Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

日本最長バスの旅 3 本宮大社

2016-10-31 16:57:43 | 国内旅行
10月19日

朝7時46分、新宮駅前から八木行きの奈良交通バスに乗車。
写真には観光バスの乗り場表示が入ってしまったが、これは特急ながられっきとした路線バス。
 
終点の八木までは6時間30分の表示が出ている。

始発から乗り込んだのは自分ともう一人、大分から来たと言う中年女性だけ。
2人とも明らかに観光客なので、この路線だけを十数年乗っていると言う運転手さんはずっとおしゃべりしてくれる。

駅前を離れ、市街地をぐるっとまわると昨日麓まで行った神倉神社が山の中腹に見えた。
 う~、やっぱり上まで行けばよかった。

 バスは国道168号線を熊野川に沿って北上していく。
山間を流れる熊野川(別名、十津川)は豪雨によって水害を起こすことで有名な川で、明治時代には十津川村が全滅しかけるほどの被害を出したし、5年前にもひどい被害が出て、奈良側にいた運転手さんも新宮の自宅に帰るのに何日もかかったとか。
 
向こうに見える白い橋の上にまで水面が上がったと言うから驚くが、穏やかな今日は河原にたくさんの車が乗り入れ、皆さん最後の鮎釣りに余念がない。

途中、川に温泉が湧く川湯温泉、
 
20年前に泊まったことのある湯の峰温泉を通り過ぎて、1時間20分で本宮大社に到着。

ここでバスを途中下車。
荷物を預けるところはないかともう一人の女性とキョロキョロしているとお茶屋さんの客引きに声を掛けられ、本宮のお参りの前に大斎原(おおゆのはら)へ行くことを勧められる。

そこで道を渡ると建物の間に標識があり、裏手の田んぼの向こうに巨大な大鳥居が見えた。
 
この鳥居の向こう、木がこんもりした一帯が大斎原。
元々はここに本宮大社があり、現在の何倍もの規模だったそうだが、明治の大水害で多くの社殿が流されてしまい、流出を免れた四社を遷座したのが今の大社なのだとか。
 そう聞くと鳥居からのアプローチも神秘的な気がしてしまうが
 
現在は周りを木に囲まれた更地に小さな石造の祠が二つあるだけ。
それでもどなたかの供養のためかお参りしている一団がいて、ちょっと厳かな気分になる。

さて、それではと現在の本宮大社へ。
 
大きな八咫烏の幡の脇の鳥居をくぐり、158段の石段を上がると
 
拝殿と総門。総門の先が社殿なのだが
 撮影禁止なのでHPから写真を拝借
朱色が目立った那智大社、速玉大社に比べて檜皮葺で色彩のないこちらはぐっと渋くて威厳がある。
三社の中ではここが一番好き。

