Opera! Opera! Opera!

音楽知識ゼロ、しかし、メトロポリタン・オペラを心から愛する人間の、
独断と偏見によるNYオペラ感想日記。

LES CONTES D’HOFFMANN: HOFFMANN’S HEROES

2009-11-18 | メト レクチャー・シリーズ
毎年、新シーズンの開始前にレクチャー・シリーズの企画も発表されるのですが、
確か、その時点ではキャストを何人か囲んでの座談会形式の予定だった『ホフマン物語』のレクチャー。
そんなわけで私の隣に着席したおば様は開始前から超そわそわモード。
降板が決定してしまったヴィラゾン、ガランチャ、パペはともかく、
さすがに、ネトレプコとカレイヤは登場してくれるんでしょう?とばかりに、
何十分も前からオペラグラスのピントを合わせるのに余念がありません。
そんなおば様に、とても言えるもんじゃありません。”椅子が二客しか準備されてませんね。”なんて。

椅子が二客。一つは司会用。ということは、ゲストはたった一人。
誰だろう、、?ネトレプコ?カレイヤ?

いよいよ時間。
司会をつとめる、メトのアーティスティック部門のアシスタント・マネージャーである
サラ・ビリングハースト女史に率いられて登場したのは、頭ボサボサで身なりも構わず、
まさに徹夜疲れの雰囲気を醸しだしている男性です。間違ってもカレイヤじゃない。
それは演出家のバートレット・シャーでした。
固まる隣の女性。その後、二度とオペラグラスが持ち上がることがなかったのは言うまでもありません。

しかし結論を言うと、彼が登場してくれて大正解!
アメリカ人、つまり、ネイティブ・スピーカーであるせいで
司会やオーディエンスとの言語バリアがないのみでなく、
この人が本当に早口で良くしゃべるので、とても一時間で聞いた内容とは思えないほど中身が濃かったです。

レクチャーでは一切メモをとっていないので、最近ますます目が広がりつつある、
私の頭の中のざるから抜け落ちてしまった情報もたくさんあると思いますが、
思い出せる範囲で、思いつくままに、内容を箇条書きにしてみたいと思います。
(なので、実際に話された内容とは順が不同です。また訳は意訳です。)

まず、バートレット・シャーのことを簡単に。
彼はもともとシェイクスピアものやストレート・プレイなどの演劇畑から出発した演出家ですが、
彼の名前を一躍有名にしたのはミュージカル『The Light in the Piazza』の演出で、
さらに2008年には『南太平洋』のリバイバルの演出でトニー賞を受賞しています。
この二作の間に、メトの2006-7年シーズンの新演出(かつ現行の)『セヴィリヤの理髪師』の演出も担当。
(ちなみにオペラの演出は『セヴィリヤ』が二度目で、その前に、
シアトル・オペラの『喪服の似合うエレクトラ』でデビューを果たしています。)
三つ目のオペラ作品の演出はDVDにもなっている2008年のザルツブルク音楽祭で
ヴィラゾンと(妊娠のため降板したネトレプコの代わりにキャスティングされた)マチャイーゼ出演の『ロミオとジュリエット』。
今シーズンの『ホフマン物語』は彼のオペラ演出4作目にあたり、メトでは『セヴィリヤ』に続く2本目です。


(レクチャー当日はこんなに髪は整ってませんでしたが。)

 リハーサルについて

昨日の第一幕のテック・リハーサル(オケなしで、セットの移動や演技の順序、
立ち位置などを実際の舞台でさらうリハ)は、
スペースの使い方、歌手の動きのつけ方、セットなどのテクニカルな面など、
あらゆる面でdisaster(ぼろぼろ)でした。
なんというやばいプロジェクトに巻き込まれてしまったのだろうと後悔してます(笑)。

今まで私のような能無しのちんぴら演出家が身に余る評価を受けてきましたが、
その事実がとうとう暴かれる時が来てしまったのではないかと怖くなりました。
それも、よりにもよってこんなたくさんお客さんが入る劇場で!!

