日曜日。正午過ぎに目が覚めて、人心地がついた気分。カレシはまだぐっすり眠っているような
ので、先に起き出して、留守中に送られてきていたフィードバックに対するフィードバックの作業
を始めた。チェックをするのはたいていがネイティブスピーカーか英語で育ったバイリンガルの
人。究極的に「より質の高い翻訳を」という点で目的も利害も一致しているから、いってみれば
「下請業者」のワタシもチームの一員のようなもの。エンドユーザーの自称バイリンガルの担当
者とは大違いで、さすがにこの会社だと思えるレベルの人たちからのフィードバックだから、こっ
ちもきちんと目を通して、まじめに返答する。それにしても、解釈に関する質問事項が最後の方
にかたまっているのは、やっぱりだらだらしていた挙句に追い込みというときになって集中力を
乱されるようなことがあったからだろうな。気をつけないとね。
ほぼ終わりかけたところでカレシが起きて来て、遅い朝食。カレシも人心地がついたらしく、だい
ぶ生気が出てきたような顔をしている。デンバーでは10年くらい老けて見えたんだそうだけど、
へえ、まだそんなこと気にしているのかなあ。「くたびれたらこんな顔になるんだなあと思っただ
けさ」とカレシ。たった1時間の時差のはずなんだけど、たった3日の世間並みの生活時間だっ
たから、あんがい調整でつかなくてきついと感じたのかもしれないな。ゆうべのコンサートでは、
バンクーバー交響楽団にバンクーバー青少年オーケストラが加わっての大人数が奏でる大音
響だったから、カレシはいつものように舟をこぐこともできなかったよね。「いや、まじめに聞いて
たよ」とカレシ。ま、帰って来たばかりで2、3日は仕事がないと思うから、少し「おうちでのんび
り」を決め込もうか。
デンバーはアジア系は少ないようだし、アフリカ系もそれほど多くないようで、基本的に典型的
な中西部の都市ということなんだろうけど、開放的な雰囲気があって居心地は良かった。木曜
日の午後遅くにホテルに着いて、近所の探検に出かけて、まず目についたのがこれ・・・
ホテルのとなりにあるコンベンションセンターの外で中をのぞき込んでいたこの巨大な青クマ君、
なんだか「みんな何してんの~?ボクも仲間に入れてよ~」と言っているようで、かわいいので
気に入ってしまった。デンバーはユーモアのセンスのあるところだなという印象。
コロラド州の州都デンバーは「Mile High City」と呼ばれている。海抜1マイル(約1600メート
ル)にあるからで、キャピトルヒル(州議会議事堂)正面玄関への階段に「海抜1マイル」のマー
クがあるというので、16番街モール(建築家のI・M・ペイがデザインした延長1マイルの歩行者
天国・・・といっても無料シャトルバスが端から端まで走っているけど)を歩いて、議事堂まで行っ
てみた。天気が良くて、暑い。午前中はまだ寒かったのに、あっという間に気温が上昇して、午
後には20度をはるかに超えていた。モールの行きあたりで、一番高いところに州議会議事堂、
反対側の低いところに市庁舎がある。階段を上がって行って、見つけた、海抜1マイル。
ステップの前に刻まれているのは15段目にあるオリジナルのマーク。真ちゅうの板をつけてい
たら、あまりに何度も盗まれるので、ちょうど1マイルにあたる階段に「One Mile Above Sea
Level」と刻んだのが1947年とか。ところが、海抜1マイルは実はもう少し上の方ということがわ
かって、1969年になって18段目に丸い真ちゅうのマークがつけられた。ところが、測量技術の
進歩による計測方法の変化のおかげで、「ほんとうの海抜1マイル」は実は13段目ということに
なって、2003年に新しいマークがつけられたんだそうな。ま、まだ印のついていないステップは
いくつもあるから、いつかまた技術の進歩で「実は・・・」ということになるかもしれないけど、ずっ
と昔に「1マイル」の段に立って記念写真を撮った人は困っちゃうだろうなあ。
ということで、3つの「海抜1マイル」が一堂に会して、はい、パチリ・・・。
さて、ハロウィーンの今夜は雨になったというのにあちこちで爆竹がなり、花火が上がって炸裂
し、うさん臭い若者連中がうろうろしている。どういうわけかトラックの警報装置が2度も鳴り出し
て、そのたびにカレシが懐中電灯をつかんで点検に出て行ったけど、被害はなしのもよう。何か
が当たったわけではなさそうだけど、悪ふざけもいい加減にせんかい!今までずっと静かで当
日になって盛大に花火が上がっているのは許可制になったせいかな。ゆうべはコンサートが終
わってグランヴィルの通りに出たら、仮想した男女の大人子供がいるわ、いるわ。しらふなのか、
酔っ払っているのか知らないけど、奇声を上げながら警備の警官たちの間を縫うようにぞろぞろ。
パーティ会場を目指していたのかな。おかげで帰りの地下鉄は空いていた。でも、ガスタウンで
は無差別と思われる銃撃があって、歩道に集まっていた若者たちが何人か撃たれて大けがを
したそうな。
もう子供たちは近所でさえ危険がいっぱいで、キャンディをもらいに家々を回ることができない。
風に吹かれて外に立っていたら、ぞろぞろ現れて、我が家のゲートを見て「このうち、なんかあ
るかなあ」とか「なさそうじゃん」とか騒いでいたのは少なくともハイティーンの女の子たち。ワタ
シが懐中電灯をもって立っているのを見て、きゃっきゃと笑い転げながら道路を渡って行った。
長い長い伝統のあるハロウィーンの行事、いつのまにか大人がおばか丸出しで無礼講をやる
