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八戸市および医師会への要望「一般への接種券は一斉に発送して医療機関ごとに柔軟対応を/小児への拡大/モデルナの活用を」

2021年06月03日 | 新型コロナ
八戸市では、一般向け接種券の発行についてなんら方針が示されておらず、現場では次の段階への対応ができない状況になっています。以下の本文にも書いたように、障がい者・施設職員、看護学生、保育士、教師、消防士などへの接種も急がなくてはいけません。要望メールの全文を掲載しますが、どうなるかわかりません。関係の方や市民の声も上げていただければ幸いです。

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先週以来、田村厚労相や加藤長官の発言・指示が矢継ぎ早に出され、八戸市・階上町でも接種券発送の準備が進んでいるはずだと思います。

医師会および市保健所にお願いしたいことはタイトルの通りで、

1)年齢ごとに段階的に発送するなどということはせず、12歳以上(16歳以上)の全年齢に一斉に発送していただきたい(政府の指示通り6月中旬までに)
2)集団接種を除けば、予約開始日を決めることなく、医療機関の態勢に応じて個別に対応するようにする
3)モデルナのワクチンを可能な限り確保し、その分浮いたファイザーのワクチンを全年齢に広く活用する

田村厚労相が語った64歳以下ワクチン接種の全貌
基礎疾患ある人もない人も「分けずに」柔軟に
2021/05/31
https://toyokeizai.net/articles/-/431567
64歳以下の接種券発送は6月中旬 厚労省が自治体に求める
2021年5月25日
https://www.fnn.jp/articles/-/187453

おそらく、多くの方も似たような認識だろうと想像しますので、説明は省きます。
当院では、6月末には供給が接種スピードを上回る見込みであることに加えて、集団接種も開始され、8月以降も多数の予約を抱えている先生方がいることなどを考慮して、6月末までで高齢者の予約を終了させていただきました。
7月からは、高齢者の倍くらいの規模である一般成人や大学生・中高生への接種が始まるはずと見越してのことです。(その次には、小学生への拡大も待っているはず)

次の段階では、年齢(60-64歳)や基礎疾患の有無などといった「輪切り方式」で個々の医療機関が予約を受けるのは実質的に不可能です。
(集団接種はある程度段階的に受けていかないと難しいかとは思いますが)

また、若年者であっても、発達・知的障がい者および家族・施設職員、看護学生、保育士、教師、消防士・救命救急士など、本来であれば優先順位の高い人たちへの接種も積極的にすすめるべきと考えます。

中高生への接種が開始され、さらに小学生への接種拡大となれば、成人は内科医、小児は小児科医というように役割り分担していかないと不可能ですが、子どものかかりつけ医で親が一緒に接種したり、親が内科で接種するときに子どもも一緒に接種するというような状況は当然あり得ると思います。

これまで個別接種を実施していなかった小児科でも、小児や若年者に限れば実施する医療機関が増えてくるはずだと思います。

年齢ごとに接種時期を分けるというのは非現実的なので、各医療機関の特性と受け入れ可能な状況により、個々に判断して、様々なかたちが並行しながら進めていくのが最も効率的だと考えます。
また、その場合の予約の時期や方法なども、各医療機関の裁量に委ねていただきたい。(当院では電話予約は原則として受けないことにしました)

また、専門家会議の意見の中にあったようですが、中高生(さらには小学生)の接種の際には、学校での集団接種はすべきではないと考えます。おそらく多くの先生も賛同していただけるはずだと思います。もし実施した場合でも、協力はできかねます。

秋のインフルエンザ接種も考慮に入れないといけません。
現状では、来シーズンも大きな流行にはならない可能性がありますが、やはり接種は進めるべきと思います。その際に、新型コロナとの同時接種が手段となるとは思いますが、煩雑になるので、できればその前にある程度進めておきたい。。

行政側としては、供給が許す限り、接種可能な医療機関に対して、高齢者などと並行して一般への接種を進められるようにしていただきたい。そのためには、年齢ごとに発送することはせずに、準備ができ次第、12歳以上の全年齢に発送していただきたいと要望します。

モデルナのワクチンについても、供給量にもよりますが、集団接種に用いるなどして、これまでファイザーで開始した医療機関にはファイザーのみで最後まで供給していただくことが混乱を防ぐ意味では必要かと思います。

(なお、将来的に拡大される可能性のある乳幼児への接種については、個人的には疑問もあり、考えあぐねています。まだそこまで議論する段階には至っていませんが)

早急にご検討くださいますよう、お願い申し上げます。

(追記)
誤解を与えたかもしれないので説明します。当院では、高齢者ワクチン予約を一旦打ち切りましたが、7月1日からの接種に向けて、6月15日頃から、高齢者を含めた全年齢で再開する予定です(一般への接種券発送状況により判断)。現在は、集団接種で予約してもらった方が早く接種できる可能性が高いと説明してお断りしていますが、64歳以下への接種方針が市から表明され次第、希望の方はお受けする方針です。

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