これで熊野三山のお参りは完了。


 石段の脇に残る古道の一部を下ったら、バスを降りた時に目についた大きな建物に行ってみる。
 
世界遺産熊野本宮館と言うこの建物には和歌山県世界遺産センターと熊野本宮観光協会が入っていて
 
木材の美しい館内には熊野の案内のパネルなどがいろいろ展示されているのだが、観光案内所以外は誰もいなくて閑散。
このお金、どこから出ているのだろうか。

時ならぬ暑さで汗だくになったので
 荷物を預かってもらったお茶屋さんで葛餅入りかき氷。

11時20分のバスに再乗車し、さらに川をさかのぼって
 
二津野のダム湖が見えたらもう十津川村に入っている。


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日本最長バスの旅 2 新宮

2016-10-28 18:18:06 | 国内旅行
10月18日 続き

 ホテル浦島からまた亀に送られて、JR紀伊勝浦駅へ。
 
ちょうどいい時間に特急くろしおがあったのでこれに乗ることにしたのだが、乗車券が240円なのに特急券が650円。
 
座席にはパンダの津波避難説明書だけが入っていたが、それも道理、線路は海岸ぎりぎりを通る。

眺めのいい路線もたった17分で新宮に到着。
 
このあたりは八咫烏のせいか、やたらにサッカーがらみの飾りが多い。

今夜の宿泊は駅前にあるビジネスホテル美郷。
 
便利な場所で一人泊4700円と大変に結構なのだが、部屋が猛烈にニコチン臭いのには閉口。
小さなホテルでは禁煙部屋と言うわけにはいかないのが残念。

部屋に荷物を置いたら地図をもらってすぐに外出。
 駅前から延びるいささか寂しい商店街を抜けると新宮城跡。
その前をまっすぐ行くと
 
ちょっと味のある古い商店などがある。

駅前から徒歩15分ほどで目指す速玉大社に到着。
 
出雲のような太い注連縄が目立つ門をくぐり
  
那智大社よりも華やかな拝殿にお参り。鈴が変わっていてかわいい。

 速玉大社を出たら右手に権現山を見ながらまた10分ほどテクテク。
 
赤い太鼓橋の正面にかわいらしい猿田彦神社があって、その先に神倉神社へ上る石段がある。
神倉神社は熊野の神様が最初に降臨したところ、ということで非常に興味をそそられるのだが
 
赤い鳥居の向こうはものすごい石段。不揃いの石段はそれぞれ結構高さもあり、磨耗した上に苔も生えていてヒヤヒヤ。途中まで登ってはみたものの、ヘロヘロになって降りてきたおばさまはまだまだ先が長いと言うし、暗くなってきたのでなにより下りが怖い。
初日から足でもくじいた日には目も当てられない、とまた自粛したが、やっぱり無理してでも登ればよかったか、と降りてからちょっと後悔。

ちなみにこの石段、地元の高校野球部が何往復もしてトレーニングをしていたが、毎年2月には松明を持ってこれを駆け下りるお祭りがあるそうで
 熊野三山協議会のHPより
あれを暗い中駆け下りるなんてとても信じられん。

ここから駅まではまた15分ほどで、これで町はほぼ一周。
最後にホテルの窓から見えた中国風の門を見に行ってみると
 ここは徐福公園。
徐福とは秦の始皇帝に派遣され、不老不死の薬を探しに日本に来たと言う伝説の人物だが
  ここにはなんと、徐福の墓がある。
江戸初期に初代紀州藩主が作っちゃったそうだ。

ここを出たのが5時少しすぎで陽も落ちた頃だが、その頃にはまわりの店もみんな店じまいで、地方の夜は早い。

そんなこともあろうかと、今夜の夕食はホテルに入る前に隣の徐福寿司で調達済み。
 
いただいたのはさんま姿寿司と玉子巻。
 さんまは尾頭付きの丸々一本だが、背開きで見事に骨を抜かれている。さんまの塩加減もご飯の酢加減も柔らかくて、これはおいしい。
 玉子の方は甘いのかと思ったら意外や出汁巻で、中もかんぴょうだけかと思ったらゴボウも巻かれているので歯ごたえがある。こちらは朝食においしくいただいた。

こちらの店もホテルに帰った時には案の定、店じまいを始めていた。


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日本最長バスの旅 1 那智勝浦

2016-10-26 17:55:27 | 国内旅行
以前から一度乗ってみたかった日本最長の路線バス、ネット検索していたら十津川温泉の宿に泊まると奈良交通のバス代全額無料という太っ腹なキャンペーンを実施中(平成28年11月30日まで)であることを発見。
これは行けというお告げであろう、ということで

2016年10月17日から22日まで 和歌山・奈良の旅

出発は17日の23時10分、横浜のYCATから。
 
どうせバスの旅なら出発点までもバスで行こう、とくだらないことを考えて夜行バスを選択。
大宮から那智勝浦まで三重交通と西武バスが共同運行していて、この日は西武バス。
 
座席は3列独立シートだが、イスの幅も座席間も飛行機のエコノミー程度。毛布は付いているが他には何もなく、以前に京都へ行くのに使ったプレミアムバスに比べてだいぶ見劣りするが、他に競合もないので早割でも9400円。
どうせ今回も眠れまい、と思ったが、飛行機よりも倒れるリクライニングのおかげか、乗車率4割ほどの静けさのためか、途中の休憩にも気づかないほどしっかり眠ってしまった。

