極楽とんぼは風まかせ

東は東、西は西。交わることなき二つとはいえ、
広い太平洋、東の風が吹き、西の風が吹き・・・

重国籍制度の是と非

2011年01月31日 | 今日の風の吹きまわし
月曜日。いい天気。咳にもこむら返りにも起こされずにぐ~っすりと眠って、正午過ぎに目覚め。
なんだか不思議な夢を見ていたような気がするけど、目が覚めたとたんに忘れてしまった。脳
みそのデフラグがうまく行ったということなのかな。今日で1月も最後・・・。

1月の「絶対やらなきゃリスト」の最後はトラックの保険更新と請求書作り。保険の方はカレシの
トラックなんだからひとりで行ってやればいいのにと思うけど、なぜかお供がいるらしいから、つ
いでにスーパーに寄って「買い物リスト」にある数品を買ってきた。リストになかった75ワットの
ハロゲンのフラッドライトはめっけもの。というのも、1月1日から75ワット以上の白熱電球の販
売が小売店の手持ち在庫が切れたら終了ということになって、買いだめに走る人が多いという
ニュースだった。たしかに白熱電球があった部分の棚はみごとに空っぽ。我が家はたいていの
白熱電球をだいぶ前にCFLと呼ばれるスパイラル型の蛍光灯に切り替えたので問題はないけ
ど、キッチンの天井にある5個のハロゲンのフラッドライトは75ワットで、なぜかわりと「希少種」。
ハロゲン灯は白熱電球ではないから当面は禁止にならないだろうけど、めずらしく数個あったか
らとりあえず4個まとめ買い。ま、これで2、3年はもつかな。

エジプトがえらいことになっていて、カナダは「カナダ人」を避難させるためにチャーター機を飛
ばすことになったとか。だけど、レバノンでの紛争で万の単位の「カナダ人」を救出したのはいい
けど、その「カナダ人」たちが途中の待遇が悪かったとか、カナダに来ても医療サービスが悪か
ったとか、とにかく文句たらたらだったもので、自分たちが納めた税金を使われたカナダ国民か
らめっちゃくちゃに叩かれた前例があるから、今度はカナダのパスポートを保持者とその家族を
優先し、チャーター機もカイロからフランクフルトその他のヨーロッパの主要都市までで、その後
は各自で行きたいところへ自費で行ってもらうそうな。まあ、カナダのパスポートを見せても(無
料で)カナダまで連れ帰ってもらえない人にしてみれば、カナダ政府は役に立たないと愚痴のひ
とつも言いたくなるのはわかる。だけど、カナダにいるカナダ人が「ちょっと待て」と言いたくなる
のにも一理も二理もあると思う。

「カナダ人」というのはカナダに国籍を持っている人のことなんだけど、重国籍を認める国では、
カナダ国籍を取得した人が永久帰国して、あるいはカナダ人がその国に永住して、カナダ国籍
を何世代も維持して来た人たちがたくさんいる。先祖のひとりがたまたまカナダ国籍だったとい
うだけで、カナダには行ったこともなく、カナダなんてどこにあるのかも知らず、カナダの言語を
話せず、自分をカナダ人と考えたこともなければ、カナダには忠誠心どころか一切の関心もない
という「カナダ人」が世界に何万、何十万、いや何百万といるわけ。そういう人たちを「居住国」で
騒乱が起きたからといって「自国民」として税金を使って救出することにはワタシも「なんだかな
あ」という違和感がある。かって香港が中国に返還される直前に移民してきて、資格ができるや
否やさっさとカナダ国籍を取った香港人が「カナダのパスポートは保険」と言って大きな反感を
買ったけど、どこかで動乱が起きるたびに、カナダに来る移民たちにとって「カナダのパスポー
トは何かあったときに助けてもらうための保険でしかないのか」という疑問が頭をもたげる。

イギリスは海外永住したイギリス人が国籍を伝えられるのは孫世代までという制限があるそう
で、カナダも去年法律を改正して国籍の世襲に制限を設けた。ワタシが帰化した時は子供がで
きても日本政府が日本国籍を認めなかったから別に考えたことがなかったけど、移民国家にお
いて自分のルーツを伝えると言う意味では重国籍は大きな意味を持つものだろうと思う。だけど、
カナダ国籍をいざというときに自分の安全を確保するための保険的な手段にすぎないと考える
人には重国籍は認めるべきではないとも思う。そういう人たちは概して母国の恩恵に浴してい
ながらも自分の母国を信頼していなくて、重国籍を認める国の国籍を持つことでいざというとき
にはそっちの国の国民の権利を行使して逃げ出そうと言う、かなり身勝手なところが透けて見
えることが多いから、生粋のカナダ人はカチンと来る。日本は出生による以外は重国籍を認め
ていないはずだけど、移民してきてカナダ国籍を取得(当然日本国籍は喪失)してもなお「二重
国籍なの」と自慢?する人がかなりいるらしいけど、この人たちはいざというときにどっちの国に
助けを求めるんだろうな。日本かな、やっぱり。カナダのパスポートなんてルイヴィトンのバッグ
をもって歩くのと同じようなものでしかないような感じだし・・・。

海外に移住した日本人は日本に重国籍を認めて欲しいと思っている人は多いようだけど、いざ
重国籍を認めると日本に住む外国籍の特定グループがこぞって日本国籍を併せ持つことにな
りそうで怖いという議論もある。自分たちだけに重国籍を認めて外国籍者に認めないというの
はあまりにも差別的で世界に通じないからそれはできない。しょうがないから、日本国法の下で
は違法と知りつつ「隠れ二重国籍」を維持して、日本人を捨てていないことを主張する。なんだ
かなあ。世界中を人が流れる今は必ずしも国籍イコール民族のルーツじゃないと思うんだけど。
カナダもそろそろ国籍の生地主義と重国籍を認める制度を見直しした方がいいんじゃないのか
なあ。ある意味で現代の「踏み絵」になってしまうかもしれないのはわかるけど・・・。

便利そうで意外と不便なこともある

2011年01月30日 | 今日の風の吹きまわし
日曜日。いい天気。窓から入って来る日差しは春が近いのがわかるくらいぽかぽか。その分夜
はちょっと冷え込むから、そのうち雨雲が近づいてきたらまた雪の予報が出るかも。夜通しやた
らと咳が出て何度も目が覚めたり、ふくらはぎの痙攣で飛び起きたりで、ちょっぴり寝足りない
感じ。家の中が乾燥しすぎているのかな。ここのところウォータークーラーの水が減らないところ
を見ると、デスクであまり水を飲んでいないからかもしれない。4年がかりのアレルギー治療で
も解消しなくて、もう一種の持病みたいになっているこの咳、喘息のように気管がゼイゼイ言う
わりにはほとんど痰が出ないし、肺機能の検査をしても「元気な肺だよ」と言われるのがオチで、
30年経ってもまだ原因不明・・・。

さて今日の「31日期限」はシアトルで開かれる会議の参加登録。主催する協会の会員だと参加
費が少し安くなるので、カレシが会員になると言い出した。ふ~ん、たぶん協会初で唯一のモノ
リンガル会員ということか。でもまあ、翻訳の仕事には欠かせない「ネイティブチェック」をやって
いると言えるからと、寝る前に加入登録の手続きをした。なにしろモノリンガルなもので、翻訳で
も通訳でもない「その他」にチェック。年会費1万円なりを払って、めでたく?翻訳者の協会の会
員になったカレシ。会議でいつも会って顔なじみの会員登録担当の理事がたまたま東京にいて、
さっそくユーモアたっぷりの歓迎メールが来て爆笑。

一夜開けて、さっそく会議の参加登録を始めたのはいいんだけど、PayPalで同じクレジットカー
ドを使おうとしたら「拒否」。2度やって2度とも拒否されたら、銀行から確認の電話がかかって来
てしまった。そういえば、前にも同じクレジットカードを立て続けに使うことができないことがあっ
たっけ。おそらく何らかのセキュリティ処置だろうということはわかるとしても、不便なことこの上
ない。イライラ、カリカリした挙句に「もうやめたっ!」と言い出した。別のカードを使えばと言って、
あとは放っておいたら気を取り直して別のカードで手続きをしていたけど、んっとにもう。まあ、
世の中は一見して便利になっているようで、実は意外と不便になっていたりするもんだけどね。
とにかくこれでまたひとつ片付いた。やれやれ・・・。