ただし、今日行った第二幕のリハはずっとましで安心しました。
終わった後にはキャストと一幕もさらってみました。
明日は三幕のリハとなっているんですが、11時から6時まで舞台が使えるので、
最後の数時間、もう一度今日やったことをふまえて一幕を練り直したいと思います。

テクニカル・リハーサルはそれでおしまいなんですよ。
この次はもうオケとの合わせに入ります。
(このクレージーなスケジュールに聴いている聴衆もいやはや、と言った感じで頭を振る。)

 メトで舞台を演出する時に難しい点

リハーサルが上手く行かなかった点の一つとして、スペースの問題があります。
メトのような大きな舞台で演出する場合に苦労するのは、なんといってもそのスペース
(縦横だけでなくて高さも含め)の扱い方です。
頭の中やリハーサル室ではぜったいうまく行くように思えたものが、実際の舞台にかけてみると、
全然駄目!ということがあるんですね。

 キャストの変更について

まず、司会のビリングハースト女史(←なかなかの毒舌家)から簡単な経緯が。
”今回の『ホフマン物語』はキャストの変更があいつぎました。
まず、ヴィラゾンが声帯を痛めたことで降板しましたね。
そして、3役全てを歌う予定だったネトレプコが妊娠だか子育てかなんだか(←まま)で、
”アントニアしか歌えない”などと言い出しました。
代わりにキャスリーン・キムが素晴らしいオランピアをリハーサルで聴かせていますね。
そして、ルネ・パペ。ヴィレインズ(悪役4人)を歌う予定だった彼は、
突然間際になって楽譜を開いて、この役は自分には音が高すぎる、と結論づけたようなんですよ。
この演目に関してはメトは彼に2年も前から交渉して来たんですけどね。
抜けた穴は、ワシントン・ナショナル・オペラのリングの公演に出演が予定されていたものの、
演奏形態が変わってしまったために、本当にたまたまスケジュールが空いていたヘルドを
おさえることが出来て、本当にラッキーでした。
それから、今度はゲオルギューが離婚問題で『カルメン』のいくつかの公演を降りてしまった関係で、
ガランチャがそちらに引き抜かれてしまいましたね。
こちらは若手で実力のあるケイト・リンゼーが代わりを歌うことになりました。”

それに対してのシャーの言葉は次の通り。

ザルツブルクの『ロミオとジュリエット』でヴィラゾンと一緒に仕事が出来たこともあって、
彼のキャラクターを良く知ることができました。
今回の『ホフマン物語』のホフマン役は、はっきりとヴィラゾンを念頭に置いて作っていたんです。

(ここで、ビリングハースト女史がすかさず、”カレイヤはかなりイメージが違いますものね。
大体、ヴィラゾンのようなちびっ子と違って、彼は6フィート3インチもあろうかというような大きな男性ですもの。”
ただし、本当にそんなにカレイヤが長身かどうかは不明。)

それから、ニクラウス、こちらもガランチャ本人のイメージが投影されていると思います。

ミュージカルの場合は、キャスティングも演出家の責任下にあり、
よほどの死ぬか生きるかといった事情が起こらない限り、
配役が変わるということはまずありませんので、これは予想外のことでした。
けれども、どの役も最初に考えていたイメージとは違うとはいえ、
カレイヤ、ネトレプコ、ヘルド、リンゼー、みんな、違った形で素晴らしいものを作り上げつつあります。
それからキム、彼女のあのアリアは本当にすごい!
なので、フラストレーションを感じていらいらするよりは、
どういう風に原案を新しいキャストに合わせてテイラーしていくかということに今はフォーカスしてます。
全体としては正しい、あるべき方向に向かっているという実感があります。

 オペラの演出で大変な点

特にメトのような大劇場の場合、同時期に他演目の上演やリハーサルがすすんでいるので、
リハーサルの日程間に隙間が空いてしまい、週何日という風な決まった時間枠でしか準備が出来ないのが大変。
ミュージカルの場合は毎日何時間でも同じメンバーと内容をつめていけるのでその点では楽。
でも、自分がこんなことを言ったからと言って、オペラの世界の仕組みやしきたりが変わるわけではないので、
出来る範囲で全力を尽くすしかありません。

でも、私にとって実は一番大変なのは演劇の演出なんです。
というのは、言葉に決まったリズムがないので。
その点、シェイクスピアは少し楽かな。
このリズムを作り上げるところから演劇の演出は始めないといけないので、時間がかかります。
オペラは音楽があるから助かるんですよ。

 オペラの音楽と演出について

自分は実は楽譜が読めないので、オペラの演目の演出をする場合は、
仕事上のパートナーで友人でもある音楽家に5セット、彼が思うその演目のベストのCDを選んでもらい、
それを聴きながら、片方にオリジナル言語のリブレット、
もう片方に英訳を置いて、目印となるオーケストラの楽器の音を擬音語で、
それこそ、”だだーーっん!”みたいな感じで書き記していくんです。
『ロミオとジュリエット』を演出した時はフレーニとコレッリの盤とかを聴きましたよ。
こうすると、音楽と言葉、ドラマの関係やディテールがはっきり見えてくるんです。

