ペット・セメタリー

監督 メアリー・ランバート
キャスト デイル・ミッドキフ、メアリー・クロスビー、フレッド・グウィン、ミコ・ヒューズ
1981年　アメリカ
ジャンル：ホラー

【あらすじ】
近所の動物墓地に轢死した愛猫を埋葬したところ、翌日生き返ったので大喜びするルイス一家。ところが、幼い息子がトラックにはねられてしまい…。

【感想】
暑苦しい真夏の夜にはホラー映画というわけで、最近このジャンルを多めに取り上げているのは、恐怖映画で暑さを吹き飛ばそうという主旨でございます。

さて本作ですが、コアなスティーヴン・キングファンの間には本作が一番だとの呼び声が高いです。ただしマニアは誰もが知っているようなメジャーは避ける傾向があるので、このような人間の一押し作品が万人ウケするなどということは絶対にあり得ないです。完成度については他作品に譲るが、独特の雰囲気によって支持されているのだろうなと思います。

ジャンルはホラー映画ですが、前半は恐怖、中盤は悲劇、ラストで暴走という移り変わりがあるのが特徴的かと思います。このような演出は中途半端な印象を与えかねないのですが、シナリオが非常に刺激的であるため、最後まで楽しめるかと思います。

全体的にストーリーの悲惨さが目につきます。ネタバレはしませんが、子供や奥さんがあんな酷い目にあう映画はそうはないとだけ言っておきます。暴走した父親の行動についても精神的におかしくなっていたとすれば理解できるのですが、あの猫で試した結果を見る限り、人間で同じことをするのは狂っているとしか言いようがないです。これに関連して残酷な描写もあるので密度は濃いです。

残念だったのは冒頭に出てきた霊が最初だけは怖かったのですが、中盤以降は面白キャラになってしまった点です。特に霊のくせに飛行機に乗っているのは笑いを誘うと思う。ただしスティーヴン・キングにB級感を完全に排除しろと言っても無理ですから、そこらへんは大目に見てやる必要があるかと。
それから子供役は頑張っていたのですが、見た目があまりにチャッキー君にそっくりなので熱演が報われていないのがお気の毒でした。

お薦め度：★★★★★★★☆☆☆

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