それでも今年の春の会議は近場でいい。近すぎるくらいだけど、秋は大陸の反対側のボストン
だから、ちょうど釣り合いがいい感じ。来年の春の会議は広島と発表されたばかり。カレシは何
となくこれが最後の日本旅行になるかもしれないと思うのか、今から北海道は絶対に行くと決め
て、ワタシが生まれ育った釧路をもう一度見たい。十代を過ごした名寄と室蘭もどんなところか
見てみたい。札幌では実家のあったところがどんな風になったか見てみたいと、盛り上がってい
るからおかしい。なんだかワタシのセンチメンタルジャーニーを計画してくれているような感じも
するけど、まあ、ワタシも定年が目前だからいいかな。1990年代には何度も2人一緒に日本を
旅行して回ったのに、なぜかワタシは地名に心当たりがあるだけで、どんなところだったのか、
どんな風景を見たのかはほとんど覚えていない。カレシも去年初めて一緒の日本旅行が楽しい
と思えたのかもしれない。まあ、やり直しの締めくくりの大旅行も悪くないかなあ。

日本の友だちから先週クリスマスカードが届いたと言うメール。はあ?今ごろ?バンクーバーの
消印は12月17日になっていたそうだから、投函した後すぐに処理されている。それにしても、
延々5週間の旅、どこをどうやって放浪していたやら。「カナダでは郵便ストでもあったの?」と言
うけど、ふむ、ひょっとしてひょっとしたら誰も知らないうちにストをしてたりして。まさかとは思う
けど、カナダポストだからありえないことじゃない。まあ、ワタシとしてはアメリカのホームランドセ
キュリティが一枚かんでいるような気がするんだけどね。それでも、これでようやっとクリスマス
シーズンは終わりかな。んっとに、いつまでもクリスマス気分、正月気分でいるわけにも行かな
いでしょうが、春が来るんだから、まあ、あと3日くらいで旧正月ではあるけど・・・。

まずは、なんか大きそうで、めんどうくさそうな仕事、ぼちぼちやるか・・・。

今ごろ1年分の帳簿の整理・・・

2011年01月29日 | 今日の風の吹きまわし
土曜日。ゆうべは寝酒もなしでベッドに直行。ぐ~っすり眠って、午後12時35分に目が覚めた。
あ~あ、午後もなんか大半が過ぎてしまった感じ。まあ、こっちは土曜日だし、日本は日曜日だ
からいいんだけど・・・。

きのうやっと手を付けた2010年度の経理事務。どういうわけか知らないけど、昨年度は一度も
会計ソフトに入力しないまま。一四半期とか半年くらいサボるのはさして珍しくはないんだけど、
丸々1年てのはちょっとなあ。経理担当者はクビだ!と言いたいところだけど、その経理担当者
は自分と来ているから、仕事をサボっていたからとクビにするわけにも行かない。自分のその部
分を切り分けてポイッと捨てて、新しくバリバリの経理を「移植」するという芸当は・・・不可能。そ
こが自営業の辛いところなんだけど、きのうはとにかくがんばって5月分まで記帳した。これくら
いサボるとあって然るべきレシートが見つからなかったりする。んっとに、うちの経理はアホ・・・。

ということで、午後いっぱい残りの会計処理を急いで、夕食のしたくの直前にやっと12月分が
終わった。(トレッドミルに乗る気にもなれなくて、今日は休み・・・。)後は減価償却などの細かな
計算と処理があるけど、とにかく第4四半期の売上税(HST)申告の数字は出た。なにしろ、過
去3四半期はレシートから計算しただけで申告していたから、ここで最終的な数字を出して申告
しないと帳簿の方がややこしいことになるから必死。数字が出たところで、即刻オンラインで申
告。はあ~。カナダ国内で納品する仕事がなくて、ワタシの仕事はすべてがサービスの「輸出」
ということになってHSTはゼロ。おかげで経費に払ったHSTはそっくり還付される。(このあた
りで紛失したレシートが惜しいような気がして来るけど、まあ、たいした金額じゃないから・・・。)

1月もあと2日。残るは5月の会議の参加登録とトラックの保険、そして1月分の請求事務か。く
たびれるけど、創業?から丸21年にして累積売上150万ドルを達成。我ながらがんばったな。
カレンダーをめくって2月1日は極楽とんぼ自営業の創業満21周年記念日。そういえば、満20
周年の去年はバタバタしていてとうとうお祝いをせずじまいだったな。仕事のログを見たら、ああ、
今年もお祝いどころじゃなさそう。なんか大きそうな仕事が並んでしまっているけど、この分では
雪崩警報発令かなあ。その間に新しいシステムのセットアップの手配もあるし・・・やれやれ、ま
た忙しくなるのかな。もう今からみ~んなうっちゃって遊びたい気分・・・。

なにしろ、2月と3月は「予算消化」の季節。年度ごとに年間予算をきれいに消化しなければなら
ないところでは、予算の「鍋」にどのくらい使い残しがあるか調べて、「じゃあ、これと、あれと、そ
れも翻訳に出すかあ」みたいなことになるらしい。おかげで、この時期は雪崩のごとく入ってくる
仕事に埋もれて、ワタシはヒィ~っと悲鳴を上げることになる。翻訳会社でもコーディネータさん
たちの間で翻訳者や編集者の争奪戦になることがあるとか。ワタシはけっこう狙われるんだそう
だけど、それはそれですご~く名誉なことだと思うからうれしいんだけど、どどっと大雪崩に埋も
れるとやっぱりかなりしんどい。まあ、おひとり様商売なんだから、2011年度もがんばるっきゃ
ないよなあ。タメイキ・・・

PCのある暮らし24年

2011年01月28日 | 今日の風の吹きまわし
金曜日。すっきり眠ったような気がしないうちに、目が覚めたら午前8時53分で、セットしておい
た目覚ましが鳴る寸前。目覚ましをオフにして、起きて着替えをして、リビングの窓際のシートに
ごろり。まだヒーターのスイッチが入る前の時間だから、ちょっと寒い。ごそごそと起きて、ベース
メントのオフィスの小部屋から枕とひざ掛け毛布を持ってきて、もう一度シートに横になってうと
うと。きのう発注した新しいPCとプリンタが配達されるのは午前9時から午後5時の間・・・。

ぐっすり眠ってしまっては困るけど、目を開けると頭が活動を始めてしまうので、ひたすら目を閉
じてうとうとしていたら、窓の外でガランというゲートを開ける音。チャイムに応えて外に出たら、
うわっ、大粒の雨がばらばら。ゲートと玄関を走って往復しただけでかなり濡れてしまった。大小
3つの段ボール箱を運んできた配達の人も肩がびしょびしょ。いつから?ボクのこと?ううん、雨。
あ、30分くらい前から。へえ。降りすぎだよ。受取書にサインして、そのまま二階に上がって、ナ
イトガウンに着替えて、ベッドにごそごそ。午前10時20分。今度は数分でぐっすり・・・。

正午を過ぎて人声で目を覚ましたら、カレシはキッチンで電話中。コンピュータの話をしているか
ら、相手はどうやらトロントのデイヴィッド。雨はしょぼしょぼ程度になっていたけど、きのうのあ
の真っ赤な夕焼けはいったい何だったんだろうな。何となく眠いような気もするけど、まあとにか
く全額の減価償却が認められる期限の1月31日に間に合って良かった。玄関脇の大きな箱を
見て来たカレシ、「VAIOって書いてあるけど、ノートを買ったのか」と。え?買ったのはソニーの
オールインワンというタイプのPCだけど・・・。デスクトップなんかみんなやることは似たり寄っ
たりであまり変わらないだろうしと、写真を見ただけで場所をとらなくていいやと思って買ってし
まったワタシ。でもまあ、VAIOを使っている人を何人も知っているから、大丈夫なんじゃない?

