(ほとんど)シネマ日記

できるだけたくさん映画を見たいという希望をこめて

ワールド・オブ・ライズ

2008-12-30 18:46:06 | 映画わ行
原題は"Body of lies"、嘘の塊、嘘ばかり、というような意味でしょうか?
この映画を観ると、あれだけの科学兵器と莫大な予算を持ちながらアメリカ軍がイラクで苦戦する理由がよく分かります。砂漠の隅々まで監視できる無人偵察機をもってしても人々の間に紛れ込んでいるテロリストを見つけ出すことができないのです。ただひとつ有用なのはスパイと密告者作り。味方にも秘密裏に進められるテロリストとの戦いが描かれています。

イラクに潜伏するCIAエージェント、ロジャ・フェリス(レオナルド・デカプリオ)の使命は、反米テロ組織のメンバーをあぶり出し壊滅させること。器用にアラブ語を操り現地人の間に溶け込んでいる。彼の上司エド・ホフマン(ラッセル・クロウ)は、アメリカにいながら、上空の監視カメラからフェリスの行動を監視し、携帯電話で指示を出す。現場の事情を理解せず、時折邪魔すらするエドに、フェリスはひどく反感を持っていた。

やはりデカプリオの演技は見応えがあります。ラッセル・クロウも、わざと小太りな体型を作って、頭は切れるけれど無理解な上官を好演しています。とてもいい映画だと思います。正直に言うと、途中で脚本の甘さが気になりました。しかし、終わってみると、そうせざるを得ない気持ちがよく分かります。あまりにシビアすぎれば映画にならないですから。たぶん現実にイラクで起こっていることはもっと酷いのでしょう。
この映画はアメリカ人の脚本ですが、端々にアメリカの傲慢さを批判する言葉が出てきます。最後のシーン、「もう、そんなひどい所に居なくていいんだぜ」というエドに、「そう思うところから直さないと駄目だね」とコメントしてフェリスは去っていきます。


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