栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

自分の中に4つの軸がある~総形バイトで、複雑な加工形状の切削加工が得意な中原鉄工(2)

2011-12-29 11:39:10 | 視点


自分の中に4つの軸がある

 技能者集団を率いる中小企業のトップは大体職人タイプか技能者・技術者が多い。

当然、中原社長もそうだろうと考えていたら、違った。

「ホウガク」出身だと言う。「コウガク」の聞き間違えかと思い、再度尋ねると「法律の法」と言うので驚いた。

驚いたのは技術のことにやたら詳しいだけでなく、自分でも切削加工ができると言うからだ。

 大学は東京大学法学部卒業。政治学を専攻。住友重機械工業(株)に入社し精機事業部企画室

国際企画室、シンガポール駐在員、プラスチック機械事業部企画、同事業部営業部、

同海外営業部と歩いたが、93年に突然退職し、父の経営する中原鉄工(株)に入社。

 一流企業で世界を飛び回っていた文系出身の2代目と、腕は確かだが寡黙な職人達。

最初は互いに相手を観察するような目で見ていたであろうことは容易に想像がつく。

「技術も分からない奴が頭だけで物を言うな」

 古くから居る職人程そういう目で見ていた・・・

   続きは「まぐまぐ」内の「栗野的視点」で



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今年1年の反省

2011-12-17 12:34:51 | 視点
栗野的視点の読者の皆様

 今年1年お付き合い頂き、ありがとうございました。
年末までまだ少し時間がありますが、今年の反省をしてみたいと思います。

 今年は国内外共に大きな変化があった年です。
しかし、私が期待した変化は起きず、その芽は潰れかかっているような気がします。
残念ですが。

 さて、個人的には反省多き1年でしたが、中でも最も反省したのは帰省中に引き起こした出来事です。
反省と書きましたが、懺悔という言葉の方がピッタリくるかも分かりません。

 兵庫県佐用町のマックスバリュで買い物をしている時のことです。
冷蔵ケースの前で商品を見ている私の前を女性従業員が通ったのです。
最近、どこの店でも人の後ろではなく、わざわざ前を平気で横切る人が増えています。
とても失礼な行動だと思いますが、この場合は店の従業員だから余計です。
「失礼します」の一言もありません。
全く私の姿など目に入らない風で、前を横切ってショーケースの商品を点検する態度にさすがにムッとしました。

 実はこの女性従業員は以前にも同じ行動をしたことがありました。
一体、イオンはどういう教育をしているんだ、とまたまたお節介焼きが首をもたげ、その従業員に注意しました。
「従業員が客の前を通るというのは失礼だろう」と。
 ところが、彼女は私の話を聞いても、きょとんしたままです。
20歳前後の新入社員ではありません。常識をわきまえているはずの中年女性でした
が「申し訳ありません」の一言もありません。

 二度も同じミス、年齢、そういうことを考えると、ここは厳しく注意しなければ、と「店長を呼びなさい」と言いました。
「店長は今日休みなんです。副店長ならいます」
 まるで他人事の返事です。
これはいよいよダメだわ、と呆れながら、出てきた副店長に注意しました。
「客の前を平気で従業員が通るなんて、イオンは一体どういう教育をしているんだ。
しかも、この子は前にも同じことをした」

 私が注意しているのに
「君はいいから向こうに行っていなさい」
 副店長は私に謝りながら、その女性をその場から去らせようとするのです。
 おい、おい、それはおかしいだろう。それでは客の苦情をただ聴くだけで、意味ないではないか。これだから売り場がおかしくなるのだ。
 そう思うと余計腹立たしくなってきました。

「あの・・・、あの子は・・・」
 なんだ、人の話をまともに聞こうとせず、あの子がどうした。上がそんなだから下もおかしいのだ。個々の問題というよりは、これはシステムの問題だな。
そんなことを一方で思いながら注意の言葉を続けていましたが、副店長の言葉にちょっと引っかかるものがあったので、言葉を切りました。
「ん・・・。もしかして・・、知的障害?」
「はい、申し訳ありません。あの子には分からないものですから」
「いや、悪かった。そうと知っていれば。申し訳ない。こちらが悪かった。あの子を叱らないようにして欲しい。悪かった」
 今度はこちらが謝る番です。