とは言ってみたものの、ほんとに大丈夫なのかなあ。まだ箱を開けていないんだけど、ちょっと
調べてみたら、日本でもボードPCとか言って同じ「Jシリーズ」を売っていた。PCとテレビとブ
ルーレイプレイヤーの3役をやるそうだけど、ワタシのにはテレビ機能はついていないな。北米
仕様だからだろうけど、ワタシは番組を見るためにテレビの前に座るタイプじゃないから問題は
ないし、第一、元々業務用なんだから、仕事中にテレビなんぞ見ていたら生産性がたまったもん
じゃない。キーボードとマウスが無線なのが気に入ったし、タッチスクリーンなのもいい。指の関
節がみんな変形性関節炎になって、ときどきマウスを操作していて痛むから、指先でちょいちょ
いとやれそうなのはうれしいな。

我が家のコンピュータ第1号は1987年だった。Windowsの前のDOSの時代で、昔のテレビ
みたいにどてっとしたモニターの黒い画面に映るのはオレンジ色の文字だけ。処理スピードは
MHzでひと桁だったし、フロッピーは5インチで10枚入りの箱が20ドルくらいしたっけ。20MB
のハードディスクを入れてもらったら、周りから「そんな大きいの、無駄だよ」と、まるで物好きの
扱い。プリンタはオリヴェッティのプリンタ兼用の電動タイプライターで、バタバタバタバタと印刷
しているときの騒々しさに参って早々にドットプリンタを新調した。カレシはソフトのコレクションと
プログラミングに凝り、ワタシはその頃一番人気だった表計算ソフトのLotus 1-2-3で家を新築
するためのローン返済計画を作ったりして、すごく便利な時代になったなあと感動したっけ。

あれからもう24年。パソコンの変遷はくらくらするほど目まぐるしかったけど、「すごく便利になっ
た」という感動の方はもうほとんど薄れてしまっているのは、新しい機能がどんどん娯楽の方に
傾いて行っているからなんだろうか。まあ、いずれ引退したら、ワタシにとっても娯楽のキカイに
なるんだろうと思うけど・・・。

夕焼け小焼けで五里霧中の日が暮れる

2011年01月27日 | 今日の風の吹きまわし
木曜日。正午を過ぎて起床して、さし当たって手持ちの仕事2件は納期が長いから、差し迫った
仕事もないのでちょっとのどかに過ぎそうな日。カレシは2日連続の英語教室の後で月曜日ま
でずっと「オレのウィークエンド」なんだって。ふむ、この頃、あくびが多いよねえ、アナタ・・・。

けっこうのんびりと過ぎた午後。午後5時になってもまだ空に明かりが残っているようになって、
日が長くなったなあと感心していたら、わっ、すごい夕焼け。午後から雨の予報じゃなかったの
かなあ。夕焼けってことは、あしたは晴れってことでしょうが。あんまり見事だったので、二階の
窓からパチリ。燃え盛っているような空は空港があるあたり。(冬の方が夕焼けが豪華に見える
のはどうしてなんだろうな・・・。)

   

いつものようにトレッドミルで走って、シャワーを済ませて、テレビのニュースを見ながら夕食の
したく。カナダのマッケイ国防大臣がカリフォルニア州知事を退いてカナダに講演ツアーに来て
いるシュワルツネガー前知事と会談して、「カナダのBC州はカリフォルニア州と国境を接して
いますからねえ」と言っちゃったとか。はあ?BC州とカリフォルニア州の間にはオレゴン州とワ
シントン州と2つもアメリカの州があるんだけどなあ。まあ、マッケイ大臣はカナダの東の外れの
ノヴァスコシア州の出身だから、西の外れの地理には少々疎いのかもしれないな。(「疎い」って
のはこういうときに使うんだよねえ、たしか。)

カナダの大臣にアメリカの州を2つも端折られてしまったシュワちゃん、モントリオールでの講演
で「カナダがイラクに派兵した」ことを称賛したのはいいけど、実はカナダはイラクに派兵する代
わりにアフガニスタンに兵を送った。ま、どっちでもあまり変わりはないかもしれないけど、その
後でモントリオールがカナダの「首都」であるようなことを言っちゃったらしい。あのぉ、カナダ連
邦が発足する前の1844年にはモントリオールが植民地の「首都」になったことはあるそうだけ
ど、カナダの首都はもう長~いことオタワなのだよ、シュワ君・・・。

「失言には失言を」なのかと思ったら、野党自由党の党首のイグナチエフまで調子に乗って、政
府のジェット戦闘機購入を批判するのに「ビル・ゲイツ国防長官が・・・」とやったから、ここまで
来たらもう「舌禍インフル」みたいなもの。あのね、ビル・ゲイツはマイクロソフトを防衛するのが
仕事で、アメリカ合衆国を防衛するのはロバート・ゲイツの仕事なんだってば。まあ、失言一番
乗りだったマッケイ大臣、「ゲイツ長官と私は西半球における重要な問題を、オレゴン州とワシン
トン州の戦略的役割も含めて協議しました」とやって、間違い続きの喜劇は幕となったけど、互
いの国境や首都がどこになるかもわからないんだから、まっ、カナダとアメリカが戦争すること
はなさそうだな。敵を知らなきゃ戦には勝てないもんね。

折りしも日本では、S&Pの日本国債の格下げのことを聞かれた総理大臣が、「そういうことに疎
いもので・・・」と言っちゃってかなり叩かれているらしい。まあ、カナダとアメリカの失言騒動は北
米人が「地理に疎い」ことが問題の核心なんだけど、菅さんの舌禍はどっちかというと言葉の意
味をよく理解していない(つまり、疎い)と言うことかもしれないな。もっとも、「疎い」という言葉に
は「知らされていない」という意味合いもあるから、あながち失言というわけでもないだろうけど、
「世事に疎い」と言うような意味に解釈したら、一国の総理大臣の発言としてはあるまじきことに
なってしまうかもしれない。言葉に疎いのもほどほどにしないとね、政治家諸君。

あんなに豪華な夕焼けだったのに、おや、今度は深い霧。世界は五里霧中ってことか・・・な?

今年は10年の節目なのだ

2011年01月26日 | 今日の風の吹きまわし
水曜日。朝っぱらから何とも騒々しい。まずはリサイクルトラック。人手でリサイクル品の入った
ブルーボックスを持ち上げてトラックに放り込むだけなのに、どうしてこう騒々しいんだろうなあ。
ドッシャン、ガッチャン、ガラガラと、実に盛大。で、ボックスを取りに出てみると、レーンにはこぼ
れたプラスチックやら紙類が散乱。なんてことだろう。まあ、今日はいつもよりずっと遅い9時過
ぎだったから許すけど。次にどこやらでウワン、ウワンとモーターの音。たぶんゴルフ場のどこ
かで木を伐って、シュレッダにかけているんだろう。市民には(有料の)許可なしで木を伐ったら
罰金と言っておきながら、市営のゴルフ場はよく「伐採」をやっているから不思議。ちゃんと伐っ
た木と同じ数だけ植樹してるんだろうな、おい。最後にごみ収集トラックが来て、起床・・・。

西向きのポーチの気温は正午過ぎでもうすでに10度もある。春が来ている感じ。寒波に見舞
われた東部ではまた大雪で飛行機が欠航したりしているのに、なんか悪いなあ。オタワなんか
マイナス30度の寒気がやっと緩んだらしいけど、カレシは「オレがいた頃はいつもそのくらい寒
かった」と、そんなの寒いうちに入らないとでも言いたそう。たしかに1970年代の初めはかなり
寒かったらしい。それに比べたら常夏みたいなバンクーバーから行ってつらかっただろうと思っ
たら、「いや、蒸し暑い夏の方がきつかった」そうな。わかる、わかる。蒸し暑いときは最後の1枚
を脱いだらそれでおしまいだけど、寒いときはいくらでも重ね着できるもんね。

朝食が済んで、今日の午後が納期の仕事にかかる。きのうはカレシのお誘いに乗って、早仕舞
いして、レミを飲みながらマクワーター先生の言語学の講義を2コマ続けて見てしまった。ちょう
ど言葉の変化や受け取り方を考えていたので、特に「書き言葉と話し言葉」の講義で、大学でフ
ランス語を学んだ先生がパリのカフェで自信満々にコーヒーを注文したら、実は覚えたフランス
語がパリの人が使う文法スタイルではなく、しゃちほこばった(正統な)スタイルだったもので、
「は?」という顔をされたという話はおもしろい。カレシに聞かれて記憶をたどってみたら、高校
の教科書の英語もなんかコチコチだったと思うから、教科書で学ぶ外国語は街角のスタイルと
は違うかもしれないと思った方がよさそうかな。ま、期末テストの英文和訳で「関係代名詞」を訳
していなかったからと減点するような日本の英語教育は元からしてヘンだけど、関係代名詞を
いちいち「~するところの~」」なんて訳したらちゃんとした日本語にならないでしょーが。

