Opera! Opera! Opera!

音楽知識ゼロ、しかし、メトロポリタン・オペラを心から愛する人間の、
独断と偏見によるNYオペラ感想日記。

ライブ・イン・HD DVD発売第二弾は9月

2008-08-10 | お知らせ・その他
当初は5月に発売予定だったライブ・イン・HDからのDVD化第二弾
第一弾は昨年発売された2006-7年シーズンの『エフゲニ・オネーギン』と『清教徒』)。

予定は延びに延び、2008年のシーズン・オープンに合わせて発売か?という噂でしたが、
全く詳細が発表されないので、iN Demandに続いてまたしてもほとんどばっくれまがいの
計画頓挫かと思いきや、とうとうこちらの記事に頂いたコメントにあるとおり、発売が正式に決定しました!


EMIが2007-2008年シーズンについてDVD化権を購入した公演のうち、
どれが商品化され、またされないかが気がかりなところでしたが、全公演、DVD化です!

日本ではHMV、アメリカではamazonなどで、
予約受付が始まっており、発売はアメリカが9/16(HMVは9/15となっていますが、
アメリカの発売日を日本時間に換算?!)。

では、ラインアップを。

 『始皇帝』 (The First Emperor)



タン・ドゥン作曲のワールド・プレミアもので、
この作品だけは、一つ前の2006-2007年シーズンの公演がライブ・イン・HDで上演されたときの映像。
(HMVのサイトに表記されているサラ・コバーンといったキャストは2007-2008年シーズン時のキャストで、
このDVDの映像である2006-2007年シーズンの公演のものではありません。
HMV、なぜこんな手の込んだミスを起す?!
ちなみにユエヤン姫をこのDVDで歌うのは、2006-7年シーズンのエリザベス・フトラルです。)

その2006-7シーズン中、収録日とは違う公演で見たこの作品のレポの中で、
私は、かなりめためたにこの作品をけなしまくっており
(実際、2007-8年の公演時には、20分ほどのカットが入った。
ただし、このDVDは、おそらくオリジナルの長さのままだと思います。)
その気持ちは全く変わりませんが、しかし、先日、このDVDと同じ映像を、
映画館で少し観る機会があり、舞台の美しさとオケの迫力はなかなか捨てがたいものがあり、
また映像での方が実公演よりも良さが引き出されている気もし、
映像化に向いた公演だったのかも、という気がしています。
これもひとえに、映画監督で、北京オリンピックの開&閉幕式の演出も担当したチャン・イーモウの演出と、
衣装担当のワダ・エミさんの力の賜物。
あ、しかし、そういえば、指揮をしたのは、タン・ドゥンだった。
オケからこのような演奏を引き出した事実は評価せねばなりません。
メトのオケが下手、なんてわけのわからないことを言っている人はこれを観るべし。
また、ここ一、二年のメトの舞台では(指揮ではなく、あくまで歌の方で、ですが)
孤高の迫力とも言うべきものが出てきはじめているドミンゴの姿が頼もしい。
この作品が持っているのは、一にも二にも彼のおかげ。
メトの来日公演等のワーグナー作品での歌唱で、力が落ちたからと言って嘆くのはやめましょう。
この作品や2007-8年シーズンの『タウリスのイフィジェニア』などでの彼の歌唱を聞けば、
まだまだ素晴らしいものを我々観客に与えてくれる存在であることがわかるはずです。

本当に、リブレットと曲自体がもうちょっとがんばってくれていたらなあ、、と悔やまれる。
作品そのものの出来をある程度、度外視できる方なら、買って決して損はしないDVD。
私は買います、もちろん。

 『マノン・レスコー』 (Manon Lescaut)



金欠気味でどれか一つ買う演目を削除したい、と思っている方には、これを削除することをおすすめします。
ばっさり。
もちろん、公演は一定の水準には達していますが、他のラインアップに比べると、
不思議なくらい、盛り上がりに欠けており、豪奢なセット以外、どこにもメトの良さが出ていない。
レヴァインの指揮もこれを救うことは出来なかったらしく、
『始皇帝』とは雲泥の差。こういう日の公演をたまたま見てしまった人が、
メトのオケはつまらない、というのかもしれません。
この公演でのマッティラの歌で、2008-9年シーズンの『サロメ』に秘そかに不安を感じている私です。
DVD化された公演当日のレポはこちら

 『ヘンゼルとグレーテル』 (Hansel and Gretel)



