![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/aa/ddb9fa1852d94bee38a8a3f6deb7c46d.jpg)
注:この公演はライブ・イン・HD(ライブ・ビューイング)の収録日の公演です。
ライブ・イン・HDを鑑賞される予定の方は、読みすすめられる際、その点をご了承ください。
観客から特大のブーを喰らったあのオープニング・ナイトの『トスカ』から約一週間後に、
APが、ボンディの新演出に関して、マルセロ・アルヴァレスが語った言葉を扱ったニュースを配信しました。
この中で、アルヴァレスは同演出を car wreck=自動車事故に例え、
”道路のど真ん中で起こった交通事故みたいなもんだよ。
みんな、ああ、そんなの見たくないな、と口では言うが、血が流れるのは見たい、というね。”とコメントしています。
car wreckとかtrain wreckと言う言葉には、物事の事態がめちゃめちゃというニュアンスもあるため、
ユーモラスな表現でありながら、今回の演出への正面きった批判ともいえ、
まだまだ継続中の公演で(しかもライブ・イン・HDの前に!)
こういうコメントを主演歌手が出すというのは珍しいことなので、
彼の”car wreck発言”は主演歌手として許されることか、否か?と、
再びかしましく議論を戦わせるローカルのオペラファンたちなのでした。
アルヴァレスは、この演出を”明らかにアンチ・カトリック”と説明、
二幕のセットについては”ローマのファルネーゼ宮殿というよりは、ドイツの地下壕”と形容、
”二幕は、音楽に物語を語らせる変わりに、わけのわからないコンセプトやらに舞台を支配させたために、
プッチーニが書いた音楽と全く調和しなくなってしまった。”、
トスカがスカルピアを殺害後、スカルピアの周りに燭台と胸に十字架を置くというト書きに従う代わりに、
窓の外を見て飛び降りようかと躊躇した様子を見せた後、
やおらソファに戻ってきてアッタヴァンティ侯爵夫人の扇であおいで幕になる点については、
”このシーンを見ると、(ボンディが)目的もなく
ただ空白を埋めようとしてるんだな、ということがわかってしまう。
彼にはもともと、すごくたくさんのアイディアがあったのに。
本当にたくさんの、、、多分、みんなには想像がつかないほどの、、。”
(↑ と、ここで軽くボンディの才能についてフォローしているアルヴァレスですが、
実際、ボンディの過去の演出には優れたものもあるというヘッズも多いです。)
”演出家はブーをもらえばもらうほど、仕事が来る。
だから、彼らは、俺様のコンセプトをわからないのは観客の方の問題だ、と考えるようになるだけで、
ブーも特に気にしてないと思うよ。”など、
もう、このままアルヴァレスの言葉をもってこのまま私の感想も終了してしまおうか、と思うほど、
私の言いたいことを、がんがん本音で語ってくれてます。
また、アルヴァレスは『トスカ』が実在の建造物や場所で物語が進行していくのには、
作った側にそれなりのはっきりとした意図があるのであって、
それを無視した今回の演出のアプローチは特に問題だ、といいます。
”プッチーニはスコアをはっきりとした意図をもって書いているんだ。
こんなにはっきりとしているものを、無理に曖昧な形にしようとすれば、
結果がダークなものになってしまうのも無理ないよね。”
アルヴァレスさん、あなたのおっしゃる通りです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/fd/f623f24f1520ba817223cc7c7cd7dd74.jpg)
今日の公演はもともと映画館でHD鑑賞する予定だったのですが、
スカルピアにはブリン・ターフェルが入るかも!という噂に、
普段はほとんど座ることのない平土間最前列のチケットまで張り切って購入したというのに、
どういうわけだか、配役変更の発表が前日になっても出てこない。
これは当日に”今日のスカルピアはブリン・ターフェルが歌うことになりました。”とぶちあげて、
観客を盛り上げるつもりだなー、とわくわくしながらこの日を待ってました。
オペラハウスに到着し、プレイビルを受け取る。配役変更の通知の紙片、なし。
キャスト表はスカルピア役=ガグニーゼのまま。
うーむ。もったいぶってるな、メト。
舞台開始直前に舞台でアナウンスする気なんだな。
すると、案の定、開演直前と思われる時間に、
マネジメントのスタッフが舞台端にマイクを持って現れました。
来たっ!!来たっ!!!
頭の中で”スカルピアは、ブリン・ターフェル”の声がこだましてます。
なのに、おじさんから出てきた言葉は、
”テクニカルな理由により、開演時間が10分遅れます。ご了承ください。”
え?????? ちょっと何?! それだけ?????
あなた、他に肝心なことをアナウンスするの、忘れてるわよーっ!!!
そして、10分後。
髭面のイカ(指揮者のコラネリ)がオケピットに予定通り登場し、客席から巻き起こる拍手。
ひゅるるるる、、、ブリンのスカルピアが消えていくぅ、、、。
ただ、賭けに敗れた負け惜しみに言うのではないのですが、
ターフェルが一時期、ガグニーゼの代役に名前が挙がっていたことは間違いがないと思います。
チエカさん自身、コメント欄の中で、マッティラ/アルヴァレス/ターフェルというスター・キャストだったなら、
という例えを出して、暗に例の問の答えはターフェルであったことをほのめかしていらっしゃいます。
ということは、さすがのターフェルもこの間抜けな演出には引いた、ということなのか、、?
