ゴルフィーライフ(New) ~ 龍と共にあれ

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量子力学が検知したミッシング・リンク

2010年12月13日 | 人間と宇宙~哲学を科学する

量子力学はこの世の背後にある広大な世界を検知した

死後の世界を突きとめた量子力学 (5次元文庫)
コンノケンイチ
徳間書店



量子(quantum)という名称が示すように、素粒子は「個」の姿(粒子)を示すと共に、
「量」としての性格(波)も有する。

しかし、、
電子は、波を検出するために設計された実験では、必ず波としての側面だけが測定され、
粒子の性質を検出するように設計された実験では、必ず粒子という側面だけが測定される。
波と粒子という両方の側面を測定できる実験は絶対に行なえず、
われわれは波と粒子が混じり合った量子そのものは絶対に見ることはできない。

これは、この世の基本的な制約なのでどうしようもない、という。

粒子であり同時に波でもある、とはこういうことだった。

( ↓ ) 何度見ても不思議な量子のふるまい。( くどいですが何度も見ないと、事実として受け入れ難い。)
    波と同時に粒子である、とは、観測という行為が加わるだけで波が粒子に変わることであり、
    粒子でありながら、結果を観測すると干渉縞があらわれる波になっているということ。

Dr Quantum (超訳)

素粒子は人間の意識を事前に察知する、
自然はブラックボックスの中の秘密を人類には見せない!?

アインシュタインが" 神はサイコロを振らない "と言って反論したいわゆる「コペンハーゲン解釈」。
ボーアは、
「この世の物質は観測されて初めて実在するようになり、実在性(リアリティ)は観測者の行為に依存する」
と主張した。
観測されている時は粒子だが、観測されない時には、存在するという可能性だけが波のようになって拡がっている。

    

アインシュタインは晩年になって、インドの大詩人タゴールに次のように問うたといいます。
" 誰も見ていない時は、空にかかる月は存在しないのでしょうか。 "


近代量子力学の実験結果によれば、
自然界の事象は、誰も見ていない時には実在しない不確定な可能性に過ぎず、
人が見るという行為によって現実の事象となって現れるという、
容易には受け入れ難い事実を確認するに至っている、とのこと。。
(人の意識によって、波のようにあやふやであった粒子が、実在を伴った粒子(それが集まったものが物質)として現出するということ。)

量子のふるまいをマクロの物質にあてはめると、
アインシュタインの言った月や、目の前に認識されるビルディングや街並などの物質世界は、
人間の意識によって現出した実在となって存在しているのであって、
人間の意識(観測)から離れた客観的な実在としての存在は不確かで怪しいものになってしまう。
人間の知覚する時空構造から離れた、あやふやな波のような存在ということになってしまう。

あらゆる粒子は、「観測されていないとき」は波であるので、「どこにあるか」は決められない。
粒子ならば常にどこかにあるはずなのだが、観測者が「それを見るまでは」位置が決められない。
シュレジンガーは、
人間の観測(認識)という行為によって
量子世界が有する不確かで多様な可能性を有する状態(波動関数の波の状態)が、
一挙にただ一つの現実世界となると説明し、これを「波束の収縮」と呼んだ。 

われわれが見ている自然の山や川は、
われわれが見ていようがいまいが常に存在する、と考えるのが普通。
しかし、量子力学にしたがえば、これは人間の認識の錯覚に過ぎず、
山や川は、多様な存在状態の可能性を有する、あやふやで不確かな状態であって、
われわれが見た瞬間にパッと位置が決まることになる。

マクロの世界を支配していると考えられていた法則は、
ミクロの世界からみれば、近似値にすぎないことを前の記事で取り上げましたが、
逆にミクロの世界の法則( とびとびの概念 )をマクロの自然界に適用すると、
この世とあの世のような、表裏一体の不思議な世界観が現出することになる。 