歌手のなかにはボーカル・スコアしか勉強していない人も結構いて、
オーケストラの演奏がどのようにドラマにインパクトを与えているか見えていない場合があります。
それをつなぐのも演出家の仕事だと思っています。

音楽とリブレットの歌詞の内容が沿っていないように感じる時、
どちらに勝たせよう、という発想はありません。
それは自分の思考が足りないせいだと考え、さらに熟考を重ねますね。
作曲家がある音楽をつけているにはその理由というのが絶対にあるはずですから。

今回も指揮のレヴァイン氏とそれぞれのシーンをさらい、歌、音楽、芝居のディテールが
きちんとマッチしていることに気を配りました。ディテールは重要です。

なんてことを言うと、皆さんからの、『トスカ』のボンディ演出をどう思ったか聞かせろ、
というプレッシャーを感じるんですが(笑)。
実はそれまで『トスカ』をオペラで見た事がないんです。
それもあってか、僕自身は楽しんで観させて頂いたんですが、
二幕の終わりで、すぐ側のボックスから、”ちょっと!ろうそくは!?ろうそくは!?”と
互いに囁きあっている女性の声が聴こえてきまして、
(注:『トスカ』のスタンダードな演出では必ずと言ってよいほど含まれる、
トスカがスカルピアを刺し殺したその死体の周りに燭台を置くシーン
ボンディの演出ではなかったことを指している。)
よく訳がわかっていなかった私は”一体何のろうそくのことだよ!”って感じだったんですが(笑)、
幕の後で一緒に鑑賞していた人からその意味を聞いて、なるほどなと思いました。
僕自身は、そういう上演の歴史というか、慣習になっている演技付けというのを
尊重することは大事だと思います。
だって、お客さんの多くはそれがどのように演じられるのかを楽しみに観に来ているわけですから。

キャストからのフィードバックはあればあるほどいいですね。
それが蓄積されて、新しいアイディアの基にもなりますから。
(ここでビリングハースト女史から、以前彼が演出したミュージカル作品に出演した女優の、
”彼は俳優の意見にとてもよく耳を傾けてくれる”というコメントの紹介があった。)
例えば、ミュージカルなんかはブロードウェイでの上演に加えて、地方公演も行う場合がありますね。
これはオリジナル・キャストが積み上げたものにさらに新しいキャストやスタッフがアイディアを積んでいく場合の
良い例だと思います。
まあ、何といってもオリジナルが大変なのは間違いありませんが!

 『ホフマン物語』を演出することについて

実はある著名なステージ・デザインのコンテストで一番選択されることの多い自由課題がホフマンなんですよ。
私はその審査員をつとめたことがあった関係で、セット・デザイン画だけはそれこそ何千と見た事がありますが、
オペラ作品として見たことは、今回の仕事を引き受けるまで、一度もなかったんですね。
偉そうに審査員なんかやったことがある手前、これは自分が演出するなら、
とんでもないオリジナリティを発揮しなきゃならないぞ!と、かなりプレッシャーでした(笑)。

私がこの作品を演出するにあたって、最も興味を引かれたのは、
作曲家のオッフェンバックが、それまでの経歴よりも一歩踏み込んで、
きちんとした作曲家としての自分を証明できるようなオペラ作品を書くという大事な機会に、
なぜこの『ホフマン物語』という素材を選んだのか?という点でした。

というのも、あらゆる芸術家にとって、一番骨が折れる作業は
自分の音楽(や扱う芸術媒体)に物語を語らせることが出来るような、そんな素材を見つけることだからで、
そんな機会に、シリアスな話を扱ったオペラではなく、
オペラ・ファンタスティーク(幻想的/怪奇的オペラ)と呼ばれる作品を彼が書いた、という点が非常に興味深いのです。

これは私の仮説ですが、それにはオッフェンバックがドイツ系ユダヤ人であったこと、
そこから生まれる疎外感、どこにも属していないという感覚、そんな点に大いに関係があるのではないか、と思うのです。
原作となっているE.T.A.ホフマンの小説からも、あえてreject=拒絶がテーマになっている、
オランピア、アントニア、ジュリエッタとの素材を選んでいます。
ホフマンが拒絶されずにずっとつながっていれる女性は、唯一人ミューズだけです。
というわけで、オッフェンバックはこの作品を作曲することで、
自分の疎外感や孤独を表現し、さらにはそれを乗り越えようとしたのではないか、というのが私の考えです。