アルヴァレスもcar wreck呼ばわりしたことだしな、って。
こうなってくると、もともと彼がキャスティングされている4月の公演の方まで、
本当に歌ってくれるのか、心配になってきました。
今日は舞台上手側に少し寄った真ん中の通路から二番目の座席で、HD用のカメラのすぐ側。
私は先にも書いた通り、もともと平土間席が全然好きでなく、滅多に座ることがないので、
HDでこんなにカメラの近くに座ったのは今回が初めてです。
カメラを設置するために、オケピットの壁を二箇所、上から下まで外してしまっているんですね。
初めて気付きました。
私の座っているところからだと、カメラの下の、そのぶち抜いた空間を通してオケの弦と木管セクションが丸見えです。
これはいい!!舞台が退屈だったらオケを眺めるという選択肢もできました。
それにしても、一番壁際に座っている弦セクションの女性の頭を舐めんばかりの位置にHD用のカメラはあって、
よくこんな邪魔にも耐えて演奏してくださるものだ、と感謝の念が湧いてきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/48/89e77ef478f967fa4e581f61cadce6ad.jpg)
演出をcar wreck呼ばわりしたアルヴァレスは、
そういうあんたの歌唱がcar wreck!と呼ばれないように気合が入ったか、
今までの公演と比べても、最高の歌唱を今日は聴かせてくれましたので、
これからHDをご覧になる方はご安心を!
最初から彼は本当に良く落ち着いていて、
特にしょっぱなの”妙なる調和 Recondita armonia”でイカの指揮との呼吸がぴったりなのは注目です。
これが会心の出来だったのが、今日の公演での彼の歌唱の全てを運命づけた気がします。
彼は最近聴く機会によっては声が若干荒れているように感じる時もあって、
オープニング・ナイトのコンディションは非常に良かったのに、
その後の公演で少しその気配があったので、少し心配していたのですが、
今日の公演に、今の彼のベストのコンディションを持ってきたのはさすがです。
アルヴァレス自身、この”妙なる調和”の出来は本当に嬉しかったみたいで、
そこからだいぶ経って、マッティラが舞台の端に寄っていく場面で、
カメラが彼女を追っているはずなので、自分は写っていないだろう、と判断したのでしょう、
舞台の真ん中でやおら前の方に出て来て、
両手を握り合わせて”やった!”というポーズを取った後、
指揮者を指差して”ありがとよ!”というジェスチャーまでしていましたから、
どれくらい嬉しかったかということがわかろうというものです。
はじめは、一体何の芝居だろう、これは、、?とぎょっとしましたが、あ、素に戻っているのね、とわかると、
ここまで喜ぶのも、なんだか微笑ましく感じて来ます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/b2/87607e5a1ff1af2a905c1372bee59c9f.jpg)
アルヴァレスの絶好調ぶりと落ち着きとは対照的に、
緊張で大変なことになってしまっていたのがマッティラでした。
アルヴァレスがきちんと指揮を見ながら落ち着いて歌っているのに対し、
マッティラの方はその余裕が全くなく、緊張から、
イカの指揮よりも歌が前に前に行きたがっているのが手に取るようにわかります。
しかも、出てくるフレーズ、出て来るフレーズ、どれもピッチが微妙に狂っていて痛々しい。
アルヴァレスと一緒に歌うところでは、ほら、アルヴァレスの息に合わせたら、
ちゃんとイカとも合うから!とつい手に汗を握って聴いてしまいましたが、
そのアルヴァレスと合わせる余裕もないみたいですから、かなり舞い上がってしまっているようです。
ピッチが狂う問題は一幕の最後あたりでやっと少し落ち着いたかな、という感じで、
かなり長い間、苦闘の時間が続きました。
しかし、こんなことで、二幕のアリアは大丈夫なんだろうか、、。
後で聞いたところでは、開演が10分遅れたのは、なんと太陽の位置の関係で、
HDのトランスミッションが上手く行かず、太陽が動くのを待っていたそうです。
テクニカルな問題、というのは、本当のことだったんですね。
しかし、緊張している時の10分は長いでしょうから、マッティラはこの間、”くそ太陽が!”と罵っていたはずです。
体調不良のため、前のいくつかの公演を降板したガグニーゼも、
今日は万全のコンディションでのぞんでいて、歌唱の安定度では、
これまでで一番の出来だったと感じます。
ただ、彼の場合はそこが仇になる可能性があるというのか、
歌う度に感じるエネルギーが違う、というような部分が希薄で、
毎公演、金太郎飴のように歌唱と演技が同じになりがちなので、
同じ演目でもう1回彼を観たい!聴きたい!という風になかなかなりにくいのが、
問題といえば問題かもしれません。
ただ、歌唱は非常に丁寧で、変な癖がなく、大変聴きやすい歌唱ではあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/b9/38dc73b1dac5739a13081a0118fc75d8.jpg)
二幕の冒頭、オープニング・ナイトでは保守的なパトロンの反発を恐れたか、
三人の娼婦が着衣状態でスカルピアに絡みついているシーンから始まったと記憶しているのですが、
今回はガグニーゼの取り巻きの娼婦の一人は、一幕のマグダラのマリアの絵と同様に、片胸出しでソファに座っています。
もう、やけっぱちですね、ボンディ。
ただ、彼女のポーズにマリアの絵との相似を強く感じるので、こちらが元々のアイディア通りなんだと思います。
この幕の前半では、私の店子友達(下の写真右端)がカヴァラドッシを拷問したり、牢屋に連れ去ったりと大活躍。
ここまで近くで顔の表情までよく見えると、知人の方を目が追ってしまって、
危うくアルヴァレスやガグニーゼが放置寸前になるところでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/01/76846b50e348a8d31fd877f3f8ae1dd9.jpg)
この幕の問題点については、すでにアルヴァレス先生が語っている通りなので、
いちいち私が繰り返すこともないのですが、今回、今までになくはっきり見えたのは、
”歌に生き、恋に生き Vissi d'arte, vissi d'amore"の途中で、
しょぼいサイドテーブル状のもの(娼婦といちゃいちゃし始める前、ここで夕食をとっていたらしい。)から、
トスカがナイフを持ち上げ、そのまま降ろす、という動作(下の写真)。
何ですか?これは、、?