そんなわけで

10月18日

 乗車9時間、8時10分に終点、勝浦温泉に到着。

バスは港の近くに停まるので、歩いて5分ほどのJR駅前へ移動。
しかしバスの行き先表示は南紀勝浦、バス停の名前は勝浦温泉、JRの駅名は紀伊勝浦で、この地の住所は那智勝浦町と実はややこしい。

 駅前のクラシックな喫茶店でモーニングをいただいたら
 
駅前ターミナルで往復乗車券を買って那智山へ。

30分ほどで終点に着いたらその先は467段の階段。
  
手前の大門坂から熊野古道を上がる人が多かったが、初日なので自重しておいてよかった(笑)。

 
上がった先にあるのは熊野那智大社の拝殿で、本殿はこの奥にある。
 
すぐ隣には熊野の神様のお使い、八咫烏の神社もあって、こちらは旅の安全を守ってくれる神様だと言うのでしっかり拝んでおいた。

拝殿の脇を通って少し下ると青岸渡寺。
 
天台宗のお寺だが、元々は那智大社と一つなので、日本人としては続けてお参りして何の違和感もない。

お寺の脇に回ると五重の塔と那智の滝が見えるので
 
石段を下りて滝へ向かう。

こちらは滝をご神体とする那智大社の別宮、飛瀧神社。
  
階段を下りると見えてくる133メートルの滝は、「昨日が雨だったので水量が多い最高のコンディション」とはそこにいた写真屋さんの言葉。
そのおすすめに従い、300円を出してさらに滝の近くへ。
 
手前には延命長寿の水なるものがあるので、もちろんしっかりいただく。

そして拝所まで来ると滝の水しぶきが顔に感じられ
 
滝壺には虹が見えて、ありがたや~。

那智のお参りが済んだところで駅前に戻り、お昼を食べようと思うが
 平日昼の駅前商店街はとても寂しい感じ。
開いているお店はどこも海鮮丼が売りのようなので、どうせならと
 
港に面した魚屋さんで、お魚を見ながら
 やっぱりまぐろ丼。味噌汁もつかずに1200円は安くないが、このまぐろはさすがにおいしかった。

 食後は港の船着き場へ。

眼の前にはホテル浦島とホテル中の島、勝浦温泉の2大巨頭が見える。

ホテル中の島に家族と行ったのはもう20年ぐらい前だったか。

待つうちにやがて亀がお迎えに。
 
これに乗って今回はホテル浦島の方へ。このホテルは実は陸続きなのだが、船でアプローチするとその巨大さが一層際立つ。

がらーんとしたロビーに入り、フロントで日帰り入浴料1000円を支払うとタオルと館内地図をもらえる。
巨大ホテル浦島にはお風呂が5ヶ所あるのだが、昼間に清掃が入るので、利用できるお風呂は限られる。
  
そこでこの時間に入れる唯一のお風呂、磯の湯をめざして案内のオレンジ色の線をたどるのだが、途中にはカラオケボックスがあったり、ゲーム室があったりするものの、設備は古びて昭和の匂いがプンプン。

やっとたどり着いた磯の湯は長い廊下の途中にあるが、清掃が終わったばかりのお風呂はうれしいことに貸し切り状態。
 
浴室に入った途端にプンと硫黄の香るお湯はナトリウム塩化物泉。わずかに白濁したお湯はなめるとちょっとしょっぱくて、二つに分けられたぬるめの方に浸かると鮮度のいいお湯が実に気持ちいい。
景色のない地味な浴室ではあるが、落ち着いて入れるいいお風呂だ。

