが、

それも、アラスカ時代の友達と落ち合って

一緒に回っていたからが大きいようです。

 

そうして、「お友達と過ごす」だったり、

「この店へ行って、こういう服を見る」といったような、

具体的な目的やフォーカスがはっきりしていると、

より持ちこたえられます。

 

とにかく周りから刺激が入り込みすぎて、

あちこちに意識が飛び、振り回され疲れてしまうわけですから、

意識を絞って狭い範囲にフォーカスしておくと、

「ぐったり」を防げるんです。

 

それで、ちびっ子達がショッピングに付き合わなければならない時なども、

何かにフォーカスできるようにしておくと効果的です。

 

例えば、

「値札の輪郭をなぞる」「値札ごとのバーコードの違いを見てみる」「10の位に3のある値札をみつける」

などなど話し、値札ばかり見て回っていたりすると、フォーカスも狭まり、

あまりにも広い範囲からなだれ込んでくる情報や刺激にふりまわされ疲れきることも、減っていきます。

 

まあ我が家の子ども達が賑やかな場や人ごみが好きじゃないというのは、

アラスカ育ちで「慣れていない」ということもあるのでしょうね。

 

 

 

・私自身まさにHSCだったなあと思います

これをまとめながら、私自身の子ども時代があまりにも重なって、

改めて、ああ私はどうみてもHSCだったんだなあと思ってました。

 

とにかく、小学校高学年ぐらいから、学校では常に白昼夢状態でした。

外から内から刺激過多で、何かに集中するなんてとてもとても無理。

当時、ホームスクールという手があったらなあ、と思います。

 

でも、今HSPかというと、自己診断をみるなら、HSPじゃないんですね。

特に感覚過敏がほとんどないです。

私自身はバックパックで辺境の地を旅したりしているうちに緩和したように感じてます。← 慣れ?

 

また、自分なりに「曝露」するように心がけていることもあるのかもしれません。

例えば、「人に観られているとうまく力を発揮できない」ならば、

わざと観られる場に出て「慣れよう」としてみたり。

それでも、元々度合いが軽かったから、「曝露」できるということもあるかもしれません。

自分の最善を知るのは自分ですから、自分を知り、無理しすぎないのが一番ですね。

 

興味ある方、こちらにセルフテストが載っています:http://hspjk.life.coocan.jp/selftest-hsp.html

私は、「14項目当てはまったらHSPですよ」ということころ、当てはまるのは12項目です。

 

 

「HSCと自閉症との違い」についても、後ほどまとめますね。

 

 

 

余談:

昨日の記事ですが、奈緒美さんがおっしゃっていた、

「ゆる~い姿勢」「ゆる~い場」が大切ということ、

今日も再び、確かになあとしみじみ思ってました。

それなら、ぴりぴりとした大人の雰囲気にも敏感なHSCも、

のびのびとマイペースで過ごせるでしょうね。

最近は、「継承センター」で出会う個性溢れる生徒さんたちが、

もう可愛くてしょうがないんですが ← グランマのような気持ち

「ゆったりした姿勢」で接していきたいなあと思っています。

 

みなさん、今日もよい日を!


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