★8月に開催した模擬授業大会の様子(8/12実施分)―― ★朝、起きた中学生が「○○先生の授業が楽しみだぁ~」と家を飛び出してくるような中学校にならない限り、現在の教育危機(いじめ・不登校・非行問題を含む)を脱出することができない。 「わたしの知的で楽しい授業で学力を保証すると同時に、いじめも、不登校も、非行も解決する!……」と、言い切れるプロ教師をめざして修業しよう。 ・時間 午前9時~10時30分 ・内容 模擬授業(各10分間) 指定発言者(各1分) №1 授業者=須藤T(理科) 指定発言者=松前T・飛田T №2 授業者=篠田T(音楽) 指定発言者=垣岩T・篤田T №3 授業者=飛田T(理科) 指定発言者=須藤T・乱氏T №4 授業者=今江田T(国語) 指定発言者=安倍T・岬T ・進め方は、①模擬授業10分間のあと、②2人の指定発言者からのコメント(各1分間)、③生徒役Tからのコメント(1分間)、④わたしのコメント(2分間)と、1つの模擬授業につき15分間の設定だ。 ・コメントは、①代案「ここはわたしだったらこうする」②「ここはスゴイ、すばらしいと思った」とする。 が、今回は、テストケースとして、③「ここは変だ、しかし、(今のわたしではまだ)代案は提示できない」という発言も認め、その代案の検討は本校全体の課題とすることにした。 ★須藤Tの模擬授業 (まだ記録テータは整理分析中なので、ここでは「わたしのコメントの要旨」のみを掲載する。) ①表情がおだやかで、自然で、あたたかい。すばらしい。 ②指示・発問・語りの声域がやや高くて、やや一本調子。 継続して聞いていると、ややつらい。 低い声域ももっているのだから、高低を使いわけるといい。 「よい声はため息の延長線上にある」といわれる。 「ため息」のあと「語る」、「ため息」→「語る」、「ため息」→「語る」を繰り返して、自分のベストの声のトーンを確認してほしい。 ③目線は、最前列左右にやや弱点をもつが、ほぼ教室全体を見渡している。 この点は評価したい。 ただし、スーッと流れてしまっている。 生徒役の人に「模擬授業中、須藤Tと目が合ったという人は、手をあげてくざい」と問うと、4人の手があがった。 生徒1人1人に0.1秒止める。(その練習の仕方を述べたが、ここでは省略。) ④生徒全員に単純な内容の問いかけをして、パラパラと数名が答えるという形式(いわゆる青い山脈型授業)になっている。 ここは一人一人に考えさせる場、あるいは、選択させる場、あるいは、書かせる場……などと、1人1人が確実に活動する場を、強く意識して授業を設計・展開する必要がある。 ★篠田Tの模擬授業 ①(乱氏Tからも指摘があったが)会議などでの発言は結構「えーと」が多いので、模擬授業でもあるかと思ったが、3回しかなかった。 きっと、わたしたちのステージである教室に入るときに、日常とは異なる「スイッチ」が入るのだと思う。 その「スイッチ」に感動した。 ②授業のテンポがいい。 ただし、授業の転換点で「さあ!」や「で」という感動詞や接続詞を使用しているが、ほとんど同じ調子だ。 場面によって、声の高低、大小を工夫すると、さらに心地よいリズムで授業が展開するだろう。 ③板書する際、半身の姿勢で生徒を見ながら、速くていねいに書ける。 細かいことをいうようだが、現在、45℃。60℃くらいになれば最高。 ④列指名の際、生徒の発言に対する対応があたたかくて感動した。 古館「松前さんと同じです」 篠田「スカーフですね」 松坂「全部言われてしまいました」 篠田「はい、全部言われましたね」 ★飛田Tの模擬授業 ①いい声、いい語り。 特に、自分はこのことがおもしろいと思っている、あるいは、自分はこのことに興味をもっている……そういう自分の「思い」が、生徒に伝わっていく「語り」だ。 わたしは、これができない(ノ△・。)。 やろうとすると、軽く浮いてしまう(ノ△・。)。 すばらしい。 うらやましい。 ②たくわん、バナナ、トマト、電極……など理科教師としての「もの」へのこだわりを強く感じた。 わたし(=)は国語教師だ。 先日、「高村光太郎」の授業をした。 光太郎の詩(智恵子抄・戦争詩)と書簡(病院の智恵子宛)を使った。 そのときの生徒の反応を見て、国語教師が何にこだわらなければならないのかに思いが至り、ハッとした。 今、飛田Tの模擬授業を観ていて、そのときの「ハッと」を思い出した。 ③ぼんやり見ていると気づかないが、よく見ると、たとえば、説明を聞く場面、考える場面、選択する場面、実験する場面、まとめる場面……などが明確に位置づけられている。 思考を含め活動する生徒の輪郭がクッキリしている。 飛田Tのここがいちばんすばらしい。 ④臨機応変の指示やギャグがあるが、プロとしては、それがグループに対して発しているのか? 全体なのか? 個人なのか? こういうことを強く意識して発する必要がある。 ★今江田Tの模擬授業 ①語りが心地よい。 ひとつは、マイクに乗りのいい声という言い方をするが、聞く耳の耳に乗りのいい声だ。 うらやましい。 もうひとつは、きょうの4人のなかでいちばん声の大小、高低の幅が広い。 自由にコントロールしている。 ②教師が範例を示す場面で「わたしにやらせてほしい」という言い方をした。 生徒の意欲につながると感じた。 ③全員が起立し3回音読し、終わった生徒から着席する場面で、あらかじめ出された座った生徒への課題が「さらに読みつづける」だった。 空白を作らないための、やり終えた生徒への課題として評価したい。 ただし、この場合、他の課題も考えられる。 たとえば、声に出さない、パクパク読み、黙読、他の生徒の音読を聞く……等々、生徒の状況を考え、よりよい課題を追究したい。 終了した生徒への課題の質の検討。 これは、本校全体の課題でもある。 ★授業力向上の目標として、 ①本校設定の「授業力向上5原則(教師)」ならびに「学力向上5原則(生徒)」を共有化し、授業研究および模擬授業研究を校内全体で年間100回実施して、本校設定の「生徒による授業評価(3項目5段階)」の5=70%、「保護者による授業評価(5項目5段階)」の5=80%をめざす。(校長自己目標シートより) ②経営の重点の数量的分析と基準 ③生徒による授業評価票 ★本校の研修 今後の課題 現在は①模擬授業や指定発言者のコメントなどから、個々の教師が学ぶというスタイルだが、今後、②パートレッスン形式や、③模擬授業+ストップモーション方式、③(これまでもやってきたが)技術の一般化……などについて研修部を中心に検討したい。 ★冒頭、「わたしの知的で楽しい授業で学力を保証すると同時に、いじめも、不登校も、非行も解決する!」と、言い切れるプロ教師をめざして修業しよう……と述べた。 単純な話だが、「修業」のためには、修業の時間が必要だ。 しかし、これが、まったくない。 学校は、歴史的に、なんでもかんでも抱え込み、抱え込み――たとえば、理科の教師は肝心要のあすの授業における実験の準備に割く時間も見出せないくらいに、抱え込み、抱え込み――もうパンク寸前、いや、パンク状態だ。 当然、教育力は低下する。 また、学校が(好むと好まざるとにかかわらず)どんどん抱え込んでしまうものだから、これも、当然のこととして、家庭・地域の教育力も低下する。 これを修正し、学校・家庭・地域、それぞれの教育がバランスよくならないかぎり、どんな施策を打ち出しても、あまり、いや、ほとんど効果はあがらない。 逆にいうと、バランスさえよくなれば、日本の教育はまだまだだいじょうぶだ。 そのバランスをよくするためには……という話は、別の項目でやる(^_^)v。 ★関連記事 ・★48やん、大阪維新の会・橋下徹大阪市長の教育論の、ここが未開発部分なんですよ ★僕の公式ホームページへ★★★★ ★僕のWEB無人駅線ページへ |
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