磯の湯にゆっくり浸かっているうちにかの有名な忘帰洞の清掃終了時間になったので、着替えてフロントの前まで戻り、今度は赤い線をたどる。
  
 
提灯をくぐるとその先は洞窟で、天井などさすがに高い。

この先は写真を撮るわけにいかなかったが、脱衣場も浴室も大きくて、驚いたのはカランの数の多さ。50は下らないと思うが、満室の夕方などには当然これぐらい必要なのだろう。

浴槽は洞窟内に大きいのが一つなのだと思い込んでいたが、実は大小さまざまなものが5つあって、湯温も景色も違うのであっちに入ったり、こっちに行ったりと楽しめる。
こちらはナトリウム・カルシウム塩化物泉と言うお湯は真っ白に白濁してやはり硫黄が香るが、こちらのお風呂は断然景色。眼の前に海が広がり、波の音が聞こえるすばらしいロケーション。
お風呂の前に柵があったのでその前に立とうかと思っていたら、島めぐりの観光船が通って危ない、危ない。

16時を過ぎればすべてのお風呂に入れるし、これで入浴料1000円はリーズナブル。
ホテルはいささか時代に置いて行かれそうになっている気がするが、このお風呂は来る価値があった。


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代々木で羊肉@「ひつじや」

2016-10-23 13:26:08 | 食べ歩き
所要で新宿に行ったついでに、普段はあまり食べられないものをいただこうと代々木までお散歩。

  向かった先は「ひつじや」
昔からある羊肉料理の専門店で、ずいぶん前に一度、人に連れられてきたことがある。
表のメニューを見るとランチが今時600円台とお安い。

階段を上がった先にあるドアを開けるとぷわんと羊肉の匂いがして期待が高まる。
メニューにはたしか地中海料理とあったが、厨房もフロアもたくさんいる店員は全員南アジア系でカレー屋みたい。

注文はシシカバブにしようと思っていたが、ランチメニューを裏返すとラムシャンクの煮込みがある。
一番高いメニューだが850円、これは食べねば。
 と、やってきたのがこちら。

すねの太い骨についたお肉は触れただけでぽろっと取れ、筋などもツルッと柔らかくてトマトソースの味もいい。
ご飯にもパンにも合って、この値段は安いわ。

羊肉は大好きなのでディナーメニューもガッツリいただきたい所だが、羊は嫌う人が多くてなかなか来れない。
ムスリムの住人も増えていることだし、東京でも羊肉を食べられるところがもっと増えてほしいな。


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ヒマーチャルの旅の戦利品

2016-10-16 20:21:27 | インド
毎度おなじみの戦利品公開。

ツアーで行くとどこでもほとんど現地通貨を使う必要はないのだが、今回はいつもにましてお金を使っていない。
なにしろヒマーチャルの奥地では使いたくても店すらないのだ。

そんなわけでやっとおみやらしきものを買えたのはツアーも6日目、ウダイプールにたどり着いてから。

 
お茶した店先にぶら下がっていたカルダモンの小袋、1つ5ルピー。しかしこれが袋を開けなくても香るほどのいいにおいで、すぐに茶色く乾燥してしまうカルダモンはこの方がいいかもしれない。
雑貨屋の店先では何でも小袋入りだが、これが旅行者には便利なのだ。

キーロンに着いてからは地元産の蜂蜜を探す。
というのも道中のあちらこちらで養蜂箱を見ていたから。
 
するとはたせるかな、お菓子屋さんの棚にチャンバ産の蜂蜜を発見。500gで120ルピー。
あのお花畑の蜜かと思うと期待が持てる。

さらに雑貨屋で八吉祥柄のティーカップを発見。
 しかしインド製のこのカップ、よく見ると割れていたりゆがんでいたりするのが多くて、店にあるものを片っ端から見比べて購入。龍がついたのは一つ50ルピー、白い方は40ルピー。
お店のおばちゃんがちゃんと、「これは割れてるからダメ」と教えてくれた。