ということで、今日はのっけからねじり鉢巻で仕事に突入。持ち時間は2時間半。業界用語の検
索には汗をかいたけど、何とか間に合って完了。急いで夕食のしたくをして、カレシを英語教室
に送り出して、今度は2010年度の決算。今はたいがいのことをオフィスに篭ったままでネット
でやれてしまうから、昔ほど経費の項目がない。年間の経費は「創業」の頃の半分で、つまりは
利益率がばか高い、実においしい商売なのだ。レシートを月別に仕分けして、月別の請求と入
金をリストにしたら、あとはちょこちょとと会計ソフトに入力するだけ。どうやら売上税申告の期限
には間に合うかな。

午後9時前に英語教室から帰って来たカレシ、3月から「週一の初級の教室に変えたいけど、金
曜日か土曜日の午後のどっちがいいと思う?」と。政府がやっているELSAの初級がやっとの
レベルの人たちを4人くらい集めて初歩から英語を教えてみたいんだそうな。カレシの教室のこ
とを口コミで知った移民支援の福祉団体からほんとうに初級レベルの人たちが紹介されて来る
ようになったけど、今の生徒はほとんどがすでに中級のレベルなもので、そういう人たちはどう
してもついて行けなくて長続きしない。そこで、今の教室を2月の末で終了にして、新しい教室を
立ち上げたい、と。菜園での野菜作りや他の趣味にもっと時間を振り向けたいということもある
らしい。まあ、ボランティア先生をやり始めて10年だから、少しは疲れもするだろうし、2人にとっ
てもある意味で10年の節目だから、ここいらでちょっと軌道修正するのもいいかもしれないね。
それに、今の夜週2回が昼間週1回になるんだったら、毎度夕食のしたくを急がなくてもよくな
るから、金曜日でも土曜日でも諸手を上げて大賛成だけどな。

未来の日本語、わからないかも

2011年01月25日 | 今日の風の吹きまわし
火曜日。まあまあの天気。きのうの今日というか、ゆっくりと起きて午後いっぱいダラダラ。もう
ひとつ仕事があるんだけど、まあ、一種の反動かな。期限はあしたの午後だから、内容をざっと
見渡して、まっ、のんびりでいいか。(発破をかけるとか地層がどうのとか、うっかりすると用語
探しで手間を取られかねないけど、ま、いっか・・・。)

今月は不動産の査定評価の通知が来る月だからかどうか知らないけど、バンクーバーのマイ
ホームの値段に関するニュースがやたらとある。ばか高いのはたしかだけど、今日の新聞サイ
トを見たら、世界325都市のうち、バンクーバーの価格はカナダの平均世帯収入の9.5倍で、
香港(11.4倍)、オーストラリアのシドニー(9.6倍)に次いで3番目に住宅が高嶺の花だと書
いてあった。別の角度から見ると、トップ10に4都市(シドニー、メルボルン、アデレイド、ブリス
ベン)も入っているオーストラリアはもっとマイホームへの道が遠いと言うことになるけど、需要
があるからだとしても、同じ要因によるものかどうかはわからない。ちょっと前に郵便事情を調
べるのにローカル日本人の掲示板をのぞいたら、相も変わらずバンクーバーの不動産価格は
今にも暴落するという希望的観測のご託宣スレッドが続いていたけど、このままだといくら半額
になってもちょっと手が出ないんじゃないかなあ。

小町を見ていて、今どきの日本語(というよりは若い人の日本語能力)に関するトピックが2つも
あって、言語稼業のワタシはさっそく井戸端に駆けつけてみた。『号泣した・・・って、ただ泣いて
いるだけじゃない』。出くわしたな、これ。人事関係の文書で、報告の中にもろに「号泣した」と出
てきたから、こっちは目を白黒。本来の意味に訳したらどえらい騒ぎになってしまいそうだったの
で、よくよく考えて、ただの「泣いた」にしておいたけど、感情的な日本語がなんだか過激になっ
てきているような気がする。ひょっとしたら、例の「不動産が暴落する」という予言も本当は単に
「値下がりする」と言っているだけなのかもしれないな。

もうひとつの『オドロキの言語ギャップ』と言うトピックは、若い人たちに昔からある日本語が通じ
ないというような話で、思わず笑ってしまった。とういうのは、トロントの日本人の掲示板に(おそ
らく煽りが目的だろうけど)『どこかおかしい?日本人の移民』というのがあって、ワーホリ半年
のお嬢さんが、「10年以上移民している日本人って・・・日本語がちゃんと話せなかったり・・・」と
言っていた。人さまのことを「日本語がちゃんと話せない」と酷評しているわりには、今まであっ
た日本人移民はみんな「どこそこ変わっていた」とヘンな日本語で来るからおかしかった。みん
な大学教育を受けた人たちなんだろうと思うけど、まあ、外国語の習得はその人の母語のレベ
ルを超えることはできないそうだから・・・。

それにしても、ワタシにもわからない日本語が増えたことはたしか(忘れた日本語も増えたけど)。
かしこまった文書は仕事上いつも扱っているから読み書きともまだ大丈夫だけど、口語となると
どうも36年前の(20代後半の)レベルで発達が止まっていたような感じがする。まあ、どっちの
日本語が「ちゃんと」しているのかわからないけど、36年と言えば浦島花子は「日本語がちゃん
と話せない」と嘆くお嬢さんが生まれる前のことだろうし、36年の間毎日友だちと日本語でわい
わいとおしゃべりをする機会もなかったんだから、今どきの日本語と違っていてもしかたがない
と思うけどね。そのうちに小町に井戸端会議もちんぷんかんぷんで、誰かに翻訳してもらわない
とわからないなんてことになるのかもしれないなあ。まあ、言葉は時代と共に変化する生きもの
だそうだから、ワタシの日本語がヘンで通じなくなっても号泣はしないだろうと思うな。いや、日
本へ行って「通訳さぁ~ん」なんて言って、あんがいおもしろいかも・・・。

走る、アドレナリン超特急

2011年01月24日 | 今日の風の吹きまわし
月曜日。雨。なぜかパッと目が覚めて、パッと時計を見たら午後12時35分。まだ寝ているカレ
シを横目にパッと起きてバスルームへ。こんな時間に起きては困るんだけど。今日は夕食の前
までに送らなければならない超特急仕事が2つもあるんだけど。どっちもまだ手をつけてないん
だけど。寝たときにはそんなことちゃんとわかっていたはずなのに、どうしてこういうときに限って
正午過ぎまで寝てしまうんだろう。それも、ストレスなんか何にもないようなぐっすり快眠・・・。

気配で目を覚まして起きて来たカレシが朝食のしたくをしている間に、PCを立ち上げて、ファイ
ルを開いて、仕事を始める準備を完了。いつものようにジュースとシリアルで、仕上げはトースト
とコーヒー・・・のはずだったけど、端っこだけ残っていたパンをカレシがあまりにも見事に薄くス
ライスしたもので、トースターに入れたらまっ黒こげ。しょうがないからトースト抜きで、コーヒーを
持ってオフィスへ「出勤」。まあ、よく眠ったおかげで、仮想ねじり鉢巻でキーを叩いているとアド
レナリンがシュッシュと出て来て、最初の仕事はかなり用語の検索があったけど、1時間とちょっ
とで完了。超早起きの校正担当者はちょうど早朝の時間帯だから、即刻送信。網ひとつの仕事
も、普通ならちんたらちんたらとやるようなさっぱりおもしろくない内容だけど、勢いに乗っていけ
いけ。ちゃっちゃと1時間とちょっとで片付けて、期限より2時間も早く納品。おお、やった~。

終わってみたら午後5時に近かったけど、カレシの後に付けてトレッドミルでひと汗。こういうとき
になると何となくかまってもらいたそうになるカレシのタメイキは雑音扱いにして、片目で時計を
睨みながらの3時間ちょっと。アドレナリン噴出状態の後のトレッドミルはすごくリラックスした気
分になるから不思議。あれやこれやとぐうたらぐうたら考えながら、時速8キロのペースで走るこ
と15分。たっぷりと汗をかいて、熱いシャワーを浴びて、カレシ特製の冷たいマティニを一杯。
これがまた何ともいえない極楽・・・。

