栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

納得できない、高速料金1000円廃止

2011-05-03 22:51:22 | 視点
 土・日、祝日の高速料金1000円が十分な論議もなく廃止される。
どうも菅政権になってから、重要案件が突然提案されたり、十分な論議を尽くされずに決定される例が増えている。
1000円高速の廃止もそうだ。
東日本大震災による復興財源不足を解消するためというのが理由になっている。

 復興に「コンクリート」は必要だ。
しかし、これから本当に必要になるのは「人」である。

 いままではボランティアの受け入れに消極的だった地域も、これからは本格的にボランティアの協力が必要になる。
幹線道路が開通して外部から人の移動が少し楽になればボランティアも行きやすくなるし、被災地も本格的な片付けが始まる。
その時必要になるのがボランティアの協力だ。
しかも、それは1か月や2か月で終わる話ではない。
少なくとも半年、1年と続く。

 いまのところ集団でのボランティアしか受け入れていない地域も、今後は個人参加のボランティアも受け入れていくようになる。
いつまでも県内ボランティアだけに頼るわけにはいかないし、県内ボランティアもすでに疲れが限界に達しつつある。
そうすると県外、あるいは遠方からの団体や個人参加ボランティアに期待がかかる。

 ここで考えなければならないのが、ボランティアは無報酬はもちろんだが、諸経費も自腹参加である。
早い話が東北まで車で行くガソリン代や高速料金、宿泊費用も自腹である。
ボランティアに参加する多くの人は土日祝日が圧倒的に多い。
平日は仕事をし、土日祝日の休みの日にボランティア協力しようと考えているからだ。
高速料金1000円なら行けるが、1万円でなおかつガソリン代を払ってまで参加できるかというと、なかなか難しいだろう。

 東北地方だけ高速料金を安くすることも考えているようだが、それでは広域からのボランティア参加は望めない。
1000円が難しければ2000円にアップしてもいいが、少なくともボランティアなど善意の人が参加しやすいシステムは導入すべきだ。

 先に財源ありきというのはおかしい。
その一方で「イベント自粛は景気に悪影響」と言うなど、言っていることすることが矛盾している。
どうも消費税アップの思惑もチラチラするし、菅政権は税収アップしか考えていないように見える。





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