 デリーまでの道中では、コクサールのチェックポストでロータン印のミネラルウォーター、1ℓ20ルピー。日本まで大切に持ち帰ったが、特においしいと言うわけでもない。
ダーバで売っているスナック類も小袋がありがたくて、ツアー参加者の一人は行く先々でこれを大量購入していたが、たしかにばらまき土産にはスーパーの大袋よりこれがいい。
ジーラ(クミン)風味のグリーンピースが今回のヒット。これはまたインドに行ったら絶対に買おう。
最後のお昼を食べたダーバの店先ではひまわりの蜂蜜も購入、こちらは250gで120ルピー。このところ、どこに行っても蜂蜜を買っている。

デリーのモールではもちろんスーパーに行ってこんな買い物。
 パック入りラッシーは甘いけれどどれも結構おいしい。
その隣の緑の箱はジャルジーラ、レモンにミントやクミンが入った飲み物のミックス粉末と言うことでギャンブルと思いながら購入。
帰国後に作ってみると、うげげ、これはまずい!クミンの香りはともかく、苦手な硫黄の香りのする塩が入っていてこれがだめ。
ということで一口飲んだだけであとはゴミ箱に直行。こんなこともある。

あまりにもルピーを使わなかったので、最後の空港でインド製チョコレートなども買ってみる。
 しかしこれはうちの家族にも不評。チョコレートはやっぱりヨーロッパに限るか。
ヒマラヤ社のリップクリームはすごくおいしそうなライチーの香り。味がするわけではないがこれはいい。

ところでインドではエコの観点からプラスチックのバッグは全面禁止。
だから買い物をすると新聞紙の袋とか、布製や不織布の袋に入れてくれる。
 デリーのスーパーの袋も布製なのだが、これが大きさも形も使いやすくて、帰国後もスーパーに行く時はこれを使っている。

ポイ捨てが当たり前の国なので講じた手段だろうが、日本でもやればいいのに。


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西部ヒマーチャルの旅 18 チャンディガール~デリー

2016-10-14 16:25:10 | インド
7月31日

ホテルでのなかなか充実した朝食。
 
緑のジュースがきゅうりみたい、と思ったら本当にきゅうりだった。さっぱりして意外に悪くない。

今日はデリーの空港までひたすら移動の一日だが、チャンディガール出発前にル・コルビュジエ設計のキャピトル・コンプレックスに寄ってくれた。
ここも日程表にはなく、日本を出る前からできたら行きたいとわがままにリクエストしていた場所なのだが、直前に世界遺産登録されたのは絶妙のタイミング。

内部を見学するのはお役所なので大変だそうだし、日曜はお休み、そもそも時間がないので当然外観だけだが、人気のない敷地内に入るにも警備が厳重、かなり離れたところに車を停めて歩いて行く。

 まず見えてきたのはチャンディガールのシンボルとしてコルビュジエがデザインしたオープンハンドのモニュメント。”Open to receive and give”というメッセージが込められているそうな。

 ここから右に折れるとあるのが高等裁判所。
 
カラフルな柱や壁面がモンドリアンを思い出させ、全体にいかにも60年代のにおいがするところがかっこいい。

 この左奥にも気になる建物があったが、こちらはなんだかわからず。
コルビュジエの作品ではないらしい。

高等裁判所の正面は広いプロムナードになっていて、真向かいにあるのが議会棟。その手前の柱だけのような小さな建物は影の塔と言うモニュメント、その向こう、木の陰には巨大な行政庁舎。
 
議場の正面扉の壁画もコルビュジエによるものだそうで、近くで見たかったが時間切れで断念。
いずれ機会があったら中にも入ってみたいものだ。

観光はこれにて終了、ということでチャンディガールの町を離れるが、昨日までお世話になった4WDはすぐ次のツアーのために帰ってしまい、今日は大型バス。
ところがこれが冷房が効かなくて、涼しかったヒマーチャルから平地に降りると暑い!