トスカは急にロボットにでもなったんでしょうか、、?
というのは、歌われている言葉とこのナイフを持ち上げ再びテーブルに置くという行為が、全然リンクしていないからなのです。
っていうか、このアリアの中に、ナイフとか、スカルピアを殺すこととか、
そういうことにつながる言葉や音楽って一つもないと思うんですけど、、。
しばしば、このアリアはドラマの流れを止める、と批判の的になりますが、私はそれでいい、と思います。
ここに、アリアの前と後ろのドラマにつながるような動作を入れようとすること自体に無理があるのです。
今日の彼女のperche, perche, Signoreの出来は、今までの公演の中ではましな部類に入ると思いますが、
あいかわらず音の終わりまでしっかり聴かせられないのを誤魔化すために
泣き崩れる演技をするのは辞めなさい、、と苦々しい思いで舞台を見つつ、
ふとオケの壁の隙間に視線を落とすと、奏者の中にも、目玉をまわして、
”やれやれ、またいつものパターンだよ、、”というような表情を作っている人が見えました。
皆さん、同じことを思ってるんですよね、、、やっぱり。
ただ、最初の幕をあれだけがちがちの緊張で始めたことを思うと、
よくこの程度にふみとどまったとは思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/a8/0e163c27839a2d285b5da292088d7753.jpg)
スカルピアを殺害する場面は、しかし、一つ、大きな変化があって、
ほとんど息を失いかけているスカルピアを二度刺しする場面が付け加えられました。
これは実に効果的で、今まで全く締まらない感じだったこの場面が、
たった一つ、この”もう一つの刺し”を入れるだけで、
ものすごく緊張感のある場面に変わり、この判断は大成功だったと思います。
ガグニーゼも、今日は割と綺麗に死んでくれました。
ただ、彼女は歌も演技も、のってくると、ついやり過ぎてしまう傾向があって、
ここも二度目を刺してMuori! Muori! Muori!と叫んだ後、沈黙に支配させた方がずっと効果が上がるのに、
最後のMuori!の後に、まるでネコ科の動物が他の動物を威嚇するかのように、
”シャーッ!”とヒスる音を出したのには、私のお隣の女性もまたそのまた向こうのHDのカメラマンも、
肩をひくひくさせて笑っていました。
どうしてこういう風にやり過ぎになっちゃうんでしょう、、彼女は。
それから、いつも、その後のE morto!の部分の入りが急いでいるように聴こえるのも気になります。
後、至近距離で見てわかったのは、この二幕でのスポレッタ役のソレンセンが、
実に細かい演技をしていて、かなり変質的で怖いこと。
ただ、この手の演技は遠目の座席から見た場合に、全部は伝わらないのが難点です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/e8/63c8444789a08c64c48ddf80ae28c34e.jpg)
二幕の後のインターミッションで、ヘッズのおじ様・おば様グループの会話に紛れこんでみたところ、
NYCO(ニューヨークシティオペラ)のトスカの演出の評価が高くて驚きました。
説明していただいたところでは、時は第二次世界大戦の頃で、
カヴァラドッシが銃殺されるシーンも、従来良く見られる演出および今回のボンディの演出のような、
銃殺隊によるものではなく、いきなり、シャローネだかロベルティだかが
つかつかとカヴァラドッシの側に歩いて行って、銃で頭を吹っ飛ばすという、迫力満点の演出だそうです。
このうち一人のおば様は、マッティラ贔屓で、しかもボンディの演出もそう悪くはない、とおっしゃるツワモノ。
二度刺しは効果的だった、という点では意見が一致しましたが、
”シャーッ!”というヒスりで、マッティラの演技力はさすがだ!と感じたそうですから、私とは感覚が違い過ぎます。
Vissi d'arteでナイフを持つところも天才的だと感じられたとか。ええっ??