これをDVD化することを決意したEMIの決断を大いに評価したい!
そのグロテスクな演出に、”こんなの子供に見せられない!”、”悪趣味もいいところ!”、
”素晴らしいオリジナリティ”と賛否両論だった公演。
私は大好きです、この演出。
何よりも、いい年こいて、女装姿で突き抜けた演技を繰り広げるラングリッジが素晴らしすぎ。
歌唱は英語版。
英語でグリム童話だからという理由でオペラハウスに子供を同伴し、
それで”悪趣味”が理由で怒っているのだとしたら、それは親であるあなたの判断ミスだろう、といいたい。
グリム童話が残虐だということを勝手に忘れられても困る。
毒気が抜かれたグリム童話が聞きたければ、
セントラル・パークのお話コーナー(週末に児童向けに童話を朗読する一角)に行けばよいのだから。
英語、グリム童話、という児童を引き付けるアイテムをばらまいておいて、
容赦なく毒を放ちまくったメトと演出担当のリチャード・ジョーンズに拍手。
ジュロウスキ(日本ではユロウスキという表記のようですが、英語での発音にならいます。)
の指揮もなかなか良いです。
世の中、楽しいばかりのメルヘンの世界ではない、ということがわかっている大人と、成熟した子供向け。
DVDの映像と同じ公演日当日のレポはこちら

 『ラ・ボエーム』 (La Boheme)

(冒頭の写真)

うーん、このDVDは微妙です。
歌も滅茶苦茶悪いわけではないし、
ゼッフィレッリのこの『ラ・ボエーム』の演出は、
いまやメトで最も歴史が長く、愛されているプロダクションの一つでもあるので、
それなりに見所はあります。
ただ、この作品の真のすばらしさが出ているか、と聞かれると、答えに躊躇してしまう。
これが、メトの『ラ・ボエーム』の標準だと思われるとしたら少し寂しい。
もう少しベストなキャストを組めるまで待っても良かったのではないか、という気もします。

DVDの映像と同じ公演のレポはこちら
同じ映像を映画館で見たときの感想はこちら


 『マクベス』 (Macbeth)



ここからが真打。
この『マクベス』はオペラが好きなら絶対に買わなければならないDVD。
おそらく映像としては今後、スタンダードな一本の一つとなるであろうほどの公演です。
『始皇帝』に続き、またしてもHMVのサイトはデータの混乱を引き起こしているようで、
大切なマクベス役のクレジットが、アタネリになっています。
予定されていたアタネリから、ルチーチに変更になった経緯は、
同じ公演日のレポにあるとおりで、上のジャケットの写真にもきちんとルチーチの名前が表記されています。
しかも、マクベス夫人役がグルーバーにマクダフにアロニカ?!
一体いつのキャストのデータを使っているんだろう、HMV。
それともEMIの怠慢?
いずれにせよ、グルーバーもアロニカももともとこれらの役で出演予定だった歌手たちですが、
公演のだいぶ前に変更が発表になり、実際にはグレギーナとピッタスが歌っています。

この公演がいかに良い出来であったかは、レポにも口をきわめて書いた通りなので、
もう何も言いますまい。
『マクベス』がこんなに見ごたえのある作品だったのか!と目からうろこ、です。
歌手、オケ、演出、セット、合唱、あらゆる意味で今のメトの良さが集結した公演。

 『ピーター・グライムズ』 (Peter Grimes)



今のメトの良さが出た、といえば、こちらも双璧。
EMIがこの映像のDVD化権を得たと聞いたときは、
”なんとまあなんでこんな地味な演目を、、他にもっとねらい目のものがあるでしょうが!”
などと、ふつつかな感想を持った私ですが、今、大いに訂正させていただきたい!
いや、のみならず、EMIがこの作品をDVD化したのは、おそらくこのシリーズの中でも、
もっとも正しく鮮やかな決断だったといえるでしょう。
この公演が映像に残って、私は本当に嬉しい。
アメリカ中に同じ気持ちのオペラヘッドが無数にいるこのDVD、
絶対に、絶対に、買い損ねてはなりません!!!!
作品そのもののパワフルさと美しさと悲しさを見事に舞台上に現出させた歌手、オケ、合唱、そして演出、
すべてがかみ合ったこの公演が映像に残されたのは本当にラッキーでした。
公演日当日のレポはこちら

2007-8年シーズンのBest Momentsにも選ばれた『マクベス』と『ピーター・グライムズ』に
関しては、どちらか一本を選べ、といわれても、私は選べません。
この二本に関しては当ブログを読んで頂いている方の視聴必須にしたいほど、
Operax3 選定教科DVDともいえる二本です。買ってください。今すぐに。迷っている暇なし。