メインにする魚をフリーザーから出しておくのを忘れていたので、急遽スモークサーモンを水に
つけて解凍しながら、玉ねぎとにんにくと残りもののコーンと生クリームでパスタソース(コレステ
ロール、高そう)。パスタをゆでている間に、スモークサーモンをソースに混ぜ込んで、付け合せ
のブロッコリとしめじをソテーして、ゆであがったパスタ(リングィーニ)をソースと混ぜて、所要時
間30分弱のスピード食。はあ、なんだかものすごい超特急の今日・・・。

1月最後の週は、税金の優遇措置の期限が迫っているから新しいPCとプリンタを発注しなけ
ればならないし、売上税の申告期限が迫っているから、さぼりっぱなしの帳簿整理をして、年度
末の決算をしなければならないし、4ヵ月先の会議の参加登録もしなければならないし、それか
ら、あれからと、まるで各駅停車だけど、はて、あと1週間しかないというのに、極楽とんぼ特急
は停車駅を通過せずに、脱線もせずに、終着駅まで行けるのか・・・。


スズキとドラゴンフルーツソース

2011年01月23日 | 今日の風の吹きまわし
日曜日。早いなあ、新年ももうすぐ最初のひと月が終わってしまう。テレビのニュースで
寒波でがっちりと凍っているトロントやオタワの風景を見ながら、今にも桜のつぼみが
膨らみそうな暖かな日に(なんとなく)感謝・・・。

きのうの洗濯が3回目の最後まで終わらなくて、濡れたまま詰め込んでおいた乾燥機
を回して、仕上げ。ワンステップで洗濯から乾燥までできてしまう洗濯機が早く出回って
くれたらいいのに・・・。

のんきにやっていると、仕事をしようかと思っているうちに夕食の時間。まっ白できれい
なスズキにはどんなソースを添えようか。冷蔵庫をのぞいて見つけたのが、少しくたび
れたドラゴンフルーツ。くせのない白身の魚にはフルーツがよく合うから、さっそく2つに
切って、実をすくい出してブレンダーでピューレ。

ソースとしてはちょっと足りないパンチを補うには何かリキュールがよさそうだけど、ぺ
ルノーはどうかなあと言ったら、カレシが「甘すぎるんじゃないのかな」と。たしかに、よく
「a touch of Pernod」とメニューに書いてあったりするな。そう、ほんの「タッチ」ね。お酒
の棚を見渡して、うん、カチャーサを試してみよう。これはさとうきびで作ったブラジルの
無色のラム酒。スプーンに取ったピューレに少し垂らして味見。うん、いけそう・・・。

スズキの実はみごとなくらいに上品な白だけど、皮にも何となく品があるせいか、レスト
ランではよく焼けた皮のほうを上にして盛り付けている。そこで、まずお皿にソースを伸
ばして、その中に海塩を振っただけでフライパンで焼いたのを置いてみた。かいわれの
ようなもやしがあったら良かったかもしれないな。付け合せは、カレシがコーンブレッド
を作った残りがあったので、小さいさいころにしたポテトと炒め、細いベビーいんげんを
蒸して、あら、何となくおすましのディナー。

   

原稿の入れ替えで仕事の予定が変わったので、買い換えるコンピュータとプリンタを物
色。今使っているこのポンコツを、当面の間インターネットから切り離して翻訳作業用に
おいておきたいんだけど、オールインワンという、CPUの横にモニタを貼り付けたよう
なスタイルは場所をとらなくていいな。マルチ機能のカラープリンタを新調して、テクニカ
ルサービスに無線ネットワークでカレシとワタシで共有できるようにしてもらえば、ワタ
シのオフィスにはたっぷりのスペースができるし。零細企業向けの税控除は今月31日
が期限だから、ちょっと急がないと・・・。

独居老人になったときの人生設計

2011年01月22日 | 今日の風の吹きまわし
土曜日。何かヘンな夢を見てはうつらうつらで、あんまりよく眠った気がしないけど、まあ、普通
に目が覚めて、普通に起きた。外はけっこう暖かそうだけど、東部の方はとテレビを見ると、わっ、
寒波襲来。カナダ全国の天気はいたってあまのじゃくで、アメリカとの国境沿いの地域を端から
端まで見渡すと、一般的に西が寒くなれば東は暖かく、東が寒くなれば西の方で暖かくなる傾
向があるから不思議・・・。

うかうかしているうちに仕事が重なってしまったので、今日は朝食後からまじめに仕事。学者が
書いたものはその筋の学術用語を探して、それらしい文例をネットに山ほどある論文から検索
すればけっこう楽なことが多い。仕事によっては、レビューするのが最高学府で最高学位を取っ
た人だったりするけど、極楽とんぼのワタシは「物知り博士と門前の小僧の禅問答」みたいな図
を勝手に描きながら、ひとり楽しく仕事をして、後はよろしく~。物怖じしないのか、図々しいだけ
なのか、ただ怖いもの知らずのおっちょこちょいなのか。どこまで行ったら「限界!」と大書した
壁にぶち当たるのかなあと思いつつ来たつもりだけど、ひょっとしたら初めっから目の前にあっ
た壁に肩をつけて、えいえいと押しくらまんじゅうをやってきたのかなあとも思ったり・・・。

トイレに行ったついでに、洗濯物を洗濯機に放り込んでいたら、カレシが後から覗いて、「やろう
と思っていたんだ」と。下着がなくなったというから、仕事の合間に洗濯機を回しているってのに、
何じゃ、それは。ま、カレシにやらせたって、どっちみち1分おきに「あれはどうするの」、「これは
どうやるの」と聞きに来るに決まっているから、かかる手間はあんまり違わない。それに、もしも
ワタシがひとり身だったら、どのみち自分で家事全般をやるわけだし、そうでなくたって昔は毎
日家事を100%、仕事を110%やっていたんだし・・・。

家事の分担でもめる共働き夫婦が多いようで、女の方が年収が何対何だから家事の分担は反
比例して何対何という理想論?を持ち出し、すごい人になると家事のリストを作って、所要時間
で振り分けようとしたりするの対して、男の方は早く帰って来れる方が多くやればいいと思って
いたりするらしい。家事なんてめったやたらとごちゃごちゃあって、リストを作ったら1メートルくら
いの長さになりそうだから、それを「これは私、これはあなた」と結婚生活マニュアルを見ながら
すっぱり振り分けられるってもんでもないと思うんだけどな。まあ、自分に負担がかかるのは嫌
(損をしたくない)という考え方が根底にありそうな感じがするし、男の場合は(奥様が決めた厳
しい品質基準を満たすほどに)「できない」からやりたくないのかもしれないけど。

大嵐が過ぎた後の我が家では、カレシは自発的に「自分の仕事」と決めたことをやって、ワタシ
はその他もろもろをやるという図式がいつのまにか出来上がった感じ。こういう「いつのまにか」
は長年一緒に暮らして来た証拠かもしれないけど、ワタシはまだ現役で稼ぐのに忙しいもので、
「その他もろもろ」のうちでも、手が回らなくてやらないでいてもさしあたりの支障がないものは、
支障が出るまでやらないことにした。主婦業に誇りを持つ人の目には許せないグータラ主婦に
見えるだろうけど、そういう「よくできた」専業主婦に限って「主婦の仕事は大変なのよ!」と目を
吊り上げてのたまわる。ま、とっくに主婦を返上した極楽とんぼはどこ吹く風の馬耳東風・・・。

だけど、朝日新聞の『孤族の国』の特集を読んでから、もしもカレシが突然ひとり身になったらど
うなるんだろうと、ふと考えるときがある。亡きパパの場合と同じで、生活して行けないとだろうと
思う。ひとりで生活するためのスキルがほとんどないし、今さら学習できるのかどうかはあやし
いもんだし、ワタシの後釜を探そうにもそうそう売れる年でもないし・・・。いちど聞いてみようか
な、もしも独居老人になったときの計画はあるのかって。たぶんないだろうなあ。はて、人の指
図は受けない人だし、人とのつながりをけっこうめんどくさがる人だし、そのくせ自分からは動き
たくない人だし、どんなことになるやら。まあ、夫婦と言う最小単位で作る「家庭」に共同参画せ
ず、日常生活のめんどうは人任せにして、伴侶を蔑ろにするような身勝手なこともやったわけで、
ひとりになって人生が立ち行かなくなったとしたら、あんがいそれは「自業自得」という名の神様
の罰なんじゃないかという気もする。はて、いいのかなあ、カレシ・・・。