ただスポレッタの怖さは再び同意。おばさまによると、”スカルピアよりもスポレッタの方が怖かったわ。”
それは確かに。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/e1/ceabeb6376f94960246edb7fdbadcd70.jpg)
ラストの、トスカがサンタンジェロ城から飛び降りる場面は、
今回のHDのために、かなり綿密かつ慎重な打ち合わせをしたと見られ、
10/3のような失敗もなく、一応、演出チームが意図したとおりの身投げのシーンとなりました。
最前列に座った時の常で、オケの音がセクション毎に非常に分散して聴こえ、
また、オケ・ピットから出てオペラハウスの空間を飛ぼうとする間際の音しか聴こえないので、
音質的にまともな座席でどのように聴こえていたか、ちょっと想像するのが難しい部分もあるのですが、
指揮およびオケの演奏とも安定したものだったと思います。
HDということでやや慎重気味だったことと、イカが一生懸命マッティラにあわせようとしていたこともあって、
これまで聴いたイカが指揮をした公演よりは、少し自由度に欠けていたように感じた部分もありました。
弦も一番良かった公演に比べると少し研ぎ澄まされた緊張感に欠ける部分はありましたが、
総合的には悪くはない出来だったと思います。
HD撮影用のカメラでは、実際の上映にそのカメラの画像が採用されている間は赤いランプがつくようで、
この間はクルーも慎重に撮っているのですが、それ以外の間は割とリラックスしていて、
たまに本上映に使われているモニターと切り替えたりしてくれるので、
映画館で上映されている様子も横目で観察できて、一石二鳥でした。
それらのモニターを眺めていると、今日のインターミッションでは、
ホストのスーザン・グラハムが、衣装デザインのカノネロと、
なんとリュック・ボンディへのインタビューを行っているではありませんか!
雰囲気から言って生に間違いがないので、ボンディ、オペラハウスに一応はいたようです。
なので、一瞬最後に彼らを舞台に出す気かと淡い期待を抱いたのですが、
結局、ブーを恐れたか、彼らは舞台挨拶に出てきませんでした。臆病者!!
ま、HDのモニターで見ているうちに、自分でいかに恥ずかしい演出か、実感が湧いてきたのかもしれません。
深く反省してください。
Karita Mattila (Tosca)
Marcelo Alvarez (Cavaradossi)
George Gagnidze (Scarpia)
Paul Plishka (Sacristan)
David Pittsinger (Angelotti)
Joel Sorensen (Spoletta)
James Courtney (Sciarrone)
Keith Miller (Jailer)
Jonathan Makepeace (Shepherd)
Conductor: Joseph Colaneri
Production: Luc Bondy
Set design: Richard Peduzzi
Costume design: Milena Canonero
Lighting design: Max Keller
Orch Row A Even
ON
*** プッチーニ トスカ Puccini Tosca ***
ライブ・イン・HDを鑑賞される予定の方は、読みすすめられる際、その点をご了承ください。
観客から特大のブーを喰らったあのオープニング・ナイトの『トスカ』から約一週間後に、
APが、ボンディの新演出に関して、マルセロ・アルヴァレスが語った言葉を扱ったニュースを配信しました。
この中で、アルヴァレスは同演出を car wreck=自動車事故に例え、
”道路のど真ん中で起こった交通事故みたいなもんだよ。
みんな、ああ、そんなの見たくないな、と口では言うが、血が流れるのは見たい、というね。”とコメントしています。
car wreckとかtrain wreckと言う言葉には、物事の事態がめちゃめちゃというニュアンスもあるため、
ユーモラスな表現でありながら、今回の演出への正面きった批判ともいえ、
まだまだ継続中の公演で(しかもライブ・イン・HDの前に!)
こういうコメントを主演歌手が出すというのは珍しいことなので、
彼の”car wreck発言”は主演歌手として許されることか、否か?と、
再びかしましく議論を戦わせるローカルのオペラファンたちなのでした。
アルヴァレスは、この演出を”明らかにアンチ・カトリック”と説明、
二幕のセットについては”ローマのファルネーゼ宮殿というよりは、ドイツの地下壕”と形容、
”二幕は、音楽に物語を語らせる変わりに、わけのわからないコンセプトやらに舞台を支配させたために、
プッチーニが書いた音楽と全く調和しなくなってしまった。”、
トスカがスカルピアを殺害後、スカルピアの周りに燭台と胸に十字架を置くというト書きに従う代わりに、
窓の外を見て飛び降りようかと躊躇した様子を見せた後、
やおらソファに戻ってきてアッタヴァンティ侯爵夫人の扇であおいで幕になる点については、
”このシーンを見ると、(ボンディが)目的もなく
ただ空白を埋めようとしてるんだな、ということがわかってしまう。
彼にはもともと、すごくたくさんのアイディアがあったのに。
本当にたくさんの、、、多分、みんなには想像がつかないほどの、、。”
(↑ と、ここで軽くボンディの才能についてフォローしているアルヴァレスですが、
実際、ボンディの過去の演出には優れたものもあるというヘッズも多いです。)
”演出家はブーをもらえばもらうほど、仕事が来る。
だから、彼らは、俺様のコンセプトをわからないのは観客の方の問題だ、と考えるようになるだけで、
ブーも特に気にしてないと思うよ。”など、
もう、このままアルヴァレスの言葉をもってこのまま私の感想も終了してしまおうか、と思うほど、
私の言いたいことを、がんがん本音で語ってくれてます。
また、アルヴァレスは『トスカ』が実在の建造物や場所で物語が進行していくのには、
作った側にそれなりのはっきりとした意図があるのであって、
それを無視した今回の演出のアプローチは特に問題だ、といいます。
”プッチーニはスコアをはっきりとした意図をもって書いているんだ。
こんなにはっきりとしているものを、無理に曖昧な形にしようとすれば、
結果がダークなものになってしまうのも無理ないよね。”
アルヴァレスさん、あなたのおっしゃる通りです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/fd/f623f24f1520ba817223cc7c7cd7dd74.jpg)
今日の公演はもともと映画館でHD鑑賞する予定だったのですが、
スカルピアにはブリン・ターフェルが入るかも!という噂に、
普段はほとんど座ることのない平土間最前列のチケットまで張り切って購入したというのに、
どういうわけだか、配役変更の発表が前日になっても出てこない。
これは当日に”今日のスカルピアはブリン・ターフェルが歌うことになりました。”とぶちあげて、
観客を盛り上げるつもりだなー、とわくわくしながらこの日を待ってました。
オペラハウスに到着し、プレイビルを受け取る。配役変更の通知の紙片、なし。
キャスト表はスカルピア役=ガグニーゼのまま。
うーむ。もったいぶってるな、メト。
舞台開始直前に舞台でアナウンスする気なんだな。
すると、案の定、開演直前と思われる時間に、
マネジメントのスタッフが舞台端にマイクを持って現れました。
来たっ!!来たっ!!!