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26 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
やっばり・・・ ( F )
2008-08-11 10:34:59
こんにちわ~
初HD記念に『ラ・ボエーム』でもと思ってましたが
そうですか、やはり微妙ですか。
もう一本見た『連隊の娘』は出ませんでしょうか。
またルノー FT (戦車ッス)が見たいです!!
返信する
DVDか映画館か・・それが問題だ (今泉澄)
2008-08-11 13:52:37
「マクベス」のDVDが出るんですかぁ~~

「マクベス」は超お勧め!と云う事で
きのう、わざわざ東劇まで行って
アンコール上映の前売り券を購入してきました。
まだ1枚も売れてないみたい...(^^;)

返信する
マクベス (チャッピー)
2008-08-11 20:55:55
写真だけでも大迫力のグレギーナ主演なんですね。
なら欲しいかも、DVD。
正直、ライブ・ビューイングとDVD、どっちにしようか迷ってます。
ファンなら両方購入でしょうけど。

ところでRingのSeat Confirmation、何と今日着ました。で、SubscriptionがB列だったのに、こちらはF列。METは席割を今まで放置していたのだろうか?それとも指輪は大人気なのか?
いずれにせよ、一般販売であっという間に完売することは間違いなし!

あ、それからカードの請求額、オリジナルのSuggested Contribution額で請求されてるようです。切のいい請求額になるよう寄付金減額したんだけどねえ。
返信する
結局・・・ (娑羅)
2008-08-11 22:25:04
とりあえず、『マクベス』だけ注文しちゃいました
楽しみです
返信する
DVDについて (Madokakip)
2008-08-12 05:24:44
いつもどおり頂いた順です。

 Fさん、

こんにちは!オペラでは一応何となくなのですが、
同じプロダクションのもの(演出家が同じなので、
基本的なセットや演技付けが同じ。)が二本以上DVD化されるケースはきわめてまれで、
特に主役の歌手がかぶっている場合はなおさらなんですね。
(レコード会社の権利の問題もあり、とてもややこしい。)
例外として同じプロダクションがDVD化される場合としては、
かなり年数にインターバルがあって、しかも当然のことながら、
キャストが全く違っている、というケースでしょうか?
例えば、この『ラ・ボエーム』、同じゼッフィレッリの演出での昔の公演
(確か、カレーラスとストラータスのコンビだったはず、、。)がDVD化されていました。
(今は廃盤になっているようです。)

というわけで、『連隊の娘』は以前ご紹介したとおり、
ROHの公演が、やはりデッセイとフローレス、コルべリらの出演、
メトと同じ演出(ウィーン歌劇場も含む共同制作で、
最初にROHで上演された)で映像化されているので、
メトの映像がDVD化されることは残念ながらないでしょう。

唯一、ROHの公演をDVD化したVirginがメトの映像権も買い取って、、ということになれば話は別でしょうが、
両方を発売したのでは、ROHの顔も立たないでしょうし、
Virginは
自国のオペラハウスということもあってか、ROHとの関係が緊密そうなので、厳しいと思います。
戦車はROHのDVDでも見れるはずですが、ルノーFTかどうかが
私にはわからないのが悔しいですが(笑)。

『ラ・ボエーム』は、名作なうえ、今までに素晴らしい歌手たちが
当たり役としていること(ロドルフォ役はパヴァロッティの十八番でした。)、
CDなんかでも複数の素晴らしい録音が残っていることもあり、
どうしても他の演目と比べると、求められるレベルが高くなってしまうのですね。
このDVDの映像も、決して悪い出来だとは思わないので、
初HD記念に購入されるのも素敵だと思います。
ある意味、非常にスタンダードな公演の記録でもあるので、
他の『ラ・ボエーム』の公演と比較される時のいい指標にもなると思います。
でも、この中から、一枚だけ何かを買うなら、おどろおどろしい『マクベス』か、
ひりひり来る『ピーター・グライムズ』のどちらか、、
とっつきやすさから言うと、『マクベス』でしょうか?


 今泉澄さん、

今泉さんの近所の映画館がよほど小さいか、
今泉さんのお宅のテレビが家の壁いっぱいの大きさでない限り、
やはり映画館で観る方にメリットがあると個人的には思います。
あくまで私の場合ですが、家で見ると、どうしても気が散るというか、
やはり劇場で見ているのと同じ環境にするのが難しいです。
やはり暗闇で、周りをシャットアウトして見ると、
物語により入り込める気がします。

あと、映画館で観る場合の特典であるインタビューなんですが、
DVDにはすべてがおさめられるわけではないかもしれないので、
その意味でも、私は映画館をお勧めします。
映画館で観た感想次第で、DVDを購入されるか決められてもいいかもしれないです。

>まだ一枚も売れてないみたい

なんたること、、
また松竹、怠慢ですかっ!!