というのは、実は私自身、父がユダヤ人だったんですね。
母親はカトリックで、父がユダヤ人だということは幼い頃は知らされませんでした。
結局、母は父と離婚してしまったんですけどね。父がユダヤ人だったからというのが理由ではないでしょうが。
自分を含め、多くのアーティストにとって、このような人種や宗教、
それから性的嗜好の違いから生まれる疎外感とか孤独感というのは、
往々にして、表現活動において、大きな原動力になります。

この演出で中心になっている1920年代っぽい雰囲気から、
最後で、突然違う時代にホフマンが投げ出されたような演出にしているのは、
この彼が感じている違和感、疎外感を表現したかったからです。

ニクラウスのような男装の女性歌手が登場することは、
自分の中で折り合いをつけさせなければいけない男性性と女性性というテーマも扱っていると思います。

 今回の『ホフマン物語』のプロダクションについて

プロダクションのイメージは1920年代、カフカ、
フェリーニの映画の世界に登場するごちゃごちゃした遊園地的世界、
ちょっと風変わりな人々、それからチャップリンあたりをイメージしています。
キャサリン・ズーバーが担当する衣装も、そういったアイディアをもとにしています。

(ズーバーを初め、同じスタッフと仕事することが多いようですが?というビリングハースト女史の言葉に)
でも、スピルバーグがいつも同じスタッフと仕事しているからといって、
不思議に思う映画ファンはいませんよね。

プロローグ(後注:初日の公演の様子からは、これは第一幕のことだと思います)、
5人のホフマン、5人の女性を登場させますが、
そこで、この話の連続性を一気に表現したいと思いました。

自分にとって、最も面白いのはニクラウス/ミューズとヴィレインズの関係ですね。
ほとんど、前者が後者を使ってホフマンを陥れたようにも見えます。

この作品が喜劇か悲劇かと聞かれたら、喜劇だと答えます。ブラックな。
もちろん、二幕の(注:ここではプロローグを除いて、
オランピアの幕、アントニアの幕、ジュリエッタの幕と順に一、二、三と数えているようでしたので、
アントニアが登場する幕のこと。)など、
悲劇的な要素はありますが、エピローグ(ステラが登場する幕)など、
常にいくらかの軽さがありますから。

 新演出『ホフマン』の音楽について

ビリングハースト女史の説明によると、新演出ホフマンの音楽はレヴァイン版(!)とも言えるものだそう。
ホフマンの自筆譜を見ながらレヴァインが推敲、時には新しく音楽をつけた部分もあるそうです。
(注:メトではこれまでシューダン版を用いての演奏だったように聞いていますが、
確認はしていません。)
ビリングハースト女史とシャー曰く、レヴァインは作品のドラマの側面をきちんと理解しているので、
音楽もそれにきちんと密接したものになっているそうです。

 シャーのこれから挑戦してみたいこと・すること

数年前に受けたインタビューでこれから挑戦したいことを5つ挙げたシャー。
その5つと現在の状況は次の通り。

① 『ハムレット』の演出(してみたい)
② クリフォード・オデッツの『ゴールデン・ボーイ』の演出(してみたい)
③ 映画の監督(してみたい)
④ オペラの次の演出(する。現在メトと次の演出作品について交渉中。)
⑤ ミュージカルの次の演出 (する。『神経衰弱ぎりぎりの女たち』を演出する予定。)

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すでにリハーサルの短い映像が出回り初めていますが、
ヘッズの間では、これは面白そう!と期待が高まっています。
その映像を見る限り、カレイヤが大熱演かつ声の状態も良さそうで非常に頼もしいですし、
さらにオペラ警察の報告によると、キャスリーン・キムのオランピア、これがすごく良いそうです。
数々のキャスト変更があった『ホフマン』ですが、何が幸いするかわからない。
いよいよ初日は12/3の木曜日です。

(一番最初の帽子を被った男の写真は『ホフマン物語』の宣伝用スチールから、
ホフマン役のジョセフ・カレイヤ。シャーではありません、念のため。)


Les Contes d'Hoffmann: Hoffmann's Heroes
The Metropolitan Opera Guild Lectures and Community Program
Guest: Bartlett Sher
Lecture held at Metropolitan Opera House Auditorium