夜になってしまったけど、そろそろ子供たちに返してあげたらどうかなあ。
ので、先に起き出して、留守中に送られてきていたフィードバックに対するフィードバックの作業
を始めた。チェックをするのはたいていがネイティブスピーカーか英語で育ったバイリンガルの
人。究極的に「より質の高い翻訳を」という点で目的も利害も一致しているから、いってみれば
「下請業者」のワタシもチームの一員のようなもの。エンドユーザーの自称バイリンガルの担当
者とは大違いで、さすがにこの会社だと思えるレベルの人たちからのフィードバックだから、こっ
ちもきちんと目を通して、まじめに返答する。それにしても、解釈に関する質問事項が最後の方
にかたまっているのは、やっぱりだらだらしていた挙句に追い込みというときになって集中力を
乱されるようなことがあったからだろうな。気をつけないとね。
ほぼ終わりかけたところでカレシが起きて来て、遅い朝食。カレシも人心地がついたらしく、だい
ぶ生気が出てきたような顔をしている。デンバーでは10年くらい老けて見えたんだそうだけど、
へえ、まだそんなこと気にしているのかなあ。「くたびれたらこんな顔になるんだなあと思っただ
けさ」とカレシ。たった1時間の時差のはずなんだけど、たった3日の世間並みの生活時間だっ
たから、あんがい調整でつかなくてきついと感じたのかもしれないな。ゆうべのコンサートでは、
バンクーバー交響楽団にバンクーバー青少年オーケストラが加わっての大人数が奏でる大音
響だったから、カレシはいつものように舟をこぐこともできなかったよね。「いや、まじめに聞いて
たよ」とカレシ。ま、帰って来たばかりで2、3日は仕事がないと思うから、少し「おうちでのんび
り」を決め込もうか。
デンバーはアジア系は少ないようだし、アフリカ系もそれほど多くないようで、基本的に典型的
な中西部の都市ということなんだろうけど、開放的な雰囲気があって居心地は良かった。木曜
日の午後遅くにホテルに着いて、近所の探検に出かけて、まず目についたのがこれ・・・
ホテルのとなりにあるコンベンションセンターの外で中をのぞき込んでいたこの巨大な青クマ君、
なんだか「みんな何してんの~?ボクも仲間に入れてよ~」と言っているようで、かわいいので
気に入ってしまった。デンバーはユーモアのセンスのあるところだなという印象。
コロラド州の州都デンバーは「Mile High City」と呼ばれている。海抜1マイル(約1600メート
ル)にあるからで、キャピトルヒル(州議会議事堂)正面玄関への階段に「海抜1マイル」のマー
クがあるというので、16番街モール(建築家のI・M・ペイがデザインした延長1マイルの歩行者
天国・・・といっても無料シャトルバスが端から端まで走っているけど)を歩いて、議事堂まで行っ
てみた。天気が良くて、暑い。午前中はまだ寒かったのに、あっという間に気温が上昇して、午
後には20度をはるかに超えていた。モールの行きあたりで、一番高いところに州議会議事堂、
反対側の低いところに市庁舎がある。階段を上がって行って、見つけた、海抜1マイル。
ステップの前に刻まれているのは15段目にあるオリジナルのマーク。真ちゅうの板をつけてい
たら、あまりに何度も盗まれるので、ちょうど1マイルにあたる階段に「One Mile Above Sea
Level」と刻んだのが1947年とか。ところが、海抜1マイルは実はもう少し上の方ということがわ
かって、1969年になって18段目に丸い真ちゅうのマークがつけられた。ところが、測量技術の
進歩による計測方法の変化のおかげで、「ほんとうの海抜1マイル」は実は13段目ということに
なって、2003年に新しいマークがつけられたんだそうな。ま、まだ印のついていないステップは
いくつもあるから、いつかまた技術の進歩で「実は・・・」ということになるかもしれないけど、ずっ
と昔に「1マイル」の段に立って記念写真を撮った人は困っちゃうだろうなあ。
ということで、3つの「海抜1マイル」が一堂に会して、はい、パチリ・・・。
さて、ハロウィーンの今夜は雨になったというのにあちこちで爆竹がなり、花火が上がって炸裂
し、うさん臭い若者連中がうろうろしている。どういうわけかトラックの警報装置が2度も鳴り出し
て、そのたびにカレシが懐中電灯をつかんで点検に出て行ったけど、被害はなしのもよう。何か
が当たったわけではなさそうだけど、悪ふざけもいい加減にせんかい!今までずっと静かで当
日になって盛大に花火が上がっているのは許可制になったせいかな。ゆうべはコンサートが終
わってグランヴィルの通りに出たら、仮想した男女の大人子供がいるわ、いるわ。しらふなのか、
酔っ払っているのか知らないけど、奇声を上げながら警備の警官たちの間を縫うようにぞろぞろ。
パーティ会場を目指していたのかな。おかげで帰りの地下鉄は空いていた。でも、ガスタウンで
は無差別と思われる銃撃があって、歩道に集まっていた若者たちが何人か撃たれて大けがを
したそうな。
もう子供たちは近所でさえ危険がいっぱいで、キャンディをもらいに家々を回ることができない。
風に吹かれて外に立っていたら、ぞろぞろ現れて、我が家のゲートを見て「このうち、なんかあ
るかなあ」とか「なさそうじゃん」とか騒いでいたのは少なくともハイティーンの女の子たち。ワタ
シが懐中電灯をもって立っているのを見て、きゃっきゃと笑い転げながら道路を渡って行った。
長い長い伝統のあるハロウィーンの行事、いつのまにか大人がおばか丸出しで無礼講をやる
夜になってしまったけど、そろそろ子供たちに返してあげたらどうかなあ。