排気ガスとの二択で窓を開けて走っていたが、そんな道中で目立ったのはなにやら派手な飾り物を担いだ人たち。
  
 
これはカーンワリヤーと言ってハリドワールなどガンジスの源流から聖なる水を自分のお寺まで運ぶ巡礼だそう。
派手な御輿や首から下げた容器の中に聖水が入っていて、ちょうど翌日がシヴァ神のお祭りの日と言うことで、この日は巡礼の最終日、自分の町や村に到着するラストスパートだったのだ。

 
中にはシヴァ神の像を引っ張る人たちもいるし
 
道路脇のあちこちに巡礼を迎えるテントが作られている。
 
宴会の準備も着々と進んでいるようで、こんな光景がずっと続く。どれだけ巡礼がいることやら。

 
それでなくともインドの道は牛がいたり、人で満載のトラックがいたり、退屈する暇がない。

途中、本日も道路脇のダーバでお昼。
 
さすがにクーラーがあるのがありがたく、最後のカレーをいただく。

300キロを無事に走って、デリーには15時に着いたが
 市内に降りるとこの渋滞。

最後の買い物をする時間はたっぷりあると思いきや、ショッピングモールにたどり着くのに1時間以上もかかってしまって
 
広いアンビエンス・モール内を走り回る羽目に。

デリー空港には出発の3時間前に送り込まれたが、夕食は付かないので土産物屋を見下ろすフードコートへ。
  
 シーク・ケバブにマンゴーラッシーを頼んだら、これだけで468ルピーって、恐るべし空港プライス。

文句を垂れつつ、お腹一つ壊さずに8月1日、無事に成田到着。
15分しか遅れなかったエア・インディアも少しは進化しているか。 


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西部ヒマーチャルの旅 17 マナリ~チャンディガール

2016-10-13 16:38:07 | インド
7月30日 続き

ホテルに戻り、朝食を終えたツアー一行に合流して7時半にマナリを出発。

 道沿いの川は昨夜一晩中降っていた雨で増水している。
川をまたぐたくさんのタルチョもこれで見納め。

標高2,000メートルのマナリから高度が下がるにつれてまわりにはリンゴ畑が増えてくる。
 
ちょっと早めだけれど、そろそろ収穫が始まっているらしく
 
道路脇には大きな露天市が店開き。
 
味見をさせてもらって、おいしいものをお買い上げ。
 これは15個で250ルピーだったそうだが、甘みも酸味もしっかりあっておいしい。
ただインドのリンゴ、悲しいかな保存技術がしっかりしていないので、採りたてじゃないとすぐにフカフカになってしまう。


川沿いに細長く伸びているのはクルの町。ここで標高1,200メートル。

 
さらに滝や大きなヒンドゥー寺院など見ながら山を下って
  
小さなダムを渡った先でお昼。

 
こぎれいなダーバを見つけて料理を注文すると、店の息子も甲斐甲斐しくお手伝い。
 大きなバターの塊が入ったダルがまろやかな味で侮れないおいしさ。

昼食を終えて出発するとすぐに平野が見えてきた。
 山を下りきったところでヒマーチャル州は終了。

 
パンジャブ州に入るととたんにシーク寺院が目につきだす。

300キロを走って、チャンディガールには18時に到着。

 
イギリスからの独立後に作られた新しい町には車がいっぱい。
 
宿泊するホテルもいかにも都会のビジネスホテルっぽいが、快適であることは否定しがたい。

 
久々のビュッフェではこれも久々の生野菜がうれしくて、今夜は菜食になってしまった。


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西部ヒマーチャルの旅 16 ヴァシシト温泉

2016-10-11 16:37:22 | インド
7月30日

朝5時20分、まだ真っ暗な中、ホテルの玄関へ。

このマナリには天然の温泉があるので行きたい、と添乗員に相談したところ、行きたい人は早朝に集合と全員に声をかけてくれたのだ。

しかしふたを開けてみれば自分の他には誰も参加せず、それでもガイドと運転手が一人ついてくれた。
オートリキシャでも手配してもらえれば、と思っていただけなので、これには恐縮してしまうがありがたい。