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15 コメント

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初めまして<(_"_)>ペコリッ (イーヴ)
2009-11-19 17:17:45
ランダムで訪問させていただきました^^
足跡だけ・・・
返信する
訪問ありがとうございます (Madokakip)
2009-11-20 14:36:47
 イーヴさん、

足跡だけでも大歓迎です。
また遊びにいらっしゃってくださいね。
返信する
Unknown (Kid)
2009-11-20 22:46:21
その節はドレスコードで貴重な助言をいただき
ありがとうございました
私は「ホフマン」を1月2日に観ます
劇場へ何を着て行こうか....
今からあれこれ思案するのも楽しみのひとつです
返信する
日に日に (Madokakip)
2009-11-24 11:53:31
 Kidさん、

とんでもございません!
いよいよ日に日にご旅行の日程が近づいて来ましたね!
あと、一ヶ月と少し。
そうです、おっしゃるとおり、そうやって思案している時間が一番楽しいのですよね!
このプロダクションでは、カフカとフェリーニの映画をミックスしたようなものをイメージしたとのことで、
あちこちの土地をまわった昔の(ヨーロッパの)遊園地の感じとか、
そういう雰囲気のセットとかもあるようです。
なので、イマジネーションを膨らませ、
それを意識したコスプレモードもあり、かもしれません(笑)
返信する
やっぱり.... (keyaki)
2009-12-01 03:24:45
こういう演出の話しはとても興味あります。ホフマン物語は、パッと思いつくだけでも、シェロー、サヴァリ、マクヴィカー、カーセン、ピッツィ..とかそれぞれ面白い演出で、成功していると思います。

>カレイヤ:6フィート3インチ
この情報いただきま~す。
バス、バリトンはこのくらいはざらですが、テノールでは最大クラスですよ。ベン・ヘップナーが同じ身長のようです。

>ルネ・パペ。ヴィレインズ(悪役4人)を歌う予定だった彼は、突然間際になって楽譜を開いて、この役は自分には音が高すぎる、と結論づけたようなんですよ

ワワワ...私の予想の理由が当たったってことですね。でも、これって暴露しちゃっていいのかしら?アリア集のCDではレコード会社の企画にのっかって言われるままに全音+半音下げで歌ったってことで、そのことを忘れていたってことですか? それにしてもオリジナルの楽譜を見てなかったって...ちょっと信じられませんけど....これって大失態ですよね。

グリゴーロも来年の3月にチューリヒで新演出でホフマンを歌います。グリゴーロはプレミエ歌手として大切にされているのでファンとしては嬉しいです。
返信する
怨念募って大暴露! (Madokakip)
2009-12-01 13:56:34
 keyakiさん、

ありがとうございます。
私もこういうレクチャーで、いろいろな話が聞けるのは大好きなんですが、
このシャーみたいに話す内容が多い人だと、もう頭がパンク状態で、
とりあえず積めこんだ内容を、そのまま吐き出したゲロのような文章になってしまいました。

>カレイヤ:6フィート3インチ

これは単にそれくらい背が高いという例え(日本語で背の高い人を
”身長2メートルくらいありそうな”という風に形容するようなのと似た表現)なのか、
ビリングハースト女史の目計算でそれくらいに思えるのか、
はたまた実際そのくらいあるのか、確かなことはわかりません。
私個人的にはカレイヤってそんなに背が高かったけかな、、?という感じもあるのですが、
常に彼は3階席とかで見ているので、実際より小さく感じたのかもしれません。
『ホフマン』は平土間の、割りと前の方の席で見る日があるので、
その時に観察してこようと思います。
ただ、ガタイがいいというか、がっちりした体型ですね。
ちょっとキングコングみたいな、、。

>ワワワ...私の予想の理由が当たったってことですね

いや、本当、そうなんですよ。
この話が出たときに、あ、keyakiさんがお書きになっていた通りではないの!、、と思いましたよ!

