職員室通信・600字の教育学

小高進の職員室通信 ①教育コミュニティ編 ②教師の授業修業編 ③日常行事編 ④主任会トピックス編 ⑤あれこれ特集記事編

★教育実習生の模擬授業大会。講義形式では実習生の骨身に沁みていない。ならば、骨身を削ってもらおうと

2012-06-08 11:08:27 | 僕のモンマルトル日記

 

2012

06.07
学校のスタートのカタチを文字化する期間(5月)をパスして6月。ホンマ、後悔


★〈耐えがたければわれ空に投げうつ水中花。
  金魚の影もそこにひらめきつ。
  すべてのものはわれにむかいて
  死ねという、
  わが水無月のなどかくはうつくしき〉

 校舎の2階――2年1組前の廊下から、グランドを囲む、緑あざやかなヤマボウシを眺めていた。
 と、忽然と、視界の左側が霧に覆われた。
 グランドにつづく丘陵地から、すさまじい勢いで海霧が駆け下りてくる。
 そのときだった。
 この〈耐えがたければ〉の詩句が、僕の身体の内側からドッと吹きだした。
 毎年のように6月に入ると、この絶唱が吹きだしてくる。
 「これだ、これだ」と思う。
 しかし、何が「これ」なのかは、わからないし、十数年、突きとめようとしたこともない。



★『新企画』――「茫漠の時空間(=僕の過去)」を「現在の僕」が「職員室通信のカタチ」で疾駆する――が、5月のゴールデンウィークをはさみ――ま、5月病ではないだろうけれど……いや、その5月病かもしれないのだが(ノ△・。)――突然、失速状態に陥った。
 失速のきっかけはいろいろあるが、連休直前に届いたコンポ(=パイオニアX-HM50)を、僕が初めてもらった給料でゲットしたスピーカー(=音響コーラルFLAT―6S)に接続したことも、そのひとつだ。
 スイッチをON。
 バッハのヴィオリン協奏曲第2番ホ長調BWV1042。
 やさしい、過去からの音色だった。
 一瞬にして精神が、遠い過去に接続した。
 ま、「甘美な衝撃と感動」といってもいい(*^_^*)。
 『新企画』「茫漠の時空間(=僕の過去)」を「疾駆する」というときの「疾駆」の範囲は、実は、現時点を起点とした7、8年の「過去」を想定していた。
 それが、新コンポと旧スピーカーの接続により、怒濤のように拡がった。
 で、バランスを崩したのだろう。
 『新企画』から「5月」がスッポリ抜けたことになる。
 これは痛い。
 4月にスタートした「学校」の、そのスタートの「カタチ」をはっきりと「文字」として定着させる期間だ。
 その記述をすっ飛ばして、『新企画』を「6月」から再開させなくてはならないことに、ホンマ、しょげかえっている。
 ホンマ、後悔している。


★今、MINAMI中に教育実習生が3人来ている。
 ピッチリと実習計画が組まれていて、その中に、僕が担当する時間も設定されている。
 きょうの1時間目が、その時間だった。
 以前は、他の指導者と同じように、講義あるいは参観形式でやっていたが、実習日誌の内容や、その後の実習生の行為行動から、ほとんど効果がない……というか、実習生の骨身に沁みていない……ということがわかった。
 ならばということで、3年前から、実習生に骨身を削ってもらおうと、「模擬授業」形式に切り替えた。
 3人には、前々日に指導案(シナリオ)を渡し、説明してある。
 各自10分間の模擬授業、そのあと乱氏のコメント2分間、僕のコメント2分間、ひとり合計15分間。

 シナリオの冒頭だけ、アップすると……。

 〈シナリオ〉

〈板書〉
 またひとり顔なき男あらはれて暗き踊りの輪をひろげゆく  岡野弘彦

〈指示&発問〉
①きょうは、この短歌を勉強しましょう。
②背筋を伸ばして、黒板をみて、各自、3回黙読しましょう。
 声に出すのではありませんよ。
 黙読です。
 では、黙読、はじめ。(黙読 終わり)
③では、○○さんの列の人、立ちなさい。
 1人ずつ読んでもらいます。
 読んだら座りなさい。
 読めない漢字があったら、「何とか……」でいいです。
 では、○○さん、読みましょう。
④全員、起立。
 ひとりひとり声を出して3回読んだら座りなさい。
⑤いっしょに読みましょう。(後略)

 模擬授業のあと、僕がコメントした内容を、主な項目だけ列挙する。
(1)黒板の消し方。
(2)目線の配り方。
(3)ほめ方。
(4)禁句 例=「どうぞ」、「~ください」、「~(中止法の)ですが」、「わかりましたか?」&「いいですか?」、他、追加指示等。
(5)指示の背後にある教育思想(これだけだと、何のことかわからないと思うが、紙幅と僕のエネルギーの関係から、きょうのブログでは省略する。おいおい、語っていきたい(^_-)。


★模擬授業の感想(世耕実習生の「実習日誌」から)