頭の中で”スカルピアは、ブリン・ターフェル”の声がこだましてます。
なのに、おじさんから出てきた言葉は、
”テクニカルな理由により、開演時間が10分遅れます。ご了承ください。”
え?????? ちょっと何?! それだけ?????
あなた、他に肝心なことをアナウンスするの、忘れてるわよーっ!!!
そして、10分後。
髭面のイカ(指揮者のコラネリ)がオケピットに予定通り登場し、客席から巻き起こる拍手。
ひゅるるるる、、、ブリンのスカルピアが消えていくぅ、、、。
ただ、賭けに敗れた負け惜しみに言うのではないのですが、
ターフェルが一時期、ガグニーゼの代役に名前が挙がっていたことは間違いがないと思います。
チエカさん自身、コメント欄の中で、マッティラ/アルヴァレス/ターフェルというスター・キャストだったなら、
という例えを出して、暗に例の問の答えはターフェルであったことをほのめかしていらっしゃいます。
ということは、さすがのターフェルもこの間抜けな演出には引いた、ということなのか、、?
アルヴァレスもcar wreck呼ばわりしたことだしな、って。
こうなってくると、もともと彼がキャスティングされている4月の公演の方まで、
本当に歌ってくれるのか、心配になってきました。
今日は舞台上手側に少し寄った真ん中の通路から二番目の座席で、HD用のカメラのすぐ側。
私は先にも書いた通り、もともと平土間席が全然好きでなく、滅多に座ることがないので、
HDでこんなにカメラの近くに座ったのは今回が初めてです。
カメラを設置するために、オケピットの壁を二箇所、上から下まで外してしまっているんですね。
初めて気付きました。
私の座っているところからだと、カメラの下の、そのぶち抜いた空間を通してオケの弦と木管セクションが丸見えです。
これはいい!!舞台が退屈だったらオケを眺めるという選択肢もできました。
それにしても、一番壁際に座っている弦セクションの女性の頭を舐めんばかりの位置にHD用のカメラはあって、
よくこんな邪魔にも耐えて演奏してくださるものだ、と感謝の念が湧いてきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/48/89e77ef478f967fa4e581f61cadce6ad.jpg)
演出をcar wreck呼ばわりしたアルヴァレスは、
そういうあんたの歌唱がcar wreck!と呼ばれないように気合が入ったか、
今までの公演と比べても、最高の歌唱を今日は聴かせてくれましたので、
これからHDをご覧になる方はご安心を!