かなり強い雨が降りつつ、次第に明るくなる中を15分ほど。
 
急坂を上ると小さな祠があり、その先に門がある。
  
石と木材を組み合わせ、細かい彫刻を施したこの門を入った所で靴を脱ぐ。

境内に入ると正面右手にお寺の本堂があり、
 
振り返ると手前に女性用、奥に男性用の浴場入口がある。

そこで早速カーテンをくぐって女性用浴場に入ると、すぐに10メートル四方ほどのお湯が一杯に張られたプールが目の前に出現する。
まわりの縁は幅が30cmほどしかなく、四方の壁には荷物をかけるフックが並んでいてかろうじてひさしがあるものの、浴槽は完全な露天。

6時前とは言え先客が2人いたので様子を見ながら狭い縁で服を脱ぐ。
しかしこの時にパンツを脱いではいけない。インド人は決してパンツは脱がないのだ。

お湯でいっぱいの浴槽の片側は一段低くなっていて、浴槽からお湯を出すパイプがいくつも突き出ているのでまずはここで体を洗う。お湯が流れっぱなしのパイプは当然のことながらここがかけ流しの証拠。

清潔になった所で何段かの階段を下りてお湯の中へ。
浴槽はかなり深くて、お尻をついたら水没してしまうほど。
お湯は無色透明ながら硫黄の香りが門の外からでもわかるほど強く、温度はかなり熱めで44℃ほどもあるだろうか。
そのせいかジモティーの皆さんは2,3分浸かるとすぐに出てしまうが、とてもいいお湯なので出たくない。
弱まってきた雨の中をお湯に浸かっていると時たまお寺の鐘を鳴らす音が聞こえてきて、これは早起きした甲斐があった。

20分ほどいる間、一人が出ると誰かが入ってくるという具合で入浴者は絶えず、そのためか夜にはお湯が汚れるということで早朝をすすめられたが、おかげでとてもきれいなお湯だった。
源泉がとても熱いので冷泉と混合しているそうだが、肌がツルスベになる本当にいい温泉。

すっかり温まって外に出ると、正面に寄付金箱があったのでせめて寸志を入れて行こうとそちらへ行く。
 ついでに本堂の写真を撮っていたら、出てきたお坊さんに怒られた。
実は入ってきたところの写真に四角い石があるが、異教徒はこの石から先には入ってはいけなかったらしい。すんません。

ヴァシシトとはラーマ王子の先生で、この場所はその先生が瞑想をしたところとか。
インドらしい温泉に入れて幸せ。


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「平安の秘仏」展@東京国立博物館

2016-10-10 13:01:14 | 機内食・映画・美術展
久しぶりに雨の上がった一日、思いついて上野の国立博物館に行ってきた。

 
ピーカンの空の下、なんとか日陰を見つけて入館前に腹ごしらえ。
アメ横でケバブサンドを調達してきたが、アメ横をうろつくのはほとんど外国人。少しの間に大した変化だ。

さて、今回のお目当てはこちら。
 「平安の秘仏」展

滋賀県甲賀市にある櫟野(らくや)寺は最澄が延暦寺のための良材を求めて訪れたことが始まりと伝えられるほど歴史のある天台宗のお寺だそうだが、現在本堂と宝物殿を大改修中ということで所蔵する20体もの重要文化財が一度に上京、しかもご本尊はお寺では33年に一度しか開帳しない秘仏、それを博物館で見せてしまうと言うのだからすごい。

早速本館一階の展示室に入ると、いきなり目の前にどーんとご本尊がいらっしゃって、思わず「おお」と声を上げてしまうのは自分だけではない。
 秘仏と言うと小さなお姿を想像するが、こちらのご本尊は本体だけでも3メートル、光背まで入れると5メートル以上もあるので、間近で見上げるとまさに大仏。
金色のしもぶくれのお顔に威厳がある。

展示室はこのご本尊を中心にぐるりを19体の重文が取り囲む形。
いずれも10世紀から12世紀にかけて作られた平安時代のものだそうだが、お顔はそれぞれ個性があって、見比べるのがおもしろい。