 模擬授業では、早く楽な気持ちになりたいのと、多くの助言をもらいたいのとで、トップバッターを志願しました。
 昨日の夜はだいぶ練習したのに、本番ではほとんど頭から飛んでしまいました。
 でも、声量、生徒への目線、表情はほめられました。
 ただし、飛んでしまったぶん、スムースに進まなかったので、リズムが悪いと指摘されました。
 また目線はよいけど、発表している人ばかり見ている。
 まわりの聞いている生徒の反応もみなければいけない。
 生徒に向かって語るときは、ひとりひとりの生徒と目をあわせる。
 はじめは、教室の隅の生徒から反対側の隅の生徒へと、目、目、目、目、目、目……と、途切れないように、つないで練習するとよい等と指導を受けました。
 そのほか、音読させるときは「サン、ハイ!」ではなく、「読みましょう」でスタートさせる。
 「~してください」ではなく、「~しましょう」「~しなさい」に。
 板書は、生徒に背を向けてしまうのではなく、半身で生徒を見ながら。
 わたしが意外だったのは、教師は生徒に「いいですか?」「わかりましたか?」と言ってはいけないということでした。
 このほかにもたくさんのことを教えていただきました。(世耕実習生の「実習日誌」抜粋、以上)

★午後2時から本校を会場に、minami小・MINAMI中連携研究会。

 まず、1学年4クラス、2学年4クラス、3学年4クラス、計12の授業を観てもらった。
 次に、全体会で、今年度の小中連携研究のテーマと研究計画を確認。
 最後に、理数系・技能系・文系の3分科会にわかれ、協議会がもたれた。
 各分科会で話題になった内容の一部を紹介する。

〈minami小教師の授業参観感想から〉
①授業者も生徒も「指導力向上の5原則」&「学力向上の5原則」を意識していることがよく伝わってきた。
②どの授業も、全体、あるいは場面場面の「ねらい」が明確で、指導者の指示・発問もリズムとスピード感があった。
③説明の時、指導者と生徒がきちんと目を合わせている。「②話し手にへそを向けて聞こう」の取り組みの成果だと感じた。
④(音楽)男子の歌声からパワーと熱い思いが伝わってきて感動した。

〈提案と課題〉
①MINAMI中の「学力向上の5原則」に相当するものが、minami小にもある。
 今後、それぞれの発達段階を考慮しつつ、9年間で育てる学習習慣(広い意味での学力)として小中共通のものをつくりあげていきたい。
②(音・美・技家・保体の技能系で)ミシンなど教具の取り扱いについて小中で共通理解しなければならないものがある。
③指導力5原則「③達成状況を確認して授業を進める」「④1人1人のがんばりに気づき、認める」はなかなかむずかしい。
 今後、小中で、このことに関する、いわゆる片々の技術をもちより、さらに指導技術を向上させたい。
④家庭学習力のアップ、女子の発言力アップがMINAMI中の課題だ。

★minami小・MINAMI中連携・全体会における僕のあいさつ(原稿のメモ)

 5月の中旬、現在の本校1年・2年・3年の4月はじめ時点(=3月末)の学力が判明いたしましたので、お知らせします。

1.現時点のminami小&MINAMI中の学力

(1)これが、全国平均としたら、
(2)市内の4月の中1の学力(=3月の小6の学力)は、市内各校は、こういう分布になります。(これ、お断りしておきますが、これは、教委からのこれまでのデータや、いろいろな数値や、わたしの経験から想定している内容です。ホンマのデータではありません。でも、精度はそんなに低くはありません。)
 ①上から下まで結構な幅があります。
 ②しかし、いちばん低い学校でも、全国平均を上回っています。
 だから、市内の学力レベルは低くないといえます。
(3)ところが、中学2年になると、こうなります。
 ガタッと下がります。
(4)3年になると、さらに下がります。
 わが市内が下がっているということは、全国の学校はわが市内とは逆に、3年になると、さらに伸びているともいえる。
(5)どうしてわたしたちの市の中学校が、学年が進むにつれて下がるのか、真剣に考えなければならない。
 また、小学校の先生方としては、こういう状況をチェックした上で、せっかくいい成績で卒業させているのに、これでは困るというメッセージは送らなければいけないのではないか。
(6)本校はどうかというと……。
 まず、3年生です。
 入学してきたときは、(はっきりいいますけど)市内の真ん中、より、ちょっと下(*^_^*)。
 以来、2年、3年と、全国平均に対して、一定レベル(下がりも上がりもしない。やや上がる……)を保っています。
 したがって、市内の中では、他校が下がっていく分、順位は上がっています。
 市内比だけをみていると、グングン上がっています。
 いろいろなデータ結果などからみると、トップレベルにあると想定されます。
 他校が下がるなか、こうして成績を維持している――全国比で上がっているのではない――というのが、ま、本校の自慢です。
 次、2年生です。(省略)
最後に、1年生です。(省略)

 なお、現在、本校は、学年差はありません。
 教科差もありません。
 この点は、よい状態であると考えています。

 この状態を維持したいし、いただいた成績をさらに上げる指導力を身につけるために修業していきたいと思っています。
 このデータを共通理解して、「いい授業」を通して「いい学校」を創っていく(授業以外で学校をよくしようとすると必ず落とし穴に落ちる)を肝に銘じて、小・中連携して取り組んでいきましょう。

2.minami小とMINAMI中教職員の接続の意義と方法

 さて、これから小・中連携して取り組んでいくわけですが、人間というのは、接する「対象(人)」によって、「自分」がつくられていく……という面を強くもっていると、わたしは思っています。
 だから、たとえば、「語り」を例にあげると、幼稚園の先生と、小学校の先生と、中学校の先生と、高等学校の先生……当然、共通部分もあるけれども、「違うなぁ~」という部分があります。
 だから、小中連携するということは――(これから、僕は、この「違う」語りを接続することの意義とその方法をグダクダと述べるわけだが、紙幅と僕のエネルギーの関係から、きょうのブログでは省略する。

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