最初から彼は本当に良く落ち着いていて、
特にしょっぱなの”妙なる調和 Recondita armonia”でイカの指揮との呼吸がぴったりなのは注目です。
これが会心の出来だったのが、今日の公演での彼の歌唱の全てを運命づけた気がします。
彼は最近聴く機会によっては声が若干荒れているように感じる時もあって、
オープニング・ナイトのコンディションは非常に良かったのに、
その後の公演で少しその気配があったので、少し心配していたのですが、
今日の公演に、今の彼のベストのコンディションを持ってきたのはさすがです。
アルヴァレス自身、この”妙なる調和”の出来は本当に嬉しかったみたいで、
そこからだいぶ経って、マッティラが舞台の端に寄っていく場面で、
カメラが彼女を追っているはずなので、自分は写っていないだろう、と判断したのでしょう、
舞台の真ん中でやおら前の方に出て来て、
両手を握り合わせて”やった!”というポーズを取った後、
指揮者を指差して”ありがとよ!”というジェスチャーまでしていましたから、
どれくらい嬉しかったかということがわかろうというものです。
はじめは、一体何の芝居だろう、これは、、?とぎょっとしましたが、あ、素に戻っているのね、とわかると、
ここまで喜ぶのも、なんだか微笑ましく感じて来ます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/b2/87607e5a1ff1af2a905c1372bee59c9f.jpg)
アルヴァレスの絶好調ぶりと落ち着きとは対照的に、
緊張で大変なことになってしまっていたのがマッティラでした。
アルヴァレスがきちんと指揮を見ながら落ち着いて歌っているのに対し、
マッティラの方はその余裕が全くなく、緊張から、
イカの指揮よりも歌が前に前に行きたがっているのが手に取るようにわかります。
しかも、出てくるフレーズ、出て来るフレーズ、どれもピッチが微妙に狂っていて痛々しい。
アルヴァレスと一緒に歌うところでは、ほら、アルヴァレスの息に合わせたら、
ちゃんとイカとも合うから!とつい手に汗を握って聴いてしまいましたが、
そのアルヴァレスと合わせる余裕もないみたいですから、かなり舞い上がってしまっているようです。
ピッチが狂う問題は一幕の最後あたりでやっと少し落ち着いたかな、という感じで、
かなり長い間、苦闘の時間が続きました。
しかし、こんなことで、二幕のアリアは大丈夫なんだろうか、、。
後で聞いたところでは、開演が10分遅れたのは、なんと太陽の位置の関係で、
HDのトランスミッションが上手く行かず、太陽が動くのを待っていたそうです。
テクニカルな問題、というのは、本当のことだったんですね。
しかし、緊張している時の10分は長いでしょうから、マッティラはこの間、”くそ太陽が!”と罵っていたはずです。
体調不良のため、前のいくつかの公演を降板したガグニーゼも、
今日は万全のコンディションでのぞんでいて、歌唱の安定度では、
これまでで一番の出来だったと感じます。
ただ、彼の場合はそこが仇になる可能性があるというのか、
歌う度に感じるエネルギーが違う、というような部分が希薄で、
毎公演、金太郎飴のように歌唱と演技が同じになりがちなので、
同じ演目でもう1回彼を観たい!聴きたい!という風になかなかなりにくいのが、
問題といえば問題かもしれません。
ただ、歌唱は非常に丁寧で、変な癖がなく、大変聴きやすい歌唱ではあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/b9/38dc73b1dac5739a13081a0118fc75d8.jpg)
二幕の冒頭、オープニング・ナイトでは保守的なパトロンの反発を恐れたか、
三人の娼婦が着衣状態でスカルピアに絡みついているシーンから始まったと記憶しているのですが、
今回はガグニーゼの取り巻きの娼婦の一人は、一幕のマグダラのマリアの絵と同様に、片胸出しでソファに座っています。
もう、やけっぱちですね、ボンディ。
ただ、彼女のポーズにマリアの絵との相似を強く感じるので、こちらが元々のアイディア通りなんだと思います。
この幕の前半では、私の店子友達(下の写真右端)がカヴァラドッシを拷問したり、牢屋に連れ去ったりと大活躍。
ここまで近くで顔の表情までよく見えると、知人の方を目が追ってしまって、
危うくアルヴァレスやガグニーゼが放置寸前になるところでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/01/76846b50e348a8d31fd877f3f8ae1dd9.jpg)
この幕の問題点については、すでにアルヴァレス先生が語っている通りなので、
いちいち私が繰り返すこともないのですが、今回、今までになくはっきり見えたのは、
”歌に生き、恋に生き Vissi d'arte, vissi d'amore"の途中で、
しょぼいサイドテーブル状のもの(娼婦といちゃいちゃし始める前、ここで夕食をとっていたらしい。)から、
トスカがナイフを持ち上げ、そのまま降ろす、という動作(下の写真)。
何ですか?これは、、?
トスカは急にロボットにでもなったんでしょうか、、?
というのは、歌われている言葉とこのナイフを持ち上げ再びテーブルに置くという行為が、全然リンクしていないからなのです。
っていうか、このアリアの中に、ナイフとか、スカルピアを殺すこととか、
そういうことにつながる言葉や音楽って一つもないと思うんですけど、、。
しばしば、このアリアはドラマの流れを止める、と批判の的になりますが、私はそれでいい、と思います。
ここに、アリアの前と後ろのドラマにつながるような動作を入れようとすること自体に無理があるのです。
今日の彼女のperche, perche, Signoreの出来は、今までの公演の中ではましな部類に入ると思いますが、
あいかわらず音の終わりまでしっかり聴かせられないのを誤魔化すために
泣き崩れる演技をするのは辞めなさい、、と苦々しい思いで舞台を見つつ、
ふとオケの壁の隙間に視線を落とすと、奏者の中にも、目玉をまわして、
”やれやれ、またいつものパターンだよ、、”というような表情を作っている人が見えました。
皆さん、同じことを思ってるんですよね、、、やっぱり。
ただ、最初の幕をあれだけがちがちの緊張で始めたことを思うと、
よくこの程度にふみとどまったとは思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/a8/0e163c27839a2d285b5da292088d7753.jpg)
スカルピアを殺害する場面は、しかし、一つ、大きな変化があって、