われわれの世界は原子レベルまでは一直線の梯子(はしご)で連なっているが、
そこから下(量子世界)には、区切られた大きな断層、ミッシング・リンクが存在する。

われわれの現実世界(マクロの世界)で当たり前であるとされている物理法則は、
量子世界(ミクロの世界)では必ずしも通用しないということ。

時空とあの世について」で取り上げた光速を超えた時空である非因果領域、
いってみれば相対性理論が説明するマクロの世界ではあり得ないはずの「あの世」の世界。

ミクロの世界の「波束の収縮」は光速を超え、マクロの現実世界の物理法則では説明できない。
つまり、ミクロの世界では、あの世の空間構造が漏れ出しているということ、、

あの世という呼び方が適当でないならば、「折り畳まれた世界と接地する所」で取り上げた異次元世界、異界、といえばいいのでしょうか。

しかし、マクロとミクロの世界ではそこに現れる物理法則が異なったものになるのであれば、
ミクロの集積であるマクロ(現実世界)に、ミクロの法則やミクロ世界の事象をそのまんま当てはめるのはいかがなものか。

 ミクロとマクロの世界を隔てる境界線、断層(ミッシング・リンク)というのがはっきりしない。
  生命現象(生や死、あるいは意識の実体といったようなもの)もその境界線がはっきりしない。
  そこに、なにかしら鍵があるのでは、というのが今現在での私の知見。

アインシュタインはなんで、そんな問いを発したのでしょ
きっと、マクロの世界もミクロの世界でも通用する統一した理論としての相対性理論だと信じていたからなのだと思う。
ところが、今や量子コンピュータなるもの、波束の収縮が、超高速の一瞬で起こる現象を利用した研究が進んでいるという。

( ↓ )10:30過ぎに出てくる「観測の理論」。
  " 何(こっちにあるもん)をもって、何(向こうにあるもん) を見るつもりや?" の視点。
  ( シュレジンガーの波動方程式も出てきます。)
    量子世界は、仏教に代表される東洋哲学、
    西洋においてはスウェーデンボルグが伝える霊界構造とクロスするものを感じさせる。

    湯川秀樹 創造的人間:東洋的思考から理論物理学へ

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7 コメント

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わからずとも... (テン子)
2010-12-13 22:37:05
湯川氏のレクチャー、2回、聴いてみました。
後半のはんなりとしたナレーションはゴルフィーさんの声みたい、でした。

「暗き道に犬うづくまり 小溝には 蛙鳴くなり 思ふ道」

「天地(あめつち)は 逆旅(いずこ)なるかも 鳥も人も 何処より来て 何処かに去る」

理論物理学の目指すものは到底、わかりますまいけれど(笑)
東洋と科学をずれずにつなぐ思想にはちょっぴり感じ入りました。

最近、和歌に想いがつのるがゆえ。

ゴルフィーさんって大海のような人なんですね。
返信する
テン子~10点~〓 (ガンツ先生)
2010-12-14 08:49:31
毎回TVのさいごにでてくるロボコンの先生、こんな名前でしたっけ?

量子論なんて さっぱりわかりませんが、わかろうとしてます。
ファインマン博士でさえ、ほんとに理解してる人間なんていない、っていうくらい不可解な現象ですから。

理論ありきでなく、そこで起こっている現象が信じがたいことであっても真実として受けとめよう、というのが量子論の考え方。
湯川博士のルーツや行き着いた方向はなるほどと思いました。

だまされてはいけませんよ、ぼくは単なる邪悪なボケナスですから
返信する
Thanks! (850iGREEN)
2010-12-14 23:26:05
面白そうな本教えてくれて、ありがと。
読んでみるな。
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マージャンのモウパイ、 (朝だ徹夜)
2010-12-15 01:00:00
マージャンの牌をひく時の意識(想い)によって、
波のように漂っていた波束が収束する結果、
つまりツキや運さえも変わると書いてあった。

ややもすると疑似科学やトンデモ本の類として括られてしまうんだろうけど、
自分で取捨選択する頭で読むなら面白いし、気づかされるとこもあると思うわ。
返信する
Thanks again. (850iGREEN)
2010-12-15 23:00:30
Exactly, that will be a point.
返信する
Thanks again. (850iGREEN)
2010-12-15 23:01:02
Exactly, that will be a point.
返信する
Thank you for coming again. (golfy)
2010-12-16 00:54:36
I'm in favor of your opinion.
There's no denying that.

But I will talk more about this theme so that I could make much more sense.

I would appreciate your frank comment.
Thanks.
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