先日の機織の記事でブータンの布に興味を持ってくださった方がいらっしゃったので、もうちょっと詳しくご紹介。
ブータンの布はちょっと地方に行くと普通の民家でも盛んに織られているが、手の込んだものにはやはり名人がいて、基本的には注文生産、よって市場に良い物は出回らないと言われる。
しかし最近は首都のティンプーなどに工房ができて、観光客でもそこそこのものが買えるようになっている。
織り手は若いお嬢さんが多いが、皆東ブータンの出身だそうだ。
これは片面縫取りと呼ばれる技法で、布の表側の糸だけをすくい模様を入れていく。
これは10年前、初めてブータンに行った時に買ったキラ。ご覧の通り、裏面には模様がまったく出ない。
木綿地のこの布で当時たしか100ドルしたと思う。
こちらは男性用の生地にもよく使われる柄。
織り方が違うのでこちらは裏にも柄が出ている。
ブータン人のお友達にいただいたキラと、布を留めるためのブローチ、コマ。
キラは一枚布をちょっと変わった方法で巻きつけ、肩のところで留めて着る。
腰には右側の帯をぎゅっと締めるが、これはほとんど見せない。
左側の赤いスカーフはラチューと呼ばれ、盛装の時は必ず肩にかける。
これがないとゾンと呼ばれる役所には入れない。
男性の場合はカムニというスカーフになるが、これは身分によって少し違う。普通は白いスカーフだが、軍人の場合は真ん中のおじいちゃんのようなたすきになり、ダショーと呼ばれるイギリスのナイトのような地位の人は右のおじさんのように赤いカムニをかける。
この華やかなキラはいいお家にお嫁に行った人がお姑さんにもらったもの。王族からの御下賜品とやらで、すべて絹製、金糸も入ってどっしり重い。
こちらはアンティーク。色も柄も伝統的なもの。
赤と黒の模様は頭陀袋にも使われている。
中央ブータンのヤタ織りは毛糸を使ったざっくりした織物。
バッグなども作られているが、最近はもう少し垢抜けたデザインのものも出来ているだろうか。
いよいよ来週に迫ったブータン国王の戴冠式、一番の見所は着倒れブータン人の晴れ着だと思っている。
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ブータンの布はちょっと地方に行くと普通の民家でも盛んに織られているが、手の込んだものにはやはり名人がいて、基本的には注文生産、よって市場に良い物は出回らないと言われる。
しかし最近は首都のティンプーなどに工房ができて、観光客でもそこそこのものが買えるようになっている。
織り手は若いお嬢さんが多いが、皆東ブータンの出身だそうだ。
これは片面縫取りと呼ばれる技法で、布の表側の糸だけをすくい模様を入れていく。
これは10年前、初めてブータンに行った時に買ったキラ。ご覧の通り、裏面には模様がまったく出ない。
木綿地のこの布で当時たしか100ドルしたと思う。
こちらは男性用の生地にもよく使われる柄。
織り方が違うのでこちらは裏にも柄が出ている。
ブータン人のお友達にいただいたキラと、布を留めるためのブローチ、コマ。
キラは一枚布をちょっと変わった方法で巻きつけ、肩のところで留めて着る。
腰には右側の帯をぎゅっと締めるが、これはほとんど見せない。
左側の赤いスカーフはラチューと呼ばれ、盛装の時は必ず肩にかける。
これがないとゾンと呼ばれる役所には入れない。
男性の場合はカムニというスカーフになるが、これは身分によって少し違う。普通は白いスカーフだが、軍人の場合は真ん中のおじいちゃんのようなたすきになり、ダショーと呼ばれるイギリスのナイトのような地位の人は右のおじさんのように赤いカムニをかける。
この華やかなキラはいいお家にお嫁に行った人がお姑さんにもらったもの。王族からの御下賜品とやらで、すべて絹製、金糸も入ってどっしり重い。
こちらはアンティーク。色も柄も伝統的なもの。
赤と黒の模様は頭陀袋にも使われている。
中央ブータンのヤタ織りは毛糸を使ったざっくりした織物。
バッグなども作られているが、最近はもう少し垢抜けたデザインのものも出来ているだろうか。
いよいよ来週に迫ったブータン国王の戴冠式、一番の見所は着倒れブータン人の晴れ着だと思っている。
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片面縫取り織りはやはり金額的にもすばらしいのですね。
ブータンの織物、とても興味がわいてきました。貴重な写真をありがとうございます。
織りの細かさも相当ですよね。片面縫取りの技法も興味深いものです。布だけを見ても、これだけ素晴らしいものを作り出すブータンって国、やばいです、行きたいです。
luntaさんがお友達からプレゼントされた布、私の持ってるネパールの布にそっくりです。お隣の国だし、似ているんでしょうか。
写真の布はすべて刺繍ではなく織りです。素晴らしい技術ですよね。値段も特に絹のものなどは私たちでもちょっと手が出ないほどなのですが、ブータン人は着倒れなので良い物にはお金を出すようです。特に都会の人は毎年新しい服を買って、ちょっと着たものは田舎の親戚にあげてしまうとか。
ブータンに興味を持っていただけて嬉しいです。
yokocan 様、
ブータンの布、気に入っていただけて嬉しいです。
こちらの布も新しいものはどんどん派手になっているようですが、日本の振袖などと同じ感じですね。でも柄はやはり伝統的なものなので、それが私たちをほっとさせるのかもしれません。
ネパールは一度しか行ったことがないのですが、同じような布があるのですね。もしかしたらブータン製かも?
ブータンの布・・・一挙にたくさん見させていただいて感激です。織りにこだわるところは、工芸の宝です。片面縫取りは織りなのか刺繍なのか悩んでいました。
いい物をたくさん見せていただいて眼福、眼福!
上から4、5列目、11列目の模様が好きです。
織り機含めてよく撮ってますね。貴重な写真ですよ~!
(大きなお世話ですが、、写真大きく掲載すると印象がかなりまた違ってくるのでは??せっかくの貴重な写真の数々、ちょっともったいない気がしてしまいます、、あ、自分が大きく見たいから!?)
ブータン行きですよね。またお話聞かせてくださいね。
キラの着方をご存じとは、さすが!布が体の前で行ったり来たり、おもしろい着方ですよね。で原理はわかってもかっこ良く着付けるのがまた至難の業なので、私はいつもマネキン状態で着せてもらってます。
布の写真はまだまだあるので、またいずれ機会があったらご紹介しますね。
orientlibrary 様、
写真のアドバイス、ありがとうございます!布などはほんと、大きく出さないと細部がわかりませんね。しかしなにしろ質より量の写真ブログなので、なるべく数を多くお見せしようとこんな形になってしまいました。本当はサムネイルをクリックすると写真が大きくなる機能がほしいのですが、gooブログではまだできないんです。
今度余裕のある時に大きな写真に変更しますね。
来週のブータンにはマイ・キラ持って行ってきます!