ゴルフィーライフ(New) ~ 龍と共にあれ

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無重力空間からの啓示

2012年02月11日 | 心の筋力トレーニングを続けよう

賑やかな孤独でも採り上げた重力について。

重力は宇宙の色欲だ。
もし重力が互いを引きつけていなかったら、小さな粒は独り身のまま、永遠に空間を漂っていたことだろう。
饗宴に加わる粒子の数が増えるのに比例して、引き合う力も強まっていく。
それまでは引き寄せられなかった遥か彼方の粒子までもを、自分の重力のタールピット(井戸)に引きずり込むことができるようになった。
そしてそばを通りかかった小惑星や惑星を軌道に引き寄せるだけの大きさを持った星が生まれた。

生命が存在するために必要な水や空気さえ、重力があるから地上にとどまっている。
地球上に生命が存在する第一の理由は重力だ。

無重力を体験した宇宙飛行士がこう話す。
" ただ歩くってことが、地球で地面を踏みしめながら歩くってことがどれだけ大きな幸せか、宇宙に行ってはじめて本当に理解できる。"

重力がないと、何についても重量の差は生まれない。
熱を帯びた空気(熱で活発化した空気は冷たい空気にくらべて、大きく広がり、薄く軽くなる)はその場に留まり、空気の対流も生じない。
何もかもが重さを持たないとなると、熱が溜まりやすくなって、オーバーヒートに気をつけないといけなくなる。
重力は血液を下半身の方に引っ張っているが、重力から解放された血液は上半身に集まり、臓器は胴体の内側で浮揚する。
身体は、いわく得難い恍惚感、それまではあることにも気づかずにいた何かから解放されたという、言葉では表現できない感覚に包まれる、という。
(NASAの研究者はこれを宇宙式美容整形と呼んでいたとのこと。肋骨の奥深くに内臓が移住し、ウェストサイズがダウンし、重力でひっぱられていた頭皮までも解放されて髪はコシを取り戻す。垂れパイだってつんと上を向く、らしい。)

無重力空間で普段より体液が集まる部位と減少する部位の境目は横隔膜あたり、とのこと。
むくみ顔と鶏の足シンドロームという説があるそうだが、重力から解放されて体液が上半身に集中し、足は重さを支える必要が無くなり、腕も自重さえ感じることをしなくなって筋力が衰える。
重力から解放された垂れパイだって張りを失ってはもともこもない。男性も重力から解放され血流が漲って若さを取り戻すばかりでもなさそうだ。

脳の血流センサーは体液量が多すぎると判断して、全水分量の10~15%を排泄することになるという。
きっと、地球とは異なる小さな重力が作用し続ける環境のなかでは、人は小さくて頭でっかちなエイリアンっぽい姿になるのだと思う。

地球から月に人があたりまえに移動するようになると、ヒトの美しさの感覚というのも変わってくるのかもしれない。
人間の意識を生みだしている一リットルの髄液が、無重力空間で、底に溜まることをやめ、臓器の内側に張りつき始めたら、意識のありようもきっと変わるはずだから。
そのときには、どんな感覚でいるのか。

そのようなことを考えはじめたら、眠れなくなってしまった。

先週の出来事だ。

そして、目が覚めたら寝る前と同じ意識レベルにいた。

意味が通じるだろうか?

意識の質感はそのままで、疲れ具合も増していないし減ってもいない、頭に浮かんでいるのは、あいも変わらず、無重力状態にある人間の意識はどのようなものか、というようなこと。

そんなことを考えているうちに、眠ったんだかどうかもよくわからないのだが、僅かな覚醒があって、時計をみると、4時間ほども時間が経っていることにおどろいた。
(感覚的には1時間ちょっとくらいなのに!)

あのスウェーデンボルグは夢日記を書いたと言うし、ポールがイエスタディを書いたのも夢の中だった。地球が丸くて青いから ~ Because

「無重力空間」を考えるときに、失われるもの、失われないものとそれらの存在の大切さが浮かびあがってくるように思えた。

そのような視点に立てた時には、同時に新しい感覚や意識も発生するのではなかろうか。

言葉は発せられると、ある力学を持ち始める。言葉を並べる時、そこにはある力学が働く
そこには、いささかなりとも、誇張や嘘やタブーがついてまわり、ギロンを産んだりもする。
この世は物理と物語でできていると言ったのは五木寛之氏だが、無重力空間では違う物語が生まれるということもあるかもしれない。

空気や水や酸素、そしてそれらが織りなす有機体の営みこそがやこの世の物語だと思えるのだが、
無重力空間にある意識が、力学的な優先順位やタブーからもっと自由なものだとしたら…

これは新しいアプローチだ。

「無重力空間」に意識を置いてみたらどのようになるのか、わたしには夢うつつの中での啓示のようにも感じられた。
人間が横になって寝るのは、無重力に近い状態に身心を預けて解放させるためなのだ、きっと。

タブーを、一見品行方正に、ポピュラリティを保ちながら、やぶり続けたのがビートルズではないかと思う。
「物語」と同じように「無重力空間」(虚)を大切にしよう。
~ 虚をおのれの中心に据えること、自我の中心にあるのはボケナスである。

The Beatles - Her Majesty  

Her Majesty's a pretty nice girl,   女王陛下は可愛くていい娘
but she doesn't have a lot to say  だけど あんまり物を言わない
Her Majesty's a pretty nice girl    女王陛下は可愛くていい娘 
but she changes from day to day  だけど日によってころころ気が変わる

I want to tell her that I love her a lot  たくさん愛してるって言いたいけど
But I gotta get a belly full of wine    ワインをたっぷり飲まないとね
Her Majesty's a pretty nice girl       女王陛下は可愛くていい娘
Someday I'm going to make her mine, oh yeah,  いつかものにするよ
Someday I'm going to make her mine.

(参考:英語で”陛下” Your Majesty

ビートルズが最後にレコードに残したメッセージは
" and in the end、the love you take is equal to the love you make. "
と思いがちだが、それが終わった後 余興のように添えられてプツンと終わるのがこれだ。
陛下どの、わかるかね。
 

わたしを宇宙に連れてって―無重力生活への挑戦
メアリー・ローチ
NHK出版

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