栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

大型店に流れる消費者を、地元小店舗に呼び戻すには(1)

2013-09-15 13:10:03 | 視点
 昨年から流通業界の大再編が加速している。仕掛けているのはイオン、セブン&アイ・ホールディングス、ウォルマートの全国大手だ。
イオンは2011年に中・四国に店舗展開するスーパー、マルナカグループを子会社化したのに続き、今年、ダイエーを子会社化した。
セブン&アイ・ホールディングスも2011年に近畿日本鉄道子会社の食品スーパー、近商ストアに30%出資。
ウォルマートは西友の立て直しにめどが付き、日本国内でのさらなる地歩固めのために地方スーパーの買収に乗り出している。

進む中堅スーパー同士の合併

 こうした動きに大きな影響を受けているのが地方の中堅スーパーだ。
大手がどんどん彼らの市場に侵食してくるものだから、中堅スーパーは価格面でも商品の品ぞろえでも、
さらには地域密着という彼らが最も得意にしていた分野でも苦しくなっている。

 彼らに残されているのは
1.苦しくても歯を食いしばり、なんとか現状維持に努める
2.大手の傘下に入る
3.中堅同士の合併・提携で体力を付ける(体力の維持に努める)
 ぐらいしかない。

 ただし、いずれの選択をするにしても体力が残っているうちで、体力(企業価値)がなくなってからでは、どの選択もできなくなる。
 マルナカグループがイオンの傘下に入ったのも、まだ体力があるうちにと考えたからだが、中堅スーパー同士の合併・提携も増えている。
 この9月4日、福岡県内を中心に展開する西鉄ストア(西日本鉄道グループ)とスーパーのマルキョウが資本・業務提携を発表したのもその一つで、今後こうした動きは全国で増えていくだろう。

 問題はこうした動きが

      (以 下 略)


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日産の自動運転車 クルマの「物理限界に挑む」に関連して

2013-09-06 15:59:44 | 視点
 8月27日、日産自動車が「自動運転車」を2020年までに発売すると発表しました。
「音波や電波、光線を使うセンサー類や5つのカメラを搭載。道路の走行レーンや
他の車、障害物、信号、標 識などを車が感知して内蔵の人工知能で解析、ドライバー
がハンドルに触れなくても自動で走行する。アクセルやブレーキも自動で操作」
(8月28日付、日本経済新聞)するからドライバーは運転操作をする必要がなくなり
そうです。
 2020年というと7年後です。ついにSF映画や漫画などで描かれていた未来社会がす
ぐそこにきたという感じですね。

 このニュースに関連して、読者の清水肇さんからタイミングよく下記のメールが
届いたので転載します。

> 以前書きましたが、車に関して、ブランド力を支えてきた機械物としてのヨーロ
> ッパ車の100年の歴史、一日の長を感じます。
> ハイブリッドなどの分野で、燃費、環境に対する技術の優位性を日本は示し、2
> 1世紀の車イノベーションを担ったかと思います。また、エレクトロニクスで、
> 機械物の特性を補う局面も日本はリードしてきました。車の利便性だけでなく、
> 必需品としての多様なユーザーニーズの把握、楽しみ、社会文明の活用手段など
> は日欧米で歴史や文化の中で今後も独自に育ち、新しいコンセプトの車の誕生に
> も期待したいです。
>
> (注)ただ、ハイブリッドが本当に環境を配慮した究極の自動車かは分りません。
> 燃料電池車、ディーゼルもあります。提示される燃費で驚いて、トヨタの作戦に
> 乗っている気もします。あえて言えば、家庭用だと初期投資コストは燃費で元を
> 取るのはまだ厳しいですが、環境や燃料消費に対してユーザーが負担をするとい
> う事に考える切っ掛けを与えました。
>
> 所謂モノづくりのレベルでは、中国、台湾、インドなどの追い上げはモデルに対
> してキャッチアップ、経営的視点での低価格化戦略などの点からは安閑としてい
> られません。しかしそこに巻き込まれたら御終いでしょう。
>
> 機電機能としてエレクトロニクス化の優位性を更に引き出すことが必須です。単
> に利便性ではなく、安心・安全のセンスです。搭乗者の原点の、走る、曲がる、
> 止まるに対するだけでなく、環境、持続的発展に対するエネルギー消費、更に重
> 要な社会への配慮(多数の車の稼働、道路などの交通環境、社会としての有益性)
> や他人に対して事故に巻き込まないフレンドリーなことがトランスポーテーショ
> ンには求められ、いよいよ実現し始めています。
> ちなみに、軽自動車が障害物に対して安全に止まる広告を競っています。これは
> 一例で、日産の表記の車はその限界を追究し、他の日本車メーカーもアメリカで
> 壮大な実験を繰り広げている様です。もちろん、自動車ロボットの新たなIT化
> に対するソフト的なビジネスを狙っているのかもしれません。だからグーグルが、
> 単なるGPSやカーナビを超えたパノラマ地図情報を組み合わせて新しい技術イ
> ノベーションを探索しているのかもしれません。
>
> デジタル技術では、モノづくりに関してイノベーションはコンセプトやお手本が
> 有れば厳し追い上げが可能です。昔のアナログ技術では匠の世界などで追いつく、
> 技術を盗む時定数が長い気がしましたが、でも、ITを導入すると、匠を追い越
> せないにしても迫れます。でいつかは追いつかれますね。ITが手段になるモノ
> づくりとはこれから何になるか。
> 表題の車はまだ、発信器、センサー、カメラ、検出器やコンピュータの塊りマシ
> ンみたいな車に魅力あるかは別にして、、、。しかし、無人運転を目指して研究
> を続けているホンダのアシモの進化は少しでも人間に近づいているようで魅力を
> 感じます。
>
>
> ===================
>
> 清水 肇
> -----------------------------------
> 産業技術総合研究所 招聘研究員
> 先進パワーエレクトロニクス研究センター(ADPERC)