時代の下ったものより10世紀の古い仏像の方が完成度が高いように思われるのはなぜだろう。

ゆっくりと2,3周して平安仏を堪能させていただいたが、今回の特別展はこの一部屋だけ。
いつもは特別展だけで息切れしてしまうのだが、今日はさすがに気力が残っているので、ものすごく久しぶりに常設展の方も見ることにする。

 この立派な中央階段を上がると
  土偶から始まって日本美術が時代順に見られる。
多岐にわたる収蔵品を少しづつ、という感じにならざるを得ないのは欧米の博物館に比べてスペースが圧倒的に小さいからだろうが
  
どんな人が着たのだろう、と豪華な着物を眺めたり、
 
これが出ていてラッキー、と酒井抱一の「夏秋草図屏風」を待ち受けにしたり楽しい。

本館1階の常設展は飛ばして、次はリニューアル以来入っていなかった東洋館へ。

 
こちらではちょうど上海博物館から見たことのある仏像やら青銅器がたくさん来ていて中国展示が充実していたが
  
好きなのはイケメン・ガンダーラ仏に
  
 
以前より充実した大谷探検隊の展示。

  
 
イスラーム系のものとか
  
朝鮮系の物も、収集家の寄贈が多いせいか、日本人の好みが反映していてそれが面白い。

さすがにもう疲れてしまったのでこれで引き上げることにしたが
 今回はこのパスポートを購入したので、これから1年間は好きなだけ全国の国立博物館に入れる。
特別展は6回まで有効、4100円なので4回見れば元は取れる。

 パンダを見ながらお茶をして帰った。


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西部ヒマーチャルの旅 15 マナリ

2016-10-08 13:03:48 | インド
7月29日 続き

マナリでの宿泊先はこれも13年前に泊まったのと同じバノン・リゾート。
 
久しぶりに立派なホテルはロビーも広すぎるほど広々。
 部屋は庭に何棟か建つコテージに分かれていて、いつもの通りくじ引きをしたら
 
ものすごく広いスイート・ルームが当たってしまった。
 
バルコニーが2つもあって使い切れないが、その割になぜかバスルームは狭い。しかしこれで文句を言ったら罰が当たる。

荷物を置いたところで希望者は町の中心まで車で送ってもらう。
ホテルからは歩けない距離ではないが結構遠いのだ。

ザ・モールと呼ばれるマナリ銀座に行ってみると
 
以前は埃っぽい道に車がいっぱいだったところが、きれいに整備されて歩行者天国になっている。
欧米人はもとより、今回のツアーで初めて他の日本人観光客に遭遇。どうも行きの飛行機でも一緒だったかなり平均年齢の高いご一行様。どちらを回ってこられたのだろう。

観光客もベンチに座り込んでいるが
 
現地のおじさんたちも座っておしゃべり。

まわりには軽食屋がいっぱいで
 
そそられるスナックに、水炊き、すき焼き、エビ天ぷらなんて文字まで見える。

あとはカシミール人がやっているお土産屋ばかりなので
 メインストリートをはずれて脇道に入ってみる。

 
すると例によって見事に商品を積み上げた八百屋さんがあったり
 
尼さんたちも物色する衣料品屋があったり
 華やかな帽子屋さんも完全にローカル向け。
 
路上に野菜を並べるおばちゃんたちも犬たちものんびり。

うろうろしていたらチベット人のおばちゃんの食堂を発見。
 
炒めていたソーセージも怪しげでちょっとそそられたが、ここはやっぱりモモ。
 キーロンのモモはべジで物足りなかったが、こちらは期待通り羊ががっつり、大きいのが6個50ルピーもうれしい。

さらに派手なディスプレイのジュース屋さんでミックスジュース、80ルピー。
 
何のミックスかさだかではなかったがおいしかった。

急に降り出した雨の中をホテルに戻るとすぐに夕食。
しかしモモを食べているので当然入るはずもなく、うやうやしくサーブされるカレーはほぼパスして
 
サラダとカスタードのかかったリンゴだけいただく。

普通の観光地に戻ってきた。


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