 彼女は決められたことを決まったやり方でしかできないのです。例え客が商品を手に取ろうとしていようと、その前を横切らずに迂回するとか、「失礼します」と声をかけて作業をすることはできないのです。途中でいつもと違うことをすれば、分からなくなるから。
 「私もこの店に移動してきた時は彼女のことを知らなかったのです。事情をご存知ないお客様からも時々苦情を言われます。その度に今回のように事情をご説明し、ご理解を頂くようにしています」

 この時ほど、自分の行動が悔やまれたことはありませんでした。
いくら彼女が事情をよく理解できないといっても、私に怒られたという感じだけは残ったと思います。なんともいえないやり切れなさ、情けなさが残りました。

 いつまでたっても人間ができない自分自身の情けなさです。
私自身の今年一番の反省でした。

 除夜の鐘を聞きながら108の煩悩を少しでも減らしていきたいと思います。


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児孫の為に美田を買うな!(3)~間違った帝王学

2011-12-14 15:31:57 | 視点
これは2つの意味で危険である。

1つは会社の存続。

2つめは会社に不正がはびこる。

             (略)

4.子を潰しているのは親の方

 問題は子より親の方である。三国志に出てくる蜀の国を滅ぼしたのは創業者、劉備玄徳と言えなくもない。

劉備は我が子、禅かわいさに、諸葛亮に次のように遺言する。

「もし嗣子輔(たす)くべくんば、これを輔(たす)けよ。もしそれ不才なれば、君自ら取るべし」

 これを聞いた諸葛亮は言う。

「臣敢えて股肱の力を尽くし、忠貞の節をいたし、これに継ぐに死をもってせん」と。

 現代風に言うなら・・・

             (略)


 社長業を継がされた息子の方も不幸だろう。

 にもかかわらず、なぜ息子は跡を継ぐのか。



5.間違った帝王学~無階級国家の欠点

 成り上がりという言葉がある。1代で財をなした者に多少のやっかみを込めて使われるが、

財は1代で成すことができても、1代ではどうしても成せぬものがある。

それは・・・

そこをよく理解していない経営者が多い。ダメ息子が増えるはずである。

 明治維新後、日本は近代資本主義の道をひた走ってきた。

しかし、それは文化抜きの資本主義、いわば資本主義の表面的なマニュアルを都合よく導入しただけだった。

文化も精神も置き去りにして。

 これが欧米の資本主義と日本の資本主義の決定的な違いであり、

それは帝王学の違いとなっても現れている。

 欧州には・・・

             (略)

 児孫のために美田を買わず、と言ったのは西郷隆盛である。

美田を残す必要はない。残さなければならないのは・・・


そうすれば身内の不祥事は防げる。会社を守れる。



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会社の存続を願うなら、児孫の為に美田を買うな!(1)

2011-12-13 16:12:18 | 視点
 賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ、と言われるが、人間というのはどうも歴史に学ばないようだ。

というより、歴史そのものを知らない、あるいは学ぼうとしないのかもしれない。

でなければ、このところ次々に起きる愚行の説明がつかない。

 例えば大王製紙の井川意高前会長が特別背任容疑で逮捕された件。

多くの人達が対岸の火事という風に受け止めているように見えるが、果たしてそれでいいのか。

 たまたま今回の場合は100億円という巨額な使い込みだから、自分の所には関係ないという思いが強いのだろうが、

金額の多寡を別にすれば実は中小零細企業でも起きることだし、事実そうした例は多いはずだ。

 では、なぜ、こうした身内による使い込みが起きるのか。

なぜ、それを防げなかったのか。

問題はどこにあるのかを考えてみたい。

1.身内の犯罪が圧倒的

 大王製紙は上場企業である。それでも会社=創業家、会社の金=自分の金と思っている。

財布が一緒なのだ。だから平気で会社に電話して、数百万~数千万円単位で振り込ませる。

どうせ俺の金だからと。

 それにしても額が大きすぎた。

100億円もの「借り入れ」に誰も気付かなかったのだろうか。

 これは別の機会にも書いたことだが、人間は

        (略)

 1つはチェックシステムが

 2つめはシステムがあっても運用が

 3つめは根拠なき安心感。


        (略)

2.3代目が身上を潰す


        (略)



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