ワタシが独居老人になった場合の計画はというと、たぶんまともな朝の時間に起きて、お日様
が高いうちにあれこれと家事をしたり、散歩をしたり、老人センターに行ったり、趣味に没頭した
りして、夜になったら(カレシの写真を前に?)ワインを傾けながらゆっくりと食事。後はゆっくりと
読書などして、ゆっくりと寝酒をたしなんで、ゆっくりとベッドに入る・・・とまあ、ゆっくり、まったり、
ほっこりの毎日を思い描いているんだけど、ひょっこりとすてきな出会いなんかあったら、がたが
たに狂っちゃうなあ。へたをすると主婦業か。うん、ときめきは茶飲み友達くらいに留めておくこ
とにするか(と、取らぬ狸の皮算用もいいところ・・・)。

まあ、独居老人になる確率はカレシもワタシも互いに五分五分。それぞれにおひとり様の人生
設計を考えることも必要じゃないかと思うんだけど・・・。

ちょっとだけ日常を離れた午後

2011年01月21日 | 今日の風の吹きまわし
金曜日。午前11時15分に目覚まし。ごそごそと手を伸ばして、アラームを留めるボタンを押し
たのに、止まらない。もう一度押しても、止まらない。押しても、押しても、ピーコ、ピーコ。そっか、
ベッド脇の時計にセットしてある目覚ましの時間を変えるのがめんどうで、バスルームにおいて
ある旅行用の時計で目覚ましをかけたんだった・・・。

今日はほぼ9ヵ月ぶりにヘアカットに行く日。最後に行ったのは日本へ行く直前の4月末。あれ
から10センチくらい伸びたかな。明るいワインレッドだったハイライトはすっかり色あせて、裾の
あたりに何色なんだかわからないところがあるのがわかる程度。去年は何となく忙しいような、
ただせわしないような感じで、とうとう行きそびれてしまった(と自分に言い訳・・・)。だけど、ここ
まで来たらもうソヴァージュだ~と粋がっているわけにもいかない。何ごとにも潮時ってもんがあ
るんだから・・・。

モールの外側にある行きつけのサロンは、すぐ外に地下鉄の駅ができたおかげなのか、場所を
借りるスタイリストが増えて満席。隅の椅子はロシア系の若い女性で、お客との話はロシア語。
よくみかけるかなり年配の男性のお客はいつも年配の女性。イギリス英語なんだけど、ロンドン
子のコクニー訛りよりはやや品がある。ランカシャーの話をしていたから、そっち方面の訛りな
のかもしれない。ときどき見かけるアジア人の男性美容師は広東語。オーナーのジュゼッペの
隣の椅子で女の子にパーマをかけているアジア系の女性は新顔。中国語にしてはちょっと違う
なあと思って聞いていたら、携帯で「カムサハムニダ」と言ったから、あ、韓国系か。これだけで
もBGMのモーツァルトもびっくりのにぎやかな不協和音なんだけど、ジュゼッペがカットしてい
るところへ奥さんのアンナがチェックを入れて意見が食い違って来ると、けんか腰のイタリア語
が加わる。しきりに肩をすくめるジュゼッペ。イタリア人てかかあ天下が多いのかなあ・・・。

気に入っているいつものスタイルにカットしてもらって、ワインレッドのハイライトを入れてもらっ
て、白髪を(アンナに「ずいぶん増えたわねえ」なんて言われながら)しっかり隠してもらって、最
後のカットの微調整まで延々3時間。ふだんは手に取ることのない女性雑誌を読むのもけっこう
楽しい。ドラッグやお酒で問題を起こしてばかりの困ったちゃんのリンゼイ・ローハン。すっぴん
顔の写真を見て、意外と年が行ってるのかなと思ったら、まだ24歳だって。アラフォーぐらいに
見えてしまうのは、かなり荒れた生活をしているからだろうな。なんかかわいそう・・・。

クリントン元大統領の一人娘チェルシーが選んだお婿さん、すっご~くハンサム。保守派のユダ
ヤ教徒の花婿と、メソジスト派のキリスト教徒の花嫁。結婚式は2つの宗教の儀式を組み合わ
せながらも、愛の詩を交換したりして現代風にロマンチック。ちょっぴりの羨望が輝ける結婚式
がなかったワタシの胸をチクリ。ほんの、ほんのちょっぴりだけど・・・。チェルシー13歳でマーク
16歳の時に知り合って、スタンフォード大学でも一緒だった長い付き合いの2人。花嫁を見つめ
る花婿はラブラブ過ぎてとろけてしまいそうな、ハートマークがいっぱいの目。う~ん、若い愛は
いいなあ。

チェルシーのお母さんはクリントン国務長官。ええっ、あのヒラリーはワタシとたったひとつ違い
年だったの?つい雑誌のヒラリーの写真と、鏡の中のワタシの顔を比べてしまうのは女心のな
せる業かな。(ヒラリーの方が6ヵ月年上なんだけど。)「ビクトリア・ベッカム風だよ」とジュゼッペ
が言うヘアスタイルになってすっきりしたワタシ、ほんのちょっぴり若返った気がする。へえ、そっ
かあ。ヒラリー・クリントンとワタシは同い年も同然・・・。

そんなぐあいに、ちょっと日常の現実から離れた午後がの~んびりと過ぎた。

健康な食生活はお金がかかる

2011年01月20日 | 今日の風の吹きまわし
木曜日。ヘンな夢も見ずにわりとよく寝て、わりとすっきりと起きたら、カレシが「雪が降った~」
と頓狂な声。そんな予報なかったけどなあ、と思って窓の外を見たら、ほんと、芝生がうっすらと
白くなっている。まあ、ここんところちょっと冷えていたから、雨と雪の境目のきわどい温度だっ
たんだろうな。もっとも、昼のテレビニュースを見たら、バーナビーやニューウェストミンスターの
あたりは「うっすらと白く」なんてもんじゃない。テレビカメラの目の前で通りがかった車がスリップ
して、くるりと方向転換。今来たこの道は、危ない、危ない・・・。

午前4時には雪が降るような気配はなかったから、雨が雪に変わったのは明け方か。かなり突
然のことだったらしく、気象台はあわてて「降雪注意報」を出したけど時遅し。交差点の赤信号で
止まって、信号が変る頃になって突然左折(あ、日本では右折かな)のシグナルを出すようなも
ので、直進すると信じて後に付いた後続車はみんな立ち往生・・・ま、そんな感じかな。この「降
雪注意報」も午後には早々に解除になったと言うから、いったい何だったんだ?なんか二十一
世紀になってから多いなあ、このknee-jerk reactionと言うヤツ。足を組んた膝のお皿のあたり
をポンと叩くと、足がピョンと跳ね上がる、あれ。反射的な行動のことを言うんだけど、コンピュー
タやビデオゲームが普及して、何でもかんでも「クリック!」の世紀だからなのかな。ちなみに、
降雪注意報を出してから解除するまでの積雪量はせいぜい3センチかそこいら。雪国の人が聞
いたら、おなかを抱えて笑い転げそう・・・。

今日はいくつもの新聞サイトにウォルマートが健康な食品の販売を拡大すると言う記事があっ
た。口うるさいほど健全な食生活が叫ばれている今になってなんでウォルマートが?と思うけど、
実は何日か前に、ウォルマートが進出するとその地域の低所得層の肥満率が高まる傾向があ
るという研究結果が発表さればかり。ウォルマートは一度だけ入ってみたことがあるけど、要は
何でもあって何でも安いメガスーパーという印象だった。そのウォルマートが店を出すとどうして
その町の特に低所得の人たちが太るのか?それは、加工食品の値段が安くなるので、それだ
け多く買って、買っただけ多く食べるようになるからだそうな。加工肉製品とかレンジで温めるだ
けの冷凍食のような安くて手軽な加工食品は、低コストで満足感を与えるために塩分や糖分、
飽和脂肪が多く使われていて、その分カロリーがぐんと高くなるということらしい。