>これって暴露しちゃっていいのかしら

ビリングハーストさんはアーティスティック部門を管理している人なので、
今回のホフマンのキャスト変更では相当苦労したんじゃないかな、と思います。
パペだけじゃなくて、もうキャスト変更の原因になった全員に対しての怨念が炸裂してまして、
かなりけちょんけちょんでした(笑)。
なので、代償としてこれくらいは言わせてもらうわよ、という感じかもしれません。

特にパペの代役を見つけるのが一番大変だったみたいですね。
ヘルドがもし突然スケジュールが空かなかったら、
本当にやばかった、、というようなニュアンスで語られてましたから。

グリゴーロもチューリヒでホフマンを歌うのですね!
ロール・デビューでしょうか?
実は今日、メトで『ホフマン』のドレス・リハーサルがあったんですが、
あれほど流出映像では調子の良さそうだったカレイヤが、
あろうことか、風邪気味らしく、
二幕以降大事をとって歌わなかったらしいんですよ。
って、もう木曜が初日なのにどうするんですか?!って感じですが、
彼が降りなきゃならなくなると、これこそ本当に大ピンチ!
ふっと、”グリゴーロ、、、”と思ってしまいました。
返信する
三度の飯とかオペラが好きです (boku)
2009-12-02 00:34:59
あれだけ巨大な舞台の構成を考えて、振り付けをつけて、演技の指導をして、そして今の演出家には必要な斬新性もひらめかせて、ブーイングを喰らって、etc
オペラの演出家って天才だーとか勝手に思っていましたがこうも赤裸々に明かされちゃうと演出家も大変ですね~、
と同情します(笑)
ホフマンはどうなるんでしょうかね。
madokakipさんの逆鱗に触れることになるのか否か。
レポ楽しみです。

あと最近知りましたがカレヤってまだ31歳だったんですね。
その若さでこれだけ有名歌劇場で主役を勤めているんですか。スゴーイ(拍手)。
なんだかカレヤのこと見直しました。
返信する
Madokakip (keyaki)
2009-12-02 10:45:38
パペ降板の記事にリンクさせていただきました。一つの高音が問題ではなく、テッシトゥーラが高かったということでしょうね。悪漢4役は、一般的にバリトン役と言われている役ですから、ちゃんと楽譜を検証してオファーを受けるのが普通というか常識なのに...練習すれば大丈夫と思ったということでしょうか....
ここで書いたような気もしますが、ピーター・マッティも同じようなことをやっちゃったんですよね。マクベスのドタキャンですけど、このときは、彼自身が「どうしてもうまく歌えな部分があるので、今回は降ります。でも、将来きっと歌ってみせます...ごめんなさい」みたいな発表をしたようです。かっこいいポスターまで作っていたのにってことなんですけど、ファンはがっかりだったようです。

>>カレイヤ:6フィート3インチ
約190センチは正しいと思います。歌手さんのサイズ情報は衣装さんが把握しているでしょうけど、これって身長は必要ないみたいですね。ですけど、きっとサラ・ビリングハースト女史が個人的に聞いたと思います。「あなた大きいけど、身長どのくらいなの?」とか....私も背が高い人には、ついつい身長を聞いてしまいます。背の低い人とか肥満の人に体重をきくのは失礼ですけど。

>グリゴーロもチューリヒでホフマンを歌うのですね!ロール・デビューでしょうか?
そうです。また話しが長くなりますが、本当は昨年ジュネーヴ大劇場でロールデビューの予定でした。でも、フィリアノーティがスカラ座のドン・カルロに出演するためにワシントンのルクレツィア・ボルジアをキャンセルしたので、グリゴーロがホフマン物語をキャンセルして、ジェンナーロを歌うことになったんです。多分ドミンゴの力でジュネーヴ側を説得したんだと思います。
グリゴーロは、来年の1月1日までチューリヒでヴェルディの海賊に出演中ですが、演出舞台も斬新で大成功、グリゴーロも相変わらず絶好調のようです。
カレヤとは同じエージェントですけど、この時期、急な代役は無理でしょうね。
返信する
キャッ (keyaki)
2009-12-02 11:17:23
ごめんなさい。
タイトルで呼び捨てしちゃってました。
「Madokakipさんへ」のつもりでした。
それから
ペーター・マッテイと書いたつもりでしたがピーターになってました。やっぱりペーターですよね。
返信する
大変じゃないと困ります (Madokakip)
2009-12-02 15:59:10
 bokuさん、

>演出家も大変ですね~
>madokakipさんの逆鱗に触れることになるのか否か

私の逆鱗にふれる演出があるとしたら、
それはその大変なことをしていない、
つまり作品について考え抜いていない演出ですね。
私がボンディの『トスカ』を嫌いなのは、
一つにはあの演出から怠惰さを感じるからです。
ホフマンはそうでないことを願っています。

カレイヤ、keyakiさんのコメントにも書きましたが、
昨日のリハーサルでは風邪気味だったそうなので心配です。
木曜の初日までにリカバーしてほしいですね。
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