 チャッピーさん、

今泉さんへのお返事にも書きましたが、私は映画館派ですね。
やっぱり、いくら音がパーフェクトではないという意見があるとはいえ、
うちのオーディオ・システムよりかは全然いいですから、映画館の方が、、。
気に入ってしまった場合、少し高くつきますが、
映画館で観て、価値があると思われたらDVD購入、というルートはいかがでしょうか?

私もRingはつい数日前にconfirmationを受け取りました。
私は逆にRingの方が席割りが良かったです。
適当ですね、メト。
ただ、人気があるのは間違いないと思います。
チケット押さえられて正解だと思いますよ!
あの長い時間、悪い席で見るのは本当に苦痛ですもの、、。
(Bと比べてはいけません!Fはいいですよ!)

そして、気づかぬフリしてちゃっかりフルでcontributionをチャージ、、、(笑)さすがメトです。

 娑羅さん、

娑羅さん、今回の情報、本当にどうもありがとうございました。
レリエーの情報収集でひっかかってきたんですね。
まだ(8/11現在)メトのサイトでも発表されていないし、
きわめて特異なサーチの仕方をしないとひっかかってこない、
これだと毎日チェックしていても私のやり方ではひっかかってきたかどうか
微妙なところです。
(そして最近では、探し疲れて、やや怠慢にもなってました。)
本当にありがとうございます。やはり、ファンの熱い魂に勝るものなし!です。
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Unknown (チャッピー)
2008-08-12 22:04:02
「カンフーパンダ」の劇場にちゃーんとMETライブ・ビューイングのチラシ置いてありましたよ。
最低限、やるべきことはやってくれてるのだとは思う。いかんせんオペラファンの絶対数が・・・
mixiのグレギーナ・コミュの人には連絡したけど、あそこの会員数6人だしw
ワーグナー物とかの方が集客しやすいと思う。

ワーグナーと言えば、宮崎駿の「崖の上のポニョ」の中で、人間に変身したポニョが陸に向かう場面で流れる音楽が思いっきりワーグナーちっく。
宮崎駿ってワグネリアンなんだ。彼みたいにリベラルな人間がワーグナー好きって意外な印象。
私の知る限り、ドイツ関連でメシ喰ってる&左翼の日本人ってワーグナーに拒絶反応を示す人多いですわ。
左翼じゃないけど、イスラエルに友人が多い佐藤優もドイツ開催サミットの際、ワーグナー観劇に行った小泉のことボロクソに書いてました。

ネットでチケットが取れなかった頃のMETで真っ先に売り切れるのがイタリア物、逆に最後まで残るのはワーグナーって言われてませんでした?
実際、チケットが余っていたからパルジファルも見れたわけだし。

今やワーグナー指揮の第一人者はレヴァインといいバレンボイムといいユダヤ系だってこと、佐藤優は知らないのだね、きっと。
返信する
たまたま音楽の趣味がよかっただけ (Madokakip)
2008-08-13 10:55:32
 チャッピーさん、

松竹、そうですか。一応チラシを作るまでに、、。
あとは、多くの『カンフー・パンダ』の観客層がライブ・ビューイングのそれと重なっていることを祈るのみです。

グレギーナ・コミュ、ってこれまたマニアックな(笑)、しかも6名。さみしい!
がんばって広げてほしい!!

そうですね、ワーグナーの作品には筋金入りのファンがいますからね。
しかも、キャストや一個の作品単位ではなく、ワーグナーものという作品群への崇拝ですから、これは強いです。

メトでイタリアものが先に売り切れる、というのは、
ワーグナーものの上演の長さ、イメージとしてつきまとう難解さなどにくらべて、
わりと初めての人にもとっつきやすい、という点も見逃せないと思いますが、
NYは、非常にユダヤ系の市民が多い町なので、
そのファクターも無視できないと思います。
クラシック音楽、オペラが好きでも、
ワーグナーの作品には拒否反応を示す人も結構いますね。


戦後生まれの私にとって、日の丸や君が代に関して、
戦時中の日本人の方やもしくは日本に占領された経験のある国の人が持つ感情を分かちあうのは難しいのと同様、いえ、それ以上に、
ユダヤ系の人たちがワーグナーの作品に対して持つ気持ちを
完全に理解することは私にはできません。
それを前提としたうえで言えることは、そういったことを全てはぎとったところでは、
日の丸ほど簡潔でいて優れたデザインの国旗は少ないと思うし、
君が代ほど日本らしくて日本人の根っこに響くメロディはないと思うし、
また、ワーグナーの作品ほど、芸術作品として素晴らしいものも世界にないと思います。