太古の時代から塩は食品の保存料だし、脂はエネルギーの素。ストレスにさらされた後は甘い
炭水化物が食べたくなるそうな。だから、加工食品や冷凍食には塩がたっぷり入っていて、ほん
とはうま味なんかないのをカムフラージュしているし、動物性脂肪はそれだけで「食べた!満
足!」という気分になるらしいから、たっぷりの大サービス。最近の日本人は動物性の脂が好き
なんだと思うことがあるけど、最高級のビーフは肉に脂が混じった「霜降り」だし、マグロならトロ、
それも大トロといった感じで、どっちにしても脂肪を味わうために食べられるという感じがするん
だけどな。動物を捕まえて主食にして来た狩猟民族と違って農耕民族だから、ひょっとしたら食
べられるときにまとめ食いする習慣がついたのかもしれない。

昔はごくごくたま~に食べられる程度だったから健康問題は起きなかったんだろうけど、今では
人工的に脂肪分の多い牛やマグロを作れる時代。マグロなんか蓄養とか言う方法で、地中海
あたりでまだ産卵していないような若いマグロを捕獲しては囲いの中で超高脂肪の餌を与えて、
日本向けに魚体の40%が「トロ」という超メタボのマグロに育てるんだそうな。(まだ産卵したこ
とがないのを捕獲するわけだから、地中海のマグロ資源は増えないどころか、どんどん減って
絶滅してしまう・・・それが先のマグロ漁獲規制問題の論点だった。)なんだか、ガチョウに無理
に大食いさせて脂肪肝(フォアグラ)にしたのをありがたがって食べるのと似ているな。

話がずれて来てしまったけど、いわゆる「美食」はたしかにお金がかかるけど、そういうのは普
通の人はたまに食べるだけだからまだいい。現代は普通に健康的な食生活を維持するにもお
金がかかるようになって来たもので、低所得層は健康面でも割を食っているという・・・という話。

ストレスとダイエットは孫の代まで

2011年01月19日 | 今日の風の吹きまわし
水曜日。ゴミの収集日で、リサイクル車のドシャンガッシャンで目が覚めたのが午前6時54分。
どうしてこの頃はこんな早くに来るんだろうな。「収集日の午前7時までに出せ」ってことは、午前
7時より前には来ないということじゃないかと思うんだけど。ひょっとして時計が夏時間のままに
なってたりして。むにゃむにゃと考えているうちにまた眠りに戻ったのはいいけど、今度は何か
に追われて逃げ回っている夢を見た。こういう怖い夢はだいたい危機一髪!というところで目が
覚めてくれる。(なぜか自分が殺された夢を見たことがあったけど、あれは怖くなかった。なにし
ろ後から誰かにいきなり頭をガンッとやられて、あ、ワタシ、死んじゃった・・・ヘンな夢。)

追われて逃げる夢では、足が地面にくっついて動けないときと、ふわふわと空間を遊泳している
ようなときがあるから不思議なんだけど、けさのはなぜか朝もやのようなピンクっぽい色をした
空間を鉄腕アトムみたいな感じでヒュ~ンと飛んで逃げ回っていたような気がする。ふむ、悪夢
のはずなのに、ヘンなの。鉄腕アトムといっても、まんがを読んだわけじゃないから、ただそんな
感じがしただけだし。(子供のときは『まぼろし探偵』が好きで、男の子の雑誌を買って読んだし、
どうやって手に入れたのか覚えていないけど、親に内緒でおもちゃのピストルを持っていたこと
があった・・・ヘンな女の子。)

カレシを教室に送り出して、『ストレスと身体』の講義の第6回目を見る。テーマは「ストレスと成
長」で、まずはストレスの胎児への影響。成人病は胎児期から始まる(FOAD)という説があるそ
うで、第二次大戦中にナチドイツがレジスタンス活動への報復処置としてオランダへの食料輸
送路を断ったため、オランダは「飢餓の冬」に見舞われて何万人もの餓死者を出したという。そ
のときに妊娠初期の胎児だった人たちは、飢餓に備えるための栄養分や脂肪の備蓄効率が高
くて、成人してからメタボ症候群になる確率が普通の20倍にもなり、その中で女性たちが成長
して生んだ次世代も同様にメタボ症候群になりやすい体質なのだそう。今ではその孫世代にも
同じ傾向が見られると言うから、三つ子の魂なんとやら。見ていて、日本のニュースに低体重で
生まれると大人になって生活習慣病になりやすいというのがあったのを思い出した。

さっそく記事を検索して、じっくり読んでみたら、オランダの「飢餓の冬」のことが引用されていた。
日本では早産でもないのに低体重の赤ちゃんが増えていて、厚生労働省の統計から計算する
と、低出生体重児が約10%と、先進国中ではトップクラスとか。さらに、若い女性の痩せ願望で、
20代の女性ではBMIが18.5以下の「やせ過ぎ」が20%以上もいて、カロリー摂取量は年々
減少し、妊婦でさえカロリー不足なんだそうな。つまり、おなかの中で戦争中のオランダの胎児
と同じような飢餓状態に置かれた赤ちゃんは、ストレスホルモンのグルココルチコイドが生まれ
つき多く、生理的に常にストレス状態になるために成人病になりやすいという。(ただし、「適切
な育児と生活習慣指導で、発症は抑制することが可能」と考えられている・・・。)

新聞記事では言及していなかったけど、いつもグルココルチコイドが多いと、学習能力や記憶力
にも悪影響があるし、不安症にもなりやすいそうで、サポルスキー先生の講義と、新聞の記事
から垣間見る世相や小町などの掲示板での人間模様の印象を重ね合わせて見て、な~るほど、
そういうことだったのかなあ、と勝手にヘンに納得した気がした。そういう状況で低体重で生まれ
たのが女の子の場合は、効率的に栄養を蓄えるようにプログラミングされているので、大人に
なって妊娠したときに本来赤ちゃんに行くべき栄養分を横取りしてしまうために、太らないため
のダイエットをしなくたって低出生体重の赤ちゃんが生まれて、その子供がやがて大人になっ
て成人病になる可能性が高く、おまけに学習力や記憶の問題や情緒不安定に悩まされるかも
しれない・・・という悪循環になってしまうらしい。

まあ、飽食の国で命を授かったのに飢餓にさらされて生まれてくる赤ちゃんもかわいそうだけど、
国の将来にとってもなんか危機的な状況じゃないのか・・・と、ヘンな心配、かな?

どっちの方角に向いているか

2011年01月18日 | 今日の風の吹きまわし
火曜日。めずらしく静かな朝。と言っても午前11時半だけど、AMだから朝は朝。何だかちょっ
と冷えてきた。まあ、まだ1月も中旬なんだし、2月になってドカンと寒波が来ることだってあるか
ら、雪さえ降らなければいいか。どれくらい昔だろうな、クリスマスがぽかぽかと暖かで、2月に
なってマイナス10度というような寒波が来て、「先に春が来てから冬なんて、狂ってるねえ」とあ
いさつ代わりに愚痴っていた時期があった。そんな冬が2、3年続いたような・・・。

きのう入って来た急ぎの仕事をささっと済ませて、納品ついでに(郵便事情がおかしいので)郵
便物が届いているかどうか聞いてみたら、きのう配達されたと言って来た。郵便局へ持ち込ん
だのは12月15日。それが太平洋を越えるのに1ヵ月もかかるなんて、大昔の帆船だってもっと
早く行けると思うけどなあ。年が明けたというのにまだクリスマスカードがちらほらと届いていて
ヘンだと思っていたけど、定形外郵便や小包は、アメリカから2週間半、オーストラリアから3週
間、ドイツからはなんと5週間(!)。どっち方向を見ても遅れているということは、問題はやっぱ
りヨーロッパとアジアの間にある「カナダ」なんだろうなあ。まあ、カナダポストは国営だった頃か
ら非効率で不親切なんだけど、いくら郵便物が爆発的に増える季節ではあっても、この遅れは
異常だな。テロリストが郵便物に爆発物を仕掛けたりするから、神経質になっていると言うことも
考えられるけど、12月には東京から1週間で着いた小包もあったし、ふむ・・・。

