らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

L.v.Beethoven 第12番 変ホ長調 Op.127奮闘記 vol.1

2010年03月01日 23時56分42秒 | クァルテット
 前回定期演奏会の山形Q練習日誌は私の担当でした。今回は1stVnの中爺君が担当していますのでよろしくお願いします。弦楽四重奏にのめり込んでゆく弦楽プレイヤ~にとって、最初に越えたい高い山はこのBeethovenの後期作品だと思います。最初にと書きましたが、弦楽四重奏に関わってゆく限り最終的な目標もBeethovenの後期作品(第12番~第16番)と言っても良いです。

 なので、山形Q練習日記とはまた別の書き方で、この第12番を演奏するのに奮闘している姿が書ければ良いなぁと思って不定期連載することにしました。

 ベートーヴェンの第12番Op.127に私は少し思い入れがあります。学生時代にU.Koch先生のレッスンの時間に楽器ケ~スから楽譜を取り出した時に、その日の夜に聴きに行く予定だった安田謙一郎弦楽四重奏団の演奏会のチラシを床に落としたのです。そのチラシがU.Koch先生の近くまで滑ってゆきました。先生は、そのチラシを拾いながらこれを聴きに行くのかどうか?と尋ねてきました。私は聴きに行きますと答えました。その時先生が言ったことは、このメンバ~のヴィオラ奏者白尾偕子(当時は新日本フィルのVa首席)は私のドイツ時代の弟子で・・・云々。

 白尾偕子氏が自分の所に勉強に来て、いかに努力を重ねて上達していったのかを、この練習不足の駄目弟子に言いたかったのでしょう・・。苦笑。その後で、U.Koch先生は今日は何を演奏するんだい?と尋ねたので、日本語で書いてあったそのプログラムを読んであげたのでした。その中にこのBeethovenの第12番が入っていたのです。

 先生は笑いながらこう言ったのです。「オ~~ノ~~そんなに難しい曲をよくやるなぁ~~。偕子は凄いなぁ・・・・オケも忙しいだろうし、よくやるよ。云々・・・。」

 それ以来、私の中でこのBeethovenの第12番はもの凄く難しい、一般人は手を出してはいけない曲としてインプットされてしまいました・・。でもいつかはと思ったのも確かです。それからもう20年近くたっています。

 **ちなみに白尾偕子氏には、フリ~の時代に新日本フィルにエキストラでよく出させてもらっていた頃に大変お世話になりました。U.Koch先生のお葬式の時も彼女が奏楽でM.Regerの無伴奏第1番第3楽章をを演奏したのをよく覚えています。彼女も50歳になる前に天に召されてしまいました。日本人のヴィオラ奏者の中で彼女ほど歌があるヴィオラ奏者はもう出ないのではないでしょうか?大変惜しい方を日本のヴィオラ界は失ったように思います。安田謙一諸弦楽四重奏団のヴィオラ奏者は現在臼木麻弥さんが務めています。

 と言うことで、とてつもなく高い山に山形Qは今回の定期演奏会にチャレンジすることになりました。本日は、4人そろってのこの曲初練習日。ボウイング一つ決めるのも一苦労します。難解なスコアから他のパ~トにどこまでボウイングを合わせてゆけば良いのか?自由に演奏して良いのか?それさえまだ理解出来ておりません。しかし、自分のパ~ト譜上だけでもボウイングをひとまず決めて、音が並ぶようにしてくるのが最初の目標です。どこまでこの曲の理解がお互いに進むか楽しみにしています。

 あと定期演奏会当日まで51日!!(戦艦ヤマト風・・・。次回に続く)

 我が家のベートーヴェン君はまだ起き上がれません・・・・・(写真)。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 生きものの記録 | トップ | 銀ガレイ »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
一般人は絶対に手を出してはいけない曲 (門生)
2010-03-01 21:51:38
俗に言う「クヮルテットのたのしみ」レベル5/5~6/6ですね?

楽譜だけは積んでおります。(見る気もありませんが~~笑)
若い頃、前々段の6曲と前段のラズモフスキーに挑戦して散々な目に遭いましたが、後期はまさにエヴェレストですね~~一般人は酸欠になります。

ここはひとつ、楯の川や鯉川(ただ今我が家でも増殖中)でリフレッシュですね。
そうそう、タベアさんのシューマンCD入荷しました。ご主人が急逝された頃の録音ですが、力演です。
返信する
>門生さん (らびお)
2010-03-01 22:47:17
こんばんは。
まだ演奏していないのですけど、ベートーヴェンの後期の作品群は、世間に難しいと言われているあのバルトークの6曲より難しいかもしれません。バルトークはスコアを眺めているだけですが・・・・・。

後期の作品を鑑賞するのは大好きなので、曲の感じはよく分かっているのですが、聴くのと演奏するのは全然違うようです。

この第12番・第14番あたりは特にそうかもしれません。

お酒を飲みつつスコアでさらに勉強ですかね。

タベアさんのご主人さんは、都響かなにかの指揮をするために来日している時に亡くなったんですよね。当時吃驚ニュースでした。若かったのに・・・。

シューマンのダイナミックスな演奏はさすがです。
彼女は世界でも屈指の歌い手さんですね。
凄い!ヴィオラ奏者です。
返信する

コメントを投稿

クァルテット」カテゴリの最新記事