 いわゆる日本のモノづくりは今後ますます厳しい状況下に置かれそうですね。
特に中小企業のモノづくりは。
車がどんどんデジタル化、IT化していけば、日本の中小製造業が得意にした「擦り
合わせ技術」は出る幕が激減していくでしょう。
 自動車産業は裾野が広いというのも過去の神話になりつつあります。
電気自動車になれば部品点数は圧倒的に少なくなるのですから。
当然、参加できる企業数も減少しますし、中小企業の中でも上位は残るでしょうが、
それ以外は参加できなくなるのではないでしょうか。
 今後の自動車づくりは機械ではなく電機技術が必要になることと、モジュール化
された部品の組み立て中心になり、参加企業数も少なくて済みます。
勢い、ある程度の規模と技術力の高い社員数を数多く抱えているところに仕事を回
すという方向に進んでいくでしょう。

 では、小企業はどうすればいいのか。
突出した技術を持つこと以外にないのではないでしょうか。
大・中企業と同じようにマスマーケットを狙う必要はない、というか、その発想か
ら脱する以外にない、と私は考えています。
 小市場を狙い、量を追わない、その代わりその分野で突出した技術を磨く。
中途半端な技術ではなく、これしかないと言われる技術力を持つ以外に生き残る道
はないと考えますが、製造業の皆さんはどう思われますか。


拡大再生産する、若者の迷惑行為について(1)

2013-09-03 22:44:11 | 視点
 このところ相次ぐ、若者の面白がった迷惑行為と、ネットへの投稿について書こうかと思っていたところに、読者の清水肇さんからタイミングよく寄稿がありましたので、私のコメントを合わせて掲載します。

> 最近の目立ちたがり屋の若者を見て、「親」の役割も考えなければいけない、社
> 会の制裁が必要な気がします。
>
> コンビニの冷蔵庫で寝そべった写真を投稿し、店は休業どころか閉店にまで追い
> 込まれたという話も聞きました。
> しかも、この手の話が連鎖反応で、、、。
>
> テレビでは、モザイクの画像を使って報道する。(そもそも、目立ちたがった話
> に対して、なぜ報道は人権を尊重してモザイクなのか。その時点では犯罪者の断
> 定されないことだからでしょうか、疑問ですね)
>
> 若者が目立ちたがることは有るとしても、「他人に迷惑を掛けてはいけない」と
> 言うことは家を中心に親のしつけ、義務教育、幼児教育として教え、叩きこまな
> ければいけないことではないかと。

 同感ですね。
私はあまり細かいことまで規制したり道徳教育を行うことに対しては反対ですが、人として犯してはならない最低限のことは教え込む必要があると、学生時代から思っていました。
 例えば「モーゼの十戒」や中国革命期の中国人民解放軍の「三大規律・八項注意」のようなものです。
 モーゼの十戒では次のように定めています。
1.汝、父母を敬え
2.汝、殺すなかれ
3.汝、姦淫するなかれ
4.汝、盗むなかれ
5.汝、偽証するなかれ
6.汝、隣人のものを欲するなかれ
(1~4は神との関係に関することなので、ここでは省略)

中国人民解放軍の「三大規律」
1.一切の行動は指揮に従う
2.大衆のものは針一本、糸一筋も取らない
3.一切の分捕品は公のものとする

「八項注意」
1.言葉遣いは穏やかに
2.売り買いは公正に
3.借りたものは返す
4.壊したものは弁償する
5.人を殴ったり、罵ったりしない
6.農作物を荒らさない
7.婦人をからかわない
8.捕虜を虐待しない

 いずれも基本的な(基本的すぎる)ことです。
でも、この基本的なことが守られていないのが今の現状です。
こうしたことはどうも日本特有なことではなく、世界同時多発的に起きているようです。
「100匹目の猿」現象なのか、それともインターネットというツールにより世界(主としてアメリカ)で起きていることの模倣からなのか。
恐らく後者だろうと思いますが、「100匹目の猿」現象もプラスしているかも分かりません。

 模倣にメディアも一役買っていると思います。
知らなければやらない(それでも「100匹目の猿」現象で実行することはある)が、メディアが取り上げることで模倣がはびこることは昔から多くあります。「津山30人殺し」も過去例の模倣、刺激を受けたと本人が語っています。(津山30人殺しについては「栗野的視点」内の「凶悪犯罪は増えているのか~横溝正史も注目した日本犯罪史上空前の惨劇」で触れています)

 メディアの役割が情報の伝達と再発防止だとすれば(近年のメディアは前者しか考えていないようだが)、「事後報告」をすべきではないでしょうか。

       (以下略)


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