大学構内の超お高いコンドミニアムの隣にホスピスが建設されることになって、コンドミニアムの
中国系の住人たちが「我々の文化にとってタブー」ということで猛反対しているという話で、中国
系カナダ人の団体が、反対する住人たちは中国文化をネガティブな形で持ち出して「中国系カ
ナダ人の評判を傷つけている」として、反論する記者会見を開いた。曰く、中国の文化には敬老
と介護の伝統がある、ホスピスが家族にあく運をもたらし、幽霊に悩まされるというのは奇怪な
理由で「未知のものに対する恐れと無知」に基づいている。中国系カナダ人の全国組織の会長
曰く、「自分は香港の人口が密集したハッピーバレー地区の墓地の隣で育ったが、みんな繁栄
しているよ」と。そう、不老不死じゃないんだから、中国だってみんないずれは死んで墓地に葬ら
れるはずで、家族は墓参りだってするだろうにね。

市民教育教会とか言う団体の(中国系名前の)会長は「一部の新移民による自分たちが知らな
いことへの恐怖感に尽きる」と言っている。でも、外国に移民すること自体が「未知」の世界に自
ら飛び込むことじゃないかと思うけどなあ。地元で生まれ育った人たちには超高嶺の花のコンド
ミニアムを買えるくらいの裕福な移民だったらそれなりの広い視野や教養があるはずだろうに、
まさか「これが我々の文化・習慣なんだ!」と凄めば、言葉や文化や習慣が違ってもどうってこ
とないやと思っているわけじゃないだろうな。移住先のあちこちでそういう押し付けやごり押しを
やっては反感を買っている人たちもいることを知らないのかな。何世代も苦労してカナダに地位
を築いてきた中国系カナダ人が懸念しているのはそこなんだけど、情報管制がある国から来た
人たちだから、どんなに高学歴でもあんがい知らないのかも・・・。

まあ、日本人でもそういう「無知」なタイプが世界中にいるのは、小町やローカルの日本語掲示
板を見れば一目瞭然だけど、日本の文化や習慣を押し付けてその土地の習慣や制度の変更
を迫れるだけの勢力がないから、同胞の間だけで移住先の文化や習慣、(配偶者も含めて)そ
の土地の人間を劣等と見下したり、同胞に「日本人らしさ」、「日本人の誇り」を押し付けることで
日本の文化や習慣の固持を図って、排他的という評判を取ったり、威圧的だという反感を買わ
ずに済んでいるだけで、バブルの頃にはその芽が見えていた。ま、「異なるもの」と交わるには
誰でも大なり小なりの違和感を克服しなければならないはずだけど、概して教養や視野に広が
りのない(内向きの)人がそういう状況に遭遇したときに「自分が慣れ親しんで来た通り」を願う
のは人種に関わらず共通する心理なのかもしれない。

それでも、ホスピス反対の根幹にあるのは「資産価値」の問題に尽きることは間違いないと思う。
ずっと昔読んだ雑誌に、戦前にアメリカに移民したアジア人のうちで、中国人は少しでもお金が
貯まると土地を買ってアメリカに根付き、巨富を築いた一族もいたのに対して、日本人は「故郷
に錦を飾って帰る」ことが成功目標だったから、新天地に根を下ろすという考えはあまりなかっ
たと書いてあった。どうやら移住先でどっちに顔を向けているかという違いは今もなおそれほど
変わっていないのかもしれないな。(ローマ神話にはヤヌスという前と後ろに顔のある門や入口
の守護神がいるけど、その名にちなんだ月が1月(January)・・・関係ないか。)

余談だけど、例のホスピスは元々大学の学生寮の近くに建設する計画だったのが、学生寮側
から「静かにしなければならないのは苦痛」という理由で反対があったために、問題の場所に変
更したのだそうな。まさに、人はいろいろ、文化もいろいろ・・・。

古女房の家庭経営管理学

2011年01月17日 | 今日の風の吹きまわし
月曜日。轟音が近づいてきて目が覚めた。午前8時43分。どんどん近づいてきて、ぐわ~っと
家の外を通過して、かなり急激に遠ざかって行った。道路清掃車のお通り。やれやれという気
分になって寝なおして、起床は1時近く。この頃は工事だのなんだのと騒音が多くて、少しくらい
早めに寝ても、睡眠時間が半分も行かないうちにいったん目が覚めてから本格的に眠るもので、
起きる時間がどんどん遅くなる傾向がある。困ったもんだけど・・・。

ま、とにかく道路清掃が済んで駐車禁止の標識が消えたのは何より。ごそごそと起き出したカレ
シはトラックを元の場所へ戻すために早速外へ出て行った。家の防犯アラームの解除を忘れな
かったのはエライ。寝るしたくをする頃になってトラックを動かさないのかと聞いたら、「何で?」
と来た。道路掃除が来るから、寝ているうちにトラックをどこかへ持って行かれるよと言ったら、
「勝手に持って行けばいい」とけんか腰。おいおい、ワタシは市役所じゃないんだから、けんかを
売られても「あ、そう」と返品するしかないからね。ほんとに「あ、そう」と言ったら、ものの数分も
しないうちに「トウトラックの騒音で目を覚まされるのは嫌だから、動かすことにした」と言って外
へ出て行った。あっ、そう。でも、押すボタンを間違えたらしく、トラックのアラームがけたたましく
鳴り出した。午前3時半。んっとにまったく近所迷惑・・・。

目が点になるようなカレシの行動の決定心理を見ているとおもしろい。ワタシが「○○したら?」
と言うと、たいていまずは「ヤダっ!」という反応。このあたりがわかって来るまでは、ここでなぜ
○○をすべきかという説諭になってしまって、カレシは実際にするべきとわかっていても亀のよ
うに頭を引っ込めてひたすら拒否に出る。結局はしょうがないからワタシが自分でやる。そこで
カレシが「オレのもの」と見ているものが絡むと、今度は自分の縄張りを侵害されたと怒り出し、
いくらカレシがやらないから、ワタシがやらなければならなかったと説明しても、謝るまで怒って
いることが多かった。それで、次は差し出がましいことはしないでおくと、今度は「オマエがやら
なかったから(支障が起きた)」と怒る。これは「ああいえばこういう」型のモラハラ族の常套手段
なんだろうけど、そこがわからないうちはつい振り回されて疲れてしまう。

そこで、基本的に「提案/サジェスチョンは1度きり」のポリシーを導入して、こっちの「○○した
ら」というサジェスチョンに拒否や反論が返って来たら、「あ、そう」でピリオド。カレシにはこれが
なぜか効き目があるようで、たいていはその「○○」をやる。そのときになんたらかんたらと「や
る」理由を並べるからおかしくてしかたがないけど、よけいなことは言わずに「うん」とだけ返事。
とにかく、やらなければならないことをやってもらうためにそれとなくやる気にさせるのが狙いな
ので、カレシのようにとりあえず抵抗してみなければ気がすまない性格には放任主義で行くわ
けで、カレシとしては自分の発案、自分の主導という気分になって顔が立つし、ワタシもやるべ
きことが平和裏に実行されるので、めでたし、めでたし。

カレシは手先が不器用なので、そそっかしいワタシよりも物を落としたり、ひっくり返したりするこ
とが多い。時には「あぶないな~」と思って見ている目の前で事故が起きる。その瞬間にカレシ
はパニック状態で自己防衛モードのスイッチが入って、ああだこうだと「自分の落ち度ではない」
理由を並べるけど、ワタシの方はさっと後始末を開始する。ただし、後始末をしてやるというので
はなくて、後始末の「行動」をデモンストレーションするだけ。後始末をしながらカレシの言い訳
に反論したり、叱ったり文句を言ったりはしないから、カレシは突っ立っているわけにも行かなく
なって後始末に加わる。そこでワタシは「手伝い役」に回る・・・要は、何か問題が起きたときに
現場をほったらかして責任追及に向かいがちなカレシの視点を「とりあえず何をすべきか」に向
けるのが狙い。後始末が終わる頃にはカレシも落ち着いて、自分なりの原因究明をする気持に
なっていることが多いから、うんうんと聞いていればけんかにもならずじまい。

いうなれば一種の亭主操縦術なのかもしれないけど、こういう戦術は「2人の家庭」を運営して
行く上で必要なことにだけ発動しないと、険悪な心理戦に発展しかねないから、かなりの自制が
必要になる。それでも、誰だって結婚したときはどんな優しくてかわいい恋女房に見えたとしても、
何十年も頭を使って「かみさん業」をやって来れば、良し悪しはともかくとしていろんな「家庭経
営管理」の知恵がつくものらしい。知識はパワーなりと言うけど、知恵もパワーなり。つまりは、
古女房は強しってことなのかなあ。