クレイジー・ハート

監督 スコット・クーパー
キャスト ジェフ・ブリッジス、マギー・ギレンホール、ロバート・デュヴァル、コリン・ファレル、トム・バウアー、ベス・グラント
2009年 アメリカ
ジャンル：ドラマ

【あらすじ】
かつて一世を風靡したシンガー、バッド・ブレイクは、今や落ち目のドサ周りを続ける生活。何度となく破綻をきたした結婚生活や果てしなく続くツアーに疲れ果て、アルコールにどっぷり浸かる毎日を送っていた。かつての弟子トミー・スウィートが、金と名声を得たスーパースターとなったことにも苦々しい思いがつのる。しかし、その日暮らしの生活を送る彼の前に、シングルマザーである記者のジーンと彼女の4歳の息子が現れる。財産も気力も失ったバッドは、彼と純粋に向き合う親子との触れ合いを通じて、彼の中に潜む“荒ぶる魂（クレイジー・ハート）”に少しずつ希望がわき上がるのを感じ始める……。

【感想】
ベテラン俳優達の円熟した演技が素晴らしく、演出的にも若さがないことを逆手に取ることで訴えてくるものがありました。本作でジェフ・ブリッジスがオスカー受賞できてよかったです。

毎日だらしない生活をおくる中高年ミュージシャンが、女性との出会い等様々な出来事を通じて再び昔の輝きを取り戻す話。挫折を味わいながらも新たな人生に向かっていく姿を描くことで人に希望を与える内容となっています。

才能はあるのに酒に溺れて落ちぶれてしまった主人公の姿が本当にジェフ・ブリッジスと重なるものがありました。ようやく運命的な役を掴んだのではないかと思います。諦めないで長くやってればそのうちいいことがあるものだと感じてしまいました。それだけのはまり役だった。

中でも途中に出会った女性とその息子との出会いと別れが主人公を正しい方向に向かわせたのが印象的です。車で事故を起こして医者から警告されてもアルコールを断つことができなかったのに、自らの愚かな行動によって一人の女性を傷つけてしまったことで彼は変わることができた。人が変わるためには周りの人の存在が大きいのには納得しました。

主人公が破天荒な生き方をしながらも、最後まで爽やかな余韻を残す演出も上手でした。話に起伏がないのが難点ではありますが十分に楽しめる作品だと思います。

お薦め度：★★★★★★★☆☆☆

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