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肥満度とBMIの関係、「不健康やせ」の判断

2005年09月24日 | こども・小児科
思春期以降は肥満だけでなく特に女子のやせ願望、病的なやせ、摂食障害(の早期発見)が重要な問題になってきます。

ただし、これは肥満の場合でもあてはまることですが、特にやせの場合はワンポイントで何パーセント以上が異常とか、中等度とか重度などと判断することは適当でなく、一般に
 肥満度で-15%以上、
 あるいはBMI<18.5
をやせと判定しているようですが、あくまでその判断は数字ではなく成長曲線でなされるものです。

小児科学会の委員会報告に「その子にとり自然な上昇曲線から1チャンネル(-1SD)以上体重が下方にシフトしていたら、成長発達に有害な“不健康やせ”と診断します」と書かれていますが、たとえ肥満度が-10%であっても、それまで±0%だった子が短期間で10%減少したとしたら、異常なやせ(またはその始まり)ではないかと疑った方がいいわけです。

厚労省の幼児身長体重曲線(母子手帳記載)には
 肥満度+30%以上:ふとりすぎ、+20%以上:ややふとりすぎ、+15%以上:ふとりぎみ
    -15%以下:やせ、-20%以下:やせすぎ
との目安も掲載されています。

神経性食欲不振症の診断基準の一つに-20%(米国学会では-15%)という項目があります。

また、肥満度の基準となる標準体重も、思春期以降は一般にBMI=22の体重、小学生は年齢身長別標準体重(※)を使っていますが、この2つでも差がありますので、絶対値はあくまで目安と考えるべきでしょう。

(※新旧あって新しいものの方が1kgくらい重いのですがそれを使うと基準が変わってしまい過去との比較ができなくなりますので古い方を使っています)

BMIと、BMI=22を標準体重とした肥満度、年齢身長別標準体重を元にした肥満度の関係ついては、下記の表の例を参考にしてください。このケースは異常のない生来のやせ体型です。


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