こちらのオペラヘッドの中にも、少しずつですが、
”ヒトラーがワーグナーの音楽を愛していたからといって、
それを忌み嫌うのはナンセンス。
たまたまヒトラーの音楽の趣味がきわめて良かっただけ。”と断言する人もいます。
もちろん歴史上の出来事や”ドイツ的なるもの”なる概念に、無理矢理関連づけることもできるでしょうが、
私も、ワーグナーの音楽そのものの中には、ドイツがユダヤ人に行ったことを想起させるものは何も感じられず、
むしろ、全くそういったことと遠く離れたところにある音楽だと個人的には思います。

ですから、一オペラヘッドとしては、ワーグナーを歴史的な理由で回避することは大反対で、
むしろ、そんな理由で聞かないのだとしたら、その人の大きな損失だと思いますが、
しかし、一政治家として行動する場合は少し事情が違うかな、とも思います。
政治家は、そのあたりをごちゃまぜにして考える人も世界には多くいる、ということを前提に行動し、
かつ自分の行動が国全体のスタンスともとられかねない、ということを自覚しなければならない立場にあるような気がするので。

ですから、佐藤さんの件ですが、
小泉元首相がワーグナー観劇をしたという件は、
小泉さんのことを音楽を愛する一人間として見るなら◎、
一政治家として見るなら×と感じます。
もちろん、宮崎さんがワーグナーちっくな音楽をとりいれているのも◎だし、
レヴァインやバレンボイムがワーグナーものを振るのも◎です。

ただ、彼らがワーグナーを意欲的に振っているのは
それなりに意味があることだと思いますが、
実際、どれほどのユダヤ系の人たちに、”もしかしてワーグナーって素晴らしくない?”と立ち止まらせることになっているかは想像がつかないです。
ユダヤ系の人たちは結構頑固で自分たちの考えや習慣に固執する傾向もあるので、、。
いつか成果が出て、小泉元首相が政治家であろうとなかろうと、
ワーグナー観劇が◎と判断される日が来るといいのですが、、。
返信する
グレギーナ・コミュ (チャッピー)
2008-08-13 20:49:49
その渋いグレギーナ・コミュにあった日記より;

終演後、楽屋裏でトラムを待っていた。
と、1台の車が停まって、同乗者の女性が前方を
指差し何か叫んでいる ⇒
オイオイ、旅行者に道なんか聞くなよ (._.)ノ
近づいてみると、何と! 先ほどみんなで見送っ
たはずのグレギーナがそこに居るではないか !?
曰く、ホテルまで送るから乗れ、と。。。
実は、公演前から突然の土砂降りと雷のため、
停留所で停留を余儀なくされたほどであったが、
その頃はすでに小雨になっていた。
彼女は、雨に濡れているであろうファンのために、
きびすを返して舞い戻ってきたのである!
しかも、その日は休憩なしの4幕ぶっ通し公演。
如何にタフな彼女でも、出ずっぱりのタイトル
ロールである = 早くホテルに帰って、一風呂
浴びたいところであったろう・・・。

ファン冥利に尽きるのう~。
羨ましすぎる!
ちなみに当日の演目は「マノン・レスコー」だそう。
返信する
なんと心温まる、、 (Madokakip)
2008-08-14 10:20:00
 チャッピーさん、

へー、これは心温まる話ですね。
本当、『マノン・レスコー』の主役で本公演後なんてくたくたのはずなのに、
なんとファン思いな、、。

しかし、グレギーナ・コミュ、
メンバーがたった6人しかいないとしても、
こんなに濃い経験をしている人がいるならば、
一人でも30人分くらいの熱さをカバーしてらっしゃることでしょう。
この熱いファンの方たちに、『マクベス』再演を盛り上げていただかなくては!
返信する
すっかり出遅れ。。。 (yol)
2008-08-16 10:32:15
バタバタしてブログから遠ざかっている間にあなたにこのDVDの件をメールしたら、なんだ、もうレポにあがっていたのね。
私もEMIには混乱させられた一人なんだけど、あの素晴しいグレギーナと
ピッタスを差し置いて別のバージョンの舞台のDVDを出すとは!と鼻息荒くあなたにメールしてしまった私ですが、
冷静に「あなた私のレポに書いたわよ」
、、、、まさにその通りでした。

あぁ、良かった!早速注文したわ。

そしてあのPGの最後の合唱の素晴しさ、それに大熊座だったけ?あのアリアの美しさでストーリーの暗さは吹っ飛んでしまうと言うものよ!

この二本に関しては迷う必要はまったくないわね!
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