ほとんど息を失いかけているスカルピアを二度刺しする場面が付け加えられました。
これは実に効果的で、今まで全く締まらない感じだったこの場面が、
たった一つ、この”もう一つの刺し”を入れるだけで、
ものすごく緊張感のある場面に変わり、この判断は大成功だったと思います。
ガグニーゼも、今日は割と綺麗に死んでくれました。
ただ、彼女は歌も演技も、のってくると、ついやり過ぎてしまう傾向があって、
ここも二度目を刺してMuori! Muori! Muori!と叫んだ後、沈黙に支配させた方がずっと効果が上がるのに、
最後のMuori!の後に、まるでネコ科の動物が他の動物を威嚇するかのように、
”シャーッ!”とヒスる音を出したのには、私のお隣の女性もまたそのまた向こうのHDのカメラマンも、
肩をひくひくさせて笑っていました。
どうしてこういう風にやり過ぎになっちゃうんでしょう、、彼女は。
それから、いつも、その後のE morto!の部分の入りが急いでいるように聴こえるのも気になります。
後、至近距離で見てわかったのは、この二幕でのスポレッタ役のソレンセンが、
実に細かい演技をしていて、かなり変質的で怖いこと。
ただ、この手の演技は遠目の座席から見た場合に、全部は伝わらないのが難点です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/e8/63c8444789a08c64c48ddf80ae28c34e.jpg)
二幕の後のインターミッションで、ヘッズのおじ様・おば様グループの会話に紛れこんでみたところ、
NYCO(ニューヨークシティオペラ)のトスカの演出の評価が高くて驚きました。
説明していただいたところでは、時は第二次世界大戦の頃で、
カヴァラドッシが銃殺されるシーンも、従来良く見られる演出および今回のボンディの演出のような、
銃殺隊によるものではなく、いきなり、シャローネだかロベルティだかが
つかつかとカヴァラドッシの側に歩いて行って、銃で頭を吹っ飛ばすという、迫力満点の演出だそうです。
このうち一人のおば様は、マッティラ贔屓で、しかもボンディの演出もそう悪くはない、とおっしゃるツワモノ。
二度刺しは効果的だった、という点では意見が一致しましたが、
”シャーッ!”というヒスりで、マッティラの演技力はさすがだ!と感じたそうですから、私とは感覚が違い過ぎます。
Vissi d'arteでナイフを持つところも天才的だと感じられたとか。ええっ??
ただスポレッタの怖さは再び同意。おばさまによると、”スカルピアよりもスポレッタの方が怖かったわ。”
それは確かに。
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ラストの、トスカがサンタンジェロ城から飛び降りる場面は、
今回のHDのために、かなり綿密かつ慎重な打ち合わせをしたと見られ、
10/3のような失敗もなく、一応、演出チームが意図したとおりの身投げのシーンとなりました。
最前列に座った時の常で、オケの音がセクション毎に非常に分散して聴こえ、
また、オケ・ピットから出てオペラハウスの空間を飛ぼうとする間際の音しか聴こえないので、
音質的にまともな座席でどのように聴こえていたか、ちょっと想像するのが難しい部分もあるのですが、
指揮およびオケの演奏とも安定したものだったと思います。
HDということでやや慎重気味だったことと、イカが一生懸命マッティラにあわせようとしていたこともあって、
これまで聴いたイカが指揮をした公演よりは、少し自由度に欠けていたように感じた部分もありました。
弦も一番良かった公演に比べると少し研ぎ澄まされた緊張感に欠ける部分はありましたが、
総合的には悪くはない出来だったと思います。
HD撮影用のカメラでは、実際の上映にそのカメラの画像が採用されている間は赤いランプがつくようで、
この間はクルーも慎重に撮っているのですが、それ以外の間は割とリラックスしていて、
たまに本上映に使われているモニターと切り替えたりしてくれるので、
映画館で上映されている様子も横目で観察できて、一石二鳥でした。
それらのモニターを眺めていると、今日のインターミッションでは、
ホストのスーザン・グラハムが、衣装デザインのカノネロと、
なんとリュック・ボンディへのインタビューを行っているではありませんか!
雰囲気から言って生に間違いがないので、ボンディ、オペラハウスに一応はいたようです。
なので、一瞬最後に彼らを舞台に出す気かと淡い期待を抱いたのですが、
結局、ブーを恐れたか、彼らは舞台挨拶に出てきませんでした。臆病者!!
ま、HDのモニターで見ているうちに、自分でいかに恥ずかしい演出か、実感が湧いてきたのかもしれません。
深く反省してください。
Karita Mattila (Tosca)
Marcelo Alvarez (Cavaradossi)
George Gagnidze (Scarpia)
Paul Plishka (Sacristan)
David Pittsinger (Angelotti)
Joel Sorensen (Spoletta)
James Courtney (Sciarrone)
Keith Miller (Jailer)
Jonathan Makepeace (Shepherd)
Conductor: Joseph Colaneri
Production: Luc Bondy
Set design: Richard Peduzzi
Costume design: Milena Canonero
Lighting design: Max Keller
Orch Row A Even
ON
*** プッチーニ トスカ Puccini Tosca ***
Madokaさんの細かい所まで観察されてるレポのアップの速さには驚きます。
今まで気づかない私。。。
ターフェルもやっぱりゴキブリだったのかなぁ~とレポを読むのが楽しみでしたのに。
「シャー」は厳しそうですね
14日の公演をシリウスのオンラインで聴いているのですが、マッティラのVissi~はおっしゃる通りちょっとひどいですね。。。
冒頭のリズムが完全に先に出てしまっていますし、指揮をさっぱり見ていない印象を受けます。
あれでは指揮もオケも大変ですね(苦笑)
>レポのアップの速さには驚きます
それはなぜなら、最近物忘れがひどくて、
早く書かないと、詳細が思いだせない、という、
ごく実際的な理由からなのです(笑)
早速、この日の全文、あげました。
お時間のある時に読んでいただけたらと思います。
>日英関係なく文章を書くのは苦手なのです
あらま、そうでしたか。でも、今まで全然わかりませんでしたよ!
下のk.kさんへのコメントにもつながるんですが、
マッティラの歌には厳しい注文をつけてしまいましたが、
上には上がおりまして、シカゴのオープニング・ナイトのデボラ・ヴォイトのトスカとか、
今日(アメリカ14日)メトでトスカを歌っているソプラノとかを聴くと、
まだ彼女でよかった、、と思う自分がいます。
もう、そうなんですよー。がっくりですよ。
ということで、ターフェルすら尻込みする演出なんですよ、これは!
>「シャー」は厳しそうですね
しかも彼女は結構顔の作りとかも迫力があるので、
放し飼いになったネコ科の動物みたいですごく怖かったです。
はじめまして!
>14日の公演をシリウスのオンラインで聴いているのですが
おやおや、ここにもこの恐ろしい放送を聴いていらっしゃる方が!
私も今それを聴きながらこれを書いてます。
途中からお聴きになったのかもしれないですね。
最初に、ホストのマーガレットの方から、
今日はマッティラが降板になって、代わりに、
マリア・ガヴリローワがトスカ役を歌うとのアナウンスがありました。
なので、k.kさんが驚かれたVissiは、
マッティラではなく、ガヴリローワなんですね。
マッティラはこれよりはもう少しましです。
しかし、このガブリローワの歌は、、
”いくらとは?””値段よ! Il prezzo!"の
最後のoが大伸ばしで、妙な節がついていたのにもびっくりです。
この後、時間があれば、簡単にこの放送についてのエントリーをあげたいと思います。
以前のコメントで、カヴァラドッシが描いているのはマグダラのマリアだから、胸はだけてるのもありかも、と書いた私ですが、スチールを見て考えを改めました。
これは、ない! 断じてない!
妙なる調和、をこの絵を前にして歌わなければならないカヴァラドッシに心から同情いたしました。
それに、この写真、なかなかハンサムで格好いいですね。びっくりしました。かなりのおで○さんのはずですが。
何だか恐ろしくなりました。11月に観に行くのが
何事も起こりませんように
日本で聴いているもので、仕事の都合上なかなか完全には聴けずです。
そうですか、ガヴリローワでしたか。
いきなりの代役では仕方ないですね~でもひどかったです(笑)
>これは、ない! 断じてない!
(笑)ですよね。
斑猫さんがご覧になっていますように、と願いながら、
マグダラのマリアの絵が一番はっきり写っているスチールを抜粋してきました(笑)
私、以前に頂いたコメントの後で、昔に録画しておいた、
新国立劇場での『トスカ』(2001年だったでしょうか、、)を見てみましたら、
大事な部分はきちんと手で抑えてはいますが、
オール・ヌードのマリアでした。
でも、きちんと宗教画っぽいテイストを残しているせいで、
全然いやらしく感じません。
今回のこの演出での絵って、普通にセミヌードの人を描いた絵画教室の絵みたいで、
アルヴァレスが言うとおり、全く宗教を感じないですよね。
>言ってることが、結構知的じゃないですか
ですよね。どうしちゃったんでしょう?
転んで頭でも打ったんでしょうか?(笑)
なんてのは嘘で、以前、『トロヴァトーレ』のレクチャーの時にも、
まともなことを語っていたので、本来は真面目で知的な人なのかもしれません。
今回、もしかすると、HDのために多少見栄えに気を使ったのかな?と思うところはあります。
二シーズン前の『カルメン』のドン・ホセではかなり太っていたんですが、
なんだか今シーズンは少し体重が落ちて精悍になったような気がしました。
衣装もパンツがぶかぶかで、オムツでも中に入れたほうがいいんじゃ、、と思いました。
>「これは行かねばならぬ!!」
あれ?ゆみゆみさん、4月にもこちらにいらっしゃるんでしたっけ?
次は4月までないんですよ、トスカの公演。
>オペラ公演ってこんなに色々なことが起こっているのですか
ええ、ええ。毎日追っていると色々ありますよー。
やはり、そうでいらっしゃいましたか。
びっくりされたことでしょう、これがマッティラ??!!と、、。
せっかく仕事の合間に聴く時間を捻出していらっしゃるのにあの歌はないですよね。
4月の公演のいくつかはまた放送されるはずですので、
リベンジを!!
わーいわい。
素ん晴らしい公演でした。
まさに心を掴んで離さない!!
今まで観た生オペラのマイベストです(少ないけど。)
小さな失敗や疑問なんて瑣末な事と感じてしまうほどに、私にとってノリノリの公演となりました。
姉にも「S券でも観た方がいいよ~」と無理矢理買わせてしまいました☆(大丈夫かな。。。)
オケは結構鳴っていたかもしれないですが、ゲルギエフの後なので全然大丈夫でした。というかエキサイティングでした☆
(もちろん私にとって。他の人はどうかな???)
初日なのに、ありがとーう!!!
